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zoom RSS 『ホラー喰っちまったダ!』(1979)なかなかDVD化されない本作は欧米ではカルト映画だそうです。

<<   作成日時 : 2012/12/01 21:49   >>

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 低予算映画であることが付けられた邦題によって、どんなバカでもすぐに分かるのが『ホラー喰っちまったダ!』です。原題からだと電子レンジの大虐殺という感じでしょうか。当然これは『悪魔のいけにえ』のパクリです。

 『吸盤男オクトマン』と同様に大昔のアメリカ・カルトホラー映画の一本で、ボロボロのVHSをレンタルビデオ屋さんで見かけたことはありましたが、DVD時代になるとまったく見る機会がなくなってしまいました。調べてみるとDVD化はされていますが、現在は発売されてはおらず、廃盤扱いのようです。

 本編の内容は仲が悪い夫婦が喧嘩した勢いで旦那が奥さんを殺害し、証拠隠滅に困った旦那が奥さんをレンジでチンして喰っちまったところ、これが結構旨かったようで、カニバリズムに目覚めた旦那は夜な夜な街にくり出し、売春婦を引っ掛けては食用にしてしまうというえげつないお話です。

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 オープニングからラス・メイヤー作品群を思い出させるようなヴィクセン女優の巨乳やデカイお尻のショットが画面一杯にひろがる。70年代のアメリカでのセクシーというのはこういう分かりやすい感じだったのでしょう。

 セクシー美女は工事現場の囲いに出来た隙間からバスケット・ボールのようなオッパイを突きだし、男どもをからかうのを日課にしている。工事現場の肉体労働者である主人公は精力減退ぎみで、酔い潰れて家に帰っても、イタリアンやフレンチなどの外国料理にかぶれ、調度類もすべて自分好みに整えてしまっている年老いた妻が待っているだけである。

 フラストレーションがたまった彼は酔っ払った勢いのまま、室内で立ちションしたり、カーペットにゴミをぶちまけたりとやりたい放題に散らかした挙句、手に取った胡椒の大きな容器で殴り付けて奥さんを殺害してしまう。

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 翌日、酔いが醒めた彼は処置に困ってしまい、妻の遺体を切り刻み、アルミホイルに巻いて、冷蔵庫に仕舞い込む。残った手をゴミ箱に棄ててしまうというミスを犯すが、ゴミを漁りにきたホームレスが孫の手代わりに持ち去ってしまう。

 遺体はいつかは腐るので、思い切ってレンジでチンしてみると意外に旨く、工事現場の仲間にもおすそ分けすると「旨いが、ちょっと肉が硬いなあ!」などと能天気な答えが返ってくる。

 研究(?)を重ねた彼は以降、肉が柔らかい若い女を食べようとして、売春婦やプー太郎(女だが?)に狙いを定め、夜な夜なセックスを楽しんだ後に殺害し、調理法にも工夫を凝らす。

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 自分の性癖が異常かもしれないと悩んだ彼はカウンセラーを頼り、彼に告白するもののほとんど話を聞かずに眠りながら座っているカウンセラーは何も問題ないからやりたいようにやれと解答する。

 まあ、カウンセラーなんてそんないい加減なもんだよというブラック・ジョークでしょう。カニバリズムに目覚めた彼は元気になったように思えたが、心臓に負担がかかりすぎたのか突然死を遂げる。彼はそれ以上でもそれ以下でもない上記の狂気の行動をひたすら繰り返していきます。

 最後に友人たちが彼を心配して家を訪ねていくと彼はすでに死んでいて、電子レンジにはぶつ切りにされた手足が入れられているというショットが出てくる。キッチンの様子を伺っていた同僚たちは今までご馳走になっていたモノの正体を知り、恐れおののく。

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 通報され、家が売りに出された時にはなぜかまだ妻の生首が冷蔵庫に残っていて、カメラが寄って行くと、生首の眼が不気味に光り、観客を睨めつけて映画は終わります。

 低予算らしく、映像は粗く、編集は雑然としています。どこかどころではなく、全編が胡散臭いのですが、それがまたなんとも言えない雰囲気を醸し出していて、特殊撮影も行き着くところまで行ってしまえば、またこういうレトロ趣味に戻ってくるのかなあとボンヤリと眺めていました。

 これはコミカルなホラーに過ぎないから、笑って済ませば良いやという時代はすでに過ぎ去り、つい最近も殺害したのちに、厨房にある巨大な鍋で奥さんを四日間煮込み続けて、骨まで溶かして証拠を隠滅するという猟奇的な事件がアメリカで発生し、センセーショナルにニュースで流れていました。

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 証拠が自白テープのみで、自殺未遂しているのも彼が犯人に違いないというアメリカらしいロジックで殺人罪に持ち込もうとしている検察側とあくまでもうるさいから縛って、ガムテープで口まで塞いでいたら、窒息してしまっただけだから単なる事故であると言い張るクズとの間で裁判が争われています。

 裁判が結審するときに被告人は今後は自らが弁護人になるという申し立てを申請し、それが許可されたために、次回の裁判は来年になってから、被告人が弁護人を兼ねる珍しい展開を迎える。

 まるでテッド・バンティのようではありますが、こちらの旦那はそんな知性を持ち合わせているようには思えません。さて、どうなることやら。

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  まったくもって、名作とは言いがたい本作品ではありますが、なぜか欧米ではカルト扱いにされている不思議な作品です。我が国での知名度は低く、知らない方がほとんどでしょうが、ブラック・ジョークとしてみれば、『ブラック・エース』や『デリカテッセン』と同じように楽しめるかもしれません。

 過度に進みすぎて、共食いをするような消費社会や結婚制度への批判を込めているのだなどともっともらしいことを言う輩もいるのでしょうが、そんなこと考えて、こんなふざけた映画を撮っているわけはないので、仕事帰りにお風呂に入ってから、ビールでも飲みつつ、ただボーっとしながら、深夜のひと時を過ごせばそれでいい。

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 さあ、いつDVDは再発売されるのだろうか。買ってまで見る必要はないのでしょうが、なかなかこういうのってツタヤには並ばないでしょうから、結局買っちゃうんでしょうね。ぼくは大昔のVHSをDVDとの切り替え時のワゴン・セールの時にゲットしましたので、久しぶりにこれを見ました。

 ジャケットはさすがにボロボロでしたが、テープ自体は比較的汚れていませんでしたので、普通に再生できました。DVDデッキもそうですが、VHSもテープとデッキの相性でかなり再生に違いが出ますので、2台あるVHSビデオデッキを棄てるタイミングを計りかねています。

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 なんだかんだいってもDVD化されていないタイトルは山のようにあり、恐らく今後もリリースされないであろう作品が多々ありますので、クリーニングをしっかりと行いながら、デッキ寿命を少しでも長くしつつ、欲しいタイトルをマニアに気づかれずにこそこそっと集めたい。

 総合評価 60点


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