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zoom RSS 『酔拳』(1978)ジャッキー&ユエン・シャオティエン共演です!懐かしい!楽しい!

<<   作成日時 : 2011/05/16 01:04   >>

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 ぼくらが住む日本には時代劇があり、アメリカには西部劇があるように、香港にはカンフー映画があります。カンフー映画がはじめて世界的な注目を浴びたのはブルース・リーが活躍していた時代でした。

 『燃えよ!ドラゴン』『ドラゴン危機一髪』『死亡遊戯』などでも明らかなように、彼の作風はシリアスで殺伐としていて、彼が繰り出すカンフーも殺人技として描かれていました。

 そうしたシリアス路線が全盛を迎えましたが、スーパー・スターだったブルース・リーの死後、シリアスだったカンフー映画の流れを、見ていて楽しいコミカル路線に転換したのがジャッキー・チェンでした。

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 相手を小馬鹿にして、ふざけているようなジャッキーのカンフー映画に対してはブルース・リー映画の後だったのでファンの間でも賛否両論ありましたが、劇場に見に行く人たちにとっては楽しい気持ちにさせてくれる彼の映画もブルース・リーと同じくらい大好きだったのではないか。

 怪鳥のような奇声を発するリーは独特で、彼の得意技だったヌンチャクと共に黒の長ズボンを履いて、上半身裸になって、リーの全身を体現するようにして、子どもたちはモノマネをしていました。

 一方、ジャッキーのマネをする子どもたちは彼のコミカルな動きそのものをマネしていました。ジャッキーその人はもちろん魅力的でしたが、彼の周りを固めていた人たちも彼に劣らず良い味を出していました。

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 中でもぼくが大好きだったのはユエン・シャオ・ティエンで、彼はたいていジャッキーにカンフーを指導する師匠役で出演していました。中華大食堂でたらふく中華料理を食べまくるジャッキーはかなり幸せそうでした。彼が食べる中華料理はガツガツ食べすぎな気もしますが、とても美味しそうに見えるのは何故だろう。

 この映画の食堂の給仕の出っ歯の兄ちゃんこそ、次長課長の「お前に食わせるタン麺はねえ!」のモデルなのではないでしょうか。まあ、定かではありません。

 ジャッキーのカンフー映画での見所はなんといっても彼が拳法を修行するシーンに尽きます。コミカルで師匠との愛のある人間関係と繋がりはとても温かく、見ていてホンワカする下りでした。さまざまな修行シーンが色々な映画で見られますが、その中でもこの映画の修行シーンが一番楽しい。

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 この『酔拳』では無敵の酔拳マスターの酒が切れてしまい、ジャッキーに酒を買いに行かせるも、いつものように誤魔化すのが得意なジャッキーが酒を水で薄めてしまったせいで、弱い悪党に簡単に捻られてしまい、ユエンがすねてしまうシーンがかなり笑えます。

 いつもながら彼の映画の修行シーンはもっとも楽しめる部分です。大瓶の上を渡り歩いたり、腹筋と背筋を鍛えるためにお猪口で瓶の水を入れ替えたりするシーンを覚えている方も多いでしょう。胡桃を指の力だけで砕いたり、お金を稼ぎに師匠と弟子がチンピラの賭場でイタズラっ子のようにおちょくる様子には大笑いするでしょう。

 最後の対決シーンは見せ場ではありますが、ぼくがジャッキー映画で大好きなのは修行シーンなので、悪党との対決は修行の成果の発表会のようなものでしかない。

 もうひとり欠かせないのがディーン・セキ演じる師範代です。彼はよくジャッキー映画に出演し、だいたいはコミカルな師範代を演じていて、ぜんぜん強くないのですが、妙に存在感があり、記憶に残っています。

 サービス・カットも入っていて、前回の『蛇拳』がここでも披露され、ライバル道場の刺客をジャッキー映画らしい例の拳を披露するときの効果音である「びゅっ!」「ずばん!」「ぶわっ!」などの武道服を纏っているために出る風を切る音(上半身裸でもこの音が出るのは何故だろう?)が随所に見られる。これは時代劇での斬り合いのシーンでの効果音と同じで、この音がしていれば観客も安心します。

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 もうひとつこの映画を見ていて不思議だったのは最初の殺し屋と武道家との決闘シーンでは言語は英語だったのが本編に入ると急に広東語になってしまうのは何故なのだろうか。作品中、ずっとこんな感じで言語が入り乱れているので、もしかすると最良の選択は日本語吹き替えなのかもしれません。

 基本的に映画はオリジナル言語で見ますが、ジャッキーやマイケル・ホイ、そしてサモ=ハン・キンポーが出ている香港映画に限っては吹き替えの声優陣が素晴らしいので、オリジナル言語にこだわりはありません。

 『必殺鉄指拳』でも英語になったり、広東語になったりでなんとも忙しいのがカンフー映画の特徴なのでしょうか。それともフィルムの管理が悪く、あちこちに散逸しているマスターを無理やり繋げたためにこうなってしまったのでしょうか。

 『必殺鉄指拳』『蛇拳』『酔拳』に出てきた彼はいつものほほんと、そしてほんわかしていて良い感じで、好々爺というのはこういう感じの人を指すのだろうなあと思って見ていました。あの赤鼻のニヤケた顔は忘れがたい。

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 ジャッキー出演のカンフー映画のストーリー展開は単純なものが多く、ジャッキー演じるドラ息子だったり、不遇の青年が無法者の達人に一度は簡単にひねられるものの、ユエン・シャオ・ティエン演じる師匠のもとでコミカルな修行をやり遂げたのちに再度渡り合い、最終的には無法者に打ち勝つという内容が多かった印象があります。

 日本の時代劇と同じで、みんなが想像していた通りの展開、つまり王道をひたすらに突き進み、老若男女がみんなで楽しめる映画を作り続けました。

 この『酔拳』は大昔に何度もテレビ放送されたり、ビデオ発売されたので、多くの人々が繰り返し彼の活躍を楽しんだことでしょう。彼の代表作である『蛇拳』『拳精』『スパルタンX』『プロジェクトA』などの多くの作品の中でもその輝きは色褪せていません。

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 ただし大昔にテレビで日本語版を見たときのモノと今回見た字幕版ではあちこちが違うということでした。まずは役名からして違う。たしかジャッキーとユエンの役名はジャッキーが“ヒコ”でユエンが“ソカシ”だったような気がします。

 それとテレビ放送で見たときにかかっていた勇ましくカッコいい名曲『拳法混乱 カンフュージョン』が流れないことでした。吹き替えのみの挿入歌だったのですね。整形前の『少林寺木人拳』でも「きせきをおこ〜せ〜!」とか歌う日本語のナンバーがかかっていたが、DVD版とかには入っているんでしょうか。

 この曲は日本の名プログレッシブ・バンド“四人囃子”の手によるもので、何度も掛かるこのナンバーは当時見ていた方ならば、懐かしく思ってくれることでしょう。

 昔の映画もDVD化されることにより、若いファン層にも再び見られるチャンスも増えるでしょうから、若き日のジャッキーの動きを堪能してもらいたい。

 またぜひともこの『カンフージョン』も収録されることを願っております。もしかするとと思い、アマゾンに確かめに行くと、どうやらぼくらが見た昭和の吹き替え版とDVD版の吹き替え版は違うことが分かりました。当時の記憶と違うものを収録されても違和感しかないことになぜ販売側は気づかないのだろうか。

 『機動戦士ガンダム』の劇場版も音声が新録になったり、音響が変わったりしていますが、あれもいただけない。吹き替え版が素晴らしいのは香港映画の特徴で、ジャッキーは石丸博也、ユエンは小松方正、MR..Booは広川太一郎以外はありえないのです。

総合評価 85点


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
用心棒さんこんばんは。僕は小学生の頃からジャッキーのファンです。新作が公開される度主役級の作品は必ず見に行ってます。僕が映画を定期的に?見るようになったのはジャッキーがきっかけなんですよ!それ以前にもガンダム等のアニメやウルトラマン等の特撮映画も見ていたんですがまだ映画ファンにはなっていなかったんです。最初に見たのがテレビでは「蛇鶴八拳」、劇場では「成龍拳」(かなり大人向きの作品!)です。カンフー時代劇では「酔拳」は最高傑作ですね!もう何度見ただろうか…もちろん日本語で見るのがベストです。それにブルース・リーや倉田保昭、千葉真一等のカンフー・空手スターは女子に不人気でしたが(というよりアクション俳優は女子に支持されにくい。イーストウッドやマックイーンも男子のファンが多い)アクション俳優に女子のファンがついたのはジャッキーが初めてでは?後のコメディタッチのアクション映画(エディ・マーフィの作品や「K-9」等)やテレビドラマ(「あぶない刑事」等)も抵抗なく見られるのはジャッキーのお陰でしょう!この作品がジャッキーの日本初登場作品ですが、「成龍拳」「少林寺木人拳」「龍拳」が日本初登場作品だったらジャッキーは人気出たのでしょうか!?また成龍作品を取り上げてくださいね!
さすらいの映画人
2011/05/17 18:59
 こんばんは!
ぼくらの世代のカンフー映画といえば、ブルース・リーではなくジャッキーなんですよね。

もちろんリーの殺気立った映画もゾクゾクするのですが、ジャッキーの、特に初期作品の楽しさは思い出に残っています。

木人拳も暗いのですが、あの木人の動きは覚えていますね。『蛇鶴八拳』もジャッキーがブレイクした後に上映された映画で、中2か中3のときに見ました。

>また成龍
そのつもりでして、『蛇拳』『拳精』『必殺鉄指拳』などをアップしていくつもりですよ!

ではまた!
用心棒
2011/05/17 19:25
単に相手を倒すだけでなく

相手の「強さ」や「個性」を
 
しっかりと見せてくれる点も

J・チェン主演作の魅力だと思います。



GHM
2011/07/07 22:14
 こんばんは。
 敵役を強そうに、そして魅力的に見せるかはこういった映画で押さえなければいけないポイントですが、その点ではジャッキー作品はきっちりとツボを押さえていますね。

 ではまた!
用心棒
2011/07/08 20:20
先日、TVで酔拳がやっててこちらに来ました。
それは吹替え版だったんですが、昔TVでやってた時と違和感を覚えたんですよ。
調べてみたら声優が全部では無いですが違う(-_-;。
こちらを読んでて「フキ」、「ソカシ」と出てて、「そう、そう!」と思いました(^o^)。
ファンとしては昔のTV版で作って欲しかったですね。
アリス
2015/10/18 08:18
 こんにちは!
>昔TV
 そうなんですよ。僕らが見ていたころと明らかに違う声で吹き替えられてもただ違和感しかありませんね。

 おそらく亡くなった方がいたり、当時はオッケーだった表現が今ではNGになってしまっていたりするので、ブツ切りにするよりはいっそのこと全部やり直しちゃえとなっているのかもしれませんね。

 当時の声優さんが魅力的だったことの証でしょうし、ビデオのない頃のぼくらが放送に集中して観ていた証でもあります。今の子たちは最初からDVDやHDDに囲まれていますので画面と映像を見る集中力が人により両極端になっている気がします。

 昔の香港カンフー映画の吹き替え版での掛け合いはサモハンやマイケル・ホイ、ジャッキーも含め、どこら憎めないほのぼのとした魅力にあふれていました。基本的にぼくは字幕派ですが、上記三者の映画に限っては吹き替えの魅力の方が強く、親しみやすいですよ。

ではまた!
用心棒
2015/10/18 15:46
久しぶりのカキコミやのにお返事をありがとうございますm(_ _)m。
そのお返事を読んでいて「なるほど、ふむふむ」と思いました。
それにしても用心棒さんの記憶力はスゴいですね\(◎o◎)/。
私はやはりと言うかジャッキーチェンが好きで、良く!?真似して、友人とカンフーごっこしてましたね(笑)。
アリス
2015/10/19 20:51
こんばんは!

カンフーやコメディなどの香港映画は大好きでしたよ。放送があった時はしっかりと明日友達と遊ぶためのツールとして活用してましたww

>真似
型を見せるだけなのに“ぶわっ”とか“ぶおっ”とか香港映画特有の効果音が入るので、次の日には効果音付きで友達を攻撃していましたww

そういう遊びも今は出来なくなっているのでしょうから、可哀想ですね。『少林寺』の修行シーンでの「ハア!ハア!ハッハー!!」と声を出しながらの型のけいこシーンはやっていました。

 運動能力が発達していて、うさぎ跳びしながら頭を支点にしての前方回転とかできるヤツがいたのを思い出しましたよ。いろんなヤツがいたものです。

ではまた!
用心棒
2015/10/19 21:28

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