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zoom RSS 『暗号名 黒猫を追え!』(1989)宅急便の映画ではなく、スパイ防止法のプロパガンダ映画。

<<   作成日時 : 2012/08/02 20:57   >>

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 『暗号名 黒猫を追え!』は暗号名を“コードネーム”、黒猫を“ブラック・キャット”と読ませます。荷物を抱えた黒猫ヤマトの宅急便の宣伝映画でも、彼らに預けた荷物を取り戻す映画でもありません。

 これはスパイ映画のひとつで、虚虚実実の駆け引きのある見応えのある作品に仕上がっています。しかしながら、“暗号名”やら“黒猫”やらという仰々しいタイトルで、そもそも製作された目的と経緯がスパイ活動防止法制定のためのプロパガンダであったことから、なかなか陽の目を見ることなく現在に至っています。

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 日本中が好景気に浮かれまくっていた1989年に完成して以降、映画本などで時おり顔を出すものの、基本的には闇に葬り去られている、不幸な作品のひとつです。

 出演している俳優は柴俊夫、国広富之、田中美佐子、榎木孝明、山村聡、内藤剛志など知名度の高い人が多いことからも分かる通り、B級というわけではなく、劇場公開していれば、そこそこの動員は出来ていたのではないか。

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 また普通に公開していれば、これほどカルト映画的な扱いを受けることなく、映画マニアの間だけで語られる程度だったのでしょう。もっとも時代はバブル真っ盛りで、自民党政権はことなかれ主義と拝金主義が猛威を奮っているころです。

 当時はまだ金日成やゴルバチョフが共産主義側のリーダーであり、北は拉致をまだ認めていない頃でした。大使館員によるスパイ活動や盗聴行為などの非合法活動はまことしやかに語られていた程度でした。

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 いまでこそ日本海側の北陸地方の海岸沿いで、北による邦人の誘拐や拉致などのテロ行為を脅威とする意識は高まっています。が、当時はまだこれらの事実は報道でもタブー視されていた状況で、この映画の公開に関しても、さまざまな妨害があったのでしょう。

 話の筋にも問題にされるかなあというところがあり、たとえばシベリア抑留者のうち、早期に帰って来れた者たちは共産ロシアに協力を誓った者のみが帰国できて、彼らが日教組やGHQに潜り込んで、日本を弱体化させるために売国奴的活動を行ってきたという下りがある。皆が皆、そういう人ではないでしょうから、極端過ぎるかもしれません。

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 物語では主人公の柴俊夫の父親がロシアへの協力を拒み続けたために長期に渡る抑留生活を送ることとなるが、榎木孝明の父親はすぐに国を売り、GHQに潜り込むが、ようやく帰ってきた柴の父親によりGHQに正体がバレてしまい、自殺する羽目になる。このことが原因で何も知らなかった榎木はアメリカを逆恨みし、反米活動に邁進し、結果として親子二代で売国奴となってしまう。

 また一時期大きな話題になっていた統一教会系の対共産主義組織が製作にかかわっていたことも、一部で反発を招き、劇場での一般公開やDVD販売をやりにくくしている遠因なのかもしれません。もちろんいまでもAmazonなどで普通に購入するのは不可能です。

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 ただ完封されているわけではなく、この映画のDVDを販売(名目上はスパイ防止法制定のための支援金を払うという感じ。)しているサイトがあるので、2000円の代金と郵送料を払い込めば、この手の封印映画としては気軽に見ることが出来ます。

 いかがわしく思う方もいるでしょうが、単純に本格的なスパイ物映画として見ても、十分に楽しめる内容に仕上げられています。大学のラグビー部の同期や後輩、その家族や兄弟や友人たちすべてが公安側、マスコミの人間、北の工作員となった雑誌編集長となっています。

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 また他の友人も共産ロシアの工作員であり、かつ北にも通じるダブル・スパイとなった商社マン、アメリカの工作員などとして知らず知らずに立場が分かれているのはあまりにもご都合主義にも思えます。

 が、ストーリーを分かりやすく提示するためにはそのほうが都合が良かったのかもしれません。わが国で諜報活動をしている気味の悪い連中はあなたの身の回りにも静かに入り込んできているのですよというメッセージと受け取れます。

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 スパイ活動をしていた売国奴たちは国を出し抜いているつもりで、外国人の言いなりに動くが、旗色が悪くなるとすぐに使い捨てられ、暗殺されたりする。ある者はまるで戦国時代の忍びのように十年以上も前から日本に侵入し、戸籍を盗み、家族まで持って生活している。彼らは指令が来たら、本国の要請どおりに諜報活動に勤しむ。

 ただ登場人物のほとんどに不幸な結末が用意されていて、勧善懲悪のお話になっているのは甘くも感じますが、やりたい放題されているだけを見るのもウンザリするのでこういう展開に持っていったのでしょう。

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 謎の漁船がじつは北の工作船であり、北への逃亡を図ろうとする卑劣なスパイどもを追跡する海上保安庁の巡視船やヘリコプターの活躍を描いたシーンは劇中最大のスペクタクルではあります。

 ただ悲しいかな、犯人たちを武力制圧できないわが国の巡視船やヘリコプターは追跡をするものの撃沈することも銃撃することも出来ない。相手はライフルでバンバン発砲してきている状況なので、わが国も保安庁の職員や警官の生命を守るためにも、せめてお話の中だけでも火器使用規準を緩和したほうがいいのではないかと思いました。

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 のちに似たようなテーマを扱った映画に『宣戦布告』があります。あの映画のメッセージは相手側よりも圧倒的に強い武力を初期段階から躊躇せずに使用しなければ、甚大な被害を覚悟しなければならないということでしょう。

 またどちらの映画でも日本人はお人好しで、すぐに利用されるし、抵抗が弱い国民として描かれている。そろそろ真剣に日本海の向こうは善い隣人ではなく、卑怯な敵は卑怯な敵として向き合う時が来ているのかもしれない。

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 向こうは「日本が嫌いだ!」とか平気で言い放ち、罵詈雑言を浴びせてくるのであるなら、「お隣の」とかボケたことを言う必要はない。韓流だかなんだか知らないが、日本を仮想敵国として認識している国に外貨を無駄に与える必要性はない。

総合評価 72点


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