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zoom RSS 『非と未』20世紀末に全盛を誇ったVHSビデオのフォーマットで発売されていた映画たち。

<<   作成日時 : 2009/09/16 19:54   >>

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 「非」と「未」。いったい何のことかと言いますと、かつてビデオとして商品化されたものの、未だにDVD化されていない映画、または劇場公開されたものの、諸般の大人の事情により、現在までのところ、商品としてビデオ化もDVD化もされていない映画のことです。

 今では各家庭及びレンタルビデオ屋さんで粗大ゴミや超特価の廉価ワゴンセール商品となってしまったVHSビデオの思い出をぼくはたくさん持っていますし、みなさんもお持ちでしょう。いまでは見慣れた、もしくはブルーレイまで行ってしまった人には懐かしいVHSビデオはまずはソニーのβを蹴散らし、ビデオ規格の主導権を奪う。

 そしてバブルや失われた十年を含む、二十世紀末にレンタルビデオ屋さんの隆盛と歩調を合わせ、ビデオは黄金期を築き上げる。当時は通常でも一万九千八百円が相場で、下手をすると三万円とかまで普通にありました。映画ビデオで2980円とかのハリウッド映画のシリーズが出たときには格安に感じました。

 しかしそれら格安な商品は本当に少なく、依然、売価が高いのが当たり前でした。ビデオは不当にバカ高い定価で販売されていたこともあり、購買という対象にはなりませんんでした。この売価設定がレンタルの隆盛を生んだともいえます。

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 色々な要因が重なり合って、店内に所狭しと並べられたVHSは多くのレンタルビデオ屋さんで20年近く天下を取り続けましたが、時代は流れて21世紀に突入し、徐々にその居場所を失い、DVD化が進んだレンタルビデオ屋さんでお払い箱になり、一本百円でも買い手がつかない産業廃棄物となりました。

 とうとう世界を席巻したビデオの天下も終わりを告げ、膨大なタイトル量を誇るリストのみが残りました。その中には未だにDVD化されることもなく、気が付けば、存在自体が記憶からも消えようとしていて、かつては間違いなく存在していたという面影のみになってしまった映画が多数あります。

 そうした映画たちのことを今回は考えたい。何故消えてしまったのかという理由は作品毎に異なります。マニアック過ぎる内容や放送禁止用語や描写のためなどとまことしやかに語られている現状はまさに都市伝説のようです。実際のところ、もっとも考えられる理由はいろいろな意味でお金だろうと推察されます。

 DVD化しても商売にならないから発売されない。下手に販売しようとするとさまざまな経費が発生する。つまり余計な金が必要になる。結局はこれに尽きるのでしょう。もちろん権利者が誰なのか分からない、出演者が発売を拒否しているなどの理由もあって、闇に葬られるものもあるのでしょう。さまざまな理由が重なり合い、かつて見た映画たちが記憶から消えようとしている。

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 では力無き、一般クズ(よく言えばカルト)映画好きの映画ファンはどうすればいいのだろうか。映画会社にみんなで電話して、DVD発売運動をするのがもっとも直球なやり方でしょう。これは成功したときにかなりの達成感が得られるでしょう。なんたって、大会社を動かしたのですからね。しかし現実的には会社を動かすのはかなり難しい。

 海賊版市場に大量に出回れば、会社側もマーケットの存在とソフトの価値を見いだし、製品化されることもあるでしょう。ビートルズのモノラル・ボックスの発売などはその証明となるでしょう。ではそれ以外に、名も無き一般クズ映画ファンが取るべき方法は何だろうか。

 おそらくインターネットが普及している現状ではヤフオクなどで丹念に気長に探すのがもっとも安全かつ効率的でしょう。またはまだビデオソフトを扱っているレンタルビデオ屋さんに足繁く通い、マイナーな作品を見まくるしかない。中古ビデオ屋もあるにはあるが、妙に相場を意識した高い売価設定をしているので、掘り出し物を見つけたというマニアックな喜びには浸れない。

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 もしかすると今こうしている瞬間にも、新規で絶版ビデオを格安でオークションにエントリーしている人がいるかも知れない。『アメリカン・バイオレンス』『戦後猟奇犯罪史』(泉ピンコが大昔にやっていたウィーク・エンダーのスタイルで、大久保清事件や克美しげる事件などを再現フィルムで下世話に説明!)『連続殺人鬼 冷血』(同じく、戦後最大のシリアル・キラーである勝田清孝を扱った映画。)『MISHIMA』『闇の中の魑魅魍魎』『九十九本目の生娘』『ギニー・ビッグ2 血肉の華』『オールナイト・ロング』『丑三つの村』(戦中の津山三十人殺しを扱った映画で、『八つ墓村』の原型。主演は古尾谷雅人)。

 まあ、このへんを見ていると大体の見当が付きそうな作品が多い。実在の犯罪者を扱っているもの、主演者や出演者が不自然な死を遂げた映画、いまでは大御所になっている俳優が出演している映画、映倫に引っかかるような過激描写が多いものなど比較的解り易い。

 まだまだ続き、『ウルフガイ 燃えろ狼男』『食人大統領アミン』『暴走の季節』『ハート・オブ・ダークネス』『やくざ残酷秘録 片腕切断』『実録 私設銀座警察』『原子力戦争』『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』などなど日本では現在DVD化されていないものは数多い。

 発売禁止や放送禁止になってしまう基準も曖昧で、時代毎に国毎に変わるようなので、いつかまた普通に見ることが出来るようになるかもしれない。実際、外国ではわが国の作品で、発売されていないのに、『混血児リカ』『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』『ギニー・ビッグ』『江戸川乱歩全集 怪奇奇形人間』などのように普通にDVD化されているものもある。海外に住む友人が持ってきてくれたので、今年の夏にこれらを見ることが出来ました。

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 しかしまた一方で、永久に葬り去られることも十分にありえるので、もしレンタルビデオ屋さんで、気になるタイトルのVHSビデオのレンタルがあったとしたら、迷わずに即座に借りてみましょう。もしかすると、そのタイトルには二度と巡り会えないかもしれません。

 ちなみにぼくが今探しているもの、または一度は観たいのは『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』(たぶんこれはないでしょうが…)『Vマドンナ大戦争』『黒蜥蜴』(美輪明宏版)『夜叉ヶ池』(坂東玉三郎版)『黒薔薇の館』『大閲兵』(チェン・カイコーの初期作品。この映画に関してはシネフィル・イマジカに期待!)『ベイジン草原』(エイゼンシュテイン監督の未完成作品)などです。

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 DVDはビデオよりも複製しやすいでしょうし、工場での生産ラインも少なくて済むようですので、少数でも限定発売とか予約のみというふうに生産形態を変えていけば、今よりもさらにマニアックな映画たちに新たな生命を吹き込んでくれるのではないでしょうか。

 今回、本文中に出てきた映画たちのほとんどは1980年代後半から1990年代前半に掛けて、レンタルビデオ屋さんで気になっていて、ついぞ借りることのなかった作品も多く、今になってようやく手に入れた作品でもあります。切り株系の映画やサイコ系の映画などをオークションで競り落とすのは勇気が要るのですが、このまま観ることもなく、つまり、そうするともう一生涯観ることのない映画をむざむざ増やしたくはないのでお話しの種にでもなれば良いかとも思い、この夏はその手の映画をずいぶんと見ました。

 クエンティン・タランティーノならば、涙を流して喜びそうなタイトルばかりでした。おそらく今後も観ることはないであろう『スクラップ・ストーリー』『ザザンボ』『ガキ帝国 悪たれ戦争』もいつかは見たいとは思いますが、さすがに無理なんでしょうね。なお今回の記事を書くにあたっては、『絶滅危惧ビデオ大全』(植地毅 著)を参考にさせていただきました。読み物としてもかなり楽しい仕上がりですので、カルト映画ファンの方は一読をお薦めいたします。




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