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zoom RSS 『未来惑星ザルドス』(1974)ショーン・コネリーが赤フン締めて絶倫ぶりを発揮するSF映画?

<<   作成日時 : 2014/09/17 02:12   >>

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 全世界で大ヒットした007シリーズの影響もあり、渋くてダンディーなイメージがあった俳優ショーン・コネリーが自らの役者としての方向性を模索するなかで、結果としてトンデモ映画に出演するほど迷走していた時期もあったのかなあという印象のSF映画が『未来惑星ザルドス』です。

 冒頭、作品で神を演じる俳優がノコノコと画面に現れて、これからぼくらが見る映画についての説明をしてきます。手塚治虫や藤子不二雄がよく使っていた語り口です。

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 作者という創作神が現実世界に降りてくるので、身近な存在となって親しみが湧くという方、もしくはファンタジー要素が半減してしまうという方もいるでしょう。

 なんとも珍妙なオープニングのあとに被さってくるのは巨大な岩盤をくり貫いて造ったような大顔飛行船です。これらのナンセンスな映像はこれをそのまま見続けるのか、映画館の席を立つかの分岐点になりかねない。

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 岩石の大顔がただただ音も立てずに荒れ地に着陸してくる。この神は兵器を獣人にばら蒔き、性交渉を否定する。冷戦時代の軍隊による横暴や脅威、性解放への抵抗などをメタファーとして取り込もうとしたのでしょうか。

 獣人に武器を手渡し、戦いを助長する神ではありますが、彼らに与える武器があまりにも貧弱すぎて、すべてが洒落に見えてしまいます。

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 しかしながら、そうはいっても大顔飛行船のインパクトがあまりにも大きく、何も入ってこない。ついでにヒロインのシャーロット・ランブリングの顔もどこか鳥類のようで、セクシーさはまったくない。そこそこ若かった頃の作品なのでしょうが、あまり綺麗だとも思えない。

 究極に進化したザルドスの人類は不老不死という始皇帝以来の長年の夢を実現するが、それは退屈なものでしかないのだと論破し、生に執着する者たちへの皮肉と風刺が綴られていきます。

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 彼らの格好はセレブっぽい社交界特有の服装で着飾っていますが、どこか醜悪に見える。『マンディンゴ』を評して、フライシャー監督はまるで派手な結婚式に出てくるウェディング・ケーキなのに近寄って見てみると蛆が湧いているような感じを出したかったと語っていましたが、これもそんなイメージです。

 子孫を残す必要がなくなったためにセックスとはサヨナラした人類は加齢の恐怖からは解放されるが、多くの人々が無気力になり、胸を揉まれても、犯されかけても無抵抗な無機物のような存在に成り果てる者まで出てくる。

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 イギリス人という人たちはこういうアイロニーが大好きなようで、モンティ・パイソンの作品群を好む方ならば、この物語の世界観を楽しめるでしょう。

 大顔に続く第二弾の衝撃は赤フン姿のショーン・コネリーで、彼が原始的な性衝動から暴力行為に及び、野蛮な態度で去勢された人類たちと対峙することで起こるさまざまなトラブルやコミュニケーションの違いが笑えるレベルまで到達しています。

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 獣人の研究と称し、ポルノや泥レス(ハンブルグなどでは行われていたようです。)をコネリーに見せたりして、興奮して勃起するのかを調べたりします。結果、映像では反応しなかったコネリーがシャーロットを見て欲情(つまり、みんなの目の前で屹立してしまう!)するとさすがに彼女も顔を赤らめる様子がなんとも言えません。

 進化した人類は性交渉を持たないために本能を失っていて、また性的興奮がなく、ほとんど不感症になってしまっている。コネリーが若い女の胸を揉み倒しても、陰部を攻めてもいっこうに感じないのはもちろん、半裸で動き回っていても恥ずかしそうではない。

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 それでも不死から逃れたいと願う新人類はセックスをすることで生き続けるという業から解放される。全編通して出演者の多くは露出が大胆で、ヌードになっている出演者が多い。

 ラストでは妊娠したシャーロット・ランブリングが出産を迎え、子供を育て、年老いて夫婦共々白骨化するまでを描きます。

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 こんなケッタイな映画を作り上げたのは『脱出』のジョン・ブアマン監督で、カルト映画と呼ぶに相応しい。特撮や衣装のチープさがむしろマニアの心を鷲掴みにするに違いない。

 今回、はじめてこの映画を見ましたが、これこそが高校生の頃に宝島で読んだ映画記事に出てきていた作品のひとつに違いない。

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 『未来世紀ブラジル』と混同して、ずっと見たつもりになっていたようです。今回、『未来惑星ザルドス』をDVDで借りてきて、はじめて長年の勘違いに気づきました。

 SFに限らず、劇映画は観客を納得させることさえ出来れば、何をやっても結果オーライではありますが、失敗するとすぐさま、容赦なくクズの烙印を押され、正統派の批評とは縁遠くなってしまう。

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 それでもどんなクズにもマニアが付くのは『トロル2』を見れば明らかです。この『未来惑星ザルドス』もかなり風変わりな作品ではありますが、許容範囲が広いはずのSF映画をこよなく愛するマニアならば、1970年代特有の性におおらかなテイストを満喫できるでしょう。

 シャーロット・ランブリングが魅力的とは思えませんが、各々の好みなんでなんとも言えない。『バーバレラ』のジェーン・フォンダか『恐竜100万年』のラクエル・ウェルチがこれにも出演していたならば、よりカルト的な人気を誇っていたことでしょう。

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 それでもようやく探し出せた『未来惑星ザルドス』の出来映えに十分満足したのも事実です。たまたま見ていなかった作品のうち、お取り寄せで見てみようと思って、何も気にせずにDVDを借りてきたところ、まさかのヒットでした。

 なんともとらえどころのない作品で、妙に哲学的な台詞が合間合間に挟み込まれていて抽象的な方向に進んだりするのが難解に思えます。おバカSFにするなら徹底すべきなのでしょうが、どうにも行き当たりばったりな感じがします

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 そのユルさと急に語り出す死の概念に戸惑います。これを見ていて思い出したのはなぜか東映のスケ番シリーズのなかでもエロとバイオレンスの連打がカオス的な魅力を放つ『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』『やさぐれ姐御伝 総括リンチ』などでした。

 映画が斜陽産業となりつつあった1970年代、テレビで放映しきれない過激さや性描写によって、なんとか劇場まで客足を向けさせるべく製作されていったのがこういったお色気路線だったのでしょう。またそうした自由な作風が今でも支持され続けている理由なのかもしれない。

 大顔や赤フンコネリーの絶倫ぶりなど映像のインパクトが強すぎるので、言いたいことの意味を考えるまでは最低二回以上は通して見るべき作品だったのかもしれない。時間の無駄にも思える自分がどこかにいますが、『2001年 宇宙の旅』や『惑星ソラリス』のように観念的になり過ぎずに娯楽作として何とか踏みとどまっているのも事実です。

総合評価 70点



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