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zoom RSS 『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後…』(2011)

<<   作成日時 : 2011/01/25 22:06   >>

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 正式タイトルは『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』という作品です。非常に長い題名のため、タイトル欄に最後まで入れることが出来ませんでした。

 今年のお正月モードも醒めつつあった9日の夜、NHKでひっそりとある番組が放送されました。他局がすべてお正月特番の豪華な番組で編成している中で、どちらかというと地味な感じで、この映画のダイジェストというか、露払い的な意味合いを持つ『DOCUMENTARY of AKB48 1ミリ先の未来』の放映が始まりました。

 放送の内容は大ブレイクした2010年の活動を振り返るもので、番組ナレーターをチームAのキャプテンである高橋みなみが務めていました。NHKでは彼女をナレーターに起用することが多いようで、夏にBSで放送された代々木ライブでも小さなリーダー“たかみな”を軸に番組を進めていきました。

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 秋元康も彼女を重視していて、「AKBとは高橋みなみである。」というくらいの絶大な信頼を寄せている。実際、見ていると彼女が強いキャプテンシーを発揮しているのが分かります。

 2010年の活動を時系列に忠実に進めていく構成でしたので、お正月の4デイズ・ライブからスタートしていきます。三年前は客席がまばらだったのが2010年の年明けには満席になっている状況に高橋が感激していたのは印象的でした。

 ぼくを含め、一般的な人たちの多くは彼女たちは急に有名になって、人気者になったものだと勘違いしていましたが、実は2005年の結成から下済みを積んだしっかりとしたグループでした。

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 秋葉原の劇場も、今ではキャパが250人ということもあり、非常に席が取り難いプラチナチケットとなっていますが、結成当時は観客が10人にも満たない時もあったそうです。ロック・バンドやフォーク歌手も駆け出しのときはそういう感じだったようですが、彼女たちも例外ではないようです。

 現在はかなりのメンバーが脱退や卒業をしてしまいましたが、第一期メンバー(前田敦子、峯岸みなみ、高橋みなみ、板野友美、小嶋陽菜ら)、第1.5期メンバー(篠田麻里子)、第二期メンバー(大島優子、秋元才加、宮澤佐江、河西智美、梅田彩華)らは苦労していた時期を知っています。

 彼女ら古株はファンへの思いや仕事があるというありがたさを理解しているでしょうが、ある程度の地位を得てからのメンバーとでは考え方そのものも違ってきているでしょうから、これからは舵取りが難しくなってくるのではないだろうか。

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 ちょっと前に『マジすか学園』のことを記事にしたときに、たぶん彼女たちの主演映画が公開されるだろうということを書きましたが、まさか初主演作品が擬似ドキュメンタリーになるとは思いませんでした。素の彼女たちに近い魅力を知るにはこの選択もありだったのでしょう。

 出来れば、スケールはぜんぜん違いますが、ビートルズの初主演作である『ビートルズがやってくる!ヤアヤアヤア!』のようなセミ・ドキュメンタリーのような形態をとっていれば、たんなるドキュメンタリーだけではない意味を持ちえたのではないだろうか。

 まあ、誰を主演に持ってくるかで揉めたでしょうが、大島優子と前田敦子、それに板野友美や渡辺麻友などアイドル・オーラが強いメンバーを前面に出せば、劇映画としての形も作れたでしょう。

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 ただ、50人近いメンバーを均等に出そうと思えば、そして、超多忙なスケジュールをこなす現状からすれば、今回の擬似ドキュメンタリー映画を作るというアイデアは正解だったのでしょう。

 先ほどから擬似といっているのは本来ドキュメンタリーは醒めた目で感情移入を極力排除したうえで製作すべきであって、被写体に擦り寄ってしまってはプロパガンダ的な単なる宣伝に陥ってしまうからです。そういう意味では残念ながら、この映画はドキュメンタリーとは言いがたい。

 ただそれが悪いとも思わない。この映画で明らかになるのは各チームのキャプテンたちに掛かる重圧がかなり大きいということでした。

 ライブの出来の悪さに悔し涙を流すチームKのキャプテン秋元才加(当時)やチームBの古株である河西智美(もともと彼女は二期なのでチームKからの異動)、グループ全体の立ち位置やMCすべてをもコントロールせざるを得ないチームAのキャプテンの高橋みなみの表情には普段のテレビ放送で見る元気な彼女たちの様子から想像できないような苦しみと疲労を見せています。

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 夏場のライブは特にきつかったようで、とうとう高橋みなみは倒れてしまいます。それを気遣う篠田麻里子や大島優子の様子までが描かれていて、倒れている間は大島優子が仕切りをしているシーンなどを見ていると、彼女が中心になりつつあるのだなというのが分かります。

 円陣を組んで、気合を入れているときでも、どうも事態が把握できていない、というか我関せずな態度でいるメンバーがいることが気になりましたが、どんな組織でも皆が同じ温度感で情報や感情を共有するのは不可能なので、人それぞれだと割り切らねばならないのでしょう。

 AKBファンでは、各メンバー中で誰が好みなのかを示す用語に“推しメン”というのがありますが、自分が推しているメンバーが心ここにあらずな顔で、白けた様子、もしくは疲れに負けた様子で円陣に加わっているのを見てしまうとガッカリするでしょう。

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 見ていて気になるメンバーが何人かいましたが、推しメンを持つファンはその娘たちをしっかり見ているでしょうから、複雑な気持ちになるのかもしれません。まあ、十代の少女たちにあまりにも大きなプレッシャーを掛ける大人たちが一番悪いのは明らかです。

 下世話な話ですが、メンバーが多いということはギャラの分け前が少ないということに繋がるわけですから、各所属事務所にしたら、出来るだけAKBとしての活動よりも各所属メンバーの単独のトーク番組のゲストだったり、雑誌の取材、ドラマの出演の方が旨味があるでしょうし、難しい選択も増えているのではないでしょうか。

 サッカーのクラブ・チームが代表に選手を出したがらないという状況に似てきているのではないだろうか。ライブをしようにも各メンバーのスケジュールの調整がつかず、リハーサルのような全体練習すら出来なくなっている様子もしっかりと映されていて、高橋みなみは強い危機感を持っているのが描かれている。

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 とくに彼女のファンというわけではありませんが、彼女がいないとこのグループは成り立たないのではないかと思えるような活躍を裏でしていました。サッカーでいうと彼女は優秀なディフェンシブ・ハーフ(ボランチ)であり、献身的なキツイ仕事を担っている。

 サッカーチーム的な印象で言うと、フォワード(アイドルとしての機能が強い。)は前田敦子・板野友美・渡辺麻友の三人、トップ下が大島優子、中盤が峯岸みなみと柏木由紀、ストッパーに秋元才加と宮澤佐江、リベロに小嶋陽菜、GKが篠田麻里子、スーパー・サブに指原莉乃(意外性に期待!)という感じでしょうか。

 二年後ならば、ツー・トップに渡辺麻友と松井珠理奈、中盤に北原里英・高城亜樹・柏木由紀・指原莉乃、サイドバックに横山由依と小森美果、センターバックに大家志津香と峯岸みなみ、キーパーが仁藤萌乃といった感じでしょうか。あほな妄想です。

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 AKBがここまで人気を得た理由は何だろうか。かつて、モー娘。もメンバーが多く、十数名になったときに「人数が多すぎる!」と陰口を叩かれていましたが、AKBは研究生やら、姉妹ユニットをすべて併せると、200名近くまで膨れ上がるそうです。

 全員の名前と顔が一致するのはメンバー間でも難しいのではないだろうか。マスコミに頻繁に登場しているメディア選抜メンバーくらいは何とか分かるが、彼女たち以外となるとファンではない人にはお手上げだろう。

 完全に覚えているという人はマニアックなファンなどで、それはごくわずかでしょうが、30年近く前のおニャン子クラブが人気だった頃でも10人も覚えられませんでしたので、みなが同じような顔に見えるという方も多いでしょう。

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 彼女たちの番組であるCS系のネ申テレビを見ていても、毎回はじめて見る顔が混じっているので、正直何人いるのかもよく分からない。48といいながら、じつは48人ではない。

 年明けから快進撃を始めた彼女たちは去年5枚のシングルを発表し、すべてがオリコン一位を獲得し、2010年はジャニーズの嵐とともにチャートを席巻していました。実際、仕事が終わって夜に帰ってくることがほとんどのサラリーマンたちでも、毎日のように嵐とAKBを見たのではないでしょうか。

 『桜の栞』『ポニー・テールとシュシュ』『ヘビー・ローテーション』『Beginner』『チャンスの順番』の5曲が一位になったわけで、誰もが街やカラオケなどで彼女たちの歌を聴いたのではないか。

 個人的には静かな『桜の栞』が一番好きです。卒業ソングですので、またあちこちで歌われることでしょう。アイドルの曲だというとバカにする輩も多いが、十年以上経ってから思い出すのは彼らの曲であり、カラオケでみんなが分かるのはアイドルの曲なのです。

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 ぼくら世代ならば、たのきん、聖子に明菜とキョンキョンなのです。今の十代までの人はAKBと嵐でしょうし、二十代ならば、モー娘。とSMAPなのではないだろうか。何はともあれ、勢いに乗っている人たちにはパワーがありますので、今年も楽しく見ていきたい。

 するとさっそく年明けのオリコンで、彼女たちの既発シングルが3曲ベスト10にランクインして、新曲も合わせて、4曲同時にランクインするという快挙がありました。今年もまた総選挙も行われるでしょうし、さまざまな仕掛けで、元気のないこの国を楽しませて欲しい。

 ここまではNHKで放送された分に関しての感想です。

 以下は本日、映画館に観に行っての本編である『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』についての感想です。

 今日は仕事が早く片付いたので、橿原の東宝シネマズでの鑑賞となりました。公開が始まって、数日経っただけですが、平日の夕方ということもあり、客席はまばらでした。

 ぼくの家の近所にあった映画館が次々と閉館してしまい、去年からは大阪や京都で映画を観る日々が続いている。お正月に放送された番組の内容が楽しめたので、劇場版はさらに深くまで掘り下げているものだとばかり思っていましたが公開された内容に中身がなく、あまりにも酷かったのでガッカリしました。

 一年間の活動に密着しているはずなのに、ただ延々と人気メンバーのインタビューを繰り返すことに終始し、大きなライブの裏話や選抜総選挙のシーンもほとんどカットされていて、海賊版のような粗い映像と悪い音響で2時間を拘束される。

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 見所を探そうとしているうちにスタッフ・ロールが終わり、館内が明るくなったあと、映画を観にわざわざ平日に映画館に集まったファンも一様に暗く黙り込んでしまいました。

 あまりの脱力感で立てない人や寝てしまった人、うつむいたままの観客が何人もいました。これでお金を取っちゃダメです。CSの特別番組とかならOKかもしれませんが、これは劇場用映画としてはかなり厳しい。

 お正月のNHKでテレビ放送されたダイジェスト版を見れば十分でした。普通はダイジェスト版というのは本編を編集して、良いところ取りをするものですが、賢い地上波は映画本編からは映像を全く取らずに、テレビ用に盛り上がるシーンだけを新たに編集している印象があります。

 良いところをすべてテレビ用に持って行った感じなのです。劇場版は残ったクズをつなぎ合わせたようにしか見えない。メンバーやグループの魅力がほとんど伝わってこない奇妙な映像作品で、ファンでもツラい作品でしたので、一般の人は劇場まで行って、わざわざ観る必要はないでしょう。

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 おそらく悪評のみがマニアやファンからネットに出るでしょうから、早々に公開も打ち切られ、半年も経てば、DVDも発売されるのでしょう。それもTSUTAYAレンタルで十分です。とりあえずぼくは絶対に買うことはないでしょう。

 ファンが見るなら、“ネ申”“週刊AKB”“マジ女”のほうが楽しい。ただこれは彼女たちのせいではなく、編集の大失敗とプロデュースのセンスの無さに尽きます。ドキュメンタリーとしての冷静さと中立性の欠如、そして映画を製作して公開する責任感の欠如、そのツケが観客に回されたのがこの映画でした。

 熱狂的なファンにとっては知っていることばかりで、新鮮なこともないのでしょうが、あまり知らない者が見る分には新鮮な部分もあるかもしれません。ただしマニアには受けないかもしれないということは一般ファンにも伝わりにくいだろうと思われるので、興行的には難しいかもしれません。

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 本来あるべき、この映画の見所としては6月の総選挙(人気投票)での悲喜こもごもの様子と彼女たちの本音が垣間見える肉声でしょうか。それと『ポニーテールとシュシュ』からミリオンを取った『Bigginer』までのグループがトップへ駆け上っていく瞬間を切り取れたはずです。

 この投票で40位以内に入らないと、シングルのカップリング(昔でいうB面曲で、アンダー・ガールズと呼ばれている。)からも除外されてしまうというのはかなり残酷でしたので、この部分をほとんどカットしていては何を見せたいのだろうか。

 単純にいうと、AKBだけでも研究生を含めて50人以上のメンバーがいて、それにSKE48も加わり、最初は100人以上の全員が舞台下で座っているなかで、40位から1位までが順番に徳光さんに呼ばれて、壇上に上がっていく。

 つまり、徳光さんに呼ばれなかった、その他のメンバーは自分の置かれている立場や人気がはっきりとファンの前で明らかにされる。しかも一歩も動けずに座り続けなければならない。実際に現場でその娘たちを推していたファンにもショックだったでしょう。


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 ずっとグループの顔として頑張っていた前田敦子は今回は二位となり、彼女自身が語っていたように、一位の重圧からは解放されましたが、悔しさはありありでした。イベントが終わってからの楽屋では彼女を囲むように古くからのメンバーたちが寄り添っていました。このへんも映画では前田敦子と大島優子のインタビューのみで軽く語られるのみで、肩透かしを食らいました。

 テレビ版ダイジェストでは第一期メンバーの高橋みなみ、峯岸みなみ、板野友美という第一期メンバーで前田を支え、彼女たちに対し、前田が一位を守れなくてごめんという趣旨のことを絞り出すように言っていたのが印象的でした。反対に大島優子を囲んでいたのは第二期メンバーである秋元才加と宮澤佐江だったのは対照的に思えました。

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 それ以外にも、テレビ版では光が当たるメンバーたちよりも光が当たらないメンバーたちにも人気が出て欲しいなあと保護者的な視点で思いました。一生懸命頑張っているのは見れば理解できるでしょう。そのへんも映画では触れられずにほぼ主要メンバーのインタビューと必要とも思えない帰省の様子がカメラに写される。

 いつも感謝!冷静!丁寧!正確に!

 彼女たちのライブ前の楽屋での気合入れの儀式です。

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 最近、ぼくが住む関西では有馬兵衛の向陽閣のCMをAKBがやっていて、キダタロウが作曲した有名な曲「あっりまひょ〜えのこおよおかっくえ〜♪」を彼女たちが歌っています。

 しかし、なんでこんな出来になってしまったのだろう?久々に観に行ったアイドル映画でしたが、帰り道に降ってきた寒いみぞれ交じりの雨が映画の内容の寒さも手伝い、よりヒンヤリと感じました。点数はテレビ版に70点、劇場版に40点の平均点です。

総合評価 55点







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