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zoom RSS 『DOCUMENTARY OF AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』(2013)

<<   作成日時 : 2013/02/12 20:11   >>

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 AKB48主演映画の三作目で年明け恒例になりつつある『DOCUMENTARY OF AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』を本日、難波の東宝シネマズで観てきました。正式名称は『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』で、ドキュメンタリーのシリーズはファンと振り返る、彼女たちの年間活動アルバムみたいになってきています。

 さすがに公開して一週間経過しており、観客は多くはなかったのですが、なぜか座席が密集していて、ぼくの席の前後左右に7人くらいが固められていました。

 特急電車などでも乗務員の管理が楽になるからなのでしょうが、一ヶ所に密集させてまとめられます。そのなかに弁当を食べるヤツやタバコ臭いヤツ、ベラベラおしゃべりをし続けるヤツがいるとお金を余分に払っているのに、瞬時に不快空間が出来上がる。

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 こういうときには空いている座席に移動するのだが、乗務員になぜ移動しているのかを問いただされることがままあります。「くさいから。」「うるさいから。」といちいち説明するのはかなり面倒くさい。ゆったりとしたい空間では出来るだけ席を離してほしいと願うのは少数派なのだろうか。

 それはともかくAKB。2009年の『RIVER』がオリコン1位を獲得して以来、すべてのシングルが1位を取り続けています。一般的には2010年の『ポニーテールとシュシュ』『ヘビーローテーション』で大ブレークが始まって以来、2012年も快進撃が続き、『GIVE ME FIVE!』『真夏のSounds Good!』『ギンガムチェック』『UZA』『永遠プレッシャー』の5曲すべてがミリオン超えとなっています。

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 気づけば10作品連続でミリオンが続く異常な高値安定ぶっちぎりで他を圧倒しています。今度のシングル『So Long!』はNTTドコモのCMタイアップではありますが、スローテンポで地味なナンバーですのでセールス的にはかなり苦戦するのではないか。

 総選挙第二位の渡辺麻友がセンターを務めますが、もしかすると1位はともかく、ミリオン記録は途絶えるかもしれません。中心メンバーだった前田敦子も去り、さすがに今年は落ちてくるでしょうが、それでも売上枚数で対抗できる者はなく、無風状態になっています。

 去年の映画第二作目のテーマは大震災の復興のためにアイドル・グループとして何が出来るのかということにかなりの時間を充てていましたが、今年はAKB対メディアと東京ドーム・コンサート、前田敦子卒業と彼女の活動の振り返りにかなりの時間を費やしている。

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 震災復興関連の活動はNHKで放送されたダイジェストに収録されていましたので、DVD発売時には特典映像になるのでしょう。今回は映画本編128分のうち、三分の二以上で誰かしらが泣いている。

 自分自身に対する悔しさで泣いている者、他人のために泣いている者と様々だが、国民的人気を得ている絶頂期の裏で多くのメンバーが人生の岐路に立たされています。

 大団円で卒業した前田敦子はともかく、米澤瑠美、平嶋夏海、増田有華、光宗薫、城恵理子(NMB)らの初期からの功労者や期待されていた次世代エース候補たちが体調不良、学業専念やスキャンダルで相次いでグループを去りました。

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 歌唱力が高く、ミュージカル主演も務めた増田友華の脱退は音楽性の低下を招きますので、少なからず影響してくるのではないかと思います。彼女の場合、度胸も据わっていますので、後輩たちを育てていかねばならない現状では痛いかもしれません。脱退前に参加したニューヨークへのブロードウェイ短期留学でも彼女の存在は圧倒的でしたので惜しい人材を失くしました。

 今年は板野友美(この映画で発表!)、河西智美が卒業を発表し、去年の後半からは宮澤佐江、高城亜樹らが海外へ活路を見いだそうと活動拠点を変えています。中国と揉めている現状で、就労ビザが下りていないとの記事を読みましたが、今はどうなんでしょう。

 また先頃、海外でも話題になった峯岸みなみの丸坊主騒動があってから映画館へ見に行ったので彼女の様子も痛々しい。あの日は夜、仕事帰りに電車に乗っていると大学生二人組がスマホを見ながら、「わあ!峯岸が丸坊主になってるでえ!」「女の子って、こんな感じになるねんなあ!」とおしゃべりをしていました。

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 個人的にはそこまでしなくてもいいじゃないかと思うのですが、ヴィジュアル的にあれは強烈でしたので、一気に知名度は上がったのではないか。彼女は正規メンバーから研究生に格落ちしたようですが、髪がショートヘアくらいになれば、すぐに復活してくるでしょう。

 古株メンバーがどんどん減れば減るほど、オジサンファンはせっかく覚えた娘がいなくなるので面倒臭い。去年の振り返りという意味もあるこの映画を見ていきます。

 ファンにとっては年に一度のお祭りであった選抜総選挙はフジの地上波で生中継されるほどの異常な状態となり、そのなかで指原莉乃がまさかの4位をとる。ネ申テレビ初期からよく出ていた彼女は可愛くはないが、バラエティ対応が出来ていたのでグループのブレイク後はひっぱりだこでした。有吉弘行と同じ事務所ということもあり、スキャンダルをいじられて、もうまくネタにできる反応のよさで切り抜けました。

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 しかしながら、本隊からは追放され、博多に活動拠点を移しました。ここで問題になったのが恋愛禁止の掟なのですが、年頃の女の子達を多数抱えているのにスタッフが足りていないわけですから、もう解禁したほうが自然ですし、混乱も起きないのではないか。

 また文春がやたらと噛みついているが、十代の小娘たちの恋愛記事ばかりを追いかけるようなレベルの低いことはたいがいにして、もっと重要な中国問題や原発問題などを扱ってくれたほうが僕らは読みたくなるのだがどうでしょうか。ぼくらもそうですが、編集部には子どもを持つ親もいるでしょうに、若い子たちの恋愛ネタを食い物にする姿勢はあまり褒められたものではないと思います。

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 さまざまなスキャンダルが飛び出しましたが、メンバーによって処分に差があることに対しての不満も出てきていて、かつてスキャンダルによって解雇された後に再度オーディションを受けて合格した菊池あやかは指原や人気メンバーへの処分の甘さと自分が受けた厳しい処分との差、つまりメンバー間格差に不満を訴える。

 なかなかこういった突っ込んだインタビューは聞けないが、こういう赤裸々な告白シーンは見応えがあります。綺麗事では済まない部分が多々出てきます。このへんを隠さないのがAKBらしいのですがもうスキャンダルはたくさんですので、本業で楽しませて欲しい。

 博多に異動した指原は移籍当初にはどう対応していいか分からない年下のメンバーたちに敬遠され、遠巻きに冷たい視線を送られる。気丈に振る舞っていた彼女も古くからの仲間であるSKE中西の前では感情が爆発し、号泣してしまう。

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 正規メンバーになる前から人気メンバーとともにPCのCMに呼ばれ、地上波放送のバラエティにも出演したり、ドラマのレギュラーを掴んでいた光宗薫は鳴り物入りで加入して、常に注目されていました。

 当然、選抜総選挙でもマークされていました。選挙は64位から発表されますので、30位くらいまで出てこなかったときは一気に16位以上の選抜に入るのかと思っていましたが、まさかの人気ランキング圏外で、自分の活躍は運営が特別扱いしたとしても、それはファンの支持ではなかったことを思い知らされる。

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 選挙前の彼女は快活そのもので、他の研究生メンバーと楽しそうにふざけている映像がところどころに盛り込まれていましたが、選挙以降は徐々に姿を消していく。

 夕方五時半から始まった選挙は64位から名前を呼ばれていきますが、そうではないメンバーたちは一位が呼ばれて、コメントが終わり、選抜されたメンバーたちがステージから下がった後まで見送り、座席に座り続けなければならない。

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 負け残りとなったメンバーたちはうなだれながらトボトボと歩いて、大部屋の控え室に戻っていく。観客から見えないところまで到達した光宗は通路でついに崩れ落ち、モデル上がりのスタイルの良い身体を震わせながら、ひたすら号泣している。明るかった彼女は徐々にバランスを崩し、夏を境に姿を見せなくなり、脱退してしまう。

 メディア選抜の常連だった高城亜樹は梅田彩佳に追い抜かれ、二年間保った選抜の座を奪われたショックで能面のような表情で二時間あまりテレビに映し出される。彼女もまた楽屋に入る通路で崩れ落ちていく。その後、彼女は海外チーム移籍を打診され、ジャカルタに旅立っていく。

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 二時間以上の間、ほとんどのシーンで誰かが泣いています。アイドルたちの苦悩は総選挙後も続いていきます。第二位に選ばれた渡辺麻友はシングル『UZA』をリリースするにあたり、当初は大島優子とのWセンターの立ち位置を用意されていたが、難易度が高いダンスのレベルに付いていけずにその座を次世代エース候補のライバルである松井珠理奈に明け渡す。

 アイドル映画なのにこの苦しみの映像の連打は何なのだろう。もちろん楽しそうなシーンも出てきますが、涙のシーンがそれを忘れさせる。映画のなかでは板野友美が卒業を発表する場面もあります。彼女の卒業は他のメンバーのスキャンダルもあったせいで、知名度の割りにあまり注目されていない。

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 大画面でも彼女と篠田麻里子、渡辺麻友は他のメンバーにはない輝きがあります。辞めたメンバーたちのその後も描かれ、平嶋夏海が近況を語っているが、後悔はあるようで誘惑に負けてしまった自分を冷静に振り返っています。明日はわが身に降りかかるかもしれないという不安からか、袖で見ていたメンバーたちは暗い表情で楽屋に消えていく。

 第一期メンバーだった彼女をずっと見守ってきた古株スタッフの戸賀崎支配人は彼女の謝罪スピーチに男泣きしてしまう。売れない頃から頑張ってきた者同士なので色々と思うこともあったのでしょう。

 若手メンバーの恋愛感もインタビューで描かれていて、次期エース候補の本命とも言える松井珠理奈は「恋愛はいつでも出来るが、アイドルは今しか出来ない。」と核心を突く。

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 あらためて思うのは華やかに見えても、その裏では苦悩が絶えない厳しい世界なのだなあということであり、辛い状況でも笑顔で仕事をしなければならない彼女たちは偉いなあということでした。普通の一般人ならば嫌なことがあれば表情に出るし、他人に当たり散らすことも容易だが、芸能人がそれをやるとすぐにスキャンダルになる。さて今年はどうなるのだろうか。

 次期エース候補だったメンバーがもう1人いました。大阪のチームMのエースだった城恵理子はかつてのおぼこい頃の前田敦子を思い出させる明るいキャラクターでしたが、進路に悩んだようで学生に戻っていきました。

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 成功する保証がまったくない世界で生き抜くには執念と努力と運がないといけません。親御さんならば、自分の娘が相談してきたとすれば、安定した生活を目指すように導くでしょう。

 他人事だから、引退は残念だなどと気楽に言えるが、身内がそのなかにいたら、軽々しくは続けなさいなどと言えないでしょう。毎年総選挙のたびに自分の娘に順番をつけられてしまう親の気持ちを想像すると勝手なことばかり言えなくなる。

 四十代になるとアイドルだけではなく、サッカーの試合などを見ていても、活躍するかどうかは二の次でまずは怪我の心配から始まってしまい、贔屓の選手が相手クラブのディフェンダーに後ろから壊されないことを望んでいます。若い子たちが笑える国が良い。

総合評価 73点





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さん、こんばんは!
こうなったら、行けるところまで付きあわせてください。さっき、見終えました。
今回は、彼女たちのプロフェッショナルの凄まじさが描かれていていたように思います。それにしても、良くあれだけの緊張状態で精神疾患者が出ないものです(出てるんですかね?)。

>・・・十代の小娘たちの恋愛記事ばかりを追いかけるようなレベルの低いことはたいがいに・・・ぼくらもそうですが、編集部には子どもを持つ親もいるでしょうに、若い子たちの恋愛ネタを食い物にする姿勢はあまり褒められたものではない・・・
>。若い子たちが笑える国が良い。
全く同感です。世代から言っても彼女たちは、「我々」の子供達ではありませんか?おじいちゃんは、大江健三郎や開高健、大島渚に小田実といったところでしょうか?(アラン・ドロンやオードリー・ヘップバーン)
恋愛くらい良いではありませんか?残酷過ぎますよ。

日本も男女共同参画の時代に入ってきていますが、女性にも過酷な海外勤務や能力給、孤独なリーダーシップが求められることはもう定着してきているかもしれません。
若い人たちにとっての良い社会にするための責任は旧世代にあるとも思います。頑張りましょう!

ともあれ、用心棒さんは、
ゴジラに集中してきてください。記事楽しみにしています。
では、また。
トム(Tom5k)
2014/07/22 22:15
 こんばんは!

公開された時に観に行きましたが、苦悩と号泣の連打は上映中ずっと続く異常なアイドル映画でした。

またメディアの姿勢が情けなく、正義の味方のような態度で若い女の子たちを食い物にする文春にはかなり幻滅させられました。

コンプライアンスやらハラスメントやら、ややこしい時代ですが、元気に頑張ってほしいものです。

>ゴジラ
あまりハードルを高くせずに楽しみたいと思います!

ではまた!
用心棒
2014/07/22 23:30

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