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zoom RSS 『パニック・アリゲーター/悪魔の棲む沼』(1978)大鰐と土人に挟み撃ちされる白いご主人様たち。

<<   作成日時 : 2012/10/01 15:01   >>

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 『パニック・アリゲーター/悪魔の棲む沼』(1978)は『ジョーズ』(1975)以降に大量生産されたイタリアの動物パニック映画のひとつで日本では劇場公開はされていません。そんなときのためのテレビ洋画劇場で、ぼくは子供の頃にこれを見たときにはこの映画のチープ感とまさかの残酷ぶりにビビった作品でもあります。

 イタリア映画というと芸術的に素晴らしい作品群を数多く生み出しましたが、一方ではマカロニ・ウェスタンやゾンビ映画に代表される残酷描写や思春期の中二の野郎どもにヒットするエロ描写が多い作品、ショッキングなシーンを切り貼りしたモンド作品、パクリや便乗作品の宝庫でもあります。

 たいていのものはその公開時期のときだけ、番組を埋めるだけのお茶を濁すような作品がほとんどですが、なかにはカルト映画化するような怪作が現れるので、騙されつつもテレビやVHSレンタルで見てしまうのがイタリア製のホラー映画でした。

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 この『パニック・アリゲーター/悪魔の棲む沼』にはエロ描写は少ないものの血飛沫や鋭利な武器による惨殺などをこれでもかと見せつける。見せ物映画の伝統とアイデアはよそから持ってくればイイやという適当さがたまらない。

 白いご主人様が現地人を野蛮人として扱う差別的描写やマカロニ的残酷描写が山盛りで、どこかの大猿映画で散々見てきたような場面設定に苦笑しつつ、何よりも安っぽい特撮で大いに楽しませてくれます。

 ハリボテ感満載の特撮は今の目で見るとどうしてもチャチなのですが、早目のカット割りや全体を出来るだけ見せないチラリズム、真っ暗な夜間場面や水中場面での登場を多用することで粗を出さないように一応は工夫している。

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 この映画で特筆すべきことは人種差別意識が強い白人たちが現地人をないがしろにして開発を推し進めることに対して、当初は協力的だった彼らが伝説の主への恐怖心から蜂起して、支配者階級の白人たちを大量虐殺していく点にある。

 今まで描かれてきた怪獣やパニック映画ではフェイ・レイのように生け贄として拉致されることはありましたが、出てくる白人たちが老若男女の別なくほぼ全員が殺害されてしまうという作品は記憶にはありません。

 まあ、さすがにお約束で主人公とヒロインのバーバラ・バックは原住民が支配する島という一番の危険地帯に行っても、生贄にされても、すぐそこに魔神ワニ(エンクルナ)が来ても助かる。

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 原住民の攻撃によって水没した車に向かって魔神エンクルナが攻撃してきても起死回生のジョーズ2作戦で酸素ボンベごと爆破するという荒業で生還してしまう。また夜中に川に落ちたはずなのに退治した後に「ぷはあ〜!」と上がってくると燦々と日が照っている。

 生き残った人たちはやっとのことで伝説の大鰐から逃げ出して、安全地帯であるはずのリゾート・ホテルに帰ってきたら、現地人の襲撃によって宿泊客が皆殺しに遭って、ロビーの前で無造作に放り出されて、無惨に晒し者にされているのを目撃する。

 ショッキングな状況を受け入れる間もなく、茫然としていた彼女も火矢を身体に撃ち込まれ、すぐに絶命する。そのあとに続く人々も後ろからは泳いでいる途中を大鰐に噛み殺され、やっとの思いで丘へ上がっても、前には現地人が待ち構えていて、彼らの容赦ない襲撃で虐殺されていく。

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 問題はこの阿鼻叫喚シーンが最大のクライマックスになってしまい、主人公とバーバラ・バックによる大鰐退治シークエンスが霞んでしまうことでした。まあ、退治方法は大ザメ映画と似たり寄ったりなので特に書く必要もない。

 ただ主人公たちが決死の思いで大鰐を倒した直後に喜びに浸っていると再び武装した現地人が白人たちに迫ってくる。次の瞬間、酋長は満面の笑みで拳を突き上げ、勇気を讃えて去っていく。

 なんだこりゃ!?だったら最初から協力して倒せばええやんか!?無駄な殺戮を繰り返した野蛮人たちのメンタリティは訳が分かりません。

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 彼らの後ろ姿を見つめる生き残った白人たちも呆然としています。途中、何十年も洞窟に住み着いている神父に会うが、彼はすでに狂っている。

 何か重要な役割をするかと思いきや、その後まったく出てこない彼はいったい何だったのだろう。翌朝に警察のヘリが救出しにきますが、なぜこういう類いの作品ではいつもレスキュー隊はノロマな間抜けなのだろうか。

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 ちなみに邦題の「悪魔の棲む沼」というのも問題ありで、実際は急流などもあるので、タイトル通りの沼ではなく川に見えます。どこで撮られたのかは分かりませんが、なかなかの秘境ですので見に行きたいなあとも思いますが、たぶん今では開発が進んでしまい、見る影もないのでしょうね。

 この作品はDVD化されていますので、他の映画に比べると視聴はしやすいはずなのですが、現在DVDは廃盤になっていて、二万円前後という意味不明なお値段がついています。VHSですと三千円以内で取引されているようですし、上手く行くとさらに廉価で落とせるかもしれません。ぼくは1500円で落札できました。

総合評価 65点


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