『ヤァ!ブロード・ストリート』(1984)ポールはまだぼくらとともにいる!

 何度やっても面倒臭い、毎年恒例の決算処理作業と書類作成が徹夜も挟んでようやく終わり、一息つこうとAmazonでCDや本の購入を済ませ、今月の支払い金額を確認しに三井住友のサイトへ出向き、真夜中11時にログインしました。今月の金額を確認したところ、普段より2倍以上の支払総額になっていました。

 まあ、先月はオーディオ・アンプやCDプレーヤー、付随するスタイラス・クリーナー、レコード用のインナー・スリーヴなどオーディオ関連商品なども購入していたのでそれくらいになるのかなあとも思いましたが、購入した覚えがない日に支払いがされているものが五件ほどあり、Amazonの購入履歴とぶつけてみると3万円くらい合わないものがありました。

 このカードは通信販売のみに使っているものだったため、まさかのときに備えて、①暗証番号を容易に推察できないものにする②支払い限度額を手堅く10万円以下に抑える③リスク分散の意味で面倒臭いがあえて複数のカードを使用するというルールで登録しており、先月のオーディオ関連と書籍購入で7万円以上をすでに使っていたので、使用限度金額が3万円くらいの状態でした。

 仮に一枚しかカードがなく、支払限度額が100万円とかにしていて、1ヶ月まったく気付かずにいたら、かなり面倒なことになるところです。前もって、自分にもネット絡みのトラブルが起こるかもしれないなあと漠然と思っていたので対策をしておいて損はなかったようです。

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 まあ、それはさておき、今回の不正使用に対する事後処理をしていかねばなりませんので、眠い目をこすりながら、まずはAmazonに連絡して、アカウントの乗っ取りなどがないか調べてもらい、そうではないのが分かったので、まずは原因かもと考えられることの一つは可能性が消えました。

 ただカード情報が抜き取られていたのは事実なので、Amazonなどの通信販売サイトでの今後の支払いは他のカードに切り替え、不正利用されている日付と金額を確定させました。

 次に夜中の零時過ぎに三井住友に連絡して、まずは先ほどの事情を伝えて、これ以上の二次被害を防ぐためにカードを止めてもらい、翌朝に再度連絡して、このカードは通信販売専用のもので屋外には持ち出さず、家の中で管理していたので、スキミングとかは考えにくいと説明しました。

 するとこちらにまったく落ち度がないことを理解してくれた係の方はすぐに対応策を取って下さり、保証対応になるので、金額の引き落としはされないことを伝えてくれました。ネットで情報を取られたのでしょうかと尋ねると、暗証番号がヒットするまでひたすらに入力を繰り返すアプリがあり、たまたまそれに僕のカード番号がヒットしたようですと伝えられました。

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 なんだか僕らの住む世界は恐ろしく変貌しつつあるようです。ニュースなどでよく聞くのは架空サイトからの身に覚えがない請求だったり、エロ動画サイトからの請求だったりですが、まさか室内管理しているカードからでもお金を抜き出せるというのは驚きです。

 ことの顛末を会社で話したところ、皆一応に驚き、今晩家に帰ったら、すぐに支払総額のチェックをやりますと言っていました。トラブルはどこからやってくるかは分かりませんし、いざ巻き込まれたときは慌てず、騒がず、まずはリカバリーしていくために何が必要かを考えて、動いていきましょう。カードは引き落としまでに時間差があるので、まずは落ち着きましょう。

 近況はさておき、今回の記事に選んだのは1984年、つまりポールがスティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソンらと組んで作品を発表していた1980年代の前半に劇場公開された、『ヤァ!ブロード・ストリート』です。

 この映画でのポールは新作のマスターテープを盗まれるというアイデアを使っていますが、当時のぼくはこのエピソードからフィル・スペクターに『ロックン・ロール』のマスター・テープを持ち逃げされたジョン・レノンを思い出してしまい、まだ死後数年しか経っていない状況でしたので、いまいち笑えませんでした。

 それでもポールはエンターテイナーとして、生き残ったビートルとしてコンスタントに僕らに生存をアピールするように新作を発表し続けてくれました。ジョンと常に比較され、批判されることの多かったポールですが、ビートルズでのポールの功績は絶大であることは誰にも否定できません。

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 作曲の才能はもちろんですが、プレーヤーとしてもビートルズを支えていたのはベース奏者としてのポールといまいち世間一般の評価が低いドラマーのリンゴ・スターなのです。リズム隊の彼らがいてこそ、稀代のロックンローラーだったジョンの歌やジョージの繊細なリード・ギターが生き生きと躍動していました。

 最近、十数年ぶりにビートル・マニアに復活し、アナログレコードを聴きまくっていますが、メロディアスなポールのベースや独特のリズムを刻むリンゴのドラム無くしてはビートルズのサウンドには成り得ないことに改めて気づかされる毎日です。

 先日のお休みには『ヘルプ!』『ラバーソウル(英国盤及びキャピトル盤)』『リヴォルヴァー』『ヘイ・ジュード』などを聴いていました。何気にぼくはキャピトル盤『ラバーソウル』が好きで、昔持っていたアメリカ・キャピトル盤ではなく、今持っているのはカナダ盤ですが、内容は同じです。

 カナダ盤の特徴としては音質が良く、特に音の分離がはっきりしていて、楽器の鳴りがクリアなのが特徴です。通常のイギリス盤と選曲がかなり違い、『ドライブ・マイ・カー』『ひとりぼっちのあいつ』『恋をするなら』『ホワット・ゴーズ・オン』が外されて、なぜかイギリス盤『ヘルプ!』に収録されている『夢の人』『イッツ・オンリー・ラブ』が入っています。

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 レコード時代でいうとA面トップにアコースティック・ギターを前面に押し出した『夢の人』、二曲目に『ノルウェーの森(ノルウェー製の家具)』、B面トップに『イッツ・オンリー・ラブ』を持ってきているので印象はがらりと変わり、フォーク・ロックのアルバムのように映ります。またもしB面ラストにいつものようにカバーの曲、たとえば『バッド・ボーイ』か、オリジナルの『アイム・ダウン』でも配置していれば、ヘルプ感満載になってしまっていたことでしょう。

 その他の有名な特徴としては『アイム・ルッキング・スルー・ユー』の出だしでギターの入りを間違えるバージョンがマニアを購入に向かわせます。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンはこれを聴いて、神の啓示を受け、『ペット・サウンズ』を製作したそうです。

 ビートルズが意図したイギリス盤ではなく、キャピトルが商売の都合で本来の形を失ってしまったキャピトル盤を聴いて、新作の発想を得るというのは天才ならではなのか、大いなる勘違いがたまたま良い方向に向かっただけなのか理解に苦しむところです。

 ポールは『ペット・サウンズ』に影響されて『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド』へと舵を切っていくようですので、昔はお互いに刺激を受けながら、レコード制作に向かっていたのでしょうね。

 70~80年代のポールは常に批判されていましたが、それでも多くの人が聴きたいもの、つまりビートルズ時代の名曲をライブでも歌い続け、その姿をファンの前にさらし続けてくれました。

 働かなくとも、毎日数億円換算の資産が増え続けるのですから、わざわざ批判されるのが分かっていることをせずとも暮らしていけたはずですが、あえてメディアとファンの前に登場し、新曲を聴かせてくれました。

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 この映画もその一環で、しかもビートルズ時代の名曲『グッデイ・サンシャイン』『イエスタデイ』『フォー・ノー・ワン』『ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア』『エリナー・リグビー』『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』とウィングス時代のヒット曲『シリー・ラブソング』、そしてシングル・カットされた『ノー・モア・ロンリー・ナイト』が収録されています。

 まあ、往年のキレはまったくなく、安易だと言うのは簡単ですが、お金が必要ではないポールがファンが聴きたいであろう曲を再演してくれるわけですから、ありがたく聴けよと言いたいwww

 トレーシー・ウルマンとか、リンゴ・スター、ジョン・ポール・ジョーンズ(元レッド・ツェッペリン)、TOTOのジェフ・ポーカロとスティーブ・ルカサー、デヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド)との超豪華な共演はポールならではでしょう。なんだか『バック・トゥ・ジ・エッグ』のセッションみたいです。ジョージも参加したら、楽しかったでしょうが、バカなマスコミが騒ぎだすので、静かな生活を望むジョージが止めたのでしょう。

 劇中で個人的に楽しかったのは『ソー・バッド』のシーンです。ぼくがリアルタイムで聴いていたころのもっとも好きなスロー・バラードの曲で、いまでもレコード盤で『パイプス・オブ・ピース』に入っている、このナンバー目当てにプレーヤーに載せます。

 映画の出来自体はあまり芳しくはありませんが、動いているビートルを見ることが出来る貴重なフィルムなので、文句は言うまい。

 総合評価 52点


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この記事へのコメント

蟷螂の斧
2019年04月12日 23:43
こんばんは。
ビートルズ復活祭でこの映画を見ましたもう30年ぐらい前です

>『ノー・モア・ロンリー・ナイト』

この曲も歌詞も泣かせました当時の僕のようです

>これのビデオ昔もらったのがまだありますよww

羨ましいですあの映画の主題歌を使ったCMもありましたよね
2019年04月12日 23:53
こんばんは!

>復活祭
今と違い、昔は各都市をシネクラブ主催で映画を掛けてくれていましたよね。

ぼくも学生の時にあちこち出かけて、出演映画やコンサートフィルムなどを観に行きましたよwww

そのときに普通に海賊盤を売っていたのはご愛敬ですねww
今じゃ、絶対あり得ないですものwww

>あの映画
Vマドンナって、ジャケットの印象が強いですよね。
今でも生き残っているのって、村上里佳子と陣内孝則くらいですかね。

週末にビデオで見ます!

ではまた!
蟷螂の斧
2019年04月13日 13:08
この映画の脚本はポール自身でしたっけ?
「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」の焼き直しだと言う人もいますが、

>フィル・スペクターに『ロックン・ロール』のマスター・テープを持ち逃げされた

そう言われて見ればそうですね
そしてジョン・レノン自身がプロデュースそれはそれで良かったのですが

>『ソー・バッド』

リンゴの存在も良いです
2019年04月13日 19:18
こんばんは!

関西では一昨日の夜にリンゴがライヴをやっていて、観に行った人に今日、話を聞くと、TOTOのヒット曲『ロザーナ』『アフリカ』『ホールド・ザ・ライン』(スティーブ・ルカサーが参加しているため)や懐かしのメン・アット・ワークのヒット曲『ノックは夜中に』『ダウン・アンダー』『オーヴァーキル』(コリン・ヘイが参加しているため)をリンゴがドラムを叩くという信じられない状況だったそうです。

 行けば良かった!と後悔しましたよ。

ではまた!
蟷螂の斧
2019年04月15日 19:15
>関西では一昨日の夜にリンゴがライヴ

オリックス劇場ですか?その前の日があましんアルカイックホール
ヘイミッシュ・スチュワートも来てたんですね。ポールが1990年に来日した時にメンバーだった人

>『ダウン・アンダー』『オーヴァーキル』

いい曲です

>『ヤァ!ブロード・ストリート』

ラルフ・リチャードソンも出演してますね。「わらの女」を思い出します。ショーン・コネリーも出た作品
2019年04月16日 00:12
こんばんは!

大阪まで観に行ったとレコード屋さんのオーナーが言っていたので、オリックスでしょうね。

メンバーはロックを聴いてきた僕らにとってはウキウキするメンツですね。

>わら
暴力描写は当時、話題になったようで、僕は大学生のころ、仲良くなったビデオ屋さんのオーナーから薦められて見ました。

ではまた!



蟷螂の斧
2019年04月16日 17:55
>『アイム・ルッキング・スルー・ユー』の出だしでギターの入りを間違える

これを初めて聞いたブートレグは何だったか?もう忘れてしまいました・・・

>『イッツ・オンリー・ラブ』

小品っぽいけど大好きです

>『シリー・ラブソング』

イントロとエンディングが面白いです。この映画のヴァージョン

>仲良くなったビデオ屋さんのオーナーから薦められて

感想は如何でしたか?
2019年04月17日 00:02
こんばんは!

>ブート
結構、キャピトル盤とか、ライブとか、ゲットバック・セッションの断片をちょこちょこ入れて、何枚ものブートを生み出す手法でマニアから小銭を巻き上げる手口が多かったですよ。

>イッツ
ジョンはこの曲や『アンド・ユア・バード・キャン・シング』などを評価していない旨の発言をしていますが、ファンからするとこういう曲もまたジョンらしいなあと思います。

>わら
機会があれば、また書いてみます!

ではまた!

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