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zoom RSS 『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969)大悪獣って、いったい?肥後の守が飛んできた〜!

<<   作成日時 : 2006/05/09 22:27   >>

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 『ガメラ対大悪獣ギロン』をはじめて見たのは幼稚園の年少さんの時でした。30年以上前ということになります。勿論リアルタイムでは無理だったのですが、ブラウン管の馬鹿でかいTV(たしか、扉がついていて、見る時に開けるという仏壇みたいなやつでした)で、集中して見ていました。

 筋も何も関係なく、ただガメラの活躍が見られれば、もうそれで十分だったのです。クルクル回りながら空の彼方や宇宙まで飛び出していくガメラはとても魅力的な怪獣スターでした。僕個人の中での大映スター・bPは勝新太郎ではなく、ガメラで決まりです。

 ゴジラの戦いはどっしりと腰を落ち着けた、猪木式ストロング・スタイルのプロレスのようでしたが、ガメラの戦闘スタイルはメキシカン・スタイル(ウーーー!テキーーーラ! カラムーチョ!)のルチャリブレを髣髴とさせる派手な空中戦が魅力でした。

 敵役としてガメラが対戦したのはギャオス、ジャイガー、バイラス、ギロンなど変なマスク・マンみたいな奴ばかりでしたが、それはそれとして楽しめました。大映怪獣達は生物であるというコンセプトのもと、ディティールが無意味に細かく設定されていて、怪獣図鑑にも解剖図などがよく掲載されていました。

 片方の怪獣映画の老舗、東宝のゴジラ物ではこうしたことは一切描かれませんでしたので、大映なりに区別しようとしたのでしょう。神秘的に怪獣を描いた東宝か、生物として具体的に描いた大映かという感じでしょうか。もちろん結果は東宝の圧勝でした。

 この作品ではガメラの怪獣の中では印象の深かったギャオスがまず宇宙ギャオス(ストロング・マシン・2号みたいだ)として復活し、宇宙都市(リング?)で大暴れしています。彼と戦い、ガメラとの挑戦権を得るべく、ギャオスとまずはシングル・マッチをするのが、この映画の悪役スター、ギロンでした。

 で、このギロンなのですが、あまりにもいい加減なデザインで、見ていない方のために説明しますと、ずん胴のナイフに目と手足を無理やりつけたような(まるで、YGマークに無理やり目や口をつけたジャビット君みたいなイメージ)シュールな造形なのです。

 幼少時にみた時にも、彼の造形のインパクトはかなり強烈で、名前は覚えていなくとも、姿形は意識下に確実にインプットされていました。ジャビット君もかなり強烈ですが、彼の目の奥の黒い部分は骸骨なんでしょうか。

 名前も凄いですね。「大悪獣」ですよ。「大怪獣」でも「大巨獣」でもない「大悪獣」とはいったいどういう表現なんだ。多分今でも彼が「大怪獣」だと思っている人がいるに違いない。僕がそうでした。肩書きに恥じないだけの活躍をやってのけたのは、映画の前半でした。

 名前の通り、彼の戦闘スタイルはかなり残酷で、頭というかナイフを前面にフューチャーした戦いぶりで、ギャオスをバラバラに切り刻みます。殺されゆくギャオスが哀れなことに、自分自身が斬られていき、首だけになってもすぐには死ねずに徐々に息を引き取っていくのを映し続ける残酷描写は今見てもきつ過ぎるかなという印象です。怪獣映画史上、最も過激な描写を見ることになると思います。

 もしこの星に新聞があったら、見出しは東スポなら「宇宙にいた!切り裂きジャック!」か「鳥料理屋?ギロン! ギャオスをつぶす!」、4大紙なら「無残、ギャオスさん、バラバラにされる。 犯人は悪びれず。愉快犯か?」でしょうし、ワイドショーなら、一週間はこのネタで引っ張るであろう衝撃的な戦いです。

 最終的にガメラとは2回戦い、一戦目はリング・アウトでガメラが敗れ、2戦目でガメラのパイルドライバーと凶器攻撃により、ギロンをKOするという内容でした。ギロンは結構やる奴だったのです。ガメラ相手に一勝一敗なら、悪役としては本望だったろうと思います。ギロンの形は、まさに当時、中学生や高校生の人が持っていた肥後の守という、ナイフそっくりでした。

 ギロン見たさにまた10年くらい経ったら見てしまいそうです。物語どうのこうのではなく、ただギロンのあの造形を見るのも、おつな楽しみ方だと思いますが、誰も理解してくれそうもないですね。端役で、大村昆やイーデス・ハンソンが出ているのは昔のTVファンにはたまらないおまけです。物語自体には目をつぶりましょう。

総合評価 62点
ガメラ対大悪獣ギロン
ガメラ対大悪獣ギロン [VHS]

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コメント(6件)

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「ガメラ対大悪獣ギロン」は、リアルタイムで見ております。同じくリアルタイムで見た「ガメラ対バルゴン」「ガメラ対ギャオス」の特撮に比べ、あまりの貧相さに〈子供だましもいい加減にしろ!〉と映画館で叫びそうになったものです。
併映は「東海道お化け道中」でしたが、これも「妖怪百物語」「妖怪大戦争」に比べて落ちる出来で、がっかりしたのを覚えています。
今考えると、大映は当時倒産直前で制作費を削減せざるを得なかったのでしょうね。

少年だった僕は、そんな事はもちろん考えなかったし、子供はある意味子供だましに敏感なところがあります。自分達が“馬鹿にされてる”と感じるのですね。
ですから最近の「妖怪大戦争」や「小さき勇者たち〜ガメラ〜」が、大作としてしっかり作られているのを見ると、嬉しくなります。

「小さき勇者たち〜ガメラ〜」といえば、子供のトトの前に包丁が落ちてくるショット、ギロンへのオマージュだなと、すぐにわかりましたよ。
オールド特撮ファン
2006/05/12 12:08
 オールド特撮ファンさん、はじめまして。そして、コメントをありがとうございます。
>「ガメラ対大悪獣ギロン」は、リアルタイム
 すごいですね。この作品の出来はともかく、怪獣映画は映画館でこそ、良さが分かるジャンルです。といってもまだ『小さき〜』には行ってませんので、早めに時間を作っていくつもりにしています。
 今後ともよろしくお願いします。
用心棒
2006/05/12 16:23
確か、小学校に入学前の公開だったと記憶しています。しかし、観逃しています。従姉がギャオスを切り刻む凄まじさを話してくれて、どんなに観たかったことか。
昨日、37年間の念願が叶い、レンタルしてしまいました。いやあ、やっぱり、ギャオスは悲惨でしたね。そして、あの手裏剣も・・・ガメラが痛そうでした。ふたりの少年の帰路に使う宇宙船をガメラが溶接するなんて・・・。
ちなみに主人公の少年トムは、わたしとは何の関係もございません。
では、また。
トム(Tom5k)
2006/05/22 19:46
 トムさん、こんばんは。ついに、あのシーンを堪能されたんですね。探すの大変だったでしょう。僕も怪獣映画をレンタルで探すのに苦労しています。
>ガメラが痛そうでした。
 ガメラ・シリーズとゴジラ・シリーズの一番の違いはガメラ・シリーズの方が怪獣の生物的側面を強調している事ですね。
 今回のガメラのパンフにも、むかし本で見たガメラの解剖図が、ジーダスのそれとともに一緒に掲載されていました。なつかしい!
 この映画で見せたガメラの平行棒の演技とゴーゴーダンスにはくらくらしました。ミニラを見た時に味わった脱力感と同質のもの(こういうのを入れておけば、ガキが喜ぶと思った、馬鹿な大人達による間抜けな演出)を思い出しました。
 レンタルで怪獣物を借りる時って、スタッフの人が女の子だと持って行きにくいですね。なんか妙に恥ずかしい感じがします。
 >少年トムは、わたしとは何の関係もございません。
 読んでいて、一瞬びっくりしました!もしかして、ここから取ったお名前なのかと思いました。
ではまた。
用心棒
2006/05/22 21:54
最近仕事柄であった方が誰かに似てる!!!
そう思いながら一ヶ月が過ぎ、今日唐突に「大村昆」の名前が思い浮かびました。
私にとって大村昆は劇場で観た「ガメラvsギロン」なのです。
子どもながらに、ドーナッツ状のものをかぶらされて、頭を剃られてしまう…というのが恐ろしくてたまりませんでした。
怖がりでいろんな物が怖かった少女だった私、とりわけギロンの形状は恐ろしさの極みでした。
Rin
2006/06/16 01:33
 Rin さん、はじめまして。コメントをありがとうございます。

 大村昆も懐かしいですね。夏休みとかに田舎の方のOO商店に行くと、オロナミンCの昆ちゃん、ボンカレーのおばさん、金鳥の夏、たまに「オー!モーレツ」などの錆び付いた看板が僕らを迎えてくれたものでした。

 昔飲んだバヤリースやプラッシーが何故あれほど美味しかったのか。今ではコーラすら飲まなくなりました。

 もっぱら夏でも熱いお茶とブラック・コーヒーです。おっさんに似合う冷たいものはカキ氷か西瓜くらいなんですよ。

 スイカを切るときの包丁の動きって、ギロンみたいですね。あの作品はストーリー的にはグダグダでしたが、ギロンがギャオスをさばく一連のシーンのみで、子供たちの記憶に残った怪作です。残虐で凄まじいインパクトを与えてくれました。

 ではまた。
用心棒
2006/06/16 21:58

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