テーマ:溝口健二監督作品

『虞美人草』(1935)なんせ、音が酷すぎる。ただ、現存しているだけでもありがたい。

 『虞美人草』は1935年製作ということで、その当時の多くの映画と同じく、大戦の戦火に焼かれたものも多く、溝口作品も含めてほとんど残っていない。その大火の中で生き抜いてきた、戦前の作品だったために、かなり期待して鑑賞することになりました。  結果としては、巨匠の名前倒れの作品であり、期待は見事に裏切られました。1935年というと、…
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『宮本武蔵』(1944)溝口健二監督、絶不調時代の作品。ひどい出来栄えです。

 1944年製作で、中途半端な国策映画の臭いがする、ほとんど溝口健二監督らしさの見えない作品です。なんのために、わざわざこのような無意味な作品が作られたのか、理解できません。孤高の剣聖と呼ばれた宮本武蔵の生き様を、勇壮に描くわけでもなく、かといって溝口監督らしく、武蔵と女との情念のもつれを描くわけでもなく、菊池寛の原作に忠実に描くわけで…
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『折鶴お千』(1935) 溝口健二監督の、サイレント時代に撮られた数少ない、現存する作品のひとつ。

 サイレント映画時代の溝口健二監督の傑作のひとつであり、オープニングの大雨の中で駅に佇む二人(山田五十鈴さんと夏川大二郎さん)の男女のフラッシュバック・シーンのみで、彼らの生き様を過去と現在、そしてその後の未来についてサイレントなので当然ですが、ひとつの台詞もなく映像のみで見事に表現しています。  かつての彼らにとって重要な神田明…
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『山椒大夫』(1954) 命懸けで正義を貫いた先に待ち受けているものは・・・。ネタバレあり。

 溝口健二監督の戦後トーキー期における『雨月物語』と並ぶ代表作であり、単に溝口監督の代表作であるだけでなく、歴代日本映画の代表作でもある。これほど深い作品を現代の監督はいまだに誰一人撮れていない。  ほとんど全ての昭和世代の日本人ならば、知っているだろう『安寿と厨子王』の昔話。古臭く、そして子供のお話だと思っていたものを、何故に彼…
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『雨月物語』(1953) 光と影の織り成す死の物語。溝口健二監督のトーキー時代の代表作のひとつ。

 黒澤監督が『羅生門』によってベネチア映画祭の金獅子賞を取った翌年に、同じ大映から製作された溝口健二監督の3年連続ベネチア映画祭受賞作品となったうちの一本です(1952年の『西鶴一代女』の監督賞、1953年の『雨月物語』、1954年の『山椒大夫』での銀獅子賞)。  次の『近松物語』も素晴らしい出来栄えですが、出品した時に当時の大映…
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