テーマ:アルフレッド・ヒッチコック監督作品

『サイコ』(1960)ヒッチコック最大の問題作で有名作品だが、代表作ではない不思議な作品。

 一般的な映画ファン及びマニアだけではなく、それと気づいているかどうかにかかわらず、おそらく多くの人々はこの作品からの引用を見たことがあるでしょう。  アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』はそれほどよく知られている映画です。我が国のバラエティ番組でも、気持ち悪いタレントが女性タレントと絡むようなシーンでは結構高い確率でバーナード…
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『白い恐怖』(1945)終戦の年に、あちらではこれ程の作品が公開されていた。

 ヒッチは今回、フロイト博士の『精神分析入門』からインスパイアされたと思われるストーリー展開と台詞の言い回しを前面に押し出した脚本、夢の世界をセットとして具現化させるために起用されたサルバトーレ・ダリという二つの斬新な切り口を持つこの作品を製作する機会を与えられました。  さらに配役にハリウッド・スター・システムの中でも最高クラス…
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『シャンパーニュ』(1928)ヒッチコック監督には珍しいラブ・コメディー映画。ネタバレあり。

 イギリス時代、それもサイレント映画を製作していた頃のヒッチコック監督作品のひとつが、この『シャンパーニュ(シャンペン)』です。全部で9本撮影されたヒッチコック監督のサイレント時代における8番目の映画です。そしてこれは彼にとって非常に珍しい部類に当たるラブ・コメディ映画であるだけではなく、ファンにとっても非常に貴重なものです。  …
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『ハリーの災難』(1956)ヒッチコック監督の作った、可愛らしいブラック・コメディー。

 1956年に製作された、この『ハリーの災難』はいかにも、アルフレッド・ヒッチコック監督らしいブラックなセンスに溢れたコメディ・タッチの作品です。ですが、ヒッチ先生の作品を見るときは、どうしてもアンドレ・バザンらに代表される、カイエ・デュ・シネマ一派の人たちの影がチラついてしまいます。  彼らによる権威付けが猛烈に行われてしま…
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『山羊座のもとに』(1949)もしも、最初に見たヒッチ作品がこれだったら、嫌いになるでしょう。

 イングリッド・バーグマンが主演女優として、存在感を示している以外、他に印象に残るシーンなどがほとんど皆無といってよい作品でした。アルフレッド・ヒッチコック監督が、何故このような歴史物を製作したのかという意味があまり解らない。『ロープ』のあとの息抜きに作ったのだろうか。  ファンが期待するようなサスペンス的要素もなく、謎とき物であ…
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『パラダイン夫人の恋』(1947)名作になり損ねた作品。演出には光るものあり。

 ヒッチコック監督、通算33作目に当たる『パラダイン夫人の恋』は1947年度製作の作品です。主演にグレゴリー・ベック、共演のパラダイン夫人役にはアリダ・ヴァリ、ベックの妻役にはアン・トッドを起用しています。  製作者のセルズニックの気まぐれと、類稀なるキャスティングのミスが重なったために、本来のストーリーが持っていたであろう、英国…
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『舞台恐怖症』(1949)大女優マレーネ・ディートリッヒ出演作。他を圧する存在感は流石!

 アルフレッド・ヒッチコック監督、1949年製作作品であるとともに、ヒッチ作品に唯一、稀代の名女優マレーネ・ディートリッヒが出演している作品でもあります。映画史上、ベティ・デイヴィスと並ぶ最大の妖女であり、他の出演者を圧倒する存在感の持ち主である彼女を、どのように演出するのかという大きな課題が、ヒッチコック監督に与えられました。 …
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『見知らぬ乗客』(1951)ストーカー映画の原点とも言える、ヒッチ先生の絶頂期に作られた代表作です。

 1951年製作、レイモンド・チャンドラー脚本による、アルフレッド・ヒッチコック監督の絶頂期に作られた傑作のひとつであるとともに、ストーカーを扱った映画の原点ともいえる作品でもあります。当時は、サイコ・キラーの一形態として珍しいタイプの犯人像として提示してきたのでしょうが、今現在では、そんなに珍しくもないありふれた犯人像を描いた作品にな…
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『めまい』(1958) 特撮好きのヒッチ先生が送る、実験的な要素も多いサスペンス作品。ネタバレあり。

 ヒッチコック監督の1958年製作作品であり、特撮で有名な作品でもあります。ヒッチをあまり知らない人でも『鳥』・『サイコ』と共に、名前だけならば聞いたことがあるだろうと思います。個人的には、主人公の心理面の混乱を、いろいろな映像で示していたあたりが優れているとは思うのですが、突飛過ぎる幽霊話には内容の解りにくさがありました。  「…
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『ヒッチコックの恐喝』(1928)流石のヒッチにも迷いが見えるサイレントとトーキーの端境期の作品。

 ネタバレあり。  ヒッチ先生、初のトーキー作品という記念碑的な作品です。しかし流石のヒッチ先生でもこのトーキーというものをどう使っていけばよいのだろうかとお悩みのようです。ストーリーとしては1920年代の大英帝国において、ヒロインのしたことは、とんでもないスキャンダラスな行動だったと思われます。  いまでもほとんどの人は、…
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『知りすぎていた男』(1958) セルフ・リメイクをする必要があったのか疑問の残る一本。ネタバレあり

 ヒッチコック監督により1934年に製作された『暗殺者の家』の、彼自身によるリメイク作品。この作品は映画愛好者の間では人気の高い作品です。しかし個人的にはあまり好みではありません。その理由はストーリー構成、俳優(特に悪役)、演出、音楽などが、ほぼ『暗殺者の家』と同じで、創意工夫のあとが見られないためです。  円熟の味はさすがにカッ…
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『バルカン超特急』(1938) トリュフォー監督が最も愛したヒッチコック監督作品。 ネタバレあり。

 ヒッチコック監督のイギリス時代の代表作のひとつであり、列車しかも超特急という「密室」と「速度」による二重の圧迫の中で作品が展開されていく。被害者を救出して犯人を捜すストーリーなので、ミステリーの要素の強い作品です。非常に狭い空間の中で起こるサスペンスであり、ほとんどの人が敵であるという、まさに息の詰まる作品となった。  ほとんど…
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『鳥』(1963) サスペンスの巨匠として有名なヒッチコック作品の中では異色の作品です。ネタバレあり

 ここ3年くらいのことなのですが、田舎だった、わが家の近所も造成が進み、山や林がどんどん伐採され続けています。そのせいか夏秋の夜になると、駅の周りの街路樹に、「鳥」達が大挙して集まり、木々から溢れんばかりの大群が一晩中鳴き続けていました。その後、保険所か何処かの役所が枝だけを刈り取り、見栄えの悪い幹だけになってしまった木が、まるで死体の…
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『逃走迷路』(1942)『フランケンシュタイン』のパロディーも出てくるヒッチ先生の活劇。ネタバレあり

 ヒッチ先生の『北北西に進路を取れ』に次ぐ、活劇の代表作です。まだヒッチコック監督作品を見られていないビギナーの方には『鳥』、『疑惑の影』、『サイコ』、『裏窓』、『海外特派員』、『北北西に進路を取れ』などと共に必ず見て欲しい作品です。  無実の人間に罪がかぶせられて、その人間は警察からも追われて、自分で犯人を探して自らの潔白を示さ…
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『裏窓』(1954)犯罪である覗きも、ハリウッド・スターがやると変態行為にすら見えない。ネタバレあり

 ヒッチコック監督がついに最高の女優を手に入れました。彼女の名前は後のモナコ公国王妃となるグレース・ケリー。歴代ハリウッド女優の中でも、最大級のアイコンを使って撮った作品である。ヒッチ先生が最も好むブロンド美人で、理知的かつエレガントであり、なおかつセクシャルな魅力をも持ち合わせている希有な女性。グレースを引っ張り出したこの作品は、ヒッ…
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『海外特派員』(1940)ナチスドイツの宣伝相ゲッペルスがたいそう気に入っていた作品。ネタバレあり。

 1940年製作の正統派ヒッチ作品。あまりヒッチ先生らしくない(レベルは凄く高いのですが)『レベッカ』の次に製作された今作品には、ヒッチ先生のアイデアが溢れかえっています。『レベッカ』で抑え付けられていた才能が一気に噴出してきた観があります。  今回の主役は、いつものように事件に突然巻き込まれていくというスタイルではなく、自分から…
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『北北西に進路を取れ』(1958) 何度も見たくなるヒッチ・ワールドの集大成となる作品。ネタバレあり

 1958年製作の『北北西に進路を取れ』は、映画学校の教科書にも出てくるほどの名作であり、この作品はヒッチ映画の完成形です。時間を忘れて、見入ってしまいます。見た後でも、目と記憶に焼きついている色々なシーンが数多く、展開もヒッチ作品を何本も見た人ならずとも、感情移入しやすい作品でもあります。  これがヒッチデビューの人でも抵抗なく…
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『下宿人』(1926) ヒッチコック監督のサイレント時代の傑作サスペンス ネタバレあり

 イギリス時代のヒッチコック監督が、資金繰りや役者の問題、更にはかつての上司からの嫌がらせなどで、苦しみもがいていた頃の作品ですが、後々考えてみると、彼がサイレントでも傑作といえる本作を、1926年に制作していたことはとても興味深い事実です。ヒッチタッチと呼ばれる、観客を作品世界に引きずり込んでいくヒッチ先生の独特な作風は、この当時に養…
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『暗殺者の家』(1934) ヒッチコック監督によって、後にセルフ・リメイクされた傑作スリラー

 まだ監督としての名声を確立する前の作品であるために、予算があまり取れずにいた頃の作品。素晴らしい工夫は随所に見えますが、自分の思い通りには仕事が出来ていない印象はぬぐえません。  今回のピーター・ローレは大ヒットですが、その他の役者の人選に関して強くそれを感じます。古い作品ということもあり、そこかしこに「かびくささ」も感じますが…
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