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zoom RSS 『魔界転生』(1981)友だちが“エロイムエッサイム”と唱えていたww

<<   作成日時 : 2018/07/22 23:18   >>

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 小学校の高学年のころ、公開された作品で、当時はジュリーのカラーコンタクトの不気味さに驚いていましたが、一番怖かったのはこの映画には実際にはいないはずの人、つまり亡霊が映り込んでいるというスポーツ新聞の記事で、子供ながらにビビっていました。

 場面的にはオープニング直後の島原の乱を平定した成田三樹夫(伊豆の守)らが能の奉納を受けている際、惨殺された切支丹の生首の中にそれが映り込んでいるというものですが、今となってはさっぱりと分かりません。

 観に行ったヤツに「お化けは映っていたか?」と尋ねると、「わからなかった。」と残念そうに答えていたのを覚えています。大ヒット作品でしたので、映画館から帰ってきたバカな同級生はみな“エロイムエッサイム。エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!”というジュリーが唱える呪文をマネしていました。

 結局、ぼくが最初にこの映画を見たのは1985年くらいのテレビ放送で、そのころは高校生になっていたので、僕らの関心はもっぱらエロシーンに限られていました。佳那晃子の演じるガラシャの妖艶さはもちろん、胤舜の欲望のままに繰り返される強姦殺人、小娘に惹かれた真田に対し、ジュリーが「犯せ!」と手ほどきをするシーンにはドキドキしました。

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 今の放送コードならば、もし当時の深作監督があの少女の強姦シーンを撮り、ヌード撮影を強行していたならば、間違いなく永久にお蔵入りだったであろうことは想像できます。

 その当時の初回放送から数えて、ビデオやBSなどを含めると5回位は見ているでしょうが、飽きが来ない娯楽作品として楽しんでいます。さすがに中盤のもたつきにはどうかなあとも思いますが、それもクライマックスの江戸城内大炎上シーンへの助走だと思えば、それも楽しめます。

 もっとも東映らしいエログロ描写の乱れ打ちには閉口しますが、この映画にはそういうあざとさも合っているように思います。なんせ、戦場の生首、磔、強姦、薪狩りでの領民虐殺、ジュリーの刎ね飛ばされる生首などグロテスクなカットが次々に出てきます。

 ただ久しぶりに見て思ったのはジュリーとガラシャという戦国から江戸初期にかけての有名な切支丹の凄惨な死に様を経て、恨みとともに甦った魔物とその他の黄泉がえりの面々のモチベーションというか、恨みの深浅にあまりにも差があることです。

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 後悔や無念で魔物に転生出来るのであれば、世の中、魔物だらけになってしまいます。ここは強い怨念という要素がないと生き返らないようにしてほしかった。

 柳生但馬は息子と戦いたいだけ、武蔵は但馬や十兵衛と戦いたいだけ、胤舜は女とヤリたいだけ、真田は中途半端なのでイマイチ転生する意味がない。

 まあ、そうはいっても、武蔵(緒形拳)が村正の小屋に尋ねてくるシーンでの地響きのようなポルターガイスト現象の凄味と笛の音に心を揺り動かされる未練、甲賀衆を歯牙にもかけない圧倒的な実力差を見せつけて殲滅していく木刀さばき、十兵衛と対戦する海岸での緊迫感は最近の俳優たちには出せない迫力です。

 若山富三郎演じる、柳生但馬守の殺陣の迫力も凄まじく、城中の狭い通路で城詰の侍達とひたすら斬り合いをし続ける死神のような一連の動きには驚かされます。クローン大戦で急に動き出したヨーダを思い出してもらうとちょうどいいかもしれません。

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 室田日出男演じる胤舜も鮮烈な印象を残しています。道ですれ違うのが女であるだけで槍で突き殺したくなる妄想に取りつかれた僧侶の姿は恐ろしい迫力ですし、修行を積んでも煩悩は無くならないという本質をついているようにも思います。

 魔物として甦った後はやりたい放題にくのいちや大奥の女を乱暴に犯し、殺し続けるというシリアルキラーのような様相を呈してきます。

 主な出演者は以下の通りですが、昭和世代としては懐かしの顔が多く、それは嬉しくもあり、逝ってしまった方も多く、寂しい気持ちもあります。

 沢田研二(天草四郎時貞)、千葉真一(柳生十兵衛光巌)、若山富三郎(柳生但馬守宗矩)、佳那晃子(細川ガラシャ夫人)、緒形拳(宮本武蔵)、室田日出男(宝蔵院胤舜)、真田広之(伊賀の霧丸)、丹波哲郎(村正)、神崎愛(おつう)、成田三樹夫(松平伊豆守)と今振り返るとビッグネームが多く、楽しくなります。

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 映画の魅力をさらに引き立てる辻村ジュサブローの衣装設定が素晴らしく、人形劇で育った世代にはたまらないデザインです。衣装で誰が担当したのかを分からせる人もいなくなってしまい、残念です。

 ラストシーンの演出を最初に見た時は首を切られたジュリーが成敗されても滅することなく、ふたたび舞い戻ってくることを十兵衛に告げて、突然終わりになります。気味悪さでは日本映画史上に残るエンディングではないでしょうか。

 これは続編があるのかと当時は期待していましたが、いつのまにやら時は過ぎ、もう公開されてから約40年近くも経っています。公開当時は観客動員数が200万人超えだったそうなので、角川がその気になれば、なんとか製作できたのではないか。

 さすがに続編が製作されることはないでしょうし、いったいあのエンディングの意図は何だったのだろうか。なんかリメイクされたこともありましたが、ジュリーや千葉ちゃんに勝てるわけないのに無謀だと気づかなかったのだろうか。

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総合評価 75点



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