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zoom RSS 『X-MEN:アポカリプス』(2016)前日譚三部作最後を飾る最強の敵、アポカリプス登場だが。

<<   作成日時 : 2016/08/12 00:33   >>

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 前作『X-MEN:フューチャー&パスト』のエンディングのあと、古代エジプトで超能力を使って巨大ピラミッドを作っている最初のミュータントがアポカリプスであり、彼は神としてエジプトに君臨しています。このエンディングを見た時は凄そうなのが出来そうな期待感がありました。

 今作は年老いた彼(オスカー・アイザック)が肉体を入れ替えながら生き永らえる儀式からスタートします。スターウォーズではあんまり印象に残っていませんでしたが、SF映画に愛されているのでしょうか。

 儀式途中で反乱が起こり、ピラミッドに仕掛けられた盗掘除けの仕掛けが作動し、瓦礫とともに活動を抑えられてしまう。なんだかハワード・ホークス『ピラミッド』のラストシーンを思い出すようで、展開に期待が持てます。

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 オスカー・アイザックはここでは神としてのファースト・ミュータントにまで出世していますが、特殊メイクのために誰何だかよくわからないのは可哀想でした。

 最強ミュータントらしく、圧倒的な能力と身体的にも胸板が分厚く、いかにも強そうですし、クライマックスでのジェームズ・マカヴォイ(チャールズ)との精神世界での一対一の争いでは巨大化します。ただいつも利用されそうになるマカヴォイは総大将の割りに残念な感じです。

 大作であることがCGシーンが大半を占めるというぜいたくさではっきりと分かりますが、2Dと3Dでもしお悩みならば、2Dで十分だと思います。

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 『アバター』以来の技術革新である3D化ですが、もう観客は飽きていますし、単純に追加料金を取るほどの驚きと価値はすでに失せています。映画館の採算面では3Dのほうが有利なのでしょうが、DVD化されるときは2Dなのですから、無用の長物です。

 また昨年の『マッド・マックス/怒りのデスロード』で見られたようにCGではなく、肉体をしっかりと使ったスタントの迫力に回帰している傾向がありますので、CGが話題だけの映画では観客を誤魔化し続けられない局面に来ているようです。

 もっともこの映画ではCGなしで表現するのは無理ですので、使うべき作品対象とそうではないものとで棲み分けが進むのではないか。

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 X-MENシリーズも第二章三部作、というよりは前日譚の最終エピソードまで辿り着きました。2000年に始まった『X-MEN』が大ヒットしたためシリーズ化していき、人気キャラクターのウルヴァリンを主役に使って、二本の番外編が作られましたので知っている人も多いでしょう。

 ヒュー・ジャックマンが最後の出演予定をしているウルヴァリン映画『デッド・プール2』も公開されるようですので、すべて見てきたファンとしては最後まで付き合いたい。

 今回も“ウエポンX”としてストライカー大佐(ジョシュ・ヘルマン)が管理するミュータント研究施設から脱走する下りで兵士すべてを皆殺しにしていくという『キル・ビル』のような見せ場が用意されています。ほとんど出血しないのは年齢指定を下げるためでしょう。

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 夏休みなのに子供を観客から排除してしまえば、興行収入が減るのは明らかですから、致し方ないのですが、嘘っぽくなるのは残念です。DVD化の際はR-15くらいのレイティング仕様で出してもらいたい。

 本日は新しくできた山の日という祝日のためか、通常金曜日のレイトショーか土曜日になることが多い公開初日が今日になりました。何を祝う日なのだろうか。山の幸に感謝する日なのか。海の日も同じように海の幸に感謝する日でしょうか。

 『シン・ゴジラ』『ONE PIECE FILM GOLD』『ジャングル・ブック』などライバルは多く、公開日が重なっている割りにはスクリーンには100人程度と朝の回にしてはけっこう観客が集まっています。ただ普段来ないヤツラが来るので最低なマナーしか持っていない者が多くて困るかもなあと不安もよぎります。

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 オープニングで二十世紀フォックスのファンファーレが鳴り響き、さあ始まるぞというその瞬間、FOXのXの文字だけがほんの少し残存しているのは洒落だろうか。

 クライマックスの黙示録の四騎士とX-MENたちが全力で能力を見せるミュータント同士の決戦でもマイケル・ファスベンダー(マグニートー)が放つ鉄骨がアポカリプスの近くに刺さるとき、Xの文字型に刺さるのはゾロが刻む“Z”みたいで笑いました。

 第二章第一弾の『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』で描いたのは1960年代、第二弾『X-MEN:フューチャー&パスト』が1970年代、もともとの起点となった『X-MEN』が2000年代、そして今回は1980年代が描かれている。

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 そのためパロディとしてショッピング・モールに繰り出すミュータントたちが映画館で『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』を観に行き、「スター・ウォーズの2作目はダークな展開が最高。(『スター・ウォーズ2帝国の逆襲』。1980年代に戻っているから、2で良いのだ!)1作目が傑作だから続編が出来たが、どの映画も3作目は最低!」とワイワイしゃべりながら、楽しそうに出てきます。

 自分たちがやっているこの作品も3作目なので、自虐的なセリフとも取れて、笑ってしまいました。まあ実際、不幸なことに三部作中、この作品が一番散漫でキャラクターの描きわけと見せ場が雑になっている気がします。

 劇中ではスター・トレック・シリーズのサントラ『アポロのキス』も使われていて、異人種間のキスでしたが、人類とミュータントでも異人種間になるので、興味深い。

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 アポカリプスとは黙示録のことで、この作品には最強ミュータント(エン・サバ・ヌール)の固有名詞で登場しますが、必ず4人の従者を引き連れて世界を禍で覆い尽くすと伝えられています。第一の騎士は“支配”、第二の騎士は“戦争”、第三の騎士は“飢饉”、第四の騎士は“疫病”を司りますが、今回の従者たちは役割がはっきりしていません。

 今回、従者に選ばれた4人は旧シリーズではハル・ベリーが演じていたストーム、X-MENでは水と油の役回りのマグニートー(マイケル・ファズビンター)、とてもエロいサイロック(オリヴィア・マン。今回のミュータントでは一番魅力的。鞭も使う女王様みたいです。)、エンジェル(ベン・ハーディ)です。

 理想主義のマカヴォイ、武闘派志向のファスベンダーに挟まれて、いつも苦悩しているジェニファー・ローレンス(レイブンでありミスティークでもある。)は現実主義者であり、悲観論者でもあります。前日譚三部作では実際の主役はいがみ合う二人の間で苦悩するジェニファーなのではないか。

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 今回は真っ青な状態になることはどうしても必要だと思われるシーン以外にはあまりなく、通常ヴァージョン、つまり人間の姿での登場が続く。たぶん女優としての自分を見せることに固執したのでしょうか。アイザックにしても今回は誰だか分からないルックスに仕立て上げられましたが、知名度が増してくれば、嫌がるのだろうなあと思いました。

 多くのロケはモントリオールで行われているようで、古代エジプトのシーンもかの地でセットを組んで撮影していたそうです。ピラミッドの威容は迫力がありますし、儀式シーンで日光が差し込んでいく中で金塊が溶けるように模様を刻んでいき、アポカリプスを復活させようとする場面は禍々しさが出ていて、ホラー映画『ミイラ再生』みたいです。

 旧三部作のメインキャラクターだったサイクロップス、ジーン、ストームらが新俳優で甦り、旧三部作につながるような設定が組まれていきます。ついでにウルヴァリンも出ています。

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 この映画を見ていて思うのは各ミュータントの戦闘力をヴィジュアルで表現するときに各々の個性をしっかり考慮に入れつつ、見せ所と見せ方を分かりやすく観客に提示する製作側の思い入れの強さです。

 エヴァン・ピーターズ(クイック・シルバー)が今回もパックマンをしながら登場し、学校破壊シーンでは在学中のミュータントたちを救い出すという大活躍を見せますし、じつはマグニートーの子供だという驚愕の出自を明らかにしますが、親子の名乗りはしませんし、うやむやのまま作品は閉じられる。

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 ただあまりにも多く出してしまうと何が見せたいのかが分からなくなってしまいます。つまり自己満足になり、観客を置いてけぼりにしている感が否めない。お約束の都市大破壊シーンもてんこ盛りに盛られていますが、少々食傷気味であらゆる面で消化不良な感じがします。

 まあ、オリヴィア・マン(サイロック)のエロい美しさがあるから良しとしよう。とはいっても四騎士のうち、エンジェル以外の三人の騎士が裏切るというのは白けてしまう。

総合評価 58点




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