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zoom RSS 『髑髏軍団美女虐殺』(1975)なんだか禍々しいタイトルですが、スペインの死霊物ホラーです

<<   作成日時 : 2015/09/09 00:12   >>

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 『エル・ゾンビ4』『テラー・ビーチ』などいくつかのタイトルを持つこの作品ですが、ぼくにとって一番しっくり来るタイトルはその名もズバリ『髑髏軍団美女虐殺』というとんでもないやっつけ仕事のような邦題です。

 なぜこの作品を記事にしたかというと十数年前に近所のレンタルビデオ屋さんでこの骸骨軍団という厳ついタイトルを見たときにインパクトの大きさには笑ってしまったもののさすがに借りるのはバカらしいかなと思い、スルーしたまま数十年が経ってしまったからです。

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 「そう言えば、あれは結局見てないなあ…。」と思っていた矢先、映画雑誌に小さくこの作品のスチールを見つけました。画像を検索していくとなかなか良い感じのオドロオドロしさと禍々しさに惹かれ、ビデオレンタルのKプラスさんにこの作品の在庫がないかを尋ねたのが昨年でした。

 すぐに調べてもらったところ、一本だけあるにはあったが、すでにカビが生えていて、再生は難しいとのお返事をいただきました。ビデオテープ自体がもう絶滅しかけているので半分諦めかけていたところ、先週になって突然テープが見つかったようなので、メール連絡して即借りしました。

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 ぼくはこの作品をずっと『骸骨軍団処女虐殺』だと覚えていましたが、じつはよく見ると『髑髏軍団美女虐殺』で、二ヵ所誤って覚えていました。そもそもこの作品はスペイン製作ですが、英語吹き替えがされている関係からなのか、英語題も『ナイト・オブ・シーガルズ(夜のカモメ)』『テラー・ビーチ』などがあり、知らなかったら、同じ作品を何度も購入しかねないマニア泣かせの一品です。

 もちろん付けられたタイトルごとに集めるというマニアならではのコレクター・アイテムでもありますが、普通はいらない。調べていくとこの作品はブラインド・デッド(目が見えない死霊。そもそも白骨化しているので眼なんかないので自然ではある。)物の第三弾だったようで、前に同じような作品群があるというのから判断すると本国スペインでは一定の人気はあったのでしょう。

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 カモメの鳴き声を取り入れた不気味な曲をはじめとするサントラはかなり薄気味悪く、海岸から打ち寄せてくるさざ波がさらにこの世のものとは思えない黄泉の世界のようで強く印象に残ります。画面からカビ臭さと血の臭いが漂ってくるのも気持ち悪い。

 またテンプル騎士団の成れの果てが死霊だというのも罰当たりな設定ではありますが、日本の平家落武者伝説のようにヨーロッパの田舎町ではあるあるなのかもしれない。

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 キリスト教徒、それもスペインですから、カソリック系独特の感性ならではの感覚なのでしょうか。話の筋自体はかなりテキトーですが、雰囲気を楽しむ作品なのかもしれない。

 寂れた漁師町に赴任してきた医者夫婦が主人公であり、よそ者に辛く当たる街の人々と主人公たちを助ける街の女と知的障害者の男が出てきます。

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 村に残る生け贄の風習を聞き出し、髑髏軍団と戦う主人公たちではありますが、いざ戦いが始まると街の女や知的障害者の男が髑髏たちに襲われても、ただ眺めているだけだったり、悲鳴を聞いても無視して進み続けたりとけっこう非道な行動を取るので感情移入もしにくい。

 クライマックスとなる死霊の城のシーンでは自分達で彼らの棲み家に飛び込んでいくくせに「閉じ込められてしまった!」と訳が分からないことを言い出す。

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 たいした盛り上がりもなく、邪教のシンボルである石像を押し倒すとなぜか彼らに襲いかかろうとのんびり忍び寄ってきた死霊たちはわざわざゆっくりと寝転がってから血を吐いて倒れていく。

 干からびて血はないだろうが、何故だろうとかは気にしなくて良い。その他に印象に残るのは生け贄になった金髪美女が髑髏に殺害された後に彼女の死体を食べに来る蟹の群れです。かなり気持ち悪いし、この城はカビ臭さと血の臭いだけでなく、蟹特有の臭さまであるので臭いを気にする人には耐えられない環境であるのは間違いない。

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 そうはいっても待望の作品でしたので、80%以上の確率でダメ映画なのだろうとは理解しながらも、ちょっと期待して再生しました。う〜ん、何だろう。この陰鬱な雰囲気は悪くないし、ひとつひとつのカットの禍々しさは好きな部類に入ります。

 カメラマンがよく頑張ったということでしょうか。ヒドイのは俳優たちのアクション時の演技というよりは対決シーンでの緊迫感がまるでない牛歩戦術のような遅すぎる動きをつけてしまった演出だろうか。

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 ゆっくり移動する聖堂騎士団の魑魅魍魎のスピードをさらに下回る生身の若い人間たちの運動能力と知能レベルの低さにうんざりしてしまうかもしれません。

 叫ぶ前に逃げろよ!もっと走れ!化け物が来るのを待ってるんじゃねえ!刃物があるんだから、ちゃんと突き刺せ!!などなど突っ込みどころが満載過ぎますし、襲うシーンにリアリティが欠如している。

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 雰囲気が何となくサイレント時代の傑作怪奇映画『霊魂の不滅』に似ているなあというのはさすがに言い過ぎだろうか。というか勝手に知らないふりしていただいちゃったのかな。

 日本ではブラインド・デッド物は完全に無視されたようで、一本も公開されていませんが、ビデオレンタルがなんでもいいからソフトを欲していたという今ではあり得ない状況下でついに本邦デビューしたものの髑髏軍団の名を冠しても売れないものは売れないので、結局はワゴンセールに消えたのでしょう。

総合評価 49点


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