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zoom RSS 『腹腹時計』(1999)反日極左テロリストによる天皇暗殺計画を描いた超問題作。

<<   作成日時 : 2014/03/28 01:07   >>

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 渡辺文樹監督が取り上げるテーマと作品は常に大きな問題を提供します。思えば、『家庭教師』や『島国根性』などはまだまだ序の口に過ぎなかったのは後から分かることでしかない。

 そのあとに続く『罵詈雑言』では原発絡みの選挙不正工作の実行者の殺害を描き、『ザザンボ』では近親相姦による精薄と家父長制(頂点は皇室だということを暗示する額縁写真の掲示。)が原因として起こる殺害事件とその隠蔽工作を描いてトラブルを引き起こす。

 表現がどんどん過激になっていき、この『腹腹時計』及び『御巣鷹山』ではさまざまな陰謀説に憑りつかれた妄想的渡辺ワールドを展開する。

 『腹腹時計』では実際のニュース・フィルムや新聞を挿入し、過激派一派の動向や海外テロリストとの連帯シーンに真実味を持たせていく。フィクションのシーンと実際の企業名や犯人たちの逮捕記事などをゴチャゴチャに引用するので分かりにくい部分もあるが、死傷者300名以上(うち死者8名。)を出した丸の内での爆破事件の記事を引用していて、1970年代中ごろ当時の過激派の猛威を伝えてきます。

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 オープニングで一連の革命事件を伝えた後に、KCIAによる過激派海外拠点への襲撃(テロリストの中には渡辺自身もいる。)と逃亡犯追跡のために派遣されてきた韓国からの捜査員や日本の警察の公安部による犯人追跡が描かれていきます。

 最初に戸惑うのはこの映画ではナレーションが韓国語、字幕は縦に日本語が入ってくるのは分かるが、画面下に英語字幕まで入るのでなんだか画面に集中しにくいことです。海外上映を意識したのでしょうか。

 またコスト削減のため、今回もプロの俳優を使わずに、素人を起用しているので、基本的に台詞棒読みばかりです。素朴であるが感情移入は難しい。これは演技に感情を持っていかれないようにして、物語のテーマに観客を集中させるための渡辺監督の狙いなのだろうか。

 予算がないから、たまたまそうなっただけなのでしょうが、嘘臭いプロの俳優の狙った演技とは違う独特の雰囲気を醸し出しているのも事実です。

 かなり極左的な反日思想が強く出ている作品で、まるで中国プロパガンダを見ているのかなという錯覚を受けるかもしれませんが、製作しているのは日本の渡辺文樹監督ですので、この人の個人的な見解なのでしょう。

 日本に対しての恨みつらみをひたすら言い続ける外国人、アメリカと手を組んだ日本へのやっかみと反感、天皇陛下の責任問題などを前面に押し出してきているのでテレビ放送などは絶対に無理でしょうが、考えて欲しいのはこういった過激な表現であっても、弾圧せずに一応は視聴が出来る国はまだましであり、ちょっとでも政府に反対することを言えば処刑されたり、弾圧されたりする国とは次元が違うということです。

 他人の国にちょっかいばかりかけてくるのは自分の国内に問題が山積していて、真の問題から目を逸らす目的で他国へ罵詈雑言を浴びせかけているのだろうと分かったうえで対応すべきなのではないか。

 “狼”などの左翼セクトの名称は実在したものであり、この対企業テロの犯人たちの何人かは未だに逃亡を続けています。この作品では渡辺と若い女(永井リエコ)二人でコンビを組み、自分たちに都合が悪い人々を次々に抹殺していきます。

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 彼らの姿は政治的な革命というよりも、ただの殺人カルト集団にしか見えない。なんでもかんでも他人のせいにして、皇室や軍部、大企業のせいにするのは間違っていますし、たとえ凶悪な手段で彼らを攻撃したとしても大きな支持は得られない。

 無差別テロなどは何の罪もない人々を巻き込む卑劣な犯罪であり、いかに犯行声明などで自分たちは政治であると主張してもテロリストに耳を貸す必要などない。テロリストの記念館を建てるなどは正気の沙汰とは思えない。

 天皇陛下暗殺未遂を扱った本作は超問題作であり、上映はかなり難しかったようで、妨害やら拒否が相次いだようですが、それは致し方ないでしょう。オブラートに包み隠さずに反日映画をこともあろうに日本人監督が作ってしまった訳ですから、その後の活動がしづらくなるのは当然でしょうし、資金も集まりにくくなるでしょう。

 テロ計画は自分たちで作った殺傷力が強いニトログリセリン爆弾を使い、天皇陛下の福島巡幸列車が通るルートに近い列車をハイジャックして体当たりさせて暗殺を謀るというかなり大胆なものです。実際に極左セクトの“狼”はこの計画を立て、実行寸前までいったようでして、この映画は彼らの遺志を継ぐものたちの行動を描いたという設定を設けています。

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 そのためには自家製爆弾を制作し、より殺傷能力を強くする必要があります。また自分だけ出来ても仕方がないので、支援者にも作れるように指導するシーンもあります。

 腹腹時計とは自家製爆弾の製造方法やテロ戦術や自らの組織の在り方と意義などを体系的にまとめた冊子であり、左翼系書店には実際に並べられていたそうです。さすがに現物を手に入れるのは難しいでしょうし、あまりにも危険なので、当然ながらヤフオクなどでも出品はされていません。

 ただ作中には投擲弾製造シーンがあり、薬物の混合割合や各々の薬品の取り扱い注意、また爆弾が完成するまでの詳細な工程が描かれているのでかなり問題があります。

 皮肉なのは主人公渡辺と支援者の女(永井)を追い詰めるのが彼女の父親役の公安部の刑事と韓国からの捜査員であり、主犯格の渡辺を銃撃するのが彼だったことでしょう。

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 映画のラスト・シーンには自分の娘が実行犯だった公安課刑事が天皇陛下護衛という任務を終えてから、挨拶時に陛下に「戦争責任についてどうお考えでしょうか?」という無礼な言葉を投げかけた刹那に短銃を取り出して自身の頭を撃ち抜くという衝撃的なカットを持ってきますが、かなり後味が悪い。

 池田純一郎が付けた音楽が決まっていて、とりわけオープニングとエンディングにかかるアコースティック・ギターのみのインストの出来が素晴らしい。怒りがこもった力強さを感じます。

 かなり偏った思想のもとで製作された作品なので、嫌気がさしてくる方もいるでしょうが、作り自体は下手くそなポリティカル・アクションと割り切って見ていけば、まんざら駄作とも思えない出来には仕上がっています。

 映像にもところどころに凝った構図もあり、シュールな表現を用いたカットがいくつかあります。全編通してみていくとかなりチープな銃撃戦に萎えるかもしれませんが、ゴダールが撮ったアクション・シーンもそんなのが多かったような気もしますので、お構いなく映画全体の雰囲気を掴んでいきましょう。

総合評価 70点


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
そう言えば先日の世界仰天ニュースSPでもこの話が出てきてましたね。さては管理人さん便乗しましたね?w

しかし、この連中は本当に最低最悪な畜生どもでムカつきます!!。。ュ
自分たちの正義の為ならば罪の無い一般市民を平気で虐殺するその身勝手な神経にヘドが出ます!!(怒)
大体、コイツらが理想とする社会主義国家も言論統制、監視社会、軍備増強、秘密警察、反乱分子の摘発、出版物の規制、他国への侵略、粛清…etc

どう見てもコイツらが憎悪する大日本帝国と変わらないじゃないですか!!(さすがに粛清はしなかったが)自由も何もない言論封殺の暗黒社会である事に変わらないじゃないですよ!!
実際、当時のソ連や中共なんて大日本帝国よりも最悪な生き地獄ですよ!?多くの自国民を餓死させたり、粛清したり…コイツらは日本をそんな生き地獄にしようとしていたんですから本当に狂ってますね!!
しかも未だにコソコソ逃げ回ってしぶとく生き延びてると思うとはらわた煮えくりかえる思いです。
ベラデン
2014/03/29 16:32
 こんばんは!

そう!僕も見ました(笑)見る予定はなかったんですけど、内容が濃くて、思わず引き込まれていきましたよ。

見ているうちにこの『腹腹時計』のDVDを持っていたことを思い出しましたので、すぐに記事にしました。

放送されていた左翼セクトの一連の事件後の空想未来を扱ったのがこの作品ですね。

文中にも書きましたが、わが国の罪をがなり立てる輩に言いたいのは老衰した毛沢東の文革でどれほど多くの人民が不当に左遷されたり、殺されたりしたかについては検証すらさせないくせに、それより古い戦時中のことをゴチャゴチャわめき立てている時点で耳を貸す必要性などないですね。また日帝時代のことを言う前に中国が疲弊したのはイギリスによるアヘンが引き金ではないのでしょうか。

批判しやすいところを批判しているという姿勢は胡散臭いのではないでしょうか。

丸の内爆破の犯人たちに関しては彼らを匿っている勢力や国家があるわけですから、そういった国家には厳しく対処してほしいですね。
用心棒
2014/03/29 19:09
本当にそう思いますね。老害左翼連中は日本の戦争犯罪だけを取り上げて罵倒する癖に、ソ連や中共の粛清は一切スルーなのがムカつきます!!実際、ヒトラーよりも多くの人間を大虐殺したのはソ連と中共が圧倒的ですよ。それも敵国人じゃなく自国民をです。戦時中、スターリンはドイツ軍が攻めてる最中にも、数万の軍を率いて反乱分子を粛清させてたんですよ。国家の存亡が掛かってる時に貴重な兵士を粛清の為に動員させるなんて本当にキ○ガイですね!!毛沢東なんか文革や大躍進で数千万人もの同胞を餓死、虐殺したんですから!!この連中に比べたら、ヒトラーがまだ人格者に思えてしまう程です(苦笑)
>腹腹時計のDVD
マジっすか!?DVDあるんですか!?どうやって入手できたんですか?他にも渡邉作品のDVDはあるんですか?
ベラデン
2014/03/29 23:46
 こんばんは!

胡散臭い中国の言うことなんか気にする必要はないでしょうね。

>DVD
知り合いから譲り受けたんですけど、僕が持っているのはビデオは『家庭教師』『島国根性』、DVDは『ザザンボ』『腹腹時計』『御巣鷹山』ですね。

上映会場で売られているようですので、今度近くであるようなら、『ノモンハン』『天皇伝説』『金正日』を手に入れたいですよ(笑)

ではまた!
用心棒
2014/04/01 00:21

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『腹腹時計』(1999)反日極左テロリストによる天皇暗殺計画を描いた超問題作。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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