『マスカレード・ホテル』(2019)キムタク&長澤まさみ共演の群像劇ミステリー

 最近、うちの近所に“いきなりステーキ”という変わった名前のステーキハウスがオープンしました。関東とかでは立ち食い店として知られているチェーン店のようですが、僕らが住む田舎町では普通に座席(めちゃくちゃせまい!)があるスタイルです。

 駅近の場末の飲み屋やソバ屋さんでもそうですが、立ち食いだからこその良さがあり、それが売りだと思います。が、ファミリー層を狙うためか、座席があるというのは普通のステーキガストやロイヤルホストとかとの違いを感じませんでした。

 会社からの帰り道にお店の前を通ると、お肉がジュージュー焼ける独特の香りにクラクラし、今度行ってみようと思いつつ、時間が経ってしまい、ようやく本日足を運びましたが、立ち食いスタイルでなかったのは残念でした。

 早目に着いたので、まだ空いていた状態でしたが、お昼が近づくにつれて、どんどんお客さんが増えてきて、食べ終わる頃にはほぼ満席になっていました。話題のお店だし、一度は行ってみようという客層とサラリーマンの4人組や作業服を着た人たちのようにガッツリ食べてガンバるぞというノリの人もいて、バラエティに富んでいます。

 さて肝心の料理についてですが、ぼくが頼んだのはワイルドステーキというヤツで、ガッツリ450gの大きさです。注文を取りに来られたときにステーキなのに何故焼き加減を聞かないのだろうという疑念がありました。そんなに肉好きではないので、ウェルダンが良かったのですが、案の定出てきたのは中がレアのヤツでした。

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 肉汁やら生焼けの肉にはあまり興味がないので完食はキツかったのですが、注文時に言わない方が悪いのだからと諦め、根性で食べきりました。お肉自体は普通でしたが、普段着の食事としては問題はない。

 ただアツアツが食べたい向きにはあまりオススメは出来ないし、数日後に行ったことがあるという知り合いと話していると同じような意見がありました。まあ、結論としてはよほど肉が食べたいなあという時以外にはもう来ることはないのかなあという印象です。

 実際、口直しに普段よく食べに行っているスパイスカレーのお店に向かい、ごはん少な目でカレーを注文して、やっと一息つけました。急速に店舗拡大しているステーキチェーンですが、なんだか先が見えている感じでした。

 初期店舗はおそらく質が高かったのでしょうが、料理は具材だけ揃えても、火加減や塩加減などのちょっとしたことでまったく味が変わってしまいますので、評判を落とさないためにも一度立ち止まって、足元を固めたほうが良いのになあと思いました。

<ここからネタバレしますので、これから観に行こうという方はご注意ください。>


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 さて、映画についてですが、木村拓哉と長澤まさみを主演に据えたオールスターキャストが話題となっている本作ですが、見る前は不安なポイントとして大きかったのは、メインの出演者への興味のピントが事務所への遠慮からか、演出の不備からか、どうにもしぼりきれていない感が強く、微妙な雰囲気が画面を覆い尽くしているのかなあという不安がありました。

 また木村拓哉のせいではないのでしょうけど、十年くらい前に見た『有頂天ホテル』をなぜか思い出してしまいました。ホテルが舞台で、オールスターキャスト、照明の雰囲気などです。起こっている事件が殺人事件なので、こちらのほうが深刻ですが、主演も木村拓哉か香取慎吾の違いだしなあ。

 昔はお正月映画は各社のスターたちが勢揃いして、いわゆる忠臣蔵モノを撮ったり、奇を衒った超大作をかましたりしていましたが、流石に映画だけでは食えなくなって行った流れの中、オールスターとは言っても、それは知名度のみを指し、所属を表している訳ではない。

 それでも豪華な出演者を動員しているのは間違いない。小日向文世、梶原善、濱田岳、前田敦子、笹野高史、高嶋政宏、菜々緒、生瀬勝久、宇梶剛士、橋本マナミ、勝地涼(じつは夫婦で出演!)、松たか子、鶴見辰吾、石橋凌、渡部篤郎、特別出演で杉本高文(だれだか分かりますねwww)も登場します。

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 彼が出てくるとこれまで構築してきた映画の世界観が劇的に変わってしまう恐れがあるため、出演シーンは本編ではなく、エンディングで背を向けて、チェックインをしている宿泊客でした。彼の友情出演のテロップがちょうど出てくるシーンです。

 まったく顔出しをしないので、事前に今年のお正月に放送されていた毎年恒例の二人の番組を見ていないと衣装が分からないので、絶対に判別できないでしょう。

 一体感という意味では日本的なオールスター映画は絶滅しました。また、普段からCMなどに出てくる人が多く、一般人から見れば、インターネットの影響もあり、情報を仕入れるのが容易になり、昔ほどの距離感もなくなってきています。

 原作を読んでいませんので、あくまでも映画を見ての印象になりますが、前回の『検察側の罪人』よりは楽しく見る事ができました。今回は前よりは役柄にフィットしたのかもしれません。

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 もっとも、何かを背負っている感はいまだ抜けず、いつまでもSMAPの呪縛から解き放たれていないのはこの人なのでしょう。目と身体全体からはまだまだ堅苦しさを感じてしまいます。まあ、今作の主役が唐沢寿明だったら、そのまま三谷ワールドになりそうですね。

 内容は映画スタイルで言うと、いわゆるグランドホテル形式と呼ばれる群像劇で、ホテルを舞台に一癖もふた癖もある宿泊者たちが事件の重要人物かもしれないという雰囲気を醸し出しながら、クライマックスに向かっていくハリウッド古典の形を持ってきています。

 濱田岳や生瀬勝久、笹野高史らのクレーマー的なエピソード、宇梶剛士が恐喝を仕掛けてくるエピソード、菜々緒がストーカー被害者を装いながら、じつは反対に夫の浮気を問い詰めていくエピソード、障害者を偽装しながら、真の目的を果たそうと用意周到な計画を仕立て上げて実行していく松たか子の本筋など上手く話がとっ散らからないように纏まっています。

 相変わらず、松たか子のカメレオン的な演技は素晴らしく、ある時は盲目のおばあさん、またある時は売れない舞台女優、またあるときは復讐に燃えるサイコな女をさらりと演じています。

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 テクニック的に興味深かったのはキムタクへのズームによる寄りから始まり、長澤まさみのアップに切り替わってからのズームからの引き画、ゆっくりとした長澤まさみからのパンからのキムタクへのアップへとつなげていく演出は楽しく見ていました。ただ何度も繰り返されるズームアウトからホテル全景までつなげるカットは無意味に思えます。

 繰り返されるテクニックとして、360度パンがしょっちゅう出てきます。最初のこの演出はいきなりホテルマンになってしまうキムタクがあちこちで動いている、ホテルに集まってきた群像からの精神的プレッシャーと混乱を、その後は周囲の様子を把握できるようになってきた心の余裕を、終盤のパンはざわついた環境下においても容疑者を見つけ出す刑事としての能力を表現しているように思いました。

 昨夜は嵐の活動休止も発表されましたし、会見も見事な出来で、ジャニーズも変わってくるようです。うちの母親は嵐のファンで、とくに松本潤くんがお気に入りです。

 去年は『ナラタージュ』を一人で観に行っていますし、冠番組の『VS嵐』『嵐にしやがれ』を毎週録画しています。ちなみに本日の客入りは七割くらいで奈良の劇場としては埋まっている方です。

総合評価 68点



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