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zoom RSS 『プリンセス トヨトミ』(2011)荒唐無稽なストーリーとセンス溢れる映像感覚。

<<   作成日時 : 2011/05/30 22:41   >>

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 今日は休みが取れたので、大雨の影響がまだあってグズついてはいたものの、せっかくのお休みですので、家にいるのもどうかと思い、シリーズをすべて観てきたジョニー・デップの『パイレーツ・オブ・カリビアン生命の泉』を観に行きました。

 とりあえず家から一番近い映画館の受付に来てみると、何やら普段の十倍もの人数が並んでいました。受け付けの人に理由を聞いてみたら、今日は半額割引デーだそうです。

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 すでにパンパンに混んでいて、初回の上映分では良い席がなさそうでしたので、パイレーツは昼12時の回にして、時間帯がちょうど良かった『プリンセス・トヨトミ』を観ることにしました。

 内容は荒唐無稽でしたが、監督の映像作りが独特で、左右対称と奥行きを強く意識した画面作りや類似構図を利用した画面転換などの作風が興味を引きました。

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 何度も見たエイゼンシュタイン作品を彷彿とさせてくれて、かなり楽しめました。光の利用の仕方にも洗練されたセンスを感じさせる映像が多く、中井貴一が堤真一を地下に案内しようという手前で、太陽光と影を使った楽し
い遊びがありました。

 外敵が禁断の地下へ行くのを防ごうとするかのような画面右上から左下へ伸びる影がまるで立ち入り禁止のロープが張られているように映っている。

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 普段から慣れ親しんでいる大阪が舞台になっているのも観た理由のひとつでした。子供の頃から何度も行った大阪駅、新世界、ジャンジャン横丁、難波、黒門市場、大阪府庁、大阪城が次々に背景に出てくるだけでもニヤリときます。

 ただ関西以外の人には普通に流れていく映像なのでしょうが、地元民が見ていると、大阪城付近を走っていた綾瀬はるかが次のカットでは黒門市場にいたり、そのまた次のシーンでは心斎橋や戎橋で呆然として立ち尽くすシーンには距離感を知っているだけに違和感がある。

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 走りは続き、さらには新世界に行ったりしている。大阪のイメージを捉えようとするための演出であることは理解できるのですが、土地勘のある者からするとちょっと無理がありました。しかしこれは娯楽映画であって、ドキュメンタリーでもない。

 そもそもぼくらが何気なく見ているカットでも、その土地に住む人が見れば、こういう感覚になるのかということにも新鮮に気づかされました。大阪という雰囲気を出せばよいということならば、それはそれでよいのでしょう。

 自分が行ったことがある戎橋のツタヤ、新世界のジャンジャン横丁にある串カツ屋さん(八重勝かなあ?)や同じく将棋クラブ、スパ・ワールドから出てきたところにある新世界の象徴的な映像として知られる画面一番手前に来る河豚の広告塔で有名なづぼらや、ミナミのくいだおれ人形とかに道楽のオオガニ、大阪城公園、南海難波駅構内が出てくると普段から通っている場所が映り、笑ってしまう。

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 作品では綾瀬はるかがお好み焼きやたこ焼きなどの粉モノを食べまくるので、観終わってからすぐにお好み焼きが食べたくなってしまい、近くのお好み焼きに入りました。

 楽しいのが名前の設定で堤真一の松平を始め、綾瀬の鳥居、橋場(羽柴)、中井の真田、長曽我部、蜂須賀ら戦国武将の名前がパロディ的に使われている。どうせなら黒田とか大野とか増田とか片桐とか後藤とかもいれば、もっと悪ふざけの要素が増えて、楽しくなったのかもしれません。

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 真田君の逆襲にあい、見事にやられてしまうヤクザの息子の蜂須賀君(さすがに豪族は今の世にはいない。)がこのあとどうなったのかも気になるところでした。トヨトミの家臣団なので、子分みたいな感じになったのでしょうか。

 監督は鈴木雅之で原作はベストセラー作家の万城目学。主な出演者は堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、笹野高史(長曽我部)、和久井映見、中井貴一、そして玉木宏らでした。綾瀬はるかは『ハッピー・フライト』を観たときにも思いましたが、コメディエンヌとしての才能があり、つねに楽しませてくれます。

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 地元の者が楽しかったのはフジ系列の関西テレビのツルツルのアナウンサー(山元さん?)が本人役で出演し、大阪国の男として千成瓢箪の旗印に向かっていくところでした。実際、このシーンでは幾人かの人がぼくと同じようにクスクス笑っていました。

 ただいかんせん、結局何が言いたかったのかが良く分かりませんでした。大阪国という架空の国家を仕立て上げ、我々は立ち上がると勇ましいことを語ったものの、内戦状態になるわけでもなく、大阪国の国会議事堂前(大阪城の地下に国会議事堂があるという設定。)での中井との問答の途中でなんとなく堤が撃たれて幕引きというのはどうも収まりどころが良くない。犯人も捕まらないし、誰も話題にもしない。

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 竜頭蛇尾というか、大騒ぎしたが結局何もない。すべてがうやむやになったまま、なんとなく終わってしまいました。それでも不快な感じではなく、荒唐無稽な大法螺を聞かされているようでした。

 綾瀬はるかファンならば、彼女が大阪の街を豊満な胸を揺さぶりながら走り回るシーンを見逃せないでしょう。まあ、胸はともかく、嫌味がなく、可愛らしいのが画面からも伝わってきます。女優さんで観に行ける映画かもしれません。

 石原さとみにも言えることですが、お客を呼べる女優は貴重なので、彼女のさらなるステップアップのためにも思い切った汚れ役がそろそろ必要ではないでしょうか。それでもこの映画における彼女のコメディエンヌとしての存在感は際立っています。

総合評価 60点


プリンセス・トヨトミ (文春文庫)
文藝春秋
2011-04-08
万城目 学

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