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zoom RSS 『ミズーリ・ブレイク』(1976)アーサー・ペン監督、マーロン・ブランド主演でも無名な映画って。

<<   作成日時 : 2014/04/19 19:12   >>

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 アーサー・ペン監督で、マーロン・ブランド主演作となれば、名前だけで判断しても一定以上の水準の出来映えは保証されたようなものだが、この映画はあまり知られていない。

 マーロン・ブランドという人は『ゴッドファーザー』『波止場』『地獄の黙示録』といった映画史上、重要な作品に出演している一方で、『妖精たちの森』『八月十五日の茶屋』『DNA』、そしてこの『ミズーリ・ブレイク』など異質というか、かなり風変わりな作品にも数多く出演して、どちらが彼らしい演技だったのかは判断しづらい。

 何を言っているのか意味不明な台詞の言い回しも多く、あまり彼の詳しい情報が出回らなかった時代では重厚な名優のイメージが強い俳優でした。

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 『地獄の黙示録』以降はトラブル・メーカーという噂が広がり、ゴシップや書籍などでも、我が儘勝手な印象を残して死去しました。80年代初頭までは彼の圧倒的な存在がそのまま彼の演技として受け入れられていたのだろう。

 ある者は盗み

 ある者は殺し

 ある者は死ぬ。


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 映画ポスターのキャッチコピーですが、西部劇なのですから、そんなことは見る前から全員解っているわけでわざわざポスターに書く必要もない。

 ストーリー展開を簡単に説明します。馬泥棒に手を焼いていた牧場主は見せしめにするために犯人を『奇妙な果実』のように縛り首にする。つまりリンチです。

 復讐として、馬泥棒のリーダー格のジャック・ニコルソンによって牧場の牧童頭が同じ目に合わされる。業を煮やした牧場主に雇われた殺し屋がマーロン・ブランドです。

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 しかしながら、有名な整理屋(殺し屋)として雇われたはずの彼はなぜか仕事に取り掛からずに周りの人々の行動を覗き見したり、趣味の野鳥観察にほとんどの時間を割く。こんな調子でだらだらしながら映画の大半を過ごし、後半近くまでそのままなのです。

 ニコルソンもニコルソンで、復讐相手の一人娘に本気で惚れてしまい、ラブ・ストーリーも展開されていくので、ぼくらはいったい何を見ているのか訳が分からなくなっていきます。お決まりパターンであれば、仇の娘だと分かった段階で、無理やりに強姦してしまい、自分も彼女から付け狙われるとかにも出来たはずです。彼も上映時間の大半をダラダラ過ごします。

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 彼を見ていても「大丈夫なんだろうか?」となってきます。牧場主も同じだったようで、皆を代表してマーロンにせっつきますがお構いなしです。心配になった観客も「このまま終わっちゃうのだろうか!?」と不安がるタイミングで突如大殺戮ショーが始まる。

 彼が取っていた行動はすべてが馬泥棒一味(ニコルソンを合わせて5人。)の行動や隠れ家などを探索して、まずは情報を集めることに精を出していたのです。まずは一人目を川に誘い込み、カチカチ山のように溺れさせて殺害する。

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 二人目は奪った馬を売りに来ていた一味の男が野外で馬屋の女房と一戦交えていたところを背後から銃撃します。三人目は公衆便所に入って、排便しようとしていた瞬間に背後から銃弾を受け、糞まみれで下半身むき出しのまま絶命する。

 四人目は参謀格の男が隠れ家の山小屋での寝込みを襲い、放火して業火に包まれて息も絶え絶えの彼に手裏剣状のナイフを放ち、刺し殺す。死ぬ間際の彼にニコルソンの居所を尋ねると「彼はあの中だ。」と聞かされ、すでに絶命したものと理解する。

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 全員片づけた彼は満足そうに馬と遊びながら、野宿する。ふと目が覚めた彼は目の前にニコルソンの姿を見て驚愕の表情を浮かべるが、身動きが取れない。

 彼はニコルソンによって寝首を掻かれていて、すでに断末魔だったのです。マーロンはそのまま息絶える。マーロン・ブランドは大半のチンピラの息の根を止めるが、リーダー格を倒していなかったのでした。

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 次の朝、すべてに決着をつけるために牧場主の屋敷に乗り込んだニコルソンは牧場主との撃ち合いの末、彼も撃ち殺す。父親を殺されたにもかかわらず、彼の一人娘はニコルソンと愛し合っていたので、事件にすることもなく、彼を逃がす。

 別れのシーンではこれからどこに向かうのかと尋ねるとニコルソンは「ミズーリ川の上流に行くよ。」と告げる。これで終わりです。

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 映画の問題点がいつくかあります。まずは盛り上げ方が独特で、というか後半のみに見せ場を持ってきたために120分間を超える上映時間中、70分くらいまでがのんびりとし過ぎてしまっている点です。間延びしているのはもちろん、会話の中でも間延びしてしまっているシーンがあります。

 また馬泥棒と殺し屋を主軸に据えているのですが、どちらも悪漢なのでどちらにも感情移入しにくい。演技者の二人に焦点を当てると、どちらも個性派俳優の代表ではありますが、この映画に関してはマーロン・ブランドの圧勝で、ニコルソンの存在が薄く思えてしまいます。

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 マーロン・ブランドの役どころは殺し屋で、しかもクライマックスがラストに来るのでまるで『ゴッドファーザー』みたいでした。今回はマーロンは大量殺戮する側に回っていましたが、詰めが甘く、自分も殺されてしまう下りはドン・コルレオーネと同じでした。

 マーロン・ブランドという俳優さんはなぜか最後は死んでいる映画が多く、僕が見た映画で彼が死ななかったのは『八月十五日の茶屋』と『キャンディ』くらいです。

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 死にたがり俳優だったのでしょうか。マカロニ的なテイストの作品ですが、監督はアーサー・ペンなので、一応はハリウッド作品となる。落ち込んでいく映画業界のなかで、どうしてよいやら誰にも答えが出せなかった頃の迷いが感じられます。

 それでも不思議といつまでも記憶に残る作品で、断末魔のマーロン・ブランドの表情は忘れられません。DVDが出ているようですが、12000円を超える高額なので、ぼくは持っているビデオで見ました。

総合評価 70点



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