良い映画を褒める会。

アクセスカウンタ

zoom RSS 『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』(2010)ついに最終章が始まった。でも3Dは間に合わず…。

<<   作成日時 : 2010/11/25 23:13   >>

かわいい ブログ気持玉 1 / トラックバック 3 / コメント 4

 3日前に用事があったついでに寄った心斎橋のTSUTAYAでなかなか見つけられなかった珍しいタイトルを数本ほど発見してしまいました。ついつい見たくなり、後先考えずにレンタルで借りてきたので、今日は返却を兼ねて、地元の奈良ではなく、ミナミのマルイの八階にある東宝シネマズでの映画鑑賞となりました。ミナミに来るのも一年振りでしたが、来る度に周辺のお店が変わっているのに毎回驚きます。

 まずはこれまでの作品リストから見ていくと『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2008)、今回の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』となり、そしていよいよフィナーレとなる『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』が来年の2011年に公開される。

画像


 2001年の『ハリー・ポッターと賢者の石』以来、7作品を毎回ずっと劇場まで見に行っていたハリー・ポッター・シリーズも最終回が近づき、残すところ2作品となりました。

 今回の新作に関しては正直な気持ち、そんなに待ち望んでいたという訳ではありませんでした。というのもシリーズ初の3Dとなるという触れ込みだったので、あの豪華な魔法学校ホグワーツやハリー・ポッターの世界観がどう表現されるのかが楽しみでした。

 しかし技術的な理由で公開に間に合わなかったというのがアナウンスされていたのは残念でした。製作サイドは最良の形で上映したいという弁明もありましたが、万全の態勢で公開出来る日を待つより、クリスマス上映を重視しただけというのが真相でしょう。

画像


 行間からにじみ出てきてるのがわかる言い訳が長々と書かれていました。最終作品はさすがに3D化されるようですが観る側のモチベーションはどうしても低くなります。何故かもうじき公開される『トロン・レガシー』の予告編が流され、それは3Dだからという無意味な理由で上映時に例の3Dメガネが配られました。まったくどっちがメインなのかがよく分からない、なんとも締まらない話です。

 そもそも3D効果は演出上、それほど重要なのだろうか。たしかに『アバター』では絶対に必要な要素ではありました。しかしながら、その後に観た『タイタンの戦い』『アリス・イン・ワンダーランド』『トイ・ストーリー3』ではなんだか追加オプション程度の必要性しか感じませんでした。

画像


 猫も杓子も3Dを宣伝材料に使ってはいますが、もうすでに飽きられ始めているし、3Dだけで集客できる時期はすでに終わっている。あまり効果がないものを数百円増しの吹き替え版で見せられるよりも、通常上映版を字幕付きで観る方が楽しい。

 メガネのあの重さと煩わしさは映画への集中を妨げる。また映画そのものとは関係はないのですが、今回のパンフレットの内容のしょうもなさはどこからくるのだろうか。解説等は全くなく、ただ出演者たちの履歴が羅列されているだけでした。

画像


 これが500円くらいならば、まだ許容範囲内ですが、800円も取っておいて、このレベルの低さはどうしようもない。もしかすると3D効果に関する内容が多く、それを割愛する必要があったためにこんなスカスカな内容で販売したのかもしれないが、あまりにも観客をナメた対応だと思います。映画を観る前にすでに不快になってしまいました。

 肝心の映画は徐々にクライマックスに近づいていくのが分かる。盛り上げるのが難しい立ち位置の作品でしたが、落ち着いたシーンが続く中にも魔法を使った格闘を描き、飽きさせないような努力をしていました。

 これまでの作品ではどうしてもダイジェスト的な急ぎすぎていて、意味が伝わってこない繋ぎがかなり多かったのですが、今回はじっくりと丁寧に描写していました。それが反って、間延びして見えるのが残念でした。ただこのシリーズの特徴としてダイジェスト的というのがずっとありましたので、今回に関してはその批判は当たらない。

 可愛かったラドクリフ君とエマ・ワトソンも普通に年齢を重ね、ロンに至ってはただのオッサンになり、着ている衣装はユニクロのフリースにしか見えない。しかしそれが妙に親近感を与えてくれました。

 身近にスーパースターの親友がいると、自分は常に引き立て役にしかなりえない。思春期にはかなりの葛藤があったでしょうし、現在のワトソンを巡る微妙な人間関係もロン自身の自信のなさと有能すぎる周囲の人々との比較があったためでしょう。

 観客はほとんどの人がロン的な立場を理解する側であり、日の当たらない存在であるに違いないでしょうから、より彼の活躍に期待してしまう。ヘタレな部分も多い彼ですが、ここぞではハリーを助けようとするイイヤツでした。

画像


 物語はよりダークかつ前には見られなかったお色気シーンも増え、ロンがワトソンに向ける気持ちや妄想はより屈折し、ハリーに対してもより複雑な感情と理性が格闘した結果の無力感が強くなってくる。ただし実際問題、もっとも俳優としての能力を発揮したのは彼かもしれません。

 そして今回もっとも目覚ましい活躍を見せたのは妖精ドビーでしょう。マルフォイ家から自由にしてもらった恩を忘れない彼は何度もハリーや仲間たちを助ける大活躍を見せるものの、ティム・バートンの内縁の嫁に殺されてしまいます。もっと愛情を注いで欲しかったキャラクターでしたが、あまりにもあっさりと死なせてしまうのは如何なものでしょうか。他のキャラクターに比べれば、死に場所にスポットライトを当ててもらっている方なので一概には言えませんが、あまり愛情を感じないのが残念でした。

画像


 前作ではダンブルトン、今作ではヘドウィグ(ふくろう)、マッド・アイ、ドビーと人気キャラクターを次々に殺してしまい、常連客をがっかりとさせます。あらたな人気キャラクターが登場しないのにキャラクターを消していくのは解せません。特にマッド・アイは重要なキャラクターなのに戦闘シーンすら用意されず、ただセリフのみで死が告げられる有り様でした。

 印象的なシーンとしては影絵のように語られた『死の秘宝』の昔話でしょうか。昔見た千代田生命(だったかなあ?)の影絵芝居を思い出しましたが、最近はあおいう情緒のある番組も消えてしまったのは残念です。不満としては盛り上げを無理やりに演出しようとするために、それほど観客が盛り上がっていないところでも大きな音を使って観客に刺激を与えるやり方はどうかと思いました。

画像


 シリーズもアズガバンあたりからダークな色彩が強くなり、家族向け映画という初期のファンタジー色とイメージは影を潜めましたが、今回もさらに暗黒映画のムードが強くなってきました。

 最後に大団円があるのかどうかは原作を読んでいませんので分かりませんが、映画的にはこの映画と最終章の前半からクライマックスまでを暗く押し通し、最後の三十分くらいで太陽のような明るさのエンディングに持っていってくれれば、10年近く付いていった甲斐があります。

画像


 原作が悲しい話で終わっていたとしても、映画版では違うラストにするのもありだと思いますので、原作者にはハッピーエンドとなるよう修正を加えることに許可を出して欲しいものです。

 最終回は来年公開となり、今度は3Dになるでしょうし、宣伝も強力になるでしょうが、すべてを観てきたわけですし、最後まで付き合おうと思います。多くの観客はずっとシリーズを観て来た人たちばかりでしょうから、少なくとも劇場で観るであろう我々観客、つまり映画ファンを納得させる内容を期待したい。

 ぼくらは映画の観客であり、原作の読者ではないのですから。

 総合評価 72点




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
かわいい

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 ここから何が変わるのか?
 かつて彼らは可愛らしかった。  魔法魔術学校の制服を着て、大人顔負けの活躍をする彼らの姿は、微笑ましかった。  ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーの3人である。 ... ...続きを見る
映画のブログ
2010/11/26 08:02
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」大人の世界の入り口には死の影が・・・
「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」★★★☆ ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン 出演 デイビッド・イェーツ 監督、146分 、2010年11月19日公開、 2010,アメリカ,ワーナー (原題・作:HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS: PART I) ...続きを見る
soramove
2010/12/05 21:47
映画を観るなら ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
んだかどんどん魔法のある世界にしてはスケールが小さくなっているような気が。前作も地味だったけど、今作もやっぱり地味。話を2つに分けたおかげで展開はゆったりしたけど、やっぱり詰め込みすぎで、とにかくわけのわからない単語が次々と出てきて、本を読んでいない.. ...続きを見る
映画を観るなら
2011/01/12 11:39

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
>用心棒さん、こんばんは。
わたしも観てきました。
前回の「謎のプリンス」の鑑賞が第一作以来(これすらうろ覚え)で、観に行ってしまい、まるでゴダールの映画を観ている状態の鑑賞だったので、今回は2週間かけて1〜6作までDVD鑑賞してから行きましたよ。やはり予習していった甲斐あって十分に映画の展開が理解できました。
それにしても、ダークな作品になってしまいましたね。
わたしは北海道出身ということもあって「北の国から」を全作品観ておりますが、シリーズが大河的になってくると、観客に対して、いたずらに意外性とショックを与え続け、極端に刺激的なドマトゥルギーのみを主軸にしてしまうような作品となってしまっている部分に共通の疑問を感じました。
わたしは、作り手が自らの作品や主張を大切しきれていない顛末からの結果ような気がしていますが、用心棒さんはいかが思われますか??
作り手が自らの作品を大切にするなら、「男はつらいよ」のようにその主人公を演ずる俳優の死まで出演キャラクターに役割を与えたり、「007」のようにボンドのイメージそのものともいえる初代のショーン・コネリーのイメージに勝利なき挑戦を永遠に課していくとか、チャップリンの「モダンタイムズ」「独裁者」「殺人狂時代」ように‘もがき’や苦悩のなから放浪紳士のキャラクターからの脱皮を図り、一貫した主張やメッセージを保とうとするなど、そこには美しい一貫性が垣間見えるような気がするのですが・・・。
わたしは、「ハリーポッター」は好きなキャラクターになっているので、なんだか残念な気持ちが強いです・・・。

では、また。

追伸
でも最終作は、絶対観に行きます(笑)。
トム(Tom5k)
2010/12/06 23:47
 こんばんは!
 こういうふうに何作も撮り続けるとどうしても作者の想いとは違う方向に向かってしまったり、作者の指針自体もぶれてしまったりして、結果、訳のわからない迷走を始めてしまうものも多いですね。

 何作か前には本当にどうなってしまうのだろうと不安になって行きましたが、徐々にダークな色彩を深め、まとまった方向に向かいつつありますね。ただその方向性は初期作品群の楽しさとはまったく違う印象ですので、好き嫌いは出てくるでしょうし、無理やりに時間内に収めようとするために意味が伝わらないパートも多々ありました。

ただここまで付き合ってきたわけですから、とうぜん最後までお付き合いするつもりです(笑)

余談ですが、いまは『ノルウェイの森』に行くかどうかで迷っています。当時はあまりにも誰もが「いいよー!」とか言ってましたし、友達の家に行くとたいがい本棚に並んでいました。

ぼくは同じ村上でも、村上龍のファンでしたので、ちょっと違和感を受けながらの鑑賞となるかもしれません。

ではまた!
用心棒
2010/12/07 22:56
用心棒さん、こんばんは。
>『ノルウェイの森』に行くかどうかで・・・
確かに、わたしも躊躇するところですが・・・
最近、「死刑台のエレベーター」で、同じ気持ちでしたが、結局行きませんでいたよ。
わたしも村上春樹より、村上龍でしたし、もっと前の世代の大江健三郎や中上健二を愛読していましたので、そういったところと比べると、あまりにぬるくて、若い頃は、ばかにしていたものです。
それにしても村上春樹に、ノーベル文学賞までの価値があるのかなあ?
ライ麦もロング・グッドバイも旧訳の方が、魅力的だと思いますしねえ・・・
では、また。
トム(Tom5k)
2010/12/11 23:39
 こんばんは!
学生時代に原作は読みましたが、あまりぼくには響きませんでした。読み終わった後に友人がまだ読んでいないとのことでしたので貸してあげましたが、その後返ってきませんでした。

でも読み返したいとも思いませんでした。

>中上健二
かなり初期になりますが、村上龍と彼の対談集の『ジャズと爆弾』というのがありまして、お互いに共感している様子がとても楽しく、色々な作品を語っていて興味深かったのを覚えています。

ではまた!
用心棒
2010/12/12 19:10

コメントする help

ニックネーム
本 文
『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』(2010)ついに最終章が始まった。でも3Dは間に合わず…。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる