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zoom RSS 『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』(2011)オーランド・ブルームは何処へ行った?

<<   作成日時 : 2011/06/01 13:35   >>

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 この作品が公開されるという広告をGW前くらいにはじめて見たのはコンビニで、しかも提供がディズニーだったので、てっきりディズニー・ランドのアトラクションがリニューアルしてお目見えするのだと直前まで勘違いしていました。

 撮影は海岸でのシーンはハワイのカウワイ島とオアフ島、スペイン王国の城のシーンはプエルトリコ、序盤のイギリスでのシーンはグリニッジにある旧王立海軍兵学校などで行われました。海賊船のセットはイギリスやロサンゼルスなどで撮影されたようです。

 数少ない海上シーンでは目が覚めるようなハワイ沖のキレイな海(カリブの方では撮れなかったのでしょうか?治安の問題か、荒れ狂いやすい天候事情でしょうか?)が広がっています。ただ不満なのは海賊映画のはずなのですが、ほとんどのシーンは丘に上がったものばかりなのです。

 荒れ狂う大海原での活躍があってこその海賊だと思うのですが、これではジャック・スパロウと愉快な仲間たちで、海賊の定番であるお宝探し以外には特に何もない。

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 まずもって、この作品の何が不満かといえば、オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレーが出演していないことに尽きる。雑魚キャラはほぼ皆揃っているのに、肝心のというか、シリーズの中心だった彼ら二人が登場しない時点でこの続編は終わってしまっている。

 何年か前に公開され、シリーズ最終作と言われていたはずの『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の本編が終わり、スタッフ・ロールの後に挿入された、最後まで席を立たなかった観客用のご褒美シーンを観たならば、こんな続編が作られるなどとは思わなかったでしょう。

 それはたしか呪いか何かが原因で、10年に一度しか海賊船から出られなくなってしまったオーランド・ブルームが海岸までキーラ・ナイトレーに会いに来た場面でした。お馬鹿なパイレーツ・シリーズもさすがに終わるときはしんみりさせるのかなと感慨深かったのを覚えています。

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 このシーンを観たときに、いよいよジョニー・デップも船長から卒業するのかと思いました。しかしながら、ディズニーは更なる利潤追求のために、新たな続編を必要としました。

 キャラクター以外での最大の変更点はロブ・マーシャルへの監督交代でしょう。『シカゴ』などのミュージカル映画を得意とするロブ・マーシャルを起用するということは肉体の躍動感を重視する姿勢の表れだろう。

 大スクリーンで展開するドタバタ・アクションはバスター・キートンやロスコー・アーバックルらの喜劇への回帰とミュージカルというハリウッドの古典的手法をミックスしながら、現在の最先端技術である3Dを組み合わせているのが興味深い。だったら、料金もニッケル・シアターに戻り、日本ならば500円とかにしてほしい。

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 先ほども言いましたように、残念ながら、この作品にはオーランド・ブルームもキーラ・ナイトレーも登場しません。その代わりに宣教師役でサム・クラフリンと人魚役でアストリッド・ぺルジェ=フリスペが出演していますが、存在感があまりなく、印象に残らない。

 一応、彼女を助けたサムが人魚のアストリッドに海の世界へ誘われていくという下りがあるのですが、その後が描かれるわけでもなく、あまり重要ではないようでした。まあ、エンド・ロール中に画面の左右で海中で呼吸する二人の様子が泡のみで表現されていたので、次回作でその続きを描くのでしょう。

 ジョニー・デップはスパロウ船長を演じるに当たり、ローリング・ストーンズのギタリストであるキース・リチャーズをモデルにして役作りに励んだそうですが、キースは前作から出始め、今回の作品でもデップと会話するシーンがありました。

 1970年代までの彼が持っていたアウトロー的なイメージからすると、まさか体制そのものであるハリウッド映画に、しかもディズニー映画に出るなどとは夢にも思いませんでした。彼がディズニー・ファミリーだなんて、『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』『アンダー・マイ・サム』『ハッピー』がお気に入りなぼくには今でも信じられません。

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 キーラの後釜ヒロインとなったペネロペもファミリー映画向け女優ではなく、どちらかといえば、男を惑わすセクシー女優というイメージだったはずですが、肌の露出はほとんどなく、肉体派としての見所は皆無でした。

 ディズニーの基準、つまり子供が(大人たちを巻き込んで3〜4人分の料金を一度に取る強固なシステム。)観られるコードをペネロペにも適用した表現に終始しています。

 まあ、クリーンなイメージをつけたいという彼女自身の思惑もあったのでしょうか。内容は冗長に過ぎ、上映時間が2時間半近くになってしまうのはどうかと思いました。

 ぼくが観に行った回でも、2時間近くが経ってきたところで、何人かのオチビちゃんたちが立ち上がったりしていました。エンド・ロール後のお決まりのオマケシーンでは彼女はジャックを模ったブードゥーの呪い人形を手に入れますので、その後の展開に使われるのでしょう。

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 子供の客層を狙うなら、上映時間はおそらく90分が限界でしょう。子供を取るのか、大人を取るのか、どっちつかずで製作してしまった結果、どちらからの支持を得られない中途半端な作品になってしまいました。

 そこそこ楽しいが、何も心に響かない。週末や休日の家族サービスにはちょうど良いくらいの価値しかない。カップルが一緒に観るには無難で、ヨーロッパ映画のように作品を見終わってから、考えながら2人で語り合えるテーマはない。

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 唯一あるとしたら、また何本かくだらない続編が作られそうだねということくらいでしょう。もうひとつあるとするならば、ジョージ2世が食べていたイチゴ入りのシュー・クリームがなんとも美味しそうだったということでしょう。

 もうひとつありました。映画が始まる前に出てくるディズニー恒例のシンデレラ城の旗がドクロの海賊マークだったねということです。まあ、本編には何一つ関係はありません。まさかの上映前に、すでに海賊どもにシンデレラ城は乗っ取られていたわけです。多分ガラスの靴も粉々に砕け散ってしまったのでしょう。

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 内容的にもたいしたことはないので、無理に行く必要はありませんし、自宅のテレビで、のんびりしながらDVD鑑賞をするのでちょうど良い。ドタバタ喜劇の活劇映画を大きな予算で1本撮ったという程度の作品です。

 一応、この映画も流行を追った結果によって、3D対応の作品に仕上がっておりますが、3Dにする意味も必要もありません。ぼくは3Dで観ましたが、もったいないと思う方は通常上映で十分です。

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 安易な3Dバージョンの製作は無意味です。もう観客は目新しさを感じていませんし、自宅で3Dゲーム機やPC、そしてテレビを持っている人には何も響かない。

 今までの作品を見ていなくとも普通に楽しめる作品にはなっておりますが、ジョニー・デップのファンではないという方にはあまりお薦めできません。前作までのすべてを観てきた人はチョコチョコ出てくる過去作品のキャラクターたちを見て笑えるでしょうが、そうでなければ、まったく意味が分からないでしょう。

総合評価 55点


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