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zoom RSS 『シン・ゴジラ』(2016)二回目を観に行ってきました。レベルがかなり高いのを再確認。

<<   作成日時 : 2016/08/05 22:16   >>

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 公開二日目の土曜日以来ですが、今回で二度目の鑑賞となります。久しぶりに劇場で観る東宝製作の本家ゴジラであり、エヴァのクリエイターとして常に注目されている庵野秀明がどういう解釈をしてゴジラに臨むのかにファンの意識は集中するでしょう。

 またオリジナルの完成度との比較及び熱狂的なファンによる批判がネットの日常化によって常に話題になってしまう不毛の続編ですが、ぼくは単純にゴジラとエヴァが好きなので一粒で二度おいしい本作はゴチャゴチャ言わずに楽しみたい。

 特撮シーンが少ないとの意見が多いようですが、全体をすぐに見せずにちょっとずつチラチラ怪物を構図に入れていくのは特撮に限らず、ホラー映画でも定番の演出ですし、ここでも見切れていたりするようなイビツな画角で捉えられている構図が頻繁に出てきます。

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 会議場を準備していくときにマイクや机、PCなどを黙々とテキパキ準備していく様子を興味深く眺めるように、また主役ではないこれら事務用品を仰角で捉えてデザインを見せるように構図を組む意図は分かりませんが、個性的に感じました。

 こういう演出は庵野秀明がパロディとして楽しんでいるようにも見受けられます。なにはともあれ、傑作であろうと駄作であろうとゴジラ映画を劇場で楽しめる、というこの一点だけでも幸福感で満たされる。

 って言うとなんだか大袈裟だが、悪の帝国である中共に平和を脅かされているものの、まだまだカエルの楽園のような時代だからこそ、映画が投げ掛けてくる自衛や決断というテーマを考えたい。

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 二回目の印象としてはたしかに一部のファンが指摘しているように中盤くらいまでは会議に次ぐ会議に閉口する気持ちは理解出来なくはない。

 ですが、社会人の方ならば、月末や月初のいつになったら終わるのか分からない、長い、長い、退屈な会議に比べれば、全体通しても二時間で終わる作品の会議部分はせいぜい半分くらいでしょうから、耐えられない時間ではないはずです(笑)。

 ゴジラへの対処として、論理的に静観・捕獲・駆除・排除というケースに基づいて立案する政府関係者の捉え方はとてもはっきりしているのに行動するまでに時間がかかったり、省庁間での情報共有や協力体制の構築だったり、災害計画などもすべて後手に回る様子はなんだか笑えない。

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 それでも進む方向が決まり、官僚たちも責任論が問われないという確約が取れると超合理的かつ全体最適論的な解決策を早急に立案でき、リーダーもすぐに後任が決まっていくシステムは日本らしい。

 また初期作戦では呆気なくやられてしまう自衛隊と官僚たちも、世界中の科学者や企業を含めて官民一体となり、ひとつの方向に向かうと最後までベストを尽くして外圧に立ち向かっていく姿は感動的ですし、日米軍が協力して遂行されるヤシオリ作戦は完璧に機能しています。

 そこに伊福部音楽が重なると、G映画マニアならずとも激しく心が揺さぶられます。一度見ているのでここでこの音楽が来ると分かっていても、長谷川博巳が作戦前、官民一体となった作戦参加者に訓示を与え、決死の覚悟で臨むよう訴えるシーンから繋がってくるので何度見ても泣きそうになります。

 イーオン仕込みの石原さとみちゃんの英語が高飛車でイイ感じですが、名前の雰囲気やキャラクターが惣流・アスカ・ラングレーみたいで上滑り感が楽しい。

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 ついでに護衛艦たかなみが“たかみな”に見えてしまったのはアクアラインから逃げてくる前田敦子の影響だろうか。前回書ききれなかったチョイ役として手塚とおる、野間口徹、嶋田久作、片桐はいり、古田新太、鶴見辰吾(存在は一回目に確認していましたが、階級が統幕副長だったことに気づきました。)らを加えておきます。みんな楽しそうに演じています。

 鉄道車両を使用した在来線爆弾がさく裂するインパクト(フランクフルト・ソーセージがまとわりつくみたいです。)、米軍無人攻撃機を大量使用して周りを飛来するものすべてを敵と見なして攻撃するというGの習性を利用して体力の消耗を図る合理性と体力の尽きるまで吐き終わると煙が出てくる描写が秀逸です。

 最初に自衛隊と会敵する多摩川を挟む川崎でのシーンまでは火災による炎は意図的に表現として避けているようで瓦礫の山は積み上がるものの業火に包まれることはない。

 東京都心部を焼き尽くす炎やGの背鰭から全方位に撃ち放たれる放射熱光線が大々的に画面を覆い尽くすのはそれらの表現が映えてくる夜間戦闘シーンでした。

 クライマックスのヤシオリ作戦は昼間の戦いですが、正確にGの口に経口注入しなければならないという制約があるためだろうか。

総合評価 91点


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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
ゴジラ映画に新風を吹き込んだ作品と聞いていますが、鑑賞したいもの。
根保孝栄・石塚邦男
2016/08/07 12:03
 こんばんは!

ああだこうだと文句を言う方もいるようですが、ゴジラ映画がない日本よりもゴジラ映画が製作される日本が好きですよww

ぜひ特撮の醍醐味の大画面での鑑賞をおすすめします!

ではまた!
用心棒
2016/08/07 19:06
用心棒さんこんばんは。この映画大ヒット中でリピーターも多いとか。僕もまた見ようかな。ちなみに僕も「たかなみ」を「たかみな」と読んでしまいました(笑)ゴジラのみといっても進化していく行程は見所ですよね!だから第一作目とは異なり、2、3種類の怪獣が出てきた印象です。目玉も大きいし。庵野さんが次のゴジラを手がけるならば、ギャレス版で大活躍したムートーを逆輸入で見たいです。エヴァンゲリオンの使徒みたいなデザインだからそのような雰囲気で活躍でしょうね。次は「ゴジラvsモスラ」のコメントにて。
さすらいの映画人
2016/08/08 19:49
こんばんは!

>リピーター
多いでしょうね。ぼくも同じ映画を観に行ったのは昨年のスターウォーズ以来でしたw

>たかみな
ですよねwww

>使徒
ゴジラ自体が使徒みたいになっていますね。やられ方もヤシオリ作戦ですし…。

もう一回観に行くか、『XーMEN アポカリプス』を観に行くかで悩んでおりますww

ではまた!
用心棒
2016/08/09 00:25
用心棒さん、こんばんは。
本作は人生初4DXシアターの最前列にて観賞致しました。
凄い振動、吹き付ける風、オマケに水しぶきまで!^^;

そして、そんな中での数年ぶりの劇場での観賞は、興奮でした。
これまでに怪獣映画はアレコレ何本も観てまいりましたが、本作はそれら歴代の作品群とは一線を画するシロモノでした。
実に斬新、画期的、そこに描かれているのは類型的と呼ばれるようなカビの生えたモノではなく、おそらく今後のこの国の将来10年後まで影響を及ぼしそうな大きなインパクトを有した内容でした。
総勢300人以上の出演者の皆さんやスタッフの皆さんの努力と才能が結集した、まさに堂々たる大作です。
これほど緻密に練り上げられた脚本の妙は後につづく続篇のありように際して、かなりハードルを上げたカタチになってしまったかと思います。
それはそれで安易な続篇が作れないということも言えるわけでありますので続篇の際のスタッフの新たなるヤル気と才能の見せ所となることでしょう。

ギャレス・エドワード監督の2014年版『GODZILLA』の観客動員数を抜き去ったとの報道にその人気ぶりがわかりますが劇場用パンフレットが売り切れなのにはまいっちゃったなァ。^^;

ちなみにこの日は博物館で開催中の『エヴァンゲリオン展』も見物して来ました。
売店はエヴァ・グッズがイッパイ。
小生は扇子を購入しましたが、ミサトさんの首飾り(\1,800)も買っておけばよかったかなァ。^^;

あとそれからハリウッド製の2014年版『GODZILLA』の続篇のニュースですけど…
2019年3月22日公開!
出演はラドン、モスラ、キングギドラ!
…とのことです。(^-^)/
snowman
2016/08/19 00:33
こんばんは!

>4DX
石原さとみちゃんの登場シーンではとてもいい匂いがするといううわさがありましたが、映画館サイドはそういう演出はないと断言しています。どうせなら、さとみちゃんがつけている香水の匂いでもさせておけばいいし、リセッシュのCMもやっていますので花王さんとタイアップしたら楽しいですねw

>主演
まさかですが、アメリカの続編がお子ちゃま映画化するかもしれないというのは驚きですねww

>パンフ
たしかに二回目に行った時にはマグカップ、ソフビ人形など多くのグッズが売り切れになっていましたね。エヴァのときもそうだったのですが、見る前に買うのではなく、見た後に買っている人が多かったので中身が良かったのだろうなあと思い、眺めていました。

>続編
これを超えるのは難しいので、単発のパラレルワールド物として10年おきくらいに作るほうが理に適っているでしょうね。

ではまた!
用心棒
2016/08/19 01:31
再鑑賞です。
実のところ私は先の震災の折は原発関連施設におりまして、シン・ゴジラ鑑賞中に熱涙を留め得なかった理由は、当時の現場と全く同じ臨場感が本作品で描かれていることを改めて理解できました。
監督が本物の現場の声を聞く等よく研究されたのではないでしょうか。仮に映像表現を豊かにするための実力ある助言者がいたとしても、そうした助言から「あの時」を感じ取ってくれていたような気さえします。
ですから、私には本作品が単なるゴジラ映画の再興やエヴァ作品の延命という企みではなく、紛れもなく日本人の歴史を神話として描き出す挑みではなかったか、と思っています。
その意味で、本作品は独立したゴジラであると考えてよろしいかと存じます。
きやらはん
2016/08/21 16:52
こんばんは!

>関連
言葉でいうのは難しいのですが、大変なご苦労があったことと心中お察しいたします。ハリケーン対応などというアメリカ仕様施設を無条件に建造さえしなければ、普通に対処できたのにと思うと当時の政権に怒りを覚えます。

この映画のポスターで「日本対ゴジラ」というのがありましたね。まさにその通りでGはわが国に降りかかる災禍であり、試練だと思います。Gと国連の圧力に屈しかけましたが、あきらめずに世界中で味方になってくれる人とともにGを倒すことが出来ました。

>現場の声
かなり細かいところがリアルですし、監督が思い通りに振り切って作品と向き合えたのではないでしょうか。

本人さんがどれほどの満足をしているかは分かりかねますが、観ていたぼくらがこれほど楽しめたのは製作陣と観客の共鳴する何かが振動したからこそ、これだけの大ヒットになり得たのではないでしょうかね。

ではまた!
用心棒
2016/08/23 01:07
長くなってすみません。しかも折角の久しぶりのゴジラ映画を批判してばかりで・・・。
それにしても、ゴジラそのもの脅威は、これはハリウッド作品では描けませんよね。しかも今回はゴジラそのもは都市を破壊することが結果であって獣の行動意思・目的が無かった分、モンスターの恐怖感もリアルだったと思います。行政府の判断それ自体も結果的にあのようなものになると思います。もちろん政治家の劇場型の行動よりも、官僚や秘書官などテクノクラートが危機対策の方針を整備するのが実態だと思いますが・・・。それにしてもCGのゴジラ表現は技術的進歩もあるのでしょうけれどすごい迫力でしたね。
国連の核の利用期間内に血液凝固剤を調達しなければならない緊張感も実感できました。
私としては、政府キャンペーンとするかエンターテインメントとするか、両立しようとせずどちらかに焦点を絞って欲しかったです。辛口の感想ばかりで、本当にすみませんでした。
では、また。
トム(Tom5k)
2016/08/27 19:19
またまたこんばんは!

>辛口
良いと思いますよ。今回は興行的にも大当たりでさまざまなところで取り上げられていますが、二匹目のドジョウを狙うとほぼ100%失敗すると思いますww

実際の生々しさを見せるのであれば、政府キャンペーンにした方が大人たちは面白がるでしょうが、あまりリアルにやってしまうと書類、書類、稟議、許可の堂々巡りになり、躍動感など何もない“ゴジラ?”になるでしょうから、こんな感じで良かったかなあと思っています。

記事にも書いていますが、いっそのこと、続編など作らずに12年毎とかにそのときそのときで脂ののったクリエーターを起用して単発モノを製作する方が良いかなあという気持ちです。

まあ、いずれにせよ、駄作であれ、問題作であれ、傑作であれ、ゴジラを見られる日本が好きですw

ではまた!
用心棒
2016/08/28 01:06
あの時、原発に注水された方々の様子を伝えましょう。
彼等は各自治体から派遣された、それぞれの地元の消防士サン達でした。地元の仕事があるので、一週間弱で交代されながら、様々な消防士サン達が任務に就かれました。
彼等は到着される度に同じ質問をされていました。
「何処が最も危ないのか?(ホットスポットは何処という意味)」
誰も質問には答えられません。各省庁の役人は現場に居ましたが。
ですから彼等は中止することも出来たのです。でも誰もが注水に従事しました。
それしか方法が無ければ、誰のキャンペーンであっても取り組んだのではないでしょうか?
次はガルパンと対決ですか!?
きやらはん
2016/08/28 22:37
こんばんは。

チェルノブイリでも名もない方々が決死の覚悟で中心部に入り、事後処理に当たられたそうですが、わが国でもそうだったのですね。

子供や守るべき者のために行動された方にはしっかりと政府が対応してほしいですね。

>ガルパン
う〜〜む。巨人中学校みたいなギャグ的要素満載にすれば、上手くやれば笑えそうですねww

ゴジラが一年生チームを大声で泣かしてしまい、オロオロするとか…。

ゴジラ映画ファンは怒るかもしれませんが、ガルパンファンは大笑いでしょうね。両方好きな僕はちょっと困りますが、結局楽しみそうです。

ではまた!
用心棒
2016/08/29 23:52
はっきり言って、エヴァでも出来たのじゃない。
他の方はムートが使徒ぽっいと言ってますが逆にシンゴジを使徒に替えれば、そのままエヴァで成り立つ。
結局は庵野自身の創作力の無さを露呈した
だけ。
これで仮に庵野がウルトラマンを撮るとなったら、本当にウルトラマンは抹殺される事になると思う。
ラッタルヘッド
2017/01/10 00:42
こんばんは!

庵野監督はすでにウルトラマンを撮っていますよ。

用心棒
2017/01/11 23:45
今年で第40回を数える日本アカデミー賞ですが、本作はなんと7冠を達成致しました。(^-^)/
今年のこの3月3日はゴジラ映画ファンにとって忘れられない桃の節句となったようであります。(^^)
snowman
2017/03/04 02:28
こんばんは!

いやあ、驚きましたねwww

見ていて、多分『怒り』か『湯を沸かすほどの熱い愛』だと思っていたので、正直びっくりしました。特撮モノって、海外でもそうですが、どれだけヒットしても正当に評価はされませんのでホッとしました。

ただ次回作へのプレッシャーは一層強くなりますし、ハードルがググッと上がってしまいましたので大変そうです。

ブルーレイの予約もしましたので、再度見ますよwww

ではまた!
用心棒
2017/03/05 00:29
私も今作大変感動いたしました。日本政府の描写がリアルなのが最高です。平成ガメラでも出てこない米軍、核兵器の話も出ましてゴジラ映画の最高峰とも個人的に思っています。その一方欠点もあります。これだけ現実を注視しながら何故アメリカ特使がアニメキャラ…
電車のシーンもCGチープ。しょっぱ。つーかトラック地面に置いてたらびるの下敷きになるだろ。トラックが地下街通るか光線止んだ後オスプレイ飛ばすかにしたら良いのにと思います。
ブレード戦艦
2017/03/05 23:12
こんばんは!

まさかアカデミー賞まで取るとは思いませんでしたので、戸惑いもありますね。

石原さとみはかなり浮いてはいましたが、全員シリアスだと疲れるかもしれません。

ではまた!
用心棒
2017/03/06 01:08

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