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zoom RSS 『ゴジラVSモスラ』(1992)平成ゴジラも子供向けで安易な量産体制に走り出す。

<<   作成日時 : 2016/08/06 23:12   >>

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 『メカゴジラの逆襲』を書き終えたことでようやく10年以上かかりましたが、昭和ゴジラ映画シリーズと『ゴジラ対キングギドラ』までが繋がり、シリーズ再開第4弾となる『ゴジラVSモスラ』まで辿り着きました。

 公開は今から20年以上も前になりますが、初日に観に行きました。インファント島の遺跡から盗掘しようとしていた主人公は小美人コスモスと出会い、元嫁の小林聡美との夫婦漫才を繰り広げつつ、コスモスとモスラを食い物にしようとする大竹まこと率いる悪徳リゾート業者と争いを繰り広げる。

 新シリーズのゴジラ映画も今作で4作目となり早くもマンネリ化してきています。じっさい、平成シリーズをずっと観に行きましたが、次の『ゴジラVSメカゴジラ』以降はだんだん義務化していき、『ゴジラVSデストロイア』のときは正直ホッとした思い出があります。

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 1984年に再開されたゴジラ映画は1989年の『ゴジラVSビオランテ』で頂点を迎え、1991年の『ゴジラVSキングギドラ』まではSFの残像がありますが、東宝の定番としてドラえもんとともに軌道に乗り、『ゴジラVSモスラ』では再びかつて来た道、すなわち子供向け路線に回帰していき、次作にはとうとうベビーゴジラという名目ではありますが、ミニラまで登場してしまう。

 せっかく自衛隊が持つ最強兵器としてのメカゴジラを投入する発想の転換があったのにマイナス要因であるベビーゴジラを入れてしまったのは判断ミスでしょう。そこへ繋がるきっかけになってしまったのがこの『ゴジラVSモスラ』(以下ゴジモスで記載します。)なのではないか。

 客層も『ゴジラVSキングギドラ』までは大人の客が過半数を占めていたのが、ママと子供たちが圧倒的に増えてきました。当然表現も生ぬるくなるのは仕方ない。モスラは以前よりもカラフルにはなりましたが、飛来するときに風の抵抗を受けて、滑らかに湾曲していた、昭和シリーズでの生物としての質感が皆無になってしまいました。

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 またモスラ兄弟(『モスラ対ゴジラ』ではザ・ピーナッツとともに兄弟出演があった。見分けがつきにくいので、神経衰弱が出来そうです。)を出演させるについても、明らかに種が違うバトラの造形はネーミングの安直さも含めて、感情移入はしづらい。オリジナルと同じく、双子で良かったのではないか。

 ただ幼少期にモスラ映画を見てきた世代にとってはたとえ歌っているのがコスモスによるカヴァーであったとしても、『モスラの歌』『聖なる泉』『マハラ モスラ』の三連打をかまされると単純に判断力を失ってしまう。昭和世代のぼくはあの歌にはやられてしまい、平和でいいじゃんとなってしまいます。

 モスラヤ モスラ〜♪ 

 ドゥンガンカサァクヤン インドゥムゥ〜♪

 ルスト ウィラードア ハンバ ハンバムヤン

 ランダハン ウンラタン

 トゥンジュカンラー♪ カサクヤ〜ンム

 モスラやモスラ〜♪ 救けてよと呼べば

 時を超えて 海を越えて 波のように

 やってくる 守り神〜♪


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 ソフビ人形になっているならば、男の子はバトラを、女の子はモスラを選ぶでしょう。ストーリー展開は別所哲也がインディ・ジョーンズのパロディにガンバる前半部分の不毛さと大昔の『モスラ』と『モスラ対ゴジラ』を何の捻りもなく丸コピーしてしまった脚本のため、ほぼ何の期待もなくなっています。しかも表現、つまりセリフがいかにも安っぽい環境保護発想で、奥深さが全くなく、重みがない。

 モスラ変態の最大の見所であるはずの孵化が当時はまだ高い建造物の代名詞だった東京タワーではなく、国会議事堂(ここは破壊対象、もしくはそばを通るだけでいい。)で行われてしまったのもガッカリするポイントのひとつです。歌以外の見どころとしては富士山大爆発と自衛隊の最新兵器として登場してくるメーサー砲搭載の戦闘機部隊及び戦車隊でしょうか。

 伊福部音楽とともにゴジラに集中砲火を浴びせる彼らの熱い戦いには毎回胸が熱くなります。今回もしばしの足止め程度しかできませんでしたが、それでも東宝特撮にはなくてはならない存在であることに変わりない。

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 成虫となってからはゴジラとの対戦時に荒技である鱗粉攻撃をかましますし、ここが最大の見どころではありますが、いかにも弱弱しく、迫力に欠けてしまう。そのために格闘用モスラであるバトラを登場させる必要があったのでしょうが、効果的だったとは思えない。

 ちなみに『モスラの歌』はデタラメに歌われているわけではなく、原詩をもとにインドネシア語に翻訳したものをベースに歌われているそうです。レコード盤に収録されている2番の歌詞とは若干違いますが、ニュアンスは伝わってきます。

 ほとんどオリジナルと変わっていないということは過去作の出来がそれほど素晴らしかったのだという逆説的な証明になります。こちらの作品中の表現の中でカッコいいなあと思えたのは最終決戦時にモスラとバトラが上空からゴジラに向かって光線を放った後にゴジラが下から放射熱線を両者に放つところを暗闇の引きの画で見せていくシーンです。

 ラストシーンではコスモスが20世紀末に地球に降り注ぐはずの大隕石を破壊するためにモスラに乗って宇宙に向かうエンディングを迎える。すでに2016年ですので、無事にノストラダムスの大予言を笑って済ませられるのはコスモスたちの活躍のおかげなのでしょう。

 マハラ〜♪ マハラ モスラ〜♪

総合評価 48点


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さんこんばんは。予告通りこの欄に書き込みです。さて、平成ゴジラはこの作品から「vsデストロイア」まで子供向けというか訳がわからない状態になりましたね。しかし、作品の出来が悪くても怪獣やメカが魅力的だったらもとがとれる・・・それがゴジラ映画です!バトラは幼虫時はガイバー、成虫はグレムリンみたいですね。モスラ幼虫は芋虫にイノシシをミックスさせた感じでしょうね。リアルに芋虫にしたらグロくなるからでしょうね。どの項になるかわからないがまた今度!
さすらいの映画人
2016/08/09 20:49
こんばんは!
>訳がわからない
そうなんですよ。次回作のメカゴジラはベビーゴジラさえいなければ、まだなんとか鑑賞に堪えるのですが…。

どんどん厳しくなって、最後は悲しくなりましたよ。

>グロ
大映路線になってしまいますものね。

ではまた!
用心棒
2016/08/10 00:55
名作は低予算から創造(産み出)される…。
その気風が失われて久しいのが日本映画界なんですかね〜。
冒険はしない。その代わりに一定の利益回収は営業の筭で弾き出した感がありますよね、特に平成ゴジラVSシリーズは。
個人的には「ゴジラVS反原発市民」とか「ゴジラVSプーチン」とか、お願いしたいですね笑。
前者はゴジラを封じる祭祀を継承する代わりに電気と国家予算を得ている過疎地と、これに市民的正義と科学の絶対化で廃する画策を為す市民団体とか。最後はゴジラの強大なエネルギーが残した温泉で双方大団円。
後者は北方領土に上陸したゴジラ。しかし北方領土にはロシアの守備隊は居るものの、住民もロクにいないので日本に返還しようとするプーチン。
それで上陸しようとする自衛隊を日本の侵攻と勘違いしたロシア軍が一戦を交える…最後は核ミサイルを誤射したロシア、ゴジラに吸収され事無きを得るが・・。
お盆なので、日本映画にも魂還るを願って駄言を連ね御無礼申し上げました。

きやらはん
2016/08/14 20:43
 こんばんは!

ブラックで笑っちゃいましたww

ロシアが放ったミサイルの軌道がゴジラ電磁石化によりプログラムがおかしくなり、中国と北朝鮮に着弾して壊滅、報復でロシアにミサイルが落ち、三国とも全滅するが、ゴジラが核を吸収し、そのまま三国に居座り、どこも軍事介入できないというのはどうでしょうw

肥え太って眠ってしまったゴジラにヤマタノオロチ作戦を仕掛け、血液凝固剤を大量投入し、葬り去る結末は良いのでは。

ではまた!
用心棒
2016/08/14 21:31
その血液凝固剤作戦もトラックがゴジラに潰され失敗に終わる。そこで北朝鮮の最終兵器プルガサリが投下されゴジラは空前絶後の超決戦を迎えることとなった。
ブレード戦艦
2017/03/06 08:08
こんばんは!

>プルサガリ
鉄を喰い続ける北の怪獣と核エネルギーを吸収し続けるGが当たれば、最後はプルが溶けるかもしれませんw
用心棒
2017/03/06 15:50

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『ゴジラVSモスラ』(1992)平成ゴジラも子供向けで安易な量産体制に走り出す。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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