テーマ:黒澤明

『素晴らしき日曜日』(1947)黒澤監督が小市民の一日を切り取った、隠れた佳作。ネタバレあり。

 黒澤明監督の撮った現代劇の中で、もっとも素敵な作品です。オープニングでの、シューベルトによる『楽興の時』は暗い気分をうきうきさせてくれます。同じシューベルトの作品である、クライマックス・シーンでの『未完成交響曲』ばかりがクローズ・アップされますが、個人的にはこの『楽興の時』がとても好きで、今でもその音楽を聴くためだけに、このDVDを見…
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『虎の尾を踏む男達』(1945)終戦間際に出来たのに、役人の嫌がらせで1952年に公開された作品。

 またもミュージカルの要素を持つ、1945年製作の黒澤明監督の4作目です。歌舞伎の『勧進帳』と能の『安宅』からの翻案物となるこの作品には、榎本健一(エノケンさん)の魅力が画面いっぱいに拡がっていて、シリアスな局面で緊張している義経一行との対比がとても面白い映画となりました。エノケンさんという狂言回し兼主役を得たこの作品は、後の黒澤作品の…
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『續 姿三四郎』(1945) 会社のために作らざるを得なかった続編作品。 ネタバレあり。

黒澤明監督、1945年の作品である『續 姿三四郎』は監督本人が自ら望んで撮った作品ではなく、会社の要請にしたがって作られた映画です。使えるフィルムの量にまで制限があったとされる戦争当時の映画界においては、映画を撮れるだけでも幸運でした。乗り気でなかったものほど、その作家のセンスが反対に浮かび上がるものです。好きなことだけやっていられる…
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『一番美しく』(1944)激戦の1944年、黒澤監督の第二作はミュージカルだった! ネタバレあり

 黒澤明監督、1944年の作品にして唯一の国策映画。太平洋戦争期間中の最も激しく、出口の見えない情勢の下で製作されました。「撃ちてし止まぬ」のスローガンがオープニングから出てくるだけでも特異な状況を理解できることでしょう。尋常ではない状況の中で撮影されたこの作品の後、黒澤監督は主演の矢口陽子さんと御結婚されました。また黒澤監督としては珍…
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『ヒストリー・スルー・ザ・レンズ トラ・トラ・トラ!』 四面楚歌だった黒澤明監督 ネタバレあり 

 2001年製作のドキュメンタリー作品であり、『トラ・トラ・トラ!』についてのフォックス側の見解で綴られている興味深い作品です。黒澤監督が東宝で、最後のモノクロ作品にして、持てる映画製作技術の全てを総動員した『赤ひげ』(1965)の撮影後、彼のフィルモグラフィーは1970年の『どですかでん』まで待たなくてはいけません。  この空白…
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『姿三四郎』(1943) 20世紀を代表する巨匠、黒澤明監督のデビュー作 ネタバレあり。

 1943年という太平洋戦争の真っ只中に作られた、黒澤明監督の記念すべきデビュー作にして、理屈抜きに楽しめる素晴らしい作品。戦時中という言論統制が強い時代の中でも大衆が見たかった映画をデビュー作から作り上げた黒澤監督の苦心と才能。  平和な時代に生きる我々には想像のつかない数々の規制がかけられていたようです。ラブシーンは西洋的だか…
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