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zoom RSS 『クジョー』(1983) スティーブン・キング原作の映画化ですけど・・・。ネタバレあり。

<<   作成日時 : 2005/12/05 18:58   >>

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 1983年製作のアメリカ映画であり、監督はルイス・ティーグ。原作がスティーブン・キングなので、小説自体はかなりの恐ろしさを誇りますが、それが映像となるとこうなるのです。はっきり言って酷いです。ストーリー構成としては、夫婦の不倫とその葛藤、子供の怪物?との対決、そして狂犬病になった「クジョー」と母親との対決という三つのストーリー軸が展開されますが、機能している構造は母親対「クジョー」のみです。

 最初の不倫騒動では夫があまりにも弱々しく、とても母子を助けるという強い父親としては描かれていません。女房は寝取られる、仕事は大失敗するは、それも責任も取らず、途中で投げ出す始末です。子供と怪物の対決もこのガキが父親からの遺伝からかあまりにも弱く、最初はおびえ、次に泣き叫び、最後は何もしていないくせに死に掛けるというまさに役立たずとして存在します。

 そして唯一機能する「クジョー」との対決ですがこれも良く見ていると穴だらけで正直に言うと「キングさんが良くこれでリリースさせたものだなあ。」という出来栄えです。せっかくの原作が台無しになっています。監督が悪い。

 中途半端にたくましい母親と、とっても弱すぎる子供、そして頼りない父親とそろいもそろってよくこんな役作りで作ったものだとある意味で感心しています。演技という面だけで見ると一番素晴らしいのは子供ですがあまりにも弱いので不愉快になるくらいの演技です。「クジョー」の強さとの対比なのでしょうが少々やりすぎです。

 ただ主役が「クジョー」だと仮定すると彼の主役としての演技は天下一品であり彼こそ名優です。序盤の温厚さから徐々に凶暴性を増していき汚れていき最後に狂うのは迫力満点でありもし彼に真実味がなかったならばさらにこの作品が崩壊しただろうことは間違いありません。

 前述したように、「クジョー」の強さとの対比のために、あまりにも人間が弱すぎるために興ざめする部分が多くあり不快感にもつながります。本来一番の友人である「犬」が人間に襲いかかるというテーマはかなりショッキングなものです。敵役としての「クジョー」の見た目の変化には目を見張るものがあります。最初「ヨーゼフ」のように温厚だった「クジョー」の目はだんだん凶悪になっていきます。そしてどんどん汚れていき、そしてやせ衰えていきます。

 まるで『シャイニング』を思い出せといわんばかりのシンセサイザーの音は二番煎じがありありと感じられがっかりさせます。「クジョー」の呻き声や吠え方はとても迫力がありました。キングさんはキューブリック監督の『シャイニング』が大嫌いだったはずなのに何故同じような音楽をつけたのかが疑問です。
 
 ヒッチ先生の『鳥』の家のように普通の家が修羅場に変わるという設定は良いのですが美しすぎる夕日や朝焼けは必要ありません。『シャイニング』との比較となると完敗です。キング作品の映画化という意味でもあえて撮るべき作品だったかがとても疑わしい。

 「クジョー(犬)」自体の演技は素晴らしいのですが、大きさや武器が中途半端なのでいまひとつインパクトにかけます。一映画の中のエピソードとしてこのストーリーを凝縮していたのであれば満点に近い点数になりますが、この「人」対「犬」だけで一本作るのは強引過ぎます。作るならもう少し子供が成長していく過程を描き、母の強さを描いて欲しかった。誰に感情移入すればよいのだろうか。「クジョー」か。

総合評価 67点
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