『ファースト・マン』(2019)アポロ月面着陸までを描く骨太の作品。

 IMAX版の大音響での140分超えの上映時間の終了後、まず思ったのはお尻の筋肉や肩の筋肉がずっと締まったり、固まったままに緊張を強いる映画だったなあという身も蓋もない印象でした。つまり体力的に疲れる作品でした。

 ジェミニ計画からアポロ計画に突き進んでいくアメリカの焦りが痛々しいほどで、それほどまでに旧ソビエト連邦に脅威を感じていたということなのでしょう。計画中、どれだけ犠牲者が出ても、補充(二百三高地や人民解放軍並みの人海戦術を続けます!)で乗り切ります。

 ベトナムの厭世気分や解放運動を押しすすめる黒人活動家やデモ隊が困っている自分たちを放置しながら、巨額の予算を惜しげもなく月面計画につぎ込んでいく政府に対して、「われわれは困っている。でも白人は月へ!」と不満を叫び、人権問題や雇用問題で大規模なデモを行っても、ジョンソン政権は完全無視しています。

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 技術的な部分で見ると、安全などはほぼ考慮に入れている様子はなく、異常にガタガタ揺れる船内、ビスが飛びそうになる機体、なぜか船内に入り込んでいる蠅、常に死を感じさせる訓練からはプライドだけで突き進む怖さが満載です。ロシア側にも成果として伝わってくる以外には膨大な事故や犠牲があったのでしょう。伝わってくるだけ西側の方がマシなのでしょう。

 ロッキー対ドラコのように、アメリカという国は強敵が存在するときには対日本に対してはある程度は甘い汁を吸わせてくれるが、敵が片付いたら、矛先が我が方に向いてくる。

 その感覚でいうと米朝(落語家の師匠ではない!)や米中(落語家にいそうだ!)は話し合いがまとまらず、揉め続けていてくれる方が案外日本は何事もなく、平和ボケを満喫できるのかもしれません。

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 わが国も韓国による訳が分からない挑発が続いており、ニュースを見るたびにイライラしますが、断交などをしてしまうと真の敵である共産中国を喜ばすだけなので、批判するときは相手よりも大きな声で否定し、死なない程度にいたぶるくらいにしないといけません。

 せっかくのIMAX版でしたので、大音響や立体的な音作りを期待していましたが、なぜか異常に俳優たちの顔面ドアップが多く、見せたいものがよく分かりませんでした。

 主役のアームストロング船長を演じたのはライアン・ゴズリングですが、この人はあまりにも無表情というか、淡々と演じているために、いまいち感情移入できません。実際のアームストロング船長もこんな感じなのでしたら、見事な演技だということになるのでしょうが、劇映画なのだから、もう少し脚色しても良かったのではないか。

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 それでも前半に亡くなってしまった小さな娘を思い続ける気持ちはあり、1961年にNASAに関わったジェミニ計画から1969年のアポロ月面着陸までの苦節がようやく実ったときに彼は娘のチャームを月に残して去って行く。

 これは実際に行った行為なのかどうかは知りませんが、映画的にバランスを取ったのでしょうか。月に向けて出発する前に物心がついた子供にきちんと仕事の話をするように嫁から執拗な要請を受けて、しかたなく息子たちと向き合いますが、どこか冷たい印象を与えます。

 主なキャストはライアン・ゴズリング(アームストロング船長)、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール、クリストファー・アボット、キアラン・ハインズ、パトリック・フュジット、ルーカス・ハースらですが、メインのほとんどの登場人物はアポロが月面着陸するまでの訓練やテストの段階で事故死してしまうので、かなり寂しくなってしまいます。過酷な現場だったのですね。

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 そこらへんの描写は同じくマーキュリー計画のテストパイロットの苦難を描き出した『ライト・スタッフ』でも多く見られました。科学の進化していく過程では多くの犠牲者が政府公認で出てしまうのでしょう。今回、この『ファースト・マン』を見ながら、ついつい『ライト・スタッフ』を思い出しました。

 頭の中ではビル・コンティがつけた有名なスコア『イェーガーの勝利』が流れていましたし、宇宙空間の無機質な描写ではスタンリー・キューブリックの『2001年 宇宙の旅』でのクラシック音楽の使用を思い出させる楽曲の使い方やミュージカル曲の使用がありましたが、宇宙空間にはクラシックがぴたりとハマるようです。

 この映画を見たら、『ライト・スタッフ』『2001年 宇宙の旅』『カプリコン1』なんかもまた見たくなりました。また、この記事を書いていた今日、帰りにヤフーニュースを見ていると、競泳の池江璃花子ちゃんの病気のニュースが入ってきました。18歳の女子高生が白血病の告知を受けるというのはショッキングでしょう。

 一日も早く治療が上手く進み、薬効が機能し、健康な状態に戻れるよう皆で応援しましょう。まずは人命優先ですが、せめてオリンピックに出た後ならば、より闘病に専念できたでしょうし、本人が一番残念でしょう。

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 総合評価 82点



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この記事へのコメント

ラノベ小僧
2019年02月14日 21:41
宇宙映画で実話モノと言えば「アポロ13」が好きですね。
あれも140分ぐらいの映画でしたな。ピーター、ジャクソン版「キングコング」の公開当時の映画雑誌でパニック映画特集があったんですが、「アポロ13」は珍しい宇宙パニック映画として載ってました(隣の方には宇宙関係ない「カサンドラ、クロス」と「大空港」も写真付きで…)SFパニック映画で好きなのは「ディープインパクト」です。
「アルマゲドン」より感動しましたね。
用心棒
2019年02月14日 22:38
こんばんは!

SFとは一味違う独特の雰囲気がNASAが絡んでくる作品にはありますね。

男臭さ満載です。これらはたぶん開拓史デスから、新しいアメリカの時代劇、もしくは西部劇なのでしょう。

>アルマゲドン
あれ、なんか嫌でしたwww

ではまた!

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