テーマ:暗黒映画に明るい未来を!

『犯罪王リコ』(1930)ギャングスター映画のルーツといえる、不朽の名作。古典です。

 社会的に悪影響を与える組織犯罪であるギャングが魅力的に描かれている価値観の反転に世界大恐慌によってもたらされた混乱の余波を感じさせる。マーヴィン・ルロイ監督による1930年制作のこの映画は後に続くギャング映画の草分けであり、『民衆の敵』『暗黒街の顔役』と並ぶ犯罪者映画隆盛の火付け役でもある。  原題は「LITTLE CAESAR…
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『深夜の告白』(1944)名匠ビリー・ワイルダーの、そしてフィルム・ノワールの傑作。

 ビリー・ワイルダー監督の三作目の監督作品にして、フィルム・ノワール作品の中でもベストの部類に入る傑作がこの『深夜の告白』です。脚本にレイモンド・チャンドラーを迎え、音楽には次の作品『失われた週末』でも起用するミクロス・ローザが参加しています。  意味深な標識の言葉、真夜中の車道を信号すら無視して無謀に猛進する乗用車、スリリングな…
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『ブラック・ダリア』(2006)パート2 ジェームズ・エルロイ原作の暗黒のLA四部作の第一作目。

 そして今日、劇場に足を運びました。いつものように一番後ろの真ん中近くの席を取り、ノワールの世界へ浸り込む前にいろいろと演出や音楽、そしてアングルやカット割りを予想していました。原作を読んだ後に観に行くときの楽しみは自分が想像していた演出と実際の演出との差異にあります。  原作と違うと言って、映画に八つ当たりするのは間違ったものの…
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『ブラック・ダリア』(2006)パート1 エルロイ原作の話題作について観る前に思っていたこと。

 フィルム・ノワール・ファンにとっては今年公開される洋画の中でもっとも期待の大きな作品がこの『ブラック・ダリア』ではないだろうか。ジェームズ・エルロイ原作による暗黒のLA四部作の第一作目の小説をもとに、ブライアン・デ・パルマ監督がどのような手腕を振るったのかにとても興味があります。  エルロイが書いたLA暗黒の四部作の第三作目の『…
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『謎の金塊』(1956)日活映画の底力を見せつける実力派、野口博志監督。

 日活映画の隠れたというか忘れられた監督のひとり、野口博志監督の1956年公開作品がこの『謎の金塊』です。この作品では主演に水島道太郎、ヒロインに日高澄子を迎え、金塊強奪を狙う香港のギャング団とロマノフ王朝から金塊を受け継いだ旧関東軍の生き残りとの暗闘を中心に据え、この暗闘に翻弄される男女をテンポよく描き出しました。  娯楽映画の…
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『ローラ殺人事件』(1944)フィルム・ノワールの代表的作品。物語の仕掛けが斬新です。

 オットー・フレミンジャー監督によって1944年に発表された『ローラ殺人事件』はフィルム・ノワールと呼ばれる一連の作品のなかでは『深夜の告白』『サンセット大通り』『現金に身体を張れ』『疑惑の影』などとともに、このジャンルを代表する作品のひとつです。  <この作品はネタが分かってしまうと、見る楽しみのほとんどが奪われてしまいますので…
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『悪の報酬』(1956)鈴木清順監督の師匠、野口博志監督のフィルムノワール。

 日本映画界の最後のアウトロー鈴木清順監督の師匠、野口博志監督のフィルムノワールがこの『悪の報酬』です。いまではまったくの無名に近い野口監督ですが、彼の残した作品のレベルは恐ろしく高い。  犯罪組織、異常な犯罪者、誠実な警察官(水島道太郎)、悪女、夜の街、暗闇と太陽光の落差、煙草の匂いと悪の匂いが詰め込まれた、まさにフィルムノ…
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『三人の狙撃者』(1954)フランク・シナトラが自然体でサイコ系殺し屋を演じる佳作。

 フィルム・ノワールらしいダブル・ミーニングを持つ原題『サドンリー』。「突然に」という意味と「サドンリー」という地名の意味で用いられる。否応なく事件に巻き込まれていく人々を突き放した視点で描くスタイルを取ることの多いフィルム・ノワールらしい作品です。  このジャンルにおいては邪悪な犯罪者、平凡な人々、探偵もしくは警官、冷酷に突き放…
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『ハイ・シエラ』(1941)ボギーの役者人生において、分岐点となった記念すべき作品。

 この作品、『ハイ・シエラ』に出会う前のボギーといえば、常に悪役ギャング・スターのイメージが強く、役柄も無口で無表情な、陰のある役柄ばかりでした。この作品でもギャングを演じているのですが、決定的な違いがあります。  それは人間としての暖かみやカッコ悪さをも同時に描き出している事です。新境地を開いたボギーは第二次大戦中というハードな…
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『化石の森』(1936)ギャング・スター、ハンフリー・ボガート登場!脇役ですが、圧倒的な存在感です!

 アーチー・L・メイヨ監督、レスリー・ハワード主演によるギャング映画であり、ハンフリー・ボガートが作品で大きな存在感を示しました。その後の出世のきっかけとなった作品であり、ボギー・ファンには見逃せない一本です。ここでの彼は誰よりも大きな存在感があり、レスリー・ハワードを完全に喰ってしまった印象が強い。  しかし、この作品はもともと…
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『潜行者』(1947)ボギーとバコールが共演した作品で、息がぴったり合っています。

 デルマー・デイヴィス監督による犯罪と冤罪を扱う作品で、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールによる息の合った演技を堪能できる佳作がこの『潜行者』です。二人の演技だけでも一見の価値がありますが、演出にも素晴らしい仕掛けがされていました。  124分という上映時間の中で、最初の一時間をボギーのモノローグと主観ショットだけで見せ切る…
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『十字砲火』(1947)赤狩りで追放されたドミトレクですが、真の理由はユダヤ人差別だった。

 忘れ去られた映画監督、エドワード・ドミトレクの問題作にして最高傑作がこの『十字砲火』です。カンヌで賞を取り、アカデミー賞にもノミネートされるほどの素晴らしい作品であったにもかかわらず、意図的に無視され続けた本作品なのですが、何故このような扱いを受けることになったのでしょう。  赤狩りは「自由の国」アメリカでの歴史上の汚点のひとつ…
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『カサブランカ』(1942)ボギーほど煙草の煙とトレンチ・コートが似合う男は今もいない。

 ハンフリー・ボガートほど煙草の煙とトレンチ・コートやタキシードをかっこよく着こなす男は今もいない。無表情で、ダンディーで、しかも自然体のボギーは他のハリウッド・スターとは違う光を発している。一瞬だけギラギラ光るそれではなく、鈍いが存在を主張し続ける、いぶし銀のような安定したそれです。  舞台をモロッコに設定しているのも、ハリウッ…
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『マルタの鷹』(1941)ボギーの魅力が画面を覆いつくす。ダンディー!カッコイイ!ヒロインは?

 ジョン・ヒューストン監督はまだ名声を得ていなかった駆け出しの時期に、素晴らしい俳優達に囲まれて、この作品の映画製作に携わる事になりました。『マルタの鷹』は主演にハンフリー・ボガートを迎え、脇にもシドニー・グリーンストリート、ピーター・ローレという稀代の名優を配して、名作ハードボイルド・アクション映画として後世に残る栄誉を得ました。 …
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『レオン』(1994)これが最高!これ以降の、ジャン・レノもリュック・ベッソンも輝いていない。

 最も人気のあるフランス人監督といえる、リュック・ベッソン監督のというよりは90年代を代表する作品で、個人的にも年2回は見る作品のひとつです。見所としてはなんといってもナタリー・ポートマン、ジャン・レノ、そしてゲイリー・オールドマンという主役級の人々のキャリアのなかでも最高傑作ともいえる演技を挙げなければなりません。  特にナタ…
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『暗黒の恐怖』(1950)巨匠、エリア・カザンの隠れた名作。観客に優しい演出を見て欲しい。

 エリア・カザン監督、1950年製作作品ではありますが、ジェームス・ディーンの『エデンの東』や、マーロン・ブランドの出世作『波止場』のイメージが強い映画ファンには、存在すら忘れられている感のある、毛色の違う作品かもしれません。しかしこの作品にも、彼らしいテイストが出ています。  実際、当時の評価としても、この作品はアカデミー賞原案…
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『ギルダ』(1946)セックス・シンボルだった、リタ・ヘイワースの魅力を前面に押し出した代表作。

 チャールズ・ヴィダー監督、1946年製作作品であるだけではなく、マリリン・モンロー以前のセックス・シンボルであった、リタ・ヘイワースの代表作でもあります。彼女の魅力が前面にフューチャーされているこの作品はまた、彼女が輝いていられたモノクロ・フィルムとの相性の良さが出ているフィルム・ノワールでもあります。  彼女の…
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『狩人の夜』(1955) 俳優チャールズ・ロートンが手がけた唯一の作品。美しい映像が一杯です。

 チャールズ・ロートン監督による、1955年製作作品にして、唯一の監督作品でもあります。出来栄えとしてはヒッチ先生の『サイコ』、『疑惑の影』とビートルズ後期の名曲『アクロス・ザ・ユニヴァース』の持つムードを併せ持つような作品です。サスペンス・ホラーとファンタジーが合わさったといったほうが解り良いかも知れません。  いきなり、画面外…
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『暗黒街の顔役』(1932)は『ゴッド・ファーザー』の元ネタであり、『スカーフェイス』のオリジナル。

 ハワード・ホークス監督の1932年の作品であり、フィルム・ノワールの傑作です。その後のアクション作品に使われたと思われるシーンや設定が次々に出てきます。センス溢れる美しい写真、テンポが良く無駄なシーンの無い展開、台詞でなく映像で人間の強欲と愚かさを見せつけるカメラの動き。モノクロ映像がギャング物に最適(ホラーも)だということを改めて気…
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