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zoom RSS 『宇宙水爆戦』(1955)誰もが一度は見たことがある有名キャラクター登場!SFの誉れ!

<<   作成日時 : 2009/06/09 09:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 3 / コメント 9

 おそらくSF映画ファンでなくとも、ほとんどのかたが一度は見たこと、もしくは塩ビ人形で遊んだことがあるかもしれない超有名なキャラクター、それがこの映画『宇宙水爆戦』に登場する、メタルナ・ミュータントではないでしょうか。スピルバーグ監督が愛してやまない『金星人 地球を征服』に登場する金星蟹に勝るとも劣らない個性的な造型を持つメタルナ・ミュータントはSF映画スターの中でも人気ベスト10に入ってくるでしょう。

 しかし不幸なことに、現在彼の姿をビデオやDVDで見ることは出来ません。なぜなら大昔にビデオ化されたもののいまだDVD化されていないからです。ぼくもAmazonやヤフオク、海外の動画サイト、その他のオークション・サイトなどをたまにチェックしてきましたが、DVD化された様子はありません。

 そのためか、『宇宙水爆戦』の中古VHSビデオは異常に高騰していて、約15000円で取引されています。有名な作品なので、特撮ファンは廉価で出れば、買う人がいるでしょうから、リリースして欲しい作品の一つです。『ドクター・モローの島』や『イット・ケイム・フロム・アウタースペース』などとともに発売されたら、迷わず買ってしまいそうです。大人だけでなく、子どもも取り込めそうなので、発売権のある方は検討して欲しい。

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 そんなときに、というか昨日の夕刊を何気なく見ていて、おもわず目を疑い、そして狂喜しました。なんとBS放送の深夜枠で、この『宇宙水爆戦』が放送されるというではありませんか!ほんまかいな!嬉しすぎます。

 諦めかけていた映画をBSで見られるなんて嘘みたいです。これをやってくれるのならば、ぜひともSF映画の不朽の名作と呼ばれている『イット・ケイム・フロム・アウタースペース』も何とか放送して欲しい。昔々にWOWOWで一度放送されたことがあったのですが、見事に忘れていて録画し損ねてしまった映画だったのです。国営放送の力を最大限に活かし、放映権を取って欲しい。

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 ストーリー的には見事にSFらしい物語設定になっていて、さまざまな工夫を凝らしております。まあ、今の目で見たならば、失笑を買うシーンばかりなのでしょうが、ぼくはSFや特撮をこよなく愛する人なので、何も気にはなりません。ご都合主義の何が悪いんだ!「映画は人生を凝縮したものである」とヒッチコック監督も言っていました。

 SF映画に限らず、ほとんどすべての映画はフィクションなのですから、「結局、2時間経ったら、全部明らかになるのだろう?」とか「ハッピーエンドで終わるのだから、人生とは違うさ!」などという夢のない人の言葉は全く気にはならない。ゴジラやガメラの怪獣スター、R2−D2やC3POに代表されるロボット・スター、マスター・ヨーダやこの映画に登場するメタルナ・ミュータントに代表されるエイリアンたちの素晴らしさが分からない人、つまりファンタジーを理解できない人は映画の楽しみをかなり損しています。

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 シリアスな映画も見応えがあるでしょう。コメディ映画もたくさんあるでしょう。それらももちろん映画の一部でしょうが、もっとも映画らしい、映画でなければ醍醐味が伝わらない類の映画、それがSF特撮映画なのである。現実からかけ離れているようで、現実に題材をとった映画よりも深く人間性を抉り出す映画、それがSFであるべきでしょう。

 お子ちゃま向けにしないで、大人が唸る映画を作ることこそ、もっとも肝要で、子供だましの映画は子どもも騙しきれないことに製作者サイドもいい加減気づくべきではないだろうか。子どもがもっと嫌うのは子ども扱いされることなのですから。何故、皆大人になると子どもの頃に持っていた大人への怒りや疑いを忘れるのであろうか(シリアスではない!旨い物食べてるとか、夜更かししてるとかです!)。

 SF映画は子どもの感覚というか、柔軟性のある感性を保ち続けているか、老けてしまったかを測るリトマス紙なのではないだろうか。ちょっと大げさですが、非現実的な状況に没頭できるかどうかは結構大事なのではないかと思います。

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 最後になりますが、あれほど有名であるメタルナ・ミュータントの出番は恐ろしく少ないのに愕然としました。物語は科学者たちの葛藤や好奇心が主になって展開していくのです。つまりミュータントはほんの添え物でしかありません。しかも、さんざんじらしにじらして、ミュータントが登場するのは90分弱の作品中でも最後の15分のみです。

 しかもなんだか鈍重で、バタバタしていて、魅力的とは言いがたい。製作途中でなかに入っていた俳優がチェンジしたといういい訳もあるようですが、それだけでは説明になりません。

 スチール写真やポスターでは若い女性を拉致しているように抱えあげている様子がもっとも有名なのですが、そんなシーンはありませんでした。『ソドムの市』での電気椅子みたいなものでしょうか。『吸血の群れ』でも巨大なカエルが人間を飲み込むスチールがありましたが、そんなシーンはありません。インパクトこそが大切ということでしょう。

総合評価 80点





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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
先ほどは「スター・トレック」にTBありがとうございました。
この作品の記憶はないけれど、この宇宙人は覚えている。きっと子供の頃に観て痛んだと思う。
考えたら、子供時代にヒッチコックアワーもあったし、淀川さんとか小森のおばちゃまとかがこぞって素敵な作品を見せてくれていた。いい時代のいい空気を吸って育ったなって思う。
何気に見た夕刊で稀有な放映に出くわすって私もたまにある。そんな時は神のお導き!って運命的な出会いを大げさにも感じたりする。
>SF映画は子どもの感覚というか、柔軟性のある感性を保ち続けているか、老けてしまったかを測るリトマス紙なのではないだろうか。
かも知れませんね。そして女の子よりも男のこの方がSF世界に嵌るんですよね。男の子の方が夢見て、大人になってもずっと夢見続けるのかもしれないかも(笑)
本作、愕然としつつも、だから愛しいと思う気持ちもある。一生懸命つくっているのが愛しくってねぇ。
私は明日「ミクロの決死圏」見るんだ。子供の頃観て凄いなって思った世界。
シュエット
2009/06/09 15:37
映画は未見なんだけど先日WOWOWで「トランスフォーマー」を偶然見たらこれがまた面白かった。
お話はばかばかしいんだけれど、ガチャガチャって車からロボットに、ロボットから車に…っていう、あのガチャガチャのあの動きが、みていて妙に病みつきになってしまって、「トランスフォーマー/リベンジ」も観に行こうかって思ってしまっている。話が変な方にそれてしまったわ。
では、また!
シュエット
2009/06/09 15:37
 こんばんは!
>「ミクロの決死圏」
今日でしたよね。ぼくも録画しています。昔、これを観たときに凄いなあ、と思いました。

三十年近く経ちますが、どういうふうに感性に響いてくるか楽しみにしています。

>「トランスフォーマー」
ぼくは去年に観ましたが、この映画はもっと評価されて良いですよね。CGの必要性を久しぶりに感じた映画でした。新作も観たいなあ、と思っていますが、なかなか時間が取れなくて困っています。なんとかやりくりしてみます。ではまた!
用心棒
2009/06/09 23:35
宇宙水爆戦!いやーまさに、’50年代海外SFを代表する作品ですね。
この作品、私はレーザーディスクで持っているんですが、DVD化されていないとは知りませんでした。
まだまだあるんですね。ソフト化に恵まれない名作って。
メタルーナミュータントの出番の少なさにも驚きましたが、私が感心したのは「エクセターの額の広さ」でした(爆笑)。
「いやーやっぱり宇宙の科学者は脳みそが大きい分、額も広いんだなあきっと」なんて妙に納得しながら見ていた記憶があります。
もう理解レベルが子どものまんまで(汗)

でもSFって、そういう所にセンス・オブ・ワンダーを感じるジャンルですよね。
そう自分を納得させて、これからも懐かしのSFを愛し続けようと思っています。
個人的には、「地球最後の日」(’51)のロケットなんて大好きなんですが(笑)
こちらからもTBさせて頂きましたが、はたして届いているでしょうか・・・
オタクイーン
2009/06/11 23:51
 こんばんは!
>額の広さ
なんだか、なつかしのサンダーバードに出てきそうな感じの頭部でしたね(笑)

 SFって、ディティールがものをいうジャンルで、ストーリーはもちろんなのですが、キャラやメカにこだわりがある作品がいつまでも印象に残っています。

 ロビー(禁断の惑星)、ゴート(地球の静止する日)、マリア(メトロポリス)などは大好きですし、おっしゃるように『地球最後の日』のロケットと長〜い滑走路は覚えていますね。

 TBはちゃんと届いていますよ。スパムが多くて、一度保留してそれから反映できるようにしています。

 ではまた!
用心棒
2009/06/12 20:39
TB致しました。

用心棒さんは初めてでしたか?
僕は2回目です。

>ファンタジーを理解できない人
リアリティには二つ種類があると思います。
一つはヒッチコックのいうリアリティ。
もう一つは学術的精度。

重要なのは言うまでもなくヒッチコックのいう「本当らしさ」・・・これが何を意味するかと言えば、人間の行動の精度ですよね。通常の人間であれば、ここはこういう風に行動するであろうということ。
ジャンルを問わず、それがおかしいと昨今の邦画(例えば「海猿」シリーズ)のように作品として破綻してしまいます。

続きます。
オカピー
2009/06/18 02:21
翻って学術的精度・・・こんなものは大概の場合においてどうでも良い。
映画サイトでよく目にする「方言が本物と違う」とか外国映画が日本を舞台にした時の「地理関係がおかしい」といった類のことは一般的に映画の価値には何の影響も与えない。それをもって映画の評価とするなど乱暴も甚だしいですね。

本作では、直線飛行ではあれほど短時間で他の恒星にある惑星につけるはずもない、というのがそれに該当。

しかし、メタルーナ星人と地球人の文明の差を考えると成立しにくいお話である、という問題はヒッチコックの言う「本当らしさ」に関係するものです。

>メタルナ・ミュータントの出番は恐ろしく少ないのに愕然
しかし、ご指摘のように、それ以上に致命的なのは、SFとしての見せ場が意外と少ないこと。

それでも美術やセットが大変楽しく、ご機嫌で観終えることができますね。
オカピー
2009/06/18 02:22
 おはようございます。
>一つはヒッチコックのいうリアリティ。
もう一つは学術的精度。

 そうですね。邦画のなにが観客の興味を引かせてしまうかというと、実際の場面でやるはずのない行動や言うはずのない会話を何の迷いもなくシーンに組み入れてしまうことですね。
 昔の映画って、歴史に残る作品はもちろん、B級と言われるものにもしっかりと主義主張があったと思うんです。規制のコードも昔からありましたが、それを掻い潜っていく表現力が最近の邦画には見られない。
 興行収入は上がっているのでしょうが、そこばかり強調されても中身が伴わない『レッド・クリフU』のようなものを観ても、何の感慨もない。
 この『宇宙水爆戦』も特撮の見せ場は少なく、ドラマ性やデザインで印象に残る類です。それでもディティールにこだわりがあり、いまでも生き残っています。

用心棒
2009/06/18 10:25
>学術的精度
 別に必要ないですよね。監督が見せたいのはそんな部分ではありませんもの。寅さんシリーズで面白かった台詞に「島根って、どこだっけ?」「鳥取の向こうだよ!」「鳥取って、どこだっけ?」「島根の向こうだよ!」だったかなあ。どっちでもいい。なんか急に思い出しました。
 10年以上、いや5年後になっても、レンタル屋さんに生き残り続ける作品はかなり少ないでしょうね。つまり宣伝などに頼っているだけのものは消えてなくなるということになります。なんか寂しいですね。
 ではまた!
用心棒
2009/06/18 10:26

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『宇宙水爆戦』(1955)誰もが一度は見たことがある有名キャラクター登場!SFの誉れ! 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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