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zoom RSS 『キック・アス』(2010)オッサンたちをノックアウトする可愛い殺人マシン、ヒット・ガール登場!

<<   作成日時 : 2014/03/23 20:08   >>

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 ブログを始めた当初からお付き合いのあるトムさんからのリクエストをいただきましたので、今度の記事は『キック・アス』にしようと決めていました。

 これまでなんとなく敬遠していた『キック・アス』でしたが、リクエストをいただいた後にCSで放送がありましたのですぐに見る機会に恵まれました。楽しすぎたために第二弾の『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』を観るために近くの劇場まで急ぎました。

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 公開が終了し、しばらくしてからTSUTAYAにDVDが並んでいた時も、好きなジャンルの映画なのに何故か手が伸びず、ズルズルと見ないままに時間が過ぎていきましたが、トムさんからのご要望をいただき、ようやく『キック・アス』に接しました。

 見る前までは友人が大好きな影響で『アヴェンジャーズ』『X-MEN』『アイアン・マン』などのアメコミ系作品を一緒に観に行くことが増えてきたここ数年でしたので、たぶんそんな感じの映画なのだろうと思っていました。

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 ところが予想を裏切り、ブラック・コメディ要素が強く、少女の攻撃によるスプラッター描写がキツかったのでかなり驚くと共に、通常のヒーロー物にはなかった日常生活を描き出す独特の楽しさがあちこちにあり、すぐに引き込まれていきました。

 コマーシャル的な最大の売りはヒット・ガールに尽きます。ニコラス・ケイジの父親(バットマンみたい。)と社会のクズを片っ端から刃物で殺害していく一連の残酷描写はアメリカでは問題となり、視聴年齢制限を意味するR-15指定を受けましたが(もちろん日本でも。)、かえって開き直った製作サイドは堂々と血みどろヒーローのコメディを見事に作り上げました。

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 普通のヒーロー映画との相違はこれはヒーローになりたい人たちの理想と現実をデフォルメ化した傑作青春映画なのではないか。しかもはっきり言って、ほとんどの登場人物がカッコ悪く、イケてない者ばかりです。

 アーロンは憧れの女の子に近づくためにゲイを装ったり(誤解させることに成功し、彼女のヌードも拝める。)、毎晩自家発電に走ったりしますし、ニコラスは父親一人の弊害で、一人娘に自分よがりの異常な教育を施す。

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 サイコ親父ニコラスによって、弱冠12歳にして様々な殺人技術を身に付けている殺し屋ヒット・ガール(クロエ)が無邪気になんの疑いもなく、ギャングやならず者たちの身体を手裏剣や刀で串刺しにして、銃火器を操り、頭を撃ち抜いていく。

 この『燃えよ!ドラゴン』のような大活躍シーンを爽快と取るか、やり過ぎと拒絶するかでこの映画への態度は決まってしまいます。過激だ何だと言っても、あくまでもフィクションだとして、割り切って楽しめるぼくらの方がイカれてしまっているのかもしれない。

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 映画を観ていても、ヒット・ガールに「行け〜!」と声援を送りたくなるオッサンたちは言うことを聞かない娘たちを思い出し、キュートなクロエを思い通りに育てるニコラス・ケイジを羨ましがるでしょう。

 バットマンとロビンの関係では主人公はバットマンですが、キック・アスとヒット・ガールでは主人公であるはずのキック・アスがロビンの役回りになってしまう。

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 そもそも主人公のキック・アスが弱すぎるのです。これは当たり前の話でただただウルヴァリンやスパイダーマンに憧れているだけのモテないオタクがヒーローになりたいという衝動だけで行動を始めてしまい、それがYouTubeで流されたのをきっかけに“ヒーローになりたいムーヴメント”の創始者になってしまっただけなのです。

 ただ彼には一歩踏み出す勇気があったからこそ、創始者足りえます。ひとりひとりがちょっとした勇気と正義を持てば、世の中はちょっぴり良くなるんじゃないかなあという希望がある映画です。等身大の誰でもできる、誰でもなれるヒーロー物だからこその大ヒットだったのかもしれません。また、弱いなりにも徐々に経験を積んで、ヒット・ガールの補助的な役割ではあるものの活躍するようになってくるのもリアルで良い。

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 実際、最初の出動でボコボコにされてしまい、身体中に金属が埋め込まれたあとに痛みを感じる神経が鈍感になり、ウルヴァリンみたいになっていく過程をアーロンが楽しんでいる部分も笑えます。ヒーロー体験が自信をつけたのか、彼は憧れの彼女に自分の正体がキック・アスであることとホモではないことを明かし、初体験をキメて、青姦までやってしまうほど大胆になってくる。

 音楽が素晴らしく、B級映画への愛情もビシビシと感じます。モリコーネの『夕陽のガンマン』が流れた日には小躍りしそうになりますし、クライマックスの悪党が待つ高層ビルでの戦いなどはブルース・リー映画や『ゴッドファーザー3』を思い出しました。

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 鏡の間の死闘やギャングの大ボスとヒット・ガールの戦いを見ていると『死亡遊戯』での巨人とリーの体格差を思い出さずにいられません。 

 アーロン・テイラー=ジョンソンの冴えない仲間たちのクラーク・デューク(マーティ)とエヴァン・ピーターズ(トッド)とアーロンを合わせた三人組は一見すると三人一緒のようだが、人生のここぞの決断ではいつもトッドが仲間外れになってしまう。

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 この第一弾のラストでもほかの二人がよろしくやっているのに、彼一人が彼女がいないし、第二弾でもアーロンとクラークは同じヒーローサークルの“ジャスティス・フォーエヴァー”所属だが、エヴァンは敵対勢力に入会してしまう。

 ヒーローの仲間募集のやり方も現代的でサイトで探したり、動画サイトで人を集めたりと「時代も変わったなあ…」としみじみしてしまう描写も多い。

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 日本でもTSUTAYAさんに並んだときにR-15指定シールが貼られていましたが、これは現在の基準であれば致し方がないかもしれない。

 ぼくらが子供の時代は放送局もおおらかでしたが、今では気に入らないとすぐに抗議する輩のせいで無味乾燥で無難な番組が多く、見ていても楽しくない。そのため、まだ比較的自由なCS放送を見ることが増えています。

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 記事内容が本来ならば、この作品について書いた後に第二弾『キック・アス ジャスティス・フォーエヴァー』にすれば良かったのでしょうが、せっかく新作を見たので先にそちらを書きました。日本語字幕の監修は町山智浩さんが担当していますので、安心して観て良いのでしょうね。ヒット・ガールのキレの良い動きとともにキレのある字幕にも注目したい。

 ちなみにキック・アスをそのまま読めば、「ケツを蹴っ飛ばせ!」となるのでしょうが、字幕では「悪を懲らしめろ!」となっていました。そういう意味なんですね。

総合評価 85点



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さん,今日は。
本作はレンタルBlu-rayソフトにて鑑賞しました。
ハリウッドはこれまで数多くのスーパー・ヒロインを生み出しました。
『スーパーガール』(1984年)主演:へレン・スレイター
『シーナ』(1985年)主演:タニア・ロバーツ
『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』(1996年)主演:パメラ・アンダーソン
『トゥームレイダー』(2001年)主演:アンジェリーナ・ジョリー
『チャーリーズ・エンジェル』(2003年)主演:キャメロン・ディアス,ドリュー・バリモア,ルーシー・リュー
『キャットウーマン』(2004年)主演:ハル・ベリー
『イーオン・フラックス』(2005年)主演:シャーリーズ・セロン
『エレクトラ』(2005年)主演:ジェニファー・ガーナー
『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005年)主演:ジェシカ・アルバ
『ウルトラヴァイオレット』(2006年)主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
『Gガール 破壊的な彼女』(2006年)主演:ユマ・サーマン
『ブラッドレイン』(2006年)主演:クリスタナ・ローケン
『DOA/デッド・オア・アライブ』(2006年)主演: ジェイミー・プレスリー,デヴォン青木
『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』(2009年)主演:クリスティン・クルック
ざっと列記しただけでこんなにあり,往々にして旬の女優さんが主演なのですが,出来がいいかというとさにあらず...。
そして,ついに満を持して2010年に登場した本作でありますが,歴代のスーパー・ヒロイン物の弱点をよくわかったうえでの映画化なのではないかと思います。とにかくみごとにズッコケている作品群が多い中,制作サイドはそのアタリを実によく計算することによってみごとなキャラクター像を生み出したと思います。
snowman
2014/03/30 00:39
こんばんは!

いやあ、壮観ですね。パメラ・アンダーソンとかキャメロン・ディアズは好きでしたよ(笑)

>タニア・ロバーツ
 懐かしいですね!最後の方はレイプ・リベンジ物にも出演していましたね。もしかしたら、昔のビデオが残っているかもしれません(笑)

 クロエはその後も順調にキャリアを伸ばしていますし、スクスクと良い女優さんに成長してほしいですね。

 第二弾の最後では皆と別れて、住み慣れた町をバイクで後にするキカイダーみたいな終わり方をしていたのでぜひとも第三弾を観たいなあと思いました。

ではまた!
用心棒
2014/04/01 00:28
用心棒さん、こんばんは。
素晴らしい記事をありがとうございました。ジャスティス・フォーエバーの記事も併せて読ませていただきました。
コメントが遅れたのは、急に人事異動で札幌を離れることになり、引き継ぎだ、引っ越しだと突如忙しい羽目に陥ってしまったためです。いやあ、まいりましたよ。
4月1日に新任地(ようやく自宅に戻れました)に着任して初めての土日、ほっとしています。
さて、この作品の魅力は何なのでしょうね。とにかく引きつけられる作品です。わたしはクロエ・グレース・モレッツの愛らしさと健気さ・・・そして、無垢な残虐さに惹かれました。いくら悪党どもが相手とはいえ自分が人を殺害することに何の抵抗も感じないキュートな少女なんて、やっぱり現代、この時代に生きている我々もどこか病んでいるんでしょうね。
用心棒さんも、おっしゃられているように、クロエちゃんは、本当に理想の可愛くて格好いい最高の娘でしょうね。彼女みたいな娘が欲しいですよ(笑)。ほんとに。
では、また。

P.S
おちついたら久しぶりに記事のアップをしたいと考えています。
最近「ボルサリーノ」のDVD(版権の問題で既出版VHSは音楽の差し替えがありましたから、今回は音楽も含めて完全版です。)を早速、購入して感無量ですよ。
トム(Tom5k)
2014/04/05 23:49
 こんばんは!
>札幌
お疲れ様でした。やっぱり自宅が一番ですよね。知り合いも転勤で関東に行って7年が経ち、ようやく関西に帰ってこれるかもと喜んでましたが、ふたを開けると四国でガッカリしていました。

>ボルサリーノ
ああ、そうだったんですね。最近やっと出たと言われても、前からあったのになあと思っていたので謎が解けました(笑)

音楽が差し替えられてしまうとまったく別の印象になってしまいますし、違和感がぬぐえないですものね。

ぼくが『悪霊島』を見て、ビートルズのオリジナルが使用不可となってしまったDVDを見た時の違和感みたいなのでしょうね。

ごゆっくりお楽しみください。

ではまた!
用心棒
2014/04/06 20:20

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『キック・アス』(2010)オッサンたちをノックアウトする可愛い殺人マシン、ヒット・ガール登場! 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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