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zoom RSS 『淀川長治さんの思い出』日曜洋画劇場の解説DVDが出ていたなんて!嬉しさと哀しさが…

<<   作成日時 : 2007/01/28 00:06   >>

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 ツタヤ半額レンタルの日だったので、お昼に近所のツタヤに借りに行くことにしました。クラシック映画を追い求めるためにどうしても空振りすることが増えてきた。行ってもクラシックの新入荷が少ないのだ。

 もちろんフェリーニ作品やゴダール作品はほんの少しずつはDVDが増えてはきている。しかし少しずつであり、見たいものを見つけられることはない。フェリーニの『寄席の脚光』やベルイマンの『魔笛』をツタヤでレンタルできる日が来るのはいつであろうか。またDVD化すらされていないチェン・カイコーの『大閲兵』はいつなのだろうか。

 そんな思いをいつも感じながらフラフラと彷徨っていると、なにやら目に飛び込んできたタイトルはズバリ『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』。一体何なのだろうと思い、パッケージを取り上げて、裏面の内容を読んでいくと故・淀川長治さんが解説を務めていた日曜洋画劇場での解説場面ばかりを50本分纏めた珍DVDだったのです。

 懐かしさも手伝い、ついつい借りてしまいました。「いやあ!なつかしい。」の気持ちだけでこのDVDを借りてしまいましたが、新作扱いだったので半額にはならず残念でした。すぐに家に帰って見てみると全50本分の収録内容にワクワクしました。

 『荒野の用心棒』『ハリーとトント』『ダーティ・ハリー』『2001年 宇宙の旅』『激突』『天国から来たチャンピオン』『ローマの休日』『暗くなるまで待って』『ゲッタウェイ』『007 ネヴァー・セイ・ネヴァー・アゲイン』『サイコ』『めまい』『アラビアのロレンス』『ゴッド・ファーザーU』『王子と踊り子』『ある愛の詩』『ファール・プレイ』『タワーリング・インフェルノ』『戦場のメリー・クリスマス』『史上最大の作戦』『ジョーズ』『俺たちに明日はない』『アメリカン・グラフィティ』『普通の人々』『ゴースト・バスターズ』『刑事ジョン・ブック』『西部開拓史』『エデンの東』『ダイ・ハード』『ターミネーター』『羊たちの沈黙』『スティング』『ラストマン・スタンディング』などなど。

 とりわけ印象深いのは現存する最も古い『西部開拓史』の解説と最後になってしまった『ラストマン・スタンディング』での解説でした。何で最後がよりによって駄作の誉れ高い『ラストマン〜』になってしまったのだろうか。どうせならば淀川さんが敬愛してやまないチャーリー・チャップリン作品だったのであれば、どれだけ良かったろうにと思いました。

 彼の解説はTV向けということもあり、難しい話は一切出てきませんでしたが、それでも作品を紹介する時には本編を流す前であれば、映画の内容を語らずに面白さを伝えるという難しい役割を見事に務めていました。

 主演俳優はもちろんのこと、作品が制作された背景や監督及びカメラマンの名前と彼らが関わってきた作品名などが必ず出てくる深さには驚かされます。それを一本分だいたい3分くらいで伝えるのです。

 しかも彼独特の人なつっこそうな、眼鏡の奥で笑っている顔を見せながら、親しみやすく、顔を朗らかに保ちながら熱心に映画の魅力を伝えようとする淀川さんの姿にはこちらも思わず顔がほころんできます。本当に優しそうな目で映画を語っています。

 「ああ。この人は本当に映画が好きなんだなあ。」というのが良く解ります。もっと時間があったのならば、自由にしゃべってよいのであれば、さらに氏の深い知識と経験に基づいた豊かな映画評を聴けたはずですが、スポンサーや時間の制約などもあり、好き勝手にはトークできなかったのも理解できます。

 そういう面では解説者というのはストレスが絶えない仕事でもあります。下らない、観たくもない映画でも、それが放送されるのであれば、褒める部分を敢えて探さねばならないのは映画ファンとしては苦痛です。数々の名作を知る彼ならばこその苦しみは尋常なものではなかったであろうと思います。

 サイレントの時代から映画を見続け、トーキーの出現を間近に見ながら小津、溝口、黒澤を初期から見守り、溝口の紛失した作品まで語ってくれた淀川さんのような人物はもう出てこないでしょう。ゴチャゴチャ言わずに「綺麗ね。綺麗ね。良かったね。」と言う彼の姿は神々しいほどでした。

 彼の名台詞といえばもちろん「サヨナラ。サヨナラ。サヨナラ。」ですが、最後の収録である『ラストマン・スタンディング』での彼は傍目にも解るほど痩せこけ、身体の具合がかなり悪いのであろうことは容易に察しがつきます。それでも映画の魅力を伝えようとする彼の姿はまさに「映画バカ一代」の最後を飾るのに相応しい舞台だったのかもしれません。

 まだ元気な頃のふくよかな顔にだんだんシミが出てきて、白髪が目立つようになり、声に張りが無くなってくる過程は残酷ではあるが、彼がこの仕事を三十年以上の長きにわたって続けてきた証拠でもある。

 機会があれば是非見て欲しい一本です。これは一般の映画ファンよりも映画の文章を書いている人々に、そして映画でご飯を食べている人々に見て欲しい。そして問いたい。

 あなたは彼ほど映画を愛していますか?

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
元気な頃にテレビで見ていました。必ず映画の良い所を見つけていましたね。どんな映画でも見るべき所があって、そういうのを教わった思いがします。淀川さんは本当の映画バカです。(良い意味で)最近の映画評論家と称している○○○(あえて伏字)は、不勉強で見ていてイライラします。良心的な評論家の方がテレビで解説してくれると良いです。

蛇足です。ゲオには株主優待があります。1株持っていると割引キャンペーンでもレンタル料金が半額になるそうです。ビデオでレンタルする事がありますが、あ〜ゲオの株を持っていればなと思います。USENからは優待の試写会のハガキを貰いますが、いつも平日で行けません。株を利用して映画生活を快適にする事が出来ますが、リスクが高いので難しいですね。
ピーターキャット
2007/02/03 20:47
 ピーターキャットさん、こんばんは。
>○○○
 ひらがなの方ですか!(笑)映画会社の回し者みたいなあの人のことだとおもいますが、ただで観れる人とは違い、身銭を切って観る一般人ファンは駄作は許せませんね。
 時間と金銭を両方とも奪われるわけですから、駄作の時は半額とかにして欲しいと本気で思います。
>GEO
 ツタヤにせよ、GEOにせよ、お店によって広さの都合とかのために品揃えが全く違うのでお目当ての一本を探すのに隣県まで行くこともありますよ。
>株
 おお!ゲオは半額になるんですか?でもあいにく我が家の近くはツタヤばかり。一番近いゲオはバイクで30分近く掛かります。ツタヤも何かレンタルサーヴィスとかあるんですかね?あるなら買ってもいいかなあ。貴重な情報ありがとうございました!ではまた。
用心棒
2007/02/03 22:29
映画については、テレビ以外が情報源になっています。それは毎日新聞の金曜日の夕刊とニューズウィーク日本語版です。どちらも良い映画に対しては正当な評価をちゃんと与えていますね。また、悪い映画に対してはそれなりの評価を与えています。特に後者の方は欠点のある映画については遠慮なくバッサリ切ります。評論家の毒舌ぶりが素晴らしいです。テレビに出て来るような人にはまず無理な感じです。最近のテレビに出て来る評論家は勉強不足の人が多いです。ただの映画好きの若い女性だったり、おすぎだったりします。ちょっとねえと思います。淀川さんはテレビで本当に頑張っていた方です。
ピーターキャット
2007/02/04 08:21
 アメリカの批評はかなりはっきりしているようですね。自分の立場を鮮明にして物事に取り組むのを基本にしているのは素晴らしいことだと思います。各々違う意見があり、その結果、白熱の論戦が行われる。
 TV番組でもコメンテーターは自分の意見をしっかりと述べ、旗幟鮮明にしない人は出てこれないようです。そして良い物は良い、悪い物は悪い、という当たり前のこと言える。そのためこういったTV番組で褒められると大当たりし、悪いと言われると動員にも響くので、自然に権威がついていく。
 批判、あるいは肯定するにしても自分が何故そう考えるのかという論旨が解り易い。大切なのは「何故」の部分です。
 日本の映画評論の実情は御用聞き(執筆者、コメンテーター)が大檀那(雑誌及び映画会社)の意図に沿うように宣伝しているだけのものが多くはないでしょうか。結果、どこの記事を読んでも金太郎飴になっているのが現状でしょう。下手に批判記事を書くと次の仕事は回ってこない。狭い世界なので揉めた人間は他誌も手を出さない。妥協するしかない。悪循環ですね。ではまた。
用心棒
2007/02/04 23:24
TBありがとうございます。
淀川さんの解説DVDとは!
本当に子供の頃から淀川さんに育ててもらったように思うわ。
この場面がいいですねぇ。この役者さんはねぇ。カメラがねぇ、ずっと、ずっと写していくんですねぇ。怖いですねぇ。良かったですねぇ。
知らない間に映画を観る楽しさを教えてもらっていたような気がするわ。
考えれ映画狂の素晴らしいエキスをいつも浴びながら育ったのですからね、いい環境だったと思うわ。
上でピーターキャットさんのコメントにあるようにニューズウィークは湾岸戦争の時にアメリカ軍の軍事力を誇る記事にうんざりしてからは購読をやめてますけど、ここの映画評は私も信頼高いです。というより書いている人の感性がはっきりと文章から見えてくる。
私、やっぱり感性で映画を観て、感性で映画を語りたいなって思ってる。
思いつつもついつい言葉こねくり回して屁理屈こねくり回して…感性で少ない言葉で、好きな場面だけ語れたらって思う。
このDVD探してみよう!
シュエットしゅえしゅえ
2009/06/10 15:58
「シュエットしゅえしゅえ」って変な入力になってしまってる。ごめんなさい。
シュエット
2009/06/10 16:00
 こんばんは!
>しゅえしゅえ
一瞬、改名されたのかと思いました(笑)

 淀長さんは大好きな映画人です。淀川さんが解説しているだけで、リラックスして映画を観ていました。

 テレビでは穏やかでしたが、書籍等では結構厳しい方で、しかも適切で分かりやすい言葉で語られるので、いつも刺激を受けておりました。

 こういう方はもう現れないのであろうかと思うと、残念ですね。ではまた!
用心棒
2009/06/10 17:42

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『淀川長治さんの思い出』日曜洋画劇場の解説DVDが出ていたなんて!嬉しさと哀しさが… 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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