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zoom RSS 『シュレック』(2001)美女は野獣に惚れるのか?ディズニーらしいテーマのひとつをおちょくるDW!

<<   作成日時 : 2010/07/22 14:17   >>

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 世界で多くの人々に愛され続けているディズニー映画が送り出してきた作風のひとつに美しい者と醜い者が結ばれるというストーリー展開があります。

 『美女と野獣』『ノートルダムの鐘』がそれに当たり、夢のある物語に仕立てていました。ディズニーのライバルであるドリーム・ワークスがそこをどう料理するのかがこの『シュレック』の見所ですが、なんだかんだいっても、この映画もそうしたディズニーの系譜に繋がっているように思えます。

 こうしたストーリーがなぜ製作されるのかと言えば、人種や容姿にこだわる人間が多く、コンプレックスや差別が深刻であることの裏返しでしょう。ディズニーにはシンデレラや白雪姫などのお姫様に憧れる女の子たちのための映画を数多く作ってきましたが、実際に理想的な王子様に巡り会える女の子はごくわずかであり、大部分は妥協していく。ピクサーはそうしたダークな部分を描いていくことで、ディズニーとの差異を出している。

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 王様(まだ正式にはなっていません。)がどのお姫様にするかを魔法の鏡で選んでいるシーンがあるが、これなどは運命の人との出会いを売り物にしているディズニーでは出てこない発想でしょう。むしろ出会い系に近い。

 人物の内面を見ようとするよりも、手っ取り早く美しいか醜いかの容姿を見て、その人すべての人格を判断しているのが大勢でしょう。美醜なんて気にしていないと言っている人の話をよく聞いてみると、じつは金持ちだったりすることも珍しくはなく、財産や地位目当てでないことをアピールすることもある。この男も欲しいのは姫様の愛ではなく、結ばれることによって得られる地位と権力です。

 ハゲ、デブ、チビ、おしゃべり、ブスなどの陰口を生まれて以来、ずっと言われ続けて、疎外感を味わい、ちょっと優しくされただけで舞い上がってしまう。相手は普通に接してくれているだけなのだが、辛いことが多すぎるので、ちょっとの優しさが心に沁みる。傷つきすぎたため、だんだん心を開かなくなっていく。

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 優しくされても、どうせこの人もこちらが心を開くと、そんなつもりなどまったくないのだというのを行動で示す。かえって、少しの優しさを受けたことにより、余計にこちらには辛い現実が待ち受ける。

 シュレックはフィオナと結ばれるわけですが、両者とも美男美女ではなく醜いので、美女と野獣の概念でひとくくりには出来ない。暗くなってしまいましたが、それでも生きていかねばならないのが人生である。醜ければ醜いなりに何かを磨かねばならない。

 シュレックの場合は姫を助けることで沼地の権利を得ているが、彼ほど強くはない一般のシュレック的な人は資格取得などの社会的、物質的な価値を付けるか、醜いというヴィジュアルをカバーするため、つまり視覚で劣る分を聴覚つまり聞き上手になってみたり、言葉に気をつけて、常にポジティブでいられるように奮い立たすしかない。

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 醜い容姿は変えられるものではないので、生きていくには内面をキレイにするしかない。そして理解しておかねばならないのは周りの全員から愛されようなどと無謀なことは考えずに、たったひとりでも深く自分を理解してくれる人に会えれば、それで十分だと思うことでしょう。

 シュレックを理解してくれるのはフィオナとドンキー、そして第二弾に登場する長靴をはいた猫であるアントニオ・バンデラスくらいでした。他にもピノキオ、クッキーマン、三匹の子豚、赤頭巾ちゃんの狼、七人の小人など多くのおとぎ話のキャラクターたちが友達になっていきますが、これも最初の三人、つまりフィオナ(キャメロン・ディアズ)、ドンキー(エディ・マーフィー)、そして長靴をはいた猫(アントニオ・バンデラス)と深く結びついたからであろう。

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 特にフィオナと結ばれたことが大きく、信用と地位を安定させた。とかなり大真面目に書いてきましたが、基本的には歌やパロディ満載の映画なので、気軽に見ても十分に楽しい。カエルやヘビに空気を吹き入れて、風船にしてしまうデート・シーンなどはほのぼのとした気持ちにさせてくれます。

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 もちろん、ディズニーが御伽噺から排除した毒のある表現や現実の厳しさは満載で、朝さえずっていた鳥が爆発して、目玉焼きになってしまうなどの、一見すると残酷に思えるシーンが随所に登場してくるのは賛否両論あるでしょうが、むしろ新鮮に映り、大人のファンを獲得する要因になっているのではないだろうか。

 あちこちにディズニーへのアンチテーゼが散りばめられていて、それをどう解釈するかで評価も分かれるのでしょうし、最後がハッピーエンドで終わることについても、両論あるでしょうが、劇場に行って、最後が悲しい終わり方だったら、観終わった後に引っかかるものがあるだろうし、個人的には映画はハッピーエンドを支持します。だって、劇場で観ることが多いのですから、楽しく家路につきたいのです。

 総合評価 70点


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タイトル (本文) ブログ名/日時
「シュレック3」
2007年/アメリカ/93分 at:梅田ブルグ ...続きを見る
寄り道カフェ
2010/07/23 10:49

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
やっとシュレックに辿りついた。
醜男と醜女だけど、とっても素敵な愛の物語。
この辺からしてパロディっていて、とってもユーモラスで嵌ってしまう。世間一般のくだらない美の基準なんか最初から蹴散らして、俺は俺でどこが悪いんや!自分で自分を愛したれへんかったら誰が愛するんや!っていシュレックのとってもまともなポジティブ志向。楽しい作品で、これは親子ともども嵌りました。
シュレックのポジティブ志向あってのハッピーエンド。他力本願とか、とにかく最後は目出度し目出度しのそんなハッピーエンドじゃないところもいいわ。
本作ってユーモアのセンス充満!って思う。
シュエット
2010/07/23 14:32
 ぼくもこれ大好きなんですよ。
第二弾でちょっと落ちた感じがありましたが、第三弾で盛り返し、メデタシメデタシとなりました(笑)

汚物にまみれるオープニングやオナラの凄さで魚を捕まえるという強烈なインパクトを持つ作品で、シュレックの粗野な言動と寂しがり屋の内面が良く出ていて、とても楽しい作品でした。

こういうのをもっと作って欲しいですね!

ではまた!
用心棒
2010/07/23 20:33

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