『マッカートニーⅢ』(2020)聖ポールから届いたクリスマス・プレゼント。80歳手前でも制作意欲があるのがスゴイ!

 久しぶりに記事を書いておりますが、映画ではなく音楽になってしまいました。ウイルス感染が収まりかけたように見えた矢先、さらなる感染者が爆発的に増えてきてしまい、春はまだまだ遠そうです。

 僕自身の関心も今は散発で公開される映画よりもレコードを聴くことに向けられていて、ビートルズ&各メンバーソロやレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、マディ・ウォータース、浅川マキ、RCサクセション、YMOなどのアルバムを聴いたり、昔聴いたシングル盤を掛けまくる日々が続いております。

 今年購入した高額レコードとしてはスターリンの『trash』の復刻版レコード、それの数倍するのが自宅からチャリで通えるほど近い、ビートルズのアナログレコード専門店のB-SELSさんで購入したビートルズ中期の傑作『リヴォルヴァー』のイギリス・パーロフォンのモノラルでマトリックスがA面はXEX605-2、B面はXEX606-1で刻印されている希少盤です。

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 料亭でおなか一杯食べれるくらいの価格でしたが、蟷螂の斧さんが親交をお持ちの森山直明さんが『レコードコレクターズ増刊』で発表されたことで人気が爆発して以来、長年探し続けた一品でしたので、最終的に迷いはございませんでした。

 有名なのはB面ラストを飾る『Tomorrow Never Knows』のサウンドエフェクトが聴けばすぐに分かるほどに違っていることです。商品自体はちょこちょこ入荷されていましたが、納得のいく一枚を求めるために入荷の度に視聴させていただき、半年くらいかけて選び抜きました。

 こちらのお店には2年くらい通っていて、月一回程度は顔を出すようにしています。レコードはオーナーの方(お名前はお互い知っていますし、お電話番号も知っていますが、当然書きませんwww)の経験と知識から厳選していただき、なんやかんやで赤盤すべて、キャピトルの大半、パーロフォンのシングル盤などを購入させていただいております。

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 本日も立ち寄らせていただきましたが、何気なく『恋を抱きしめよう/デイ・トリッパー』が気になり、オデオンシングル、アップル黒盤、パーロフォン初盤などを聴き比べていきました。

 聴いた印象はオデオン盤はモノラルなので、聴き慣れたステレオテイクとは違い、独特の力強さがあり、しかも日本盤特有の繊細さを持ち合わせていました。続いてアップル、パーロフォンと聴いていきましたが、個人的な好みはパーロフォン盤の音圧の高さと疾走感でした。

 45回転でモノラルというのはこれまで聴いてきたのと明らかに印象が変わります。1960年代当時の現役のビートルマニアが熱狂的に聴いてきた盤が大西洋を渡り(『アトランティック・クロッシング』ですね!)、極東の地で今でも迫力があるサウンドを聴かせてくれています。

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 そんなこんなでビートルズの話になってしまいましたが、今回の目的はつい先日リリースされた、聖パオロではなく、ポール・マッカートニーの新譜『マッカートニーⅢ』の感想を話すことでした。

 ポールの新譜をアナログで聴くという体験は『ヤア!ブロードストリート』以来だから35年ぶり?かなあと思いつつ、3回ほどアルバムを自宅のターンテーブルに載せてから、自分なりの感想もありましたのでチャリを転がしながらお店に着きました。

 するとオーナーがたまたま『マッカートニーⅢ』を掛けるタイミングだったので、そのまま一緒に聴くことになりました。今回のタイトルはずばり『マッカートニーⅢ』。このタイトルを付けられるということはポールの個人的なというか、内省的な内容になるだろうことは容易に推察できます。

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 最初の『マッカートニー』はビートルズ崩壊前後に製作されましたが、当時はあまり高評価を受けたという批評を見たことも無く、どちらかというと"否"の意見が多かったようです。ぼくはこのアルバムが好きです。

 地味ですが、ポールが奏でるギターの音色はとても豊かで、『ジャンク』『テディ・ボーイ』などの佳曲もあり、シンプルなのにスカスカと感じません。内ジャケも家族写真のピンナップを無造作に配置したようなデザインで派手さは全くない素のポールを感じます。ウイングス解散後の1980年に出した『マッカートニーⅡ』も前作同様にデモテープをそのままリリースしたような実験作の味わいがあります。

 ウィングス結成時にリリースした『ワイルド・ライフ』も好きなアルバムの一つです。もちろん大向こう受けする『ラム』『バンド・オン・ザ・ラン』なども完成度に驚かされますし、もっとも成功したビートルらしく、才能は圧倒的です。でも個人的なスタイルを持つ作品群の方がじつは好みです。そして今回の『マッカートニーⅢ』。

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 "マッカートニー"シリーズを冠されたからには今回のアルバムの狙いも大向こう受けではなくて、個人的な興味が赴くままに自宅で録音し、それらをスケッチのようにリリースするスタイルになるのは古くからのファンには理解出来るでしょう。

 予約していたアナログ盤が無事に届き、レコード針を落とすとシンプルだが、表情豊かで綺麗な音色のギターやピアノが部屋に広がってきました。A面は『ロング・テイルド・ウィンター・バード』『ファインド・マイ・ウェイ』『プリティ・ボーイズ』『ウィメン・アンド・ワイヴズ』『ラヴァトリー・リル』『スライディン』。

 B面が『ディープ・ディープ・フィーリング』『ザ・キス・オブ・ヴィーナス』『スィーズ・ザ・デイ』『ディープ・ダウン』『ウィンター・バード / ホエン・ウィンター・カムズ』となっており、収録時間に制限があるレコードとCDでは曲順が違っています。

 へヴィーな『ラヴァトリー・リル』、落ち込んでいる世界中の人達に向けたような『ウィメン・アンド・ワイヴズ』、ホワイトアルバムに入っていても違和感がない『ウィンター・バード / ホエン・ウィンター・カムズ』などはポールらしいですし、さきほど書いた通り、シンプルだけど音色が豊かなギターやピアノの拡がりにホッとします。

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 色々と文句を言う人もいるでしょうが、ポールは80歳に近づいており、新譜を届けてくれるだけで十分に嬉しい。あと何枚新作を楽しめるかなあと思う心があれば、彼の声や歌い方がどうのこうのとか、輝きが失われているとか平気で批判するレビューを見ると「神様になんて罰当たりなんだ!」という気持ちが強くなります。

 今自分に出来ることを各々がやっていくことが明日に繋がっていくというメッセージを受け取り、おそらく2019年以前には戻れない2021年以降に対応していきましょう。個人的にはおかげさまで普段の年よりも多忙を極める一年ではありましたが、明日は我が身なので気を引き締めて仕事に臨みたい。

 では皆さま、良いお年を!


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