『映画はいつもワクワクさせてくれた…(3)』WOWOWとスカパーにハマリ込んだ20代以降…。

 今回は社会人になってからの映画鑑賞状況を記事にしてみようと思います。レンタル・ビデオの隆盛については前回書きましたが、レンタルも一通り見ていくと、あることに気づきます。あれ?もう見たいのあれへんなあ…。つまり、それはお店にないソフトは見れないという当たり前の事実です。

 いくらツタヤでも全ソフトを置いているわけではありませんし、各店に選択が任されている商材も多いようです。店のこだわりというか、店長のこだわりなのでしょうが、彼らの好みと自分の好みが合えば、かなり嬉しいソフトに出会うこともあります。広いこともありますが、大阪ミナミのツタヤ心斎橋店はクラシック映画ファンにとってはまさに宝の山です。また狭いのが難点ですが、伏見桃山のお店には『エルトポ』『ホーリー・マウンテン』などのカルト映画を数多く在庫していた、ぼくにとってはイイお店でした。

 「あの店にないが、こっちの店にあるなら、たまにはあっちに行ってみよう!」というのは新しい楽しみをくれます。その街の店に行ったついでに、その街で食事をしたり、買い物をするようになるのです。ぼくは実際、奈良に住んでいますので、大阪・京都・奈良のツタヤや大きめのGEOなどは探し出して、休日に出かけていく日もありました。

 さすがに忙しくなってしまった、ここ何年かは行けなくなってしまいましたが、ご当地のイタリアン、インド料理、和食、ラーメン屋さんなどを探索するのはかなり楽しい時間のつぶし方でした。知り合いのうちに行くときでも、ちらちらとその地のレンタル屋をのぞいていたりしました。

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 レンタルに行けなくなると、代わりに台頭してきたのはWOWOWとスカパーでした。時系列的にいうと、まずは1990年代の前半から後半に掛けてはほぼWOWOWが家で見る映画のすべてでした。単一チャンネルであるにもかかわらず、月に放映される映画が200本以上というのは圧倒的な供給量ですし、スカパーでも単一でこれほどの量を網羅するのは不可能に近い。

 まあ、スカパーの場合、多チャンネルという利点をフルに利用すれば、WOWOWを凌げますが、単一という点で見ると、WOWOWに敵うチャンネルはありません。またこのチャンネルの強みは映画だけではなく、スポーツ、演劇、海外ドラマなどに90年代後半までほぼ独占していたことです。

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 WOWOWに入っていない人とそうでない人では見ているコンテンツの質がまるで違い、その良質なコンテンツの量とともに、まさに夢のようなチャンネルでした。イタリア・セリエAは毎節注目の試合を週に2試合は放送してくれていましたし、テニスのフレンチ・オープンは毎年楽しみにしていました。

 セリエAは初期からずっと見ていましたので、ACミランに所属していた、マルコ・ファン=バステン、ルード・グーリット、フランク・ライカールトからなるオランダ・トライアングル、ライバル・クラブであるインテルに所属していた、ローター・マテウス、ユルゲン・クリンスマン、そしてウイングバックのブレーメからなるドイツ・トリオがぶつかるミラノ・ダービーなどはかなり盛り上がっていました。

 1990年にイタリアで行われたワールド・カップではドイツとオランダがミラノでぶつかったために、観客のヴォルテージは一気にヒートアップしたために、選手も興奮し、ミラン所属のライカールトとローマ所属のフェラーが揉めに揉め、最後は両者退場という信じられない結果になりました。

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 写真は新日時代に行われた、伝説のアンドレ戦ですが、前田日明主催のリングスも毎月楽しみに見ていました。バーリトゥードの放映権もスカパーにさらわれてしまいましたが、初期において、このチャンネルが果たした役割は大きい。イタリア・セリエA、そしてチャンピオンズ・リーグもスカパーに持っていかれました。つまり、スカパーはWOWOWの誇るキラー・コンテンツを奪っては、顧客数を増やしていった訳で、仕方なく利用してはいますが、あまり良い印象は持っていません。

 WOWOW関連ではマイク・タイソン・ザ・ファイトも忘れられません。ホリフィールドとの連戦は記憶に残る遺恨試合になりました。ジョー小泉と浜田剛がパーソナリティを務めるボクシング番組『エキサイト・マッチ』も定期的にチェックしていました。試合の構成力、有効打の数、パンチの打ち数で判断し、ラウンドの採点をマスト・システムで付けていく、プロモーターらしい解説とどうしようもないが脱力させてくれる駄洒落が素晴らしかった。

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 ドラマではXファイルなどもずっと見ていましたし、WOWOWが放映権を失ってからも、最後のシーズンまで付いていきました。ここ何年かではCSIシリーズもかなりのお気に入りでした。アニメではシンプソンズが懐かしい。

 映画とは直接関係はないのですが、色々なジャンルを見ることにより、視野が広がるのは明らかで、食わず嫌いを防いでくれた意味でも、WOWOWがぼくにとって重要だったのです。

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 しかし独占状態は長くは続きませんでした。さきほどから度々言及しているように、スカパーの登場で、ペイテレビ界の勢力地図は大きく様変わりしていきました。WOWOWのキラー・コンテンツのほとんどはスカパーにさらわれて行きました。しかも性質が悪いことに単一チャンネルで見れたものを、恣意的にかどうかは知りませんが、ドラマ、スポーツ、アニメをズタズタに奪っていったのです。

 スカパーで、そうそう何チャンネルも契約することは出来ませんので、優先順位をつけて見ていく他はありませんでした。面倒くさく、お金もかかる。そんな悪のシステムを我々視聴者に押し付けたのがスカパーのシステムなのです。しかしながら勿論利点もあります。つまらない番組が多いチャンネルは次月に契約しなければ良いだけなのです。容赦なく切り捨てていきましたし、僕と同じような行動を当然、他の視聴者も考えますので、無くなっていくチャンネルもたくさんありました。

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 そしてとうとうWOWOWもスカパー中に併合されてしまい、デジタル放送以外のアナログ放送はWOWOWチャンネルとなってしまったのです。独自性が保ちにくくなるのでしょか。双方メリットがあるから吸収されたのでしょうが、初期からずっと見ていたので、なんだか寂しい気持ちもあります。

 スカパーでの僕がよく契約するチャンネルはシネフィル・イマジカ、チャンネルNECO、衛星劇場、日本映画専門チャンネル、WOWOWチャンネル、FOXホラーチャンネルなどです。さすがに最近は見たいものはほぼ見てしまったためか、チャンネル契約数は減少の一途をたどっています。

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 ちなみに今月はWOWOWチャンネルとシネフィル・イマジカのみの契約となっております。来月のプログラム次第ではシネフィル・イマジカのみになる可能性が高い。バラエティに富んだ内容が魅力的なWOWOWではありますが、見る時間がないので、いたしかたありません。

 さあ、来月はどこのチャンネルを契約しようかな?という感じです。

 では一方、劇場へ行く回数はどうなったかといえば、やはり社会人になると激減しました。月一がせいぜいで、それが10年以上は続きました。再び劇場で観るようになったのはここ5年くらいで、月三本以上は劇場鑑賞する習慣を再び手に入れました。

 出来るだけ小さな小屋で観たいのですが、今は残念ながらシネコン全盛なので仕方なく観ています。名画座が激減したのも足が遠のく原因です。大阪では僕が行ける範囲でリバイバル上映をしてくれるのはシネ・ヌーヴォくらいです。もっと近かったら、入り浸るのですが、残念ながら遠い。でも行きたい。あのパイプ椅子で観る映画はまるでボロボロの鄙びた遊園地で乗るジェット・コースターのようで、かえって興奮してしまいます。

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 なんだかんだいっても、映画は常に僕にとっては大切な、なくてはならないものなのだと改めて思わせてくれました。素敵な人々のあるときはせつない人生を、またあるときはスリル溢れる人生をぎゅっと凝縮して、2時間で観ることを可能にしてくれるもの、それが映画なのでしょう。

 喜劇は悲劇の中にあり、悲劇は喜劇の中にあります。光の中に影があり、影から光が生まれる。感情を大きく揺さぶり、人生を一変させる力を与えてくれるときもある。あるときはニコニコ笑いながら劇場を後にし、またあるときはウンザリしながら家路に着く。

 さあ、今度は何を観に行こう?

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