『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(2008)パロディ満載!アクション控えめ!十分…

 待望の、というにはあまりにも長い歳月が過ぎました。髪の色は白くなり、薄くなり(ウィリスよりはましか…)、お腹には貫禄がつき、筋力は衰えてしまう。しかしドタバタ動き回っていたインディも楽しかったが、66歳を越えてなお、アクション・シーンに果敢に挑むハリソン・フォードもまた、どこかほのぼのして、イイ感じでした。

 ストーリーは荒唐無稽を通り越して、笑うしかない展開でした。オープニングは『アメリカン・グラフィティ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、クライマックスは『未知との遭遇』、アクション・シーンは『スターウォーズ ジェダイの復讐』というなんだかよく分からない状態に陥りました。

 ショーン・コネリーが台詞や写真のみながらも「出演」している点、デンホルム・エリオット(マーカス・ブロディー役。銅像になってしまっていて、「頭」で敵を攻撃。)のカメオ出演(?)、そして「Oh!My God!」がまだ耳に残るカレン・アレン(マリオン)が出てくるのは嬉しい。

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 CGにはあまり気を使っていないというか、主役ではない感じでした。本来映画を引き立てるはずのCGが本末転倒になっていく状況を目の当りにしている彼ならではのアンチテーゼでしょうか。『ジュラシック・パーク』でCGを一気にメジャーなものにしたスピルバーグ監督が、CGなどはしょせん演出上の補助でしかないというスタンスで使用したのは意味深く感じました。

 ロケット付きトロッコ(?)の疾走するシーンはデロリアン号そのまんまでしたし、スピルバーグ&ルーカス作品を観続けてきた人ならば、あまりにものサービスを通り越した、おちゃらけの連続に苦笑するかもしれません。こういうおふざけに出くわすと、すぐに目くじらを立てて、下らないとかいう器量の小さい人もいるようですが、お祭りなんだからゴチャゴチャ言わずに楽しんだ方がいいでしょう。

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 そして最後に言ってくれました。「Ⅰ Have Bad Feeling about This!」嬉しい!その後に続くマリオンとのウェディング・シーンはほとんど同窓会状態になっていて、ほのぼのしました。インディの帽子が風で飛んでしまい、それをインディ・Jrが被ろうとした刹那に、まだまだ若いモンには負けないぜとばかりに帽子を取り返すハリソンが最高です。

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 惜しいなあと思うのはケイト・ブランシェットの使い方でしょう。あまり彼女の良さが出ているとは言いがたい。同じく、今年久しぶりに復活したランボーと比べると、映画としての質は圧倒的に『ランボー 最後の決戦』のほうがクオリティが高い。インディは脚本があまりにも漫画チックであるために大いに損をするかもしれません。

 ただこれが最後で、大きな花火を上げたかったのだと思えば、その目論見は成功したといえるでしょう。実際、僕は観に行って、大いに笑えましたし、久しぶりに遭遇したインディ・シリーズの神秘の大風呂敷に懐かしさを覚えました。問題点はインディ・シリーズ及びスピルバーグ&ルーカス作品を観ていない人がこれを観たならば、魅力は半減してしまうところでしょう。

 せめて『アメリカン・グラフィティ』『スターウォーズ(旧三部作)』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『未知との遭遇』とインディ・ジョーンズの旧三部作くらいは礼儀として、DVDで見てから劇場に行ったほうがより楽しめます。

 動きが悪くてもいいじゃないか!スクリーンでドタドタしているだけでも楽しい。ただインディ三代目を襲名したシア・ラブーフ(マット君)がこれからのインディ・シリーズで主役を張るのは勘弁して欲しい。彼にはそこまでの魅力はない。スターウォーズ・シリーズではヘイデン・クリステンセンのほうがマーク・ハミルよりカッコ良かったので、違和感がありませんでしたが、ハリソンを継ぐにはあまりにも荷が重い。

 結論として、これはアメリカ版車寅次郎なのではないかということです。(オカピーさん、ごめんなさい!)つまり代わりを務められる俳優など皆無なのです。

総合評価 68点

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この記事へのコメント

シュエット
2008年07月03日 10:07
用心棒さん、お邪魔するのがすっかり遅くなってしまって!
私の中では第3弾でいろいろとエピソードなどみせてもらったから、ここでお終い!っておもっていたから、第4弾はちょっと心配したけど、さすがスターウォーズもしかり四半世紀以上も変わらぬ人気を誇ってきたお二方の製作。手堅く楽しませていただきました。欲をいえば新しく観る方にも留意して説明っぽいとこもあったけど、長年のファンの方にビーム絞ってもっと突っ込んでほしかったなって思いもするけれど、まずは良かったのではないでしょうか。
ランボー・シリーズは観てないんです。やはりスターウォーズとインディの方が好き!スターウォーズは6作ともDVD、インディはビデオ2.3ともってますね(笑)映画みてから家かえって早速に2.3観ました。でも第1作「レイダース 失われたアーク」が一番面白いかな。とにかくスター・ウォーズとインディはあの音楽からして乗ってしまう。
2008年07月03日 20:00
 シュエットさん、こんばんは!
 ぼくもスター・ウォーズDVDは発売日にトリロジー・セットを買いました(もったいないので、いまだ未開封!)。
 最初の編集のやつも発売されていましたね。買おう買おうと思いつつ、まだ買ってませんでした。
 小学生の頃に映画館で観た最初の『スター・ウォーズ』は衝撃的でしたし、コーラの王冠も集めていましたよ。
 1998年?の特別編もしっかりと観に行きましたし、新三部作も映画館に各3回づつ通いました!ペプシのキャップが欲しいために大人買い(ケースごと)したのも楽しい思い出です。新三部作は嬉しかったけど、そっとしておいて欲しかった気もありました。
 しかしあのスター・ウォーズのロゴとともに、ジョン・ウィリアムスの音楽がかかった瞬間に狂喜したのを覚えています。
 思い入れが強いので、なかなか文章に出来ません。そろそろ書いてみようかなあ、とも思ってます。
 インディ・シリーズではおっしゃるとおり『レイダース 失われたアーク』が一番でしょうね。なんだかんだ言いながらも、ルーカス&スピルバーグには楽しませてもらいましたね。
 ではまた!
2008年07月05日 01:18
こんばんは。
今日、いやもう昨日か、鑑賞してきました。
仰る通り、「アメ・グラ」や、様々な作品の要素、満載でした。チラっとアークも見えたし。

単純に、テンポよく楽しめました。画もさすがによかたです。本は・・・、なんかあれじゃエリア51でなく、倉庫51ですよね、あとロズウェルがセリフででてきてしまいましたからね、当然、最後は「未知との遭遇」になっちゃいますよね~。私は最初、アークを探しているのかと思ったんですが、すぐに51の意味がわかりました。
まあ、ヘンリー・ジョーンズⅢ、なかなかよかったんではないでしょうかね。

「ランボー」はとうとう鑑賞できませんでした・・。残念、ビデオでいづれ・・・。

あと、私は個人的に「魔宮の伝説」が好きです。レイダースは、ちょっとオカルト的要素が私的には強すぎて・・・。

でも、まさか、新作を、あのテーマ曲を四度、劇場で体感するとは思ってもみませんでした。
楽しい夜でした。では、また。
2008年07月05日 01:21
あっ、追伸

ヘンリー・ジョーンズⅢがよかったというのは、ストーリーとしてで、仰るとおり、彼で作品などはつくってほしくないですけどね。
2008年07月05日 02:29
 イエローストーンさん、こんばんは。
 セルフ・パロディとしてはかなり楽しい作品でしたね。製作者がニヤニヤしながら、お祭りを楽しんでいる風で、観ているこちらもニコニコしました。
 たまにはこういう息抜きも必要でしょうね。シリアス物ばかりでは肩が凝るので…。
 ではまた! 
2009年08月08日 23:38
 弊記事までTB&コメント有難うございました。

 僕は現実のパロディーと感じた本筋もかなり楽しめた口で、そこに古い映画へのオマージュ、自作やルーカス作品への踏襲といった、嬉しいネタが加わって、終始ご機嫌でしたよ。

 基本的にカット割りが抜群ですし。アクション場面でスローも細切れショットも使わないのは自信の表れのように思えましたね。実に古典的な演出です。
 古典的と言えば、滝からの落下場面で迫力を出す為には必要不可欠と思われる主観ショットが入っていないのは恐らくは連続活劇の落下場面を意識しているから、と思いましたね。パール・ホワイトを見ている感覚でした。さすがだなあ。
2009年08月09日 00:29
 こんばんは。
 スピルバーグ監督作品を観ていて、もっとも感心するのは彼が驚くほど多くのクラシック映画を観ていて、そこから持ってきた映像表現をさりげなく自作に採り入れてくれる点です。
 しかしながら哀しいのは、そういった彼一流の遊びの部分にほとんど誰も突っ込んでいかないことです。
 ニヤニヤしながら楽しめる場面が多々あったと思うのですが、誰も気づかなかったわけではないでしょうに。せっかく彼が色々入れてくれているのですから、もっと反応して欲しいものです。ではまた!

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