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zoom RSS 『八岐之大蛇の逆襲』(1985)アマチュア時代の庵野秀明、押井守、樋口真嗣が揃った特撮映画!

<<   作成日時 : 2011/04/25 00:45   >>

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 DAICON FILMがガイナックスになる前、アマチュア時代の最後の作品になるのが『八岐之大蛇の逆襲』でした。残念ながら、リアルタイムでは見ていなかった作品で、最初にこの作品を意識したのは15年以上前で、まだ近所にも残っていた個人経営のレンタルビデオ屋さんの特撮コーナーでした。

 当時から気にはなっていたものの借りるほどの興味はありませんでした。そのまま数ヶ月を経過して、いざ借りようとその店に行ってみるとなんとも残念なことにすでに閉店していたのです。

 借りようと思えば、すぐに出来たのにそうしなかったために最初の機会を失いました。つぎにこのビデオと接近遭遇したのはその二年後くらいで、中古ビデオを扱っている、今で言うリサイクル・ショップでした。

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 値段を確かめると2500円でした。めちゃくちゃ高いわけではありませんが、まだレンタルの在庫もVHSビデオでしたので、どこかのお店にあるだろうと思い、そこまで出す価値があるかどうか迷ってしまい、結果として購入は見送りました。

 三度目の視聴機会は8年くらい前で、たしかスカパー!系のチャンネルで放送されたことがありました。今回はお金がかからない(厳密には視聴料金がかかります。)わけですので、タイマー予約さえしていれば、何の問題もなかったはずでした。

 しかしながら見事に録画を失敗し、前半の二十分までしか録画されていませんでした。ぼくはよほど『八岐之大蛇の逆襲』との相性が悪いのでしょう。

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 このように三度のチャンスをことごとく逃した後は縁がないものと諦め、記憶からも消えていました。それがこの前、『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン』を書いたときに、急にまた見たくなり、ヤフオクで『八岐之大蛇の逆襲』を探してみたところ、DVDとビデオ・テープが何件か出品されていました。

 DVDの平均落札開始売価は8000円以上で、ビデオ・テープは2800円でした。綺麗なのはDVDでしょうが、ぼくがずっと縁がなかったのはビデオ・テープだったので、迷わずビデオを落札しました。

 全編通して見るのははじめてでした。素人を俳優として起用しているため、各々は熱演しているものの、いかんせん演技レベルはバラバラで、全体的にかなり低かったのは仕方ないでしょう。

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 ただし低予算という制限下で、演技のマイナスを大いに上回る特撮の出来の素晴らしさをしっかりと見ることが出来たのは大きな収穫でした。仰角や自然光の多用が鼻につくという方もいるでしょうが、特撮ファンが見たかったのはこういう映像でした。

 庵野秀明が関わったミニチュア・セットの出来も前回同様に素晴らしく、楽しくなる映像の数々でした。ストーリー展開は怪獣対防衛隊の図式を採用していて、安易な怪獣同士の戦いを避けているのも好感が持てます。

 エイリアンが作り出した大蛇を軸にして、学者たち、テレビ局のスタッフ、防衛隊のそれぞれの絡みが上手く描けていて、立場の違いから大蛇への接し方が変わってくるのも興味深い。

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 とくに防衛隊の描き方がブラック・ユーモア満載で、とにかくハチャメチャで笑えます。陸・空軍が各々の手柄にこだわり、仲間なのに空軍のヘリに対し、陸軍の戦車隊長が「墜ちろ!」と願ったり、指令本部にミサイルを撃ち込んでしまう精度の低い駐屯地のでたらめさなどかなり可笑しい。

 コメディ映画のような軍隊描写は最高でした。駐屯地から発射されるミサイル弾による大蛇への砲撃があまりにも不正確で、大蛇が破壊した米子の街の被害よりも、防衛隊が破壊した被害の方が10倍は多い。なんのための防衛隊なのかがまったく分からなくなってきています。

 登場するエイリアンものんきで、侵略者なのに早く地球に到着しすぎてしまい、侵略を援護してくれる味方となる人物を2000年も何もしないでただ待っているという設定は大昔の特撮ヒーローであるサンダー・マスクを思い出させ、笑えました。

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 拉致した女性との会話シーンがなんとも長閑で、現代人である地球人女性がしゃべると早すぎて聞き取れないから、ゆっくりとはっきりとしゃべってくれるように懇願する様子にはクスクスしてしまう。

 多くのフィルムが散逸してしまい、全話が揃わずに放送されないサンダー・マスクを見る日はくるのだろうか。今回は15年以上経って、ようやく『八岐之大蛇の逆襲』を見られて、嬉しく思いました。

 この映画のスタッフ・ロールをじっくり見ていると、赤井孝美(監督)、庵野秀明(出演・ミニチュア制作)、押井守(機器協力)、樋口真嗣(特撮)の名前を見つけることが出来ます。今ではかなり有名になったクリエーターたちが深浅はあるものの一つの作品に関わっていたという事実は特筆しておく必要があるのかもしれない。

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 また音楽を担当した中村暢之の尽力も欠かせませんでした。彼がこの作品に用意した数々の楽曲がなければ、まったく味気ないものになってしまうかもしれませんでした。

 神楽のようなメインテーマ、防衛隊のテーマ、大蛇が暴れるテーマなどのモチーフは素晴らしい出来で、エンディングのスタッフ・ロールではすべての楽曲がメドレーで演奏されるのでお楽しみください。

 特撮シーン、とりわけ爆破の演出は本家の円谷にも負けてはいません。低予算でもどこに資金を投入すれば、良いものが出来るのかというヒントを与えてくれます。

 ショボいというのは簡単でしょうが、出来る限り良いものを作ろうという若きクリエーターの卵たちの前向きな姿勢を買うべきでしょう。演技面でのマイナスはどうしようもありませんが、特撮を愛しているのが解る演出、風刺の効いたストーリー展開、特撮技術、撮影、音楽その他の作品を構成する諸要素はかなりレベルが高い。

総合評価 76点


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