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zoom RSS 『実録!UFO大接近/消えた412ジェット機隊』(1974)ぼおーっとしているときに見よう!

<<   作成日時 : 2012/01/05 19:43   >>

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 なんといってもタイトルが大げさ過ぎる。『実録!UFO大接近/消えた412ジェット機隊』とはまるでなつかしの川口浩探検隊が活躍していた水曜スペシャルのサブ・タイトルのようではないか。この怪しさがたまらない。ただし残念ながら、最近出たDVDのタイトルでは『UFO 消えた412便』となんともシンプルかつ真面目に改変されていました。

 元旦、今年の第一本目に『未知との遭遇』を久しぶりに見て、すぐさま二本目の『侵略:ロサンゼルス決戦』を続けて見た後に記事を書き上げたら、もう夜11時を回っていました。

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 それでも元旦に二本だけというのは寂しいので、他にも何か見ようと思い、TSUTAYAで借りてきたDVDをゴソゴソやっていると出てきたのがこの『実録!UFO大接近/消えた412ジェット機隊』でした。

 いかにもマイナーな雰囲気をプンプンさせていたこのタイトルを選ぶのは特撮映画マニアの哀しい習性でしょう。こうして数合わせのために借りてきたこの作品は大作『未知との遭遇』やCGバリバリの』『侵略:ロサンゼルス決戦』を見たあとの添え物同時上映的な役割になってしまいました。

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 DVDを再生すると、これがお正月早々にとんでもない駄作にぶつかってしまい、『未知との遭遇』の余韻が消し飛んでしまうほどのじわじわくる破壊力を持っていました。

 主演にグレン・フォードを迎えていたので、ちょっとは期待していましたが、上映時間の74分がまるで2時間半の超大作に感じるほどの退屈感を味わいました。

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 この感覚って、昔味わったドアーズの『ハートに火をつけて』のソロ・パートみたいだぞとか、他にもこういう体験があったぞと記憶を辿っていくと、それは12チャンの深夜映画枠で、ただテレビをつけているだけ、眺めているだけの作品群に触れたときの感覚なのでした。

 お正月に親戚のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちと夜更かししながらトランプをやり続けている間、何となくダラダラとテレビをつけっぱなしにしているときにかかっている感じです。

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 内容が壊滅的で、なんとこの作品は特撮映画ではない。シリアスで実録っぽいのは好感が持てるのですが、いかんせん作品全体での見せどころや山になる部分が皆無で、何を伝えたいのかの焦点がぼやけてしまっている。

 まったく時間が先に進まない凪ぎの海、もしくは牛歩戦術のような出来栄えなのです。タイトルから想像して、B級特撮映画を期待する方がほとんどでしょうが、この作品は軍関係者によるUFO目撃証言の揉み消しと隠蔽に向けてのねちねちした取り調べを薄暗い部屋で延々と続ける奇妙な作品なのです。

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 そんなのは見せなくていいし、見たくもない。またどうしてもやりたいなら、数分の枠で収まる程度のことを一時間以上見続けねばならない観客はまるで自分も尋問されているか、参考人として付き合わなければならない内部関係者のような時間を取調室という薄暗い密室をひたすら見守るしかない。

 見ている途中、何度も意識を失いかけましたが、背伸びしたり、みかんを剥いたりして、なんとか最後まで付き合いました。内容を見ていくとまずはタイトルに偽りありで、“消えた”412便、もしくは412ジェット機隊としているのに消えるのはこの412便ではなく、3機のUFOに追いかけられた412便を救出するためにスクランブル発進してきた2機の偵察機なのです。

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 しかもスゴいのはUFOに追いかけられている様子(本来ならば最大のサスペンス場面になるはず!)も忽然と偵察機と共に一瞬で消えてしまうUFO編隊もまったく映さずに、すべてを台詞とレーダー画面に映し出される光の点だけで表現してしまいます。

 なんという強引な力技なのだろうか。見た者全員がズッこけるか、椅子からずり落ちるに違いない。『プラン9・フロム・アウタースペース』の方が笑えます。真面目に撮ったのに反ってそれが災いし、結果として誰からも共感を得ない作品が出来上がってしまったような印象があります。

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 『呪われた海の怪物』もフザケた作品として語り継がれていますが、いくらテレビ映画とはいえ、もう少し捻りをきかせた、気のきいた作品をリリース出来なかったのだろうか。

 『未知との遭遇』との差があまりにも大きすぎて、ピッチャーで例えると140q前半くらいの速さが160qに思えるような錯覚に陥りました。そこでハッと気づいたのですが、添え物映画の質が低ければ低いほど、メインの映画は引き立つのではないだろうか。

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 仕上がりと熱意の高低差がありすぎて、傑作に見えるという錯覚を観客に与えるために存在したのが同時上映作品、いわゆるプログラム・ピクチャーだったのかもしれない。

 そして映画マニアはこういうプログラム・ピクチャーのゴミの山から埋もれた傑作を見つけ出したときに一番の幸福を得る。思い出してみると、なんやかや言いながら、毎週水曜スペシャルや12チャン映画を見続けていたぼくにとっては「あ〜〜…。クズだったなあ…。」とか思いながらも、たまに出てくるトラウマ映画を探し求めて、ついつい付き合ってしまうのでした。

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 二本続けて見たら、もう一本が名作に見える作品、それがTV映画ではありますが、この手の『実録!UFO大接近/消えた412ジェット機隊』のような作品であり、こういう作品の隠された使命はまさにこの高低差にあるのではないか。まあ、真面目に作っているんですけど、伝わらない。

 この作品を選ぶきっかけとなったのはグレン・フォード出演という部分と“UFO”というタイトルに惹かれてというのが二大理由でした。仕事を選べなくなっていたのであろうグレン・フォードに哀しさが漂う。昔売れていたアイドルが日活ロマンポルノに出る感じでしょうか。

総合評価 40点




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