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zoom RSS 『ピラミッド』(1955)子どもの頃に見たっきり30年近くが経ちました…。現在入手困難!

<<   作成日時 : 2011/09/03 18:54   >>

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 映画ファンなら誰でもそうでしょうが、大人になってから観た映画よりも小学生から中学生の頃に観た映画の方が思い入れが深いに違いない。

 ただし、たしかにこういう感じの映画を見た記憶があるのだが、そのタイトルが思い出せない。頷いていただける方もいるでしょう。この作品もそんな思い出せない映画のひとつでした。

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 それでも覚えていた断片がいくつかありました。一つ目は古代エジプトを舞台にしていること、二つ目は墓荒らしによる盗掘を防ぐための仕掛けにスポットライトを当てていたことを覚えていました。

 他にはたしかクフ王が絡んでいて、壮大なスケールで作品をつくっていたこと、ピラミッドの使役に当たる人たち(エキストラ)がかなりの大人数だったこと、最後に綺麗なお妃とお坊さんが仕掛けのために死んでしまうこと、見たのが小学生の三年生までだったことでした。

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 これらをもとに整理していき、作品が何というタイトルなのかを探していきました。まずヒントになったのがカラーで大掛かりな予算を掛けていた点で、おそらくハリウッド・メジャーのアメリカ映画であることが判明します。

 次がそういう作品をまかされそうな監督は誰だろうという点で、当時の大物といえばということで推察して、結果として候補に上がってきたのがセシル・B・デミル、ジョセフ・L・マンキーウィッツ、アンソニー・マン、ハワード・ホークスらでした。

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 大きな器の映画を撮るには大物の安定感が不可欠でしょう。さしずめ今ならジェームズ・キャメロンかローランド・エメリッヒ、またはスティーブン・スピルバーグらでしょう。

 つぎに注目したのが製作年度についてのもので、カラーなのでおそらくは50年代以降で70年代中盤までの作品であろうということでした。今のように去年の作品が今年にテレビ放送されるという時代ではなく、少なくとも数年はかかるのが通常でしたので、ぼくが見た小学生のころから遡っていくと、もっとも新しくとも1975年程度かなあという予測が立ちます。

 以上のことを念頭において、ヤフオクやアマゾンで検索していきました。いくつかヒットしていきましたが、そのなかに単純明快なタイトル『ピラミッド』を二つ見つけました。ただそのうちの一つはチャールトン・ヘストン主演作品で、大作への出演が多かった俳優ですので、もしかしたらこれかなあとも思いましたが、残念ながら製作年度が1980年で、当時の慣わしでは公開してすぐのタイミングでテレビ放送されるわけないので除外しました。

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 そしてもうひとつの『ピラミッド』について調べていくと、製作年度がハリウッド黄金期の50年代、パノラマ撮影、監督にハワード・ホークス、舞台がエジプトで盗掘をメインに扱うなどあらすじがピタッとはまり、この作品だと確信しました。

 そして今度は是非とも見たい作品なので、アマゾンで調べてみると、これがまさかのDVD未発売で、中古品オークションで昔の画質が悪いVHSビデオが19800円というバカ高い値段がついていました。

 さすがにこれを落札しようとは思えませんでしたので、動画サイトで探していましたが、断片しかアップされていませんでした。ブルーレイでの発売を気長に待つか、ヤフオクで競り落とすかの方法しかありません。そして根気良く出物があるまで待とうという結論に至りました。

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 海外で普通に発売されているということは出演者や製作者のトラブルはないというのは分かります。すると一番妥当な理由は発売しても儲からないからでしょう。儲かり、トラブルもないならば出さないはずはありませんので、今のところは静観しているより仕方ない。

 あとはBSやCSでの放送を期待するくらいでしょうか。ザ・シネマやシネフィル・イマジカ、スター・チャンネル・クラシックであれば、もしかするとオン・エアしてくれるかもしれないので、毎月の番組表でチェックする必要があります。早く放送してくださいと願うばかりです。

 たまにPAL盤DVDが出ていますが、大画面でこそ満喫できるであろうスペクタクル映画をPCで見るのはナンセンスなので、この作品に関してはPAL盤の選択肢はありません。

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 そしてしばらくオークション等で探しておりましたが、DVDも日本語版もなかなか出物が見当たりませんでした。一週間前の夜に何の気なしにアマゾンを覗いてみたら、外国語版でVHSビデオが出品されていました。いつになるか分からない日本語版ブルーレイを待つか、格安DVDが奇跡的に発売されるのを待つか、異常に高い中古品VHSを競り落とすか、外国語版(ドイツ語!)で我慢するかの選択になりました。

 見たことのある映画なのでストーリー展開は分かっているし、映像のインパクトとお妃の支配欲や物欲の顛末を見せる作品だったので、今回は3500円と比較的安いドイツ語版を購入するのが現実的なのかなあ。とりあえずは注目するに留め、その日は購入を見送りました。

 映像重視での選び方ならばこれもありかもと思っています。カラーのサイレント映画と受け取るか、3歳児がみる大人の映画(何を言っているか分からないという点で。)という位置付けでしょうか。さて、この3500円は高いだろうか。

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 そして二日ほど経った数日前にアマゾンで再び『ピラミッド』の輸入盤VHSを見つけ、即決で購入をクリックして、商品の到着を待っていると、次の日に出品者からメールが届きました。

 するとそこに記載されていたのはこの商品がVHSではなく、米国盤DVDであることを知らせるものでした。掘り下げて読んでいくと、リージョン1になるので、日本での規格のリージョン2のDVDプレーヤーでは再生できないけど、どうしましょうという内容でした。

 PCでのリージョン設定を変えれば、通常に再生できますが、さきほど書きました通り、リージョン設定はそもそも著作権などを保護するためのものなので、ひとつのディスク・ドライブにつき5回までしか変換できません。

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 つまり換えすぎて、回数を把握していないと、自国盤DVDが見られなくなる危険性が出てくるという厄介な代物なのです。できれば変換を避けたいので、他の方法を探ると、思い当たったのはウィンドウズ・メディア・プレーヤー以外での再生でした。

 海外のネット動画ファイルを開くのにウィンドウズ・メディア・プレーヤーでは再生できないものがかなり多くあり、そういったときにVLCプレーヤーやGOMプレーヤーなどのソフトを使うとかなりの確率でファイルを鑑賞することが可能になるので、多分大丈夫だろうという楽観的な考えに基づいて、このDVDを購入することに決め、出品者に送付を依頼しました。

 そしてついに長年見たかった作品を再度見ることになりました。GOMプレーヤーを起動したあとにDVDを挿入するとワーナーの商標が浮かび上がってきました。上手くいったようで再生が始まりました。

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 ストーリー展開は覚えていたままでしたし、遠い記憶に残っていたシーンも覚えていた通りでしたので、気になっていたモヤモヤが一気に吹き飛びました。オープニングのクフ王凱旋シーンはまるでグリフィス監督の『イントレランス』のような豪華さでした。

 大きな木をクレーンのように細工し、そこへピラミッドに使う巨石を乗せて運び上げようとするも重みで木が圧し折れてしまうというシーンを覚えていたのですが、それを30年ぶりに見ることが出来ました。

 そして覚えていた通りに、盗掘を防ぐ細工を国王クフ(ジャック・ホーキンス)と捕虜の建築家が話し合い、建築家が今までにない仕掛けとして砂の時限装置を説明し、デモンストレーションを行うと、まるで油圧式のように巨石が沈んでいき、それを見つめていたクフ王が驚嘆するシーンに嬉しくなりました。

 このシーンはクライマックスへの布石になっていて、クフ王を裏切った寵姫(ジョーン・コリンズ)がまんまと王国を乗っ取ろうとするも、高僧ハマールの捨て身の機略により、ピラミッドの中に永久に閉じ込められるというスペクタクルな特撮シーンに結びついていきます。

 クフ王と寵姫の愛憎を基軸にして進められていく人間世界の儚い謀略の物語と世界史上最大の建築物としてのピラミッドを計画から完成までを描くという壮大さのギャップが効果的で、メロドラマとしても歴史物としても、そして特撮映画としての楽しさもある作品でした。

 この作品はカラーで撮られていましたが、もしこれがモノクロだったとすると、悪のヒロインであるネリファーを演じたジョーン・コリンズの美しさもあり、歴史物フィルム・ノワールとして君臨したかもしれません。

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 いつまでも視聴困難にしていてはならない作品だと思いますので、ぜひともDVD化やCS放送を望みます。ちなみに最初はPCで視聴しましたが、やはり小さい画面でしたので不満が残りました。そのあとに洒落で7年前に購入したDVDデッキ(もちろん通常の日本製です。)にかけてみることにしました。

 じつはこの旧型DVDデッキはなぜか他のデッキでは再生できないディスクでも読み取ってしまうことがあり、数年前に記事にした『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』のタイ王国版VCDでも再生できたので、もしかするとこれも上手くいくかなあという軽い気持ちで再生してみました。

 するとリージョン1の規格をスルーし、普通に再生してしまったのです。いったいどうなっているのかサッパリ分からないのですが、PCで見終わったばかりだったこの作品を今度はテレビの大画面で楽しめました。PCでは見落としていたディティールもしっかりとチェックできましたので、得した気分にさせてくれました。

総合評価 80点


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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さん、こちらにもコメントさせていただきます。
それにしても、DVDは国際的にもっと単純に再生できるように規格統一してほしいですね。
さて、この作品ですが、わたしは昭和40年代なかばのTV放映で観た記憶があります。ですから、わたしも37・8年前の小学生中学年のころです。
ラスト・シーンと悪女姫のキャラクターのみしか記憶がありませんが、最後にで天井が下がってくる恐怖感が強烈でした。
無表情のピラミッドの使役たちが部屋の両脇に並んでいて、姫がヒステリックに叫ぶ最期。

>建築家が今までにない仕掛けとして砂の時限装置・・・
ピラミッドの複雑な仕掛けでは、確かあちこちから砂が流れて天井が降りてきますよね?
心理的に実に怖い・・・。
超B級映画だと思っていたのですが、ハワード・ホークス作品だったとは驚きでした。
子供のころ観た断片の記憶のみで、気になっている作品は、わたしも結構あるのですが、この年になって、何の作品なのかを、はっきりさせたいと強く思いますよ。
では、また。
トム(Tom5k)
2011/09/23 12:41
 こんばんは!

思い出の映画って、なかなかタイトルを思い出せないものばかりなのですが、いまのネット環境においては断片的なキーワードを入れて検索することで、かなりの確率でそれらしい作品を探し出せますね。

数年前に記事にした『リラの門』もそうでした。

>砂が
そうです!最後のシーンの砂に飲み込まれていく下りとファム・ファタールの絶叫は強烈なインパクトでした。

>はっきりさせたい
その通りですよね。いくつかありますのでまた探し出したいと思っています。

ではまた!
用心棒
2011/09/24 00:30
突然ですが、ピラミッド 自分も苦労しました。ttp://k-plus.biz/
というサイトのサービスをご存知ですか?そこにvhsならありました。入手はできなくても借りられるんです。2ooo円ぐらいで、あとvhsをコピーとなると著作権的に?だけど字幕スーパーだから分かりやすいです。今も利用可能かと思われます。
小川
2015/03/12 14:00
 小川様、こんばんは。そして、はじめまして。

>k−plus
小坂さんのところですね。ぼくも時々利用させていただいております。『ピラミッド』に関しては僕が住んでいる関西地区で一番規模が大きい心斎橋店にVHSが残っていて、ここで字幕版を借りました。字幕版の方が見やすいですね。

ホークス作品ですし、ぜひ気軽に見られるようにDVD化させてほしいですね。ではまた!
用心棒
2015/03/13 00:57
ツタヤ復刻でDVDが発売されました4千円ちょっとです。今なら購入できますよ。
ミミ
2015/04/13 06:22
 こんにちは。
≻復刻
さすがはTSUTAYAさんですね。名作とは言えないのでしょうが、見る側には結構強いインパクトを与えてくれるスペクタクル作品ですので、できれば名画座でのハワード・ホークス特集でも組んでもらって、大画面で再度見たい作品ですよ。

ではまた!
用心棒
2015/04/13 16:27
おお、王妃の絶叫と砂が流れ込むシーンは覚えております!
ツタンカーメン墓の隠し部屋のニュースまとめのコメ欄で、
この映画が話題になったので探してみました。
ttp://kaigai-matome.net/archives/35561505.html#comment-64801
いや〜映画館でリバイバルしてほしい。
アンケセナーメン
2016/03/19 06:44
こんにちは!

この映画が思い出の作品という方はけっこう多いですね。たぶん最初に見たのはテレビでの洋画劇場でしたが、大昔に見た名作佳作というのはぼくら映画ファンの血肉となって今に繋がっていますね!

淀長さん、荻昌弘さん、水野晴郎さん、高島忠夫さんらが解説陣を務めていたころの洋画劇場は大好きでしたよ。

>映画館
さすがに難しいでしょうから、しばらくはTSUTAYAさんのDVDで楽しみましょう。

ではまた!
用心棒
2016/03/19 16:42
ネット環境がガラケーのみという状況ながら
思い出してはあれこれ調べるなか この記事にたどり着き見る事が出来そうになりました
鷲野郎
2016/08/10 19:13
こんばんは!

あらためて調べてみましたが、現在はDVDが発売されていますし、TSUTAYAさんの発掘コーナーにはレンタルが出ていますので、最寄りのお店にない場合はお取り寄せサービスを使えば視聴できると思いますよ!

ではまた!
用心棒
2016/08/10 21:48

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『ピラミッド』(1955)子どもの頃に見たっきり30年近くが経ちました…。現在入手困難! 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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