『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)36年ぶりにスクリーンで鑑賞。ミュージカルは苦手だが、こんな時こそ苦手を克服しよう。

先週、奈良県のスターバックスコーヒーが1ヶ月ぶりに店内での飲食がOKになったことを受け、久しぶりに人で混むかもと予測し、お昼前にお店に出かけ、カフェラテをグランデで味わって来ました。

 店内は半分以上の席が撤去され、バリケードみたいに積み上げられていて、通常影響まではもう少し時間は掛かりそうでしたが、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラが流れる店内からは日常を感じることができます。

 誰が歌っているかは分かりませんでしたが、『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』がしっとりと歌われています。この曲を聴いているとエヴァを思い出し、今年の十月に本当に新作が公開されるのだろうかとモヤモヤしています。

 家でも冷凍保存していたグアテマラ・アンティグアやコロンビア豆スプレモを細かめに挽いてあった豆をペーパードリップでゆっくり出したりしていましたが、広い空間でのんびり頂くのが一番です。


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 仕事終わりに整体にも通い、目肩腰に溜まった疲労を取り、サウナでボーっとしていたい。もっとも、急に緩みすぎている感は否めず、一応は緊急事態宣言下でもそんなに感染者が増えなかった奈良はともかく、仕事場の京都はまだ解除されて間もないのに関わらず、パチンコ屋は開いているし、スーパーやドラッグストアには多くの人が平気な顔して闊歩していました。

 またあちこちでクラスターが発生しそうです。近くで大声で喋る輩はゾンビにしか見えませんし、テレビの過去映像でラーメン屋の行列などを見かけると、今では恐怖映像にしか見えない。

 そして今週から、ようやく近所の映画館が営業を開始しています。さっそく仕事終わりに運動を兼ねてあえて隣の市町村にある近くの劇場まで自転車で行ってみると、新作は少ない。

 ただしその代わりにスクリーンに掛かっているのは『ゴッドファーザー』『君の名は』『ローマの休日』『シン・ゴジラ』『ボヘミアン・ラプソディ』『マッドマックス4 怒りのデス・ロード』などで、まるで名画座のラインナップのようです。

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 ここまでやるなら、いっそ『夕映えに明日は消えた』『獣人雪男』『ノストラダムスの大予言』『博徒七人』などの作品群をどさくさに紛れて封印を解いてほしい。誰に武漢ウイルスを感染させられるか分からない、疑心暗鬼の現実の方がよほどホラーな訳ですから大抵のモノは怖くもない。

 まずは上映時間まではのんびりコーヒーでもと思い、再開後、なにかと通っているスタバでグランデを注文し、席に着いて、ようやくマスクを外せました。さすがに暑くなってくると苦痛になってきていますし、耳が痛くてしょうがない。

 今回は二日連続で劇場に通い、『シン・ゴジラ』と『サウンド・オブ・ミュージック』を観てきました。結局、公開時を含めると『シン・ゴジラ』は4回目の鑑賞となります。

 マッドマックスに関しては観たいのは『マッドマックス』『マッドマックス2』の二作品なのになあと少々残念に思いますし、東宝系ならば、エヴァ劇場版をこの際上映し、十月に備えるという手もあったかと思っています。

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 まあ、何はともあれ、座席は飛び飛びでスカスカではありますが、暗闇の中に映えるスクリーンに向かう日が再び来たことが素直に嬉しい。さあ、映画館の経営を守るためにガンガン通いましょう!

 さて、今回の主役『サウンド・オブ・ミュージック』をスクリーンで観るのはじつに三十六年ぶりです。近くの劇場で名作のリバイバル上映が武漢ウイルス後の試運転として始まっていて、様子見営業の為に行われているようです。

 三ヶ月分のたまりに溜まった新作のストックもあるでしょうから、全ての作品は客入りが悪かったら、容赦なく早期に打ち切られて行きそうではあります。『サウンド・オブ・ミュージック』について話を戻します。

 前回は中学生の頃、学校で特別授業として二週に分けて、有無を言わさずに視聴覚室で延々と見せられ、感想文を強制的に書かされたため、思春期特有の反抗する十代だったため、かなりこの映画に対する反発は強くなりました。


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 ちなみによせば良いのにウチの学校の翌年の特別授業はなんと『ウエストサイド・ストーリー』だったのが僕のミュージカル嫌いに大いに悪影響を及ぼしています。

 文部省が授業として認めるくらいだから、十代には「押し付けでつまらないものに決まっている!」と当時は考えました。

 その頃、スタンリー・キューブリック『時計仕掛けのオレンジ』を見てしまい、そこでの『雨に唄えば』の使われ方が暴力的だったこともあり、皮肉屋キューブリックがわざわざ取り上げるくらいなので、ミュージカルそのものが体制側の予定調和の象徴に思えてしまいました。

 今にして思えば、学校にしてもつまらない授業に刺激を与えるために良かれと思ってのことなのでしょうが、反抗期の生徒には全く伝わらずに今日に至っています。お芝居に関しては宝塚歌劇団を観にちょこちょこ出かけていた時期もあるので、観劇自体が嫌いな訳ではありません。


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 まあ、せっかく武漢ウイルスに苦しめられてからようやく映画館に通う日々を取り戻せた訳ですから、ここは大人になって、まっさらな気持ちで三十六年ぶりにしっかりと作品に向き合おうと決めています。

 五十代に入り、人生も残り三割くらいでしょうから、食わず嫌いを止めて、唯一無二の苦手分野ミュージカルを味わっていくぞとか身構えず、のんびり見ていきます。

 次々に飛び出す『サウンド・オブ・ミュージック』『もうすぐ17才』『さようなら、ごきげんよう』『ドレミの歌』『すべての山に登れ』『エーデルワイス』の連打に圧倒されてしまいます。

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 有名な楽曲は小学校でも習う『ドレミの歌』や『エーデルワイス』なのでしょうが、個人的には一番印象的なのは別の楽曲です。

 それはアベス(安倍のではない)修道院長(ペギー・ウッド)が恋心を告白したジュリーを励まして、暗闇の中で大迫力で歌う『すべての山に登れ(Climb Every Mountain)』はスイスへの脱出シーンでも使われたため、とても強く印象に残っています。

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 もちろん音楽祭シーンでクリストファー・プラマーがナチス・ドイツに占領された悲しみと怒り、そしてオーストリアの観衆への激励を込めて震えながら熱唱する『エーデルワイス』は演出としてはベタなのでしょうが、観客(ぼくを含めて、数人が解っているのに鼻をすすっていました)に分かりやすく伝わります。

 また長女シャーミアン・カーと若いオーストリア青年のダニエル・トゥルーヒットがさわやかに恋に落ちていたのが、徐々にダニエルに変化が起こり、ナチズムに安易に傾倒していく様子と恋人とその家族であろうが権力に売り渡してしまう恐ろしさが描かれています。

 インターミッション明けに来る怒涛の占領下の最後の30分間に及ぶ逃走劇は一気にサスペンスが盛り上がりますし、最後に愛は勝つというハッピーエンドへの期待が裏切られる展開はミュージカルにちょうどいいアクセントとスパイスを与えています。

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 クリストファー・プラマーとジュリー・アンドリュースの恋模様と前妻を失い壊れていた家族との絆を再構築していく物語とナチス・ドイツ台頭下での自由の大切さと若い人が感化されていってしまう怖さなどを描く名作は半世紀経っても色褪せることはないのだと三十六年ぶりの鑑賞ではじめて認識しました。

 さて、家に帰って見るとなんとあのアベノマスクがようやく我が家にも届きましたが、今ではまったく不必要なので、来年来るであろう第二波の時に備えて、どうしても手持ちのマスクが無くなったら、使ってみます。

 砂漠ではボロボロの動物の内臓の革で作られた水筒に入った水でも喜んで飲むでしょうが、オアシスがあれば見向きもされない。エロ本は中高生にはありがたいが、彼女や嫁が出来れば、ただのゴミです。それと同じで、大流行期には藁をもつかむ思いでも、助けが来ずに自力で何とかしてしまえば、国に用はない。

 国が支給する10万円はドン臭い奈良では来月だか、再来月まで入金されないようですが、「おうちでDVDを見よう!」から「劇場で映画を観よう!」に変えて行きましょう!

総合評価 90点

サウンド・オブ・ミュージック 製作50周年記念版 ブルーレイ(3枚組) [Blu-ray] - ジュリー・アンドリュース, クリストファー・プラマー, シャーミアン・カー, ロバート・ワイズ

サウンド・オブ・ミュージック45周年記念盤 - サントラ

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