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zoom RSS 『ヒッチコック/トリュフォー』(2015)映画の文法を分かりやすく!

<<   作成日時 : 2017/06/21 13:34   >>

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 今日から四日間ほど有給休暇が取れたこともあり、せっかくだから、どこかに行きたい気分ではありましたが、会社が無理矢理に社員に取らせようとしている資格取得の勉強に明け暮れています。

 なんだかまるで夏休みの宿題をやらされている小学生の気分です。ただ違いとしては小学生の頃は残り1日どころか、9月になってもまだ終わらなかった宿題を最初の1日で一気にやってしまえるメンタルと上手くやり切る要領が身に付いていることでしょうか。

 まあ、偉そうに言っていますが、残り3日を映画三昧をしたり、だらだら遊びたいだけです。というわけて、今日は全力で資格勉強に没頭するために朝7時には起床し、朝9時から図書館に籠っていました。

 コツコツ独学している大学生やくたびれたおじいちゃんたちに混じって、図書館の空調の効いた勉強の雰囲気が充満する机に資料を準備して、せっせと提出物や通信口座のレポートを片っ端から一気に書き上げています。

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 集中すれば、提出物などは夕方までには仕上がりそうだったので、眠さに負けないように、ミンティアやノーズミント、ノン・シュガー・オーレに強度依存しながら、なんとか無理矢理に午後3時には仕上げました。

 普段からブログでけっこう長めの文章も書いていますし、長文でも仮定と結論が決まっていれば、何十枚でも行けるのは分かっていますので難しくはない。

 そう言い聞かせながらではありましたが、とりあえずすべてが終わりました。そして、まず観たのがこの『ヒッチコック/トリュフォー』でした。分厚い定本は何度も読み返していましたが、映像作品としてのモノは初めてでした。

 『見知らぬ乗客』『暗殺者の家』『下宿人』『海外特派員』『三十九夜』『レベッカ』『間諜最後の日』『逃走迷路』『汚名』『断崖』『ロープ』『裏窓』『めまい』『北北西に進路を取れ』『ハリーの災難』『鳥』、そして『サイコ』。ドラマシリーズとしての『ヒッチコック劇場』もまた、有名なテーマ曲とともに多くのマニアを生み出しています。

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 日本でもヒッチコック劇場は放送されていて、ウィットに富んだ皮肉たっぷりの毒舌とゆっさゆっさと巨体を揺らしながら、コミカルに動き回る彼の姿は思い出深い。

 当時の映画ファンだけではなく、のちに映画監督になった“マニア”にも大きな影響を与えたのがアルフレッド・ヒッチコック監督です。1962年に行われたヒッチコックと彼を敬愛するフランソワ・トリュフォーとの一週間にも及ぶ対談は『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』として発刊され、今でもマニアの間で宝物として家に置かれています。

 映画作りの教科書として読むのは監督志望者やクリエーターだけではない。映画マニアにもどういった意図で構図やプロットが作られ、どういう角度でカメラに収められることで映像に意味を持たせることが出来るのかを教えてくれる。

 それも堅苦しい映画理論先行ではなく、あくまでも娯楽映画であるヒッチコック作品群を一本一本丁寧に語っていく中で意図を理解できるようにしてくれる。伝わりやすさこそが最も重要であることがよくわかります。

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 大成功した作品だけではなく、いわゆる“やらかしてしまった”失敗作についても、なぜその演出が間違いであったのかを語っていきます。『サボタージュ』で殺してしまった少年のことを数十年経っても後悔している様子がうかがえるのもファンには興味深いでしょう。

 さっそくTSUTAYAさんで借りてきた『ヒッチコック/トリュフォー』を見てから、部屋の隅に置かれていた定本を取り出し、パラパラとめくっていくと

「サスペンスはサプライズではない」

「サスペンスの必要性から、あなたは絶えず時間の流れとたわむれ、対決し、時に時間を収縮させ、また、さらに多くの場合、時間を膨張させることによってドラマチックな緊張感を生み出し、持続させなければならない」

「ストーリーを真に視覚的に語る秘訣はカット割りとモンタージュにある」

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 などの言葉が目に飛び込んできました。大昔に何度も読み返したはずでしたが、久しぶりに読んでもゾクゾクしてきます。映画を深く知りたい方には一読をおススメいたします。購入するのはどうかなという方には図書館で探すことも一つの手です。

 ぼくの家の近所の図書館にもこの本が所蔵されていましたので、休日に出向くのもありだと思います。読めば、不遇の時のヒッチ、軌道に乗ったヒッチ、プロデューサーにまで上り詰めたヒッチ、晩年の苦悩するヒッチなど多くの時代のヒッチの作品に賭けてきた情熱を知ることが出来ます。

 今回は『ヒッチコック/トリュフォー 』について、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、アルノー・デプレシャン、黒沢清、ウェス・アンダーソン、ジェームズ・グレイ、オリヴィエ・アサイヤス、リチャード・リンクレイター、ピーター・ボグダノヴィッチ、ポール・シュレイダーが登場し、ヒッチ先生の偉大さを語っていきます。

 残念なのは世界的にヒッチコック作品のマニアとしてもっとも有名なブライアン・デ=パルマのコメントがいっさい無いことでしょうか。彼のヒッチへの愛着と執着は異常なくらいですので、是非とも万難を排し、登場してほしかった。

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 またジャン=リュック・ゴダールの現在の意見がない(当時の声の出演はあります)のも残念でした。彼もまたカイエ・デュ・シネマでトリュフォー、シャブロル、ロメールとともにヒッチコックやハワード・ホークス、ジャン・ルノアールを称賛していたからです。のちに製作された『映画史』でもヒッチコック映画について異常なほどスチールや映像の引用を繰り返していました。

 ゴダールの考えでは映画とは“銃と女”、つまり暴力描写と性描写があれば、観客は納得するし、ヒットする条件だと喝破しています。ヒッチコック映画にはサスペンスを伴う暴力性とフェチシズムや妄執がらみのエロティックな描写と映像表現に満ちています。

 今の目で見れば、上品すぎると思われるでしょうが、規制が厳しかった時代ではギリギリを狙っていたわけですから、最近の映画しか見ていない若い観衆があれこれ批判するのは的外れです。

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 それらを置いても、ヒッチコックとトリュフォーの声を聞けたり、動く様子を見られるだけでも価値は高い作品です。

 もちろん、アルフレッド・ヒッチコックとフランソワ・トリュフォーはすでに亡くなっていますが、生前の映像と音声で登場します。かなり昔になりますが、貪るように読み込んだこの定本を映像作品化されるとは思いませんでしたが、さすがにDVDを購入するまでには至りませんでした。

 それが先日、TSUTAYAさんのドキュメンタリー・コーナーをチェックしているとすぐに目に飛び込んできたのが『ヒッチコック/トリュフォー』という背ラベルでした。思わず本能的に何も考えずに手に取っていました。

 ヒッチコック作品をまだ見たことがないという方には失敗作を含めて(彼が定本で一本一本について語っているのでどれがそうかも分かります)50本以上を超えるフィルモグラフィすべてを見ましょうとも言えません。

 とりあえずは典型的な主人公巻き込まれ型のサスペンス・スリラーと妄執的フェチシズムが満載の『めまい』『北北西に進路を取れ』『サイコ』の3本ほどをおススメいたします。

 それで好きになったら、『裏窓』『バルカン超特急』『見知らぬ乗客』に進みましょう。その次ははどれ?となる方は勝手に突き進み、ヒッチコック劇場までどんどん貪るようにご覧になることでしょう。

総合評価 80点


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