『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019)FOX製作での最終作品。『LOGAN』で燃え尽きたファンたちにどこまで響いたか?

 シリーズ最終話とも言える『LOGAN』で最も有名かつ人気があった、このシリーズのアイコン的な存在でヒュー・ジャックマンが演じたウルヴァリンの最期の姿を感動的に描いていた為、ずっと観に行っていたぼくも「ウルヴァリンも死んじゃったし、もういいや…」という思いがありました。

 そのためか、今回の新作に関してはあまり乗り気ではなく、見に行くか、どうしようか迷っていたこともあり、観に来るのが延び延びになっていました。しかしながら、最初の作品『Xメン』(2000)からここまでずっと付き合ってきましたので、今回も足を運んでいます。

 ついでにもうすぐ始まる『トイストーリー4』の前売り券を購入し、席に付いています。内容全体を見る限りはダークな世界観とビターな展開は維持されていて、悪い感じではないものの、これまでの作品世界の流れに準拠していないキャラクターの使い方にどうしても拒否感が強くなりました。

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 ウルヴァリンと並び、哀愁漂う重要な配役の一人であるレイブン(ミスティーク。ジェニファー・ローレンス)を呆気なく前半の内ゲバで殺してしまいますが、エイリアンによる仕業ではなく、よりによって、理解者として仲が良かったはずのジーンに殺害させるミスを犯しています。

 敵方であるエイリアンならともかく、仲間内のイザコザでのレイブンの退場は解せない。この映画シリーズは一見さんお断りの敷居が高い作品群のため、観に来ている観客も各キャラクターに思い入れが強くなっています。

 また、今回の主役となるジーン(ソフィ・ターナー。ぼくはファムケ・ヤンセンが演じていたジーンの印象が強い。)の扱いに関しても疑問があり、あまりにも強力な能力を身につけさせてしまったため、対ミュータントだけではなく、対エイリアンでもキレたら手が付けられない無双状態にしてしまいました。

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 異常に強くしてしまったために、もはや感情移入できない遥か遠い存在のキャラクターになりました。唯一彼女を止められる力、つまり愛情が深かったタイ・シェリダン(スコット)でも無力にしてしまったのは脚本の失敗でしょう。完全無欠では誰も支持しません。

 丸顔のジーンが原因で街の破壊などかなりの損害を出しているのに唐突なエンディングでは何事もなかったかのようにパリのカフェでマグニートーとチャールズはチェスに興じ、ミュータントの寄宿舎にはジーンの名前が刻まれている。

 何だこりゃ?どうやって、信頼を取り戻したのだろうか。セリフに関しても酷く、❝フォース❞というワードを連発しています。「フォース?」「オレはスター・ウォーズを観ているのか?」という違和感が発生するだろうということを演出や脚本は考えなかったのだろうか。どうせならば、理力と訳してほしかった。

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 先ほど記述したように主要キャラクターを意味なく、作品の中盤にもかからないうちに抹殺してしまったことも併せて、今回の脚本は明らかに失敗で、以降のエピソードがスンナリと頭に入ってきませんし、パラレルワールド設定を知らずに劇場へ足を運んだぼくには衝撃的な展開であるとともに疑問符がずっと浮かんだまま、エピローグまで見る羽目になりました。

 エンディングの最後によくありがちな、ちょこっと先の展開を暗示する場面が出てくるのかもと想定しながら、スタッフロールを眺めていたものの何事もなく照明が灯り、映画は終わりました。後から調べると今回の作品をもって、FOXが製作から退くことを知り、作品も他の作品とのリンクはしていないと分かりました。

 いったい何のために製作されたのだろうか。疑問だけが大きく増幅される作品で、劇場を後にした時に降り出した強い雨と重なり、ウンザリする気持ちが強くなり、不快感が増しました。たぶん、脚本の失敗でしょうが、残念な終わり方でした。アメリカでの興行も失敗したとのことでしたが、理由が分かる気がします。

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総合評価 60点

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