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zoom RSS 『ペンタゴン・ペーパーズ』(2018)今も昔も世界は変わらない?

<<   作成日時 : 2018/04/12 18:12  

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 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はスティーブン・スピルバーグ監督によるニクソン政権下(実際に隠蔽してきたのはJFK、ジョンソンら前の政権からなのでニクソンだけではない)における公文書漏洩事件を巡る歴代政府の隠蔽体質と新聞社などメディアの機密暴露への対応を扱った社会派映画です。

 ただ仰々しい邦題タイトル『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』と“巨匠”スピルバーグの名前が邪魔して、英語原題の『THE POST』が霞んでしまい、ワシントンポスト社のニクソン政権への対応をめぐる右往左往を描いているという焦点が分かりにくくしてしまっている。

 まあ、映画公開は大きな商売ですから、できるだけ集客しやすいようなタイトルをつけるのは致し方ない。たしかに“THE POST”と言われてもピンとこないが、仰々しいタイトルもいただけないし、妙な先入観を持って見てしまう。

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 政権、メディア各々に大義名分があり、一方のみを批判することはできないので評価は難しい。どこまでが国益で、どこからが国家の体面なのかの境界線を引くのも困難です。

 もう一方のメディアの責任も重く、わが国の一部の新聞社のようにテレビと感情的なだけで中身がないキャンペーンを張り、ただただ反対するために連日わめくことを報道だと勘違い(意図的)している輩も見苦しい。

 アメリカでも現在の政権に交代してからはひたすらにゴタゴタ続きで国民も戸惑っていると思います。もしかすると共和党の最後の政権になるかもしれないトランプ政権ですが、彼しか送り込めなかったのは共和党の責任でもある。

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 今後、中国系や韓国系の移民たちが大量に民主党基盤の選挙区から出馬するようになると一気に反日及び連邦崩壊に向かう可能性があるが、そのへんの将来の危うさを考えている政党は日本には見られないのは残念です。

 映画に戻りますと、今年の夏には『ジュラシック・ワールド 炎の王国』が公開されることから考えると、スピルバーグはこの『ペンタゴン・ペーパーズ』を製作したいがために、交換条件として娯楽作品である『ジュラシック・ワールド 炎の王国』の製作総指揮を引き受けたのかもしれません。

 まるで重々しく誰も否定できない『シンドラーのリスト』を製作するために『ジュラシックパーク』を製作したように。ただ本作はあそこまで深刻なえぐり方をしておらず、むしろ上っ面を撫でているだけのような気もします。

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 そりゃあ、まだ生きている人もいますし、彼らの名誉を確立された地位を誇るハリウッドの監督がいまさらふたたび傷つけるのもまた暴力ではないか。

 この映画の公開は時期的なことを考えると、メディアと揉め続けるドナルド・トランプ大統領への当てつけでしょうし、ハリウッドは民主党優勢のようですから、来年の賞レースは既定路線としてトランプ大統領に「NO!」と突きつけていくのでしょう。

 トランプ大統領のやり方には現実的でないものもあり、すべて賛成とは言えませんが、民主党の綺麗ごとが散りばめられたリベラル路線でアメリカを保てるのかと問われれば、こちらも「NO!」なのではないか。

 この時代の社会派作品としては『大統領の陰謀』などもありますので、併せてDVDで見ると理解が深まるでしょう。実際、作品もニクソンが判決後に忌々しいワシントンポストを締め出す指示をした後に失脚するキッカケとなった民主党への不法侵入が通報されるところで終わります。

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 見どころとしてはメディアのオーナー一家と政治家たちとの交友関係としがらみ、権力への妄執で周りが見えなくなっているニクソンが報道各社にかける圧力とそれに対抗するトム・ハンクスらイケイケの記者たちとの争いが見ものです。

 彼ら現場の記者たちにたいして、政府から発行停止や刑事告訴などをチラつかされると、すぐに尻尾を巻いて、保身を図る事なかれ主義の経営陣との暗闘などを会社オーナーであるメリル・ストリープがどう判断して、会社に降りかかる苦境をチャンスに変えていくかを描いていきます。

 メリルは当初、あっちにフラフラ、こっちにフラフラと揺れ動き、最終的に何が会社のためになり、何が国益になるのかを判断していきますが、その間には娘婿(ニューヨークタイムスのえらいさん)や過去の政権の政策担当者だったマクナマラとの交友関係との板挟みに葛藤する様子が描かれます。ただその葛藤は『ソフィーの選択』よりは軽い。

 ニクソンとメディアが争う様は現在、トランプ大統領に名指しで批判され続けているAmazon(ジェフ・ベゾスはAmazonだけでなく、奇しくも現在のワシントンポストのオーナーでもある)やフェイク・ニュースと名指しされている大手メディアの姿とダブります。

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 最も中国などの権利ばかりを主張するロビイストから献金を受けている政治家も多いでしょうし、クリントン家も中華系の献金を長年受けていたそうなので、一方的にトランプだけが悪いとも思わない。

 見やすく仕上げられており、技法とかではなく、物語をよく考えて欲しいというスピルバーグのメッセージだと思いながらの鑑賞でした。

 おそらく大きな賞を取るのでしょうが、裁判後の彼女らを囲むのがすべて女性ばかりというショットを入れるのは作為的でいかにも過ぎて、どうも居心地の悪さを感じました。

 反対にほのぼのとさせてくれたのはトム・ハンクス家にスタッフが出張って機密文書を一気に取りまとめて行く際に一人娘が自宅前で25セントでお小遣い稼ぎのために売っていたレモネードを50セントに値上げさせ、貯まりに貯まった売上金額を母親に手渡し、「お母さんが預かってね」と語っていたというのを夫妻でニコニコ語り合うシーンは秀逸でした。

 総合評価 72点


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