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zoom RSS 『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018)場面構成がまずいなあ…

<<   作成日時 : 2018/07/19 23:29   >>

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 シリーズ物あるいは続編、スピンオフ映画を何だかんだ言いながらも毎年何本か観に行っています。ジュラシックパーク物、スターウォーズ物、ハリー・ポッター物、Xmen物等などハリウッド映画業界が仕組んでくる企み(マーケティングとも言う)に毎回ハメられています。

 まあ、既に知っているキャラクターや設定をもとに作られているので、いわゆる安全パイです。困ったら、とりあえずこの辺を選んでおけば、優良可の「可」程度は期待値として保証されているだろうし、赤点以下になる可能性は低いものが多い。

 つまり、続編物の重要なミッションはマニアックに走り過ぎず、ちょっと彼らを喜ばせ、一般的な観客を仲間外れにしない分かり易さを同時に求められることです。

 マニアは安易だと騒ぎますが、映画という全世界での公開とその後のコンテンツの再利用を前提としたビジネスの前では安全(宗教、人種問題、差別に触れない)が第一になってしまう。

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 そんなこんなを考えながら、今回はやたら何度もスクリーンに掛けられる回数が多い、今となっては無意味な3Dではなく、通常版を選んでいます。選択は正解で、前半はともかく、暗くて狭い場面が多い後半にかけては、立体感の有無はあまり関係ない作品でした。

 近くのカップルはデートなのでアトラクション感覚の3Dを選択しているようです。今回の新作では10あるスクリーンのうち、3Dの字幕版と吹替版、通常字幕版が上映されている3スクリーンを占領しているので、劇場側の販促態勢は整っています。

 では内容に入ります。『ジュラシック・ワールド 炎の王国』は夏休みの目玉として大量にCMが投下されています。見せ場は前半に訪れるパークがあったコスタリカの孤島の休火山が噴火して、金になりそうな11種類の恐竜以外のほぼすべてが島とともに滅びていくシーンでしょう。

 人間の金儲けの欲望のために人工的に製造された恐竜たちは見棄てられて、再度自分たちの意志とは関係なく滅びます。ただ全てではなく、翼竜や海棲恐竜らは野良恐竜となり、大都会の高層タワーをラドンや大怪獣Qのように止まり木にしたり、サーファーたちを海棲恐竜が丸呑みします。

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 CMでも見せ場として出てくる海棲恐竜の不気味なシルエットではありますが、本筋とはまったく関係ないフェイクに近いミスリード場面です。後半の見せ場は資産運用担当の会計士(レイフ・スポール)によってロックウッド(ジェームズ・クロムウェル)邸の地下に集められた11種類の恐竜たちを競り落とすために集まった怪しい軍事関係者や大金持ちによる強欲のオークション場面です。

 ただいくら広いと言っても、民間人の邸宅の地下に巨大な恐竜たちが動き回れるほどの地下設備を屋敷の主人が気づかないうちに建設できる訳が無い。

 またそもそも恐竜とは言え、ナチュラルな生命体ではなく、バイオ・メジャーが兵器製造を目的として莫大な予算を掛けて、人工的に製造した知的所有権が絡んでくる厄介な対象です。

 こういう知的所有権を何も考えずに万引きしたがる輩はロシア、中国、北朝鮮などでしょうが、今回はいつも無駄なシーンや配役に必ず顔を出してくる中国人投資家の姿がない。

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 これを忖度というのだろう。このオークション場面はあまりにも非現実的で、恐竜たちが予想通りに暴れ出し、いつかどこかで見たようなカットばかりが次々と登場する。

 ついさっきまで偉そうに着飾っていた成金や悪徳投資家が次々と恐竜たちに喰われていったり、蹴り殺される様子は痛快ですが、それも含めて予定調和の中であり、アイデアが優れている訳ではない。

 さらに酷いのは都合良く充満してきたシアン化合物(青酸カリとかですね)が地下に充満していく過程で恐竜たちが死にそうになり、大人たちが逃がすか、そのまま見殺しにするか、まるでナチスのガス室を稼働させるかを悩むようなシーンがあります。

 なかなか決められずにグズグズしていると、ロックウッドの孫娘(娘のクローン。イザベラ・サーモン)が肉食、草食に関わらず、あっさりとすべての恐竜たちを街に放ってしまう。

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 この時、彼らで大儲けしようと企んでいた悪徳投資家や軍事関係者たちは踏み潰されたり、突き殺されたりします。人類の未来を決める重大事項を子供に丸投げする構図は国債を垂れ流し、生まれてもいない子孫に責任を押し付ける様子にダブります。

 色々と設定がメチャクチャなのが気になりますが、あまり考えなくても良い、なんちゃってシリアスだと認識すれば、安定のCGを楽しめるでしょう。

 難点は見せ方のプランが失敗していることで、広大な大自然溢れる島(実際は隔離されたサファリパークみたいなもの)のシーンが大きな広がりを持っていると観客が誤解していたのを実世界の街や邸宅に招き寄せたことで島のシーンは矮小化してしまいます。

 ついでに文明世界のシーンのほぼすべてが暗くて狭い地下空間や夜間だったためにせっかくの恐竜たちの大きさが活かされていない。後半の付け足しのようなカットで、動物園のライオンとTレックスが対峙するシーン、高層タワーに翼竜が止まり木のように休憩するシーン、海棲恐竜がサーファーたちを丸呑みしようとするシーンが出てきますが、いかにもな出来でただ恐竜が登場しているだけです。

 後半があまりにも閉鎖的な空間で纏まってしまったのは残念です。また何年かしたら、更なる続編が公開されるのでしょうが、さすがに次も劇場まで観に行くかは分かりません。

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 気になるのはいかにもな恐怖を煽っているつもりであろう影の使い方です。孫娘のクローンが何故か最後に隠れ場所に選ぶベッドに忍び寄る改良型恐竜が大口を開けたシルエットも作為的にしか見えない。かさっと動く草木で迫りくる恐竜の恐怖を何度も演出しますが、目新しさはない。

 唯一、見えない海の底から忍び寄り、人間を捕食しようとする海棲恐竜がポイントが高いが、見せ場がほとんどなく、キャラの使い方を間違えている感じが否めない。

総合評価 58点


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
前作をようやくWOWOWで観ましたが…
何だか「ジュラシックパーク3」の時のような興奮があまり感じられませんでした…なんだかんだ言われてる「ジュラシックパーク3」は愛着沸きましたが…「ジュラシックワールド」になってからはあまり愛着わかないですなあ。
まあ、モササウルスを実写化したところは評価できますが…
ラノベ小僧
2018/07/22 01:01
おはようございます!

>ジュラ
まあ、第一作目があまりにも衝撃的だったので、ついつい全作品見ていますね。

もともと特撮ファンなので、基本的に映画館まで出向いておりますが、海棲恐竜のモササウルスの使い方がもったいないですね。予告編に使うくらいフォトジェニックなシーンなのに出番が少なすぎました。

ではまた!
用心棒
2018/07/22 10:29

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