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zoom RSS 『超高層プロフェッショナル』(1979)鉄骨職人の漢が大活躍するぜ

<<   作成日時 : 2017/02/22 22:13   >>

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 この映画をはじめて見たのはテレビ放送の吹き替え版で小学生の頃でした。誰が解説していたのかも覚えていません。ただ土曜日か日曜日だったのはおぼろげに覚えているので、おそらくはフジテレビか12チャンあたりでしょうか。

 題名はもちろん忘れていましたが、ヘルメットを被った職人たちが命綱をつけただけでゴツゴツした鉄骨の上を平然と歩いているシーンにぼくは驚き、このシーンのみを頼りに探してみることにしました。

 Googleで映画、高層ビル、職人、建築などのキーワードで検索すると、この映画のタイトル『超高層プロフェッショナル』がヒットしました。

 探ってみると1979年製作でオリジナルタイトルは単刀直入な『STEEL』、つまり鉄骨でした。高所恐怖症の僕にとってはあの高さで作業している様子を見るだけでも気が遠くなっていきますので強く記憶に残っていたのかもしれません。

 見ているとジョージ・ケネディがまたまた出ているではありませんか。アーネスト・ボーグナインとともに脇役のお気に入りである彼が出演しているので、ちょっとテンションも上がってきます。すぐにヤフオクで探してみると、販売用VHSが500円で出品されていましたので迷わず落札しました。

 レンタルビデオ屋さんからVHSが消えてしまってから、もうすでに10年以上は経ってしまい、有名スターが出ていない過去作品をなかなか発見しにくくなってはいますが、ヤフオクやAmazonがあるおかげで昔みたいに都会の裏通りでひっそりと営業しているビデオ屋さんまで行脚して捜査する必要がなくなったのはかなりありがたい。

 DVDも発売されているようですので、需要はあったみたいです。もしかするとTSUTAYAに並ぶかもと思いながらも、もし在庫されなかったら、格安を逃すかもしれないのでクリックしました。

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 『パニック・イン・テキサスタワー』『マッド・ボンバー(めでたく発売)』『ダーティ・ハンター』『白い恐怖』(ヒッチコックのヤツではない。)などもなんとか出して欲しい。しかし結局いつまでたっても出ないのでアメリカ盤で購入しました。

 内容は高層ビルが舞台の映画です。高層とは言っても現在の基準で考えるとごくごく普通のテナントビル程度の高さでしかないが、予算の都合でしょうからそのへんは突っ込まないようにしましょう。

 みんなが思い浮かべる『タワーリング・インフェルノ』のような超大作で使われるビルは本当に高そうです。しかしパニックを描くわけではなく、鉄骨工事の棟上げを生業にする熱い職人たちの地味な活躍にスポットを当てた渋い作品です。

 「うん!?職人がビルの鉄骨を組み上げる映画!?何それ!?」「それって娯楽として成り立つ!?」とエンタメ重視のハリウッドの現状しか知らない世代の人からすると何故の嵐でしょう。

 まあ、昔は日本でもダム建設を描いた傑作との誉れ高い『黒部の太陽』が超大作として公開されたこともありましたし、同じく石原裕次郎が出演した建設ものには『富士山頂』という作品もありました。ブルドーザーとネビル・ブランドを主役に据えた不思議SF『キルドーザー』というのも懐かしい。

 最後のはトンデモ作品ではありますが、それでもこの『超高層プロフェッショナル』のように当時の骨太で筋肉バカで体臭とアルコール臭がキツそうな野郎たち(みんなイイ顔しています)が束になってかかってくるとリアリティと人間らしさが画面いっぱいに広がってきます。

 現場監督リー・メジャースはジェニファー・オニールの要請に応じ、ジョージ・ケネディの右腕だったアート・カーニー(ピグノーズ)の支援を得ながら、リチャード・リンチ(ダンサー)、R・G・アームストロング(ケリン)、レッドモンド・グリーソン(ハリー)、アルバート・サルミ(タンク)、ロバート・テシア(チェロキー)、ハンター・ヴォン・リール(サーファー)ら“歴戦の勇士”をスカウトしてきます。


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 内容はジョージ・ケネディが社長を務める建築下請け会社がライバルとのトラブルに巻き込まれ、結果として彼はビルの建築現場から墜落死を遂げる。会社存亡の危機に愛娘が立ち上がり、父の遺志を継ぐもののライバルの妨害は熾烈をきわめるといったような内容です。

 12チャン映画の常連であるジョージ・ケネディはいつものような安定感でデカイ割りに足が細い巨体をユサユサ揺らし、他の出演者を威圧します。

 彼はビル工事の専門家として鉄骨工事を請け負う会社社長役で、劇中には建設途中の高層ビルの枠組みだけで剥き出しの鉄骨の上を平均台のように渡っていくシーンがあります。

 前半のクライマックスとなる現場事故シーンでは、ビビリの新人作業員を救うために危険を犯し、彼を救い出すものの自身は爆発と火災が原因で最上階から落下して絶命する。

 このシーンは非常にリアルでよく撮れていたなあと思っていると、これはスタントマンのリアルな決死のダイブでスタントマン本人はそのまま本当に死亡してしまいます。

 それでも彼の活躍を無駄にせずに映画に最後のスタントを使っています。エンディングのテロップには亡くなったスタントマンを偲び、この映画が彼に捧げられたことを伝えています。

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 役柄上はジョージ・ケネディであり、彼の跡目を引き継いだお転婆娘は七人の侍を探すように腕に覚えのある曲者の職人たちをスカウトしてきます。

 真っ先に現場監督としてスカウトしたリー・メジャースはかつての後遺症からか高所恐怖症になってしまい、職人としてはまったく使い物にならなくなっています。

 自分でもそれを克服しようと陰で鉄骨を渡ろうとするシーンがありますが、同じく高所恐怖症の僕は鉄骨の下に見える地面の様子を見るだけで気が遠くなってきます。

 ヒッチコック先生の『めまい』で表現された高所恐怖症の感覚は芸術的でしたが、この映画で用いられている手持ちカメラの視点がぶれていく感覚も恐怖を味合わせてくれます。

 小学生の頃に一度見ただけだったので、四十年近く経っていますが、剥き出しの鉄骨の下や先端の向こうに見える奈落は心理的な恐怖映像として今でも健在でした。高所恐怖症の人々にとってはお化け映像よりも目前に迫る奈落の様子が恐ろしい。

 建設業界のライバルである悪徳業者エディ(ハリス・ユーリン)の企みで賄賂をもらった輸送トラックの運転手組合にストライキを仕掛けられたり、建築現場にエディのところの若いのが鉄パイプを持って殴り込んできたり、幹部が拉致されてボコボコにされたりと荒っぽいことばかり起こりますが、すぐに警察に通報したり、弁護士を呼ぶこともなくナアナアで事は進んでいきます。

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 さまざまな運搬手段を塞がれた主人公リー・メジャースは最後にはヘリコプターで鉄骨を運んできて一気に組み上げる墨俣城作戦を決行し、納期に間に合わせる。

 途中、強行突破で突貫工事を敢行する職人部隊も無事では済まず、更なる事故で仲間が減ったり、高所恐怖症のヘタレになってしまったかつての英雄に愛想を尽かす場面なども盛り込まれますが、最年少職人が新たな犠牲者になる寸前のところで恐怖を断ち切ったリー・メジャースは職人としての勇気を取り戻し、残った職人とともに工事を完遂させる。

 今の目で見ると映画として成り立つかどうかは微妙ではあります。それでも見ているうちに観客を引き込む強い力がこの映画には息づいています。

 なかなかレンタルで置いているところはないでしょうが、今でもヤフオクなどには昔のVHSビデオが特価で出品されていることがありますので興味のある方はご覧ください。

 パニック映画でもないし、サスペンス映画でもラブ・ストーリーでもない。それでも見る者を惹き付ける何かがある。『ジャコ萬と鉄』を見たときの感覚を思い出しましたので、男同士の結び付きや義理の物語だったのだろうか。地味な素材で一品料理をこしらえるような職人技を見るのは年々難しくなってきていますので、どうしてもヤフオクやAmazonに向かってしまいます。

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総合評価 75点


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さんこんばんは。2年ぐらい前に「ザ・ウォーク」が公開された時即座に「超高層プロフェッショナル」を思い出しました。僕は五年前に発売されたDVD(なぜかキングレコードから発売)で初鑑賞。ちなみに日本語版はフジテレビ放送版でした。テレビ放送もなかったしレンタルビデオも置いてなかったから嬉しかったですよ。大作ではないけど、見て良かったと思える掘り出し物です!
さすらいの映画人
2017/02/23 21:04
こんばんは!

>DVD
ぼくは当時の雰囲気に浸りたかったのでVHSビデオをあえて探しましたよww

今の感覚ではなかなかスポットライトを当ててみようと思わないジャンルだと思いますが、しっかりと映画になっていますし、ストーリー展開も鉄骨のようにぶれませんね。

こういう映画はもっと作られるべきですし、観客も軽いものばかりでなく生活に密着した仕事映画を見て欲しいですね。

いぶし銀のジョージ・ケネディはいつも通りの存在感がさすがでした。

ではまた!
用心棒
2017/02/24 00:45
こんばんわ、連投ご寛恕願います。
本作品は、運転席でコーラのラベルを付け替えてグビグビやるシーンがあったですかね?
だとすると、懐かしい思い出が込み上げてきます。
まだ映画がお茶の間の娯楽だった時代に観た筈なので…。
スタント墜落の殉職、初めて知りました。
コーラのラベルだけでなく、そうした事態もテレビNGの理由なのでしょうか。
ていうか、テレビでの映画鑑賞が下火なのでしたね。
先ほどの米国海兵隊の義挙、こっちの映画との方が親和性あったな、と反省。再掲させていただきます。
米空軍嘉手納基地第18航空医療中隊司令官ジョン・コットン大佐は車で帰宅途中、自転車に乗っていて車と衝突した地元女性が助けを求めているのに気付きました。すぐさま駆けつけた大佐の適切な対応により女性は一命をとりとめることができました。
http://hosyusokuhou.jp/archives/48786138.html
きやらはん
2017/02/27 21:22
こんばんは!

>コーラのラベル
ありますよww
リー・メジャースが缶ビールにコーラのラベルを貼って誤魔化しながらグビグビやるシーンのことですよねww

この映画には酒を飲むシーンがバンバン出てきますが、大半は運転していたり、ビルの基礎工事中だったりとメチャクチャですよww

今はいろいろうるさいですよね。警官を撒くために車に飛び乗って逃げる犯人がしっかりとシートベルトを締めて運転するなんていうのはまるでリアリティがありませんねw

>義挙
良いところと悪いところをしっかりとバランスよく報道すべきですよね。アメリカみたいに数百のチャンネルから各々が思想に合う報道を選べるならまだしも、日本はせいぜい民放5局と住んでいる地方局が一つか二つ、残りはつまらない国営放送だけですし、朝日や毎日みたいに偏らないできちんと報道してほしいものです。

ではまた!
用心棒
2017/02/28 00:49
用心棒さんこんばんは。この「超高層プロフェッショナル」は書籍やレンタル店によってはアクション映画のジャンルに入れられてますが、ドラマのジャンルに入れるべきです。日本映画「超高層のあけぼの」も見てみたいです。さて、用心棒さんがこの欄で書いてあった「ダーティ・ファイター」ってイーストウッド映画じゃなくてイタリアのバイオレンス映画のことでしょうか?昔テレ東で放送されたのを見たことあります。それ以来見てませんが。
さすらいの映画人
2017/03/02 20:46
こんばんは!

>ファイター
すみません、『ダーティ・ハンター』の書き間違いです。訂正しておきました。

>アクション
これはアクションではなく、人間ドラマですよね。職人たちのプライドと体温、そして酒臭さを全編で感じさせてくれますね。

>テレ東
ぼくはけっこう昔見たテレ東のクセのあるラインナップが大好きで、ハズレも多いのですが、たまにバシッとはまる強烈な個性を持つ作品がありますので、やめられませんでしたよ。

普段見ない映画を見るということでは昔は一本の料金で二本見られるいわゆる同時上映というのが主流でしたので、アニメと恋愛モノとか訳が分からない組み合わせもありましたが、映画の栄養にはなりましたよ。

ではまた!
用心棒
2017/03/02 23:38

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