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zoom RSS 『大魔神逆襲』(1966)誰もそうは思っていなかったが…、まさかの最終話になってしまった…。

<<   作成日時 : 2010/11/21 00:21   >>

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 第一作目となる『大魔神』を記事にしたのが今から5年前で、スカパーで久しぶりに続編である『大魔神怒る』を見てから前回の記事を書いた後、どうしても最後の三作目が見たくなり、昨日の深夜2時ごろにこのシリーズ・フィナーレの『大魔神逆襲』を見てしまいました。

 先月からスカパーの日本映画専門チャンネルで大映映画特撮特集があり、なつかしの昭和ガメラ・シリーズや『透明人間現る』『宇宙人東京に現る』『虹男』『釈迦』『風速七十五米』『妖怪大戦争』などが一挙に放送されています。

 現在わが国は景気も悪く、外交でも嫌なことがたくさんありますが、お家シネマに関しては年々環境が劇的に良くなってきています。大昔に見ていたテレビドラマもCSでは『太陽にほえろ!』やら『鬼平犯科帳』などが毎日レギュラー放送され、特撮物も『ウルトラマン』『ウルトラセブン』が土日に放映されている状態ですので、お休みのときに見るものがないということが少なくなりました。

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 特にぼくら世代の方ならば、ツタヤに行くときも新作だけではなく、過去の懐かしの作品やマニアックな作品を探してしまうことが多いでしょうから、スカパー等のCSやWOWOWを中心にするBSは映画ライフ上で欠かせません。

 東宝とも東映とも違う、大映映画の魅力は独特の色調や妖しげな雰囲気でしょうか。どこかいかがわしいムードが漂っている原因は何なのかは分かりませんが、どこか陰のある大映には他の会社の特撮物にはない、ぼくらを惹きつける何かがあります。

 今回の『大魔神逆襲』はシリーズ第3作目であり、大魔神シリーズとしては最後の作品になります。子供向け特撮作品ということもあり、最初の『大魔神』がゴールデン・ウィークの公開で大ヒットし、海の物語の『大魔神怒る』は夏休み公開で魔神人気を持続させて、最後は雪山の物語となる今回の第3弾を冬休みの公開時期に合わせてきました。

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 何気に舞台設定とかを公開季節に合わせて考えていてくれるのは楽しいのですが、夏休みの海で「もし魔神が出てきたら恐いから、海に入るのはやめよう…」という子どももいたのではないでしょうか。じつはぼくは『ジョーズ』を見てから、しばらくはみんな一緒で楽しいはずの海水浴があまり気乗りしませんでしたので、当時の子どもはどうだったのだろうとなんとなく思いました。

 物語の設定は冬山での子どもたちに襲い掛かるさまざまな苦難と彼らを助ける魔神と悪党どもとの戦いというお決まりのパターンでした。吹雪の中で蠢く魔神はスタイリッシュで良い雰囲気なのですが、いかんせん物語が普通で弱く、また魔神のインパクトもさすがになくなってきていて、他の特撮物と違い、対決路線には持っていき難いキャラクターであったためにこれ以降は製作されることがありませんでした。

 まあ、三作品で終わったことが結果的にはファンの記憶に残り、伝説的な特撮映画としての名に恥じないシリーズとなったのではないかと思います。インパクトが薄くなってしまっている分、残念ながら評価は芳しくはないようで、再放送時も『大魔神』『大魔神怒る』は何度もテレビで見ましたが、この作品を見たことはほとんどなく、覚えているのも高校生のときの深夜放送が何とか記憶に残っている程度でした。

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 ただし冷静に一本の作品として見ていけば、砦の破壊場面での特撮シーンもしっかり作られているし、魔神の登場シーンも前回、前々回と比べてもさまざまな工夫がされていますので、一概にワン・パターンとも言えない。瞬間移動するときに神々しい光に包み込まれる魔神は神秘的でしたし、子どもを丁寧に描写し、いじらしさを表現するのはガメラ・シリーズでも見られた大映特撮の特徴でもあります。

 突き放して見てしまうと白けてしまうのでしょうが、大映特撮は普遍的な家族愛とか兄弟愛をきちんと描いていますし、途中で子どもの一人や囚われた家族の一人が犠牲になってしまうなど、甘ったるくならないように今の時代とは違ったビターな味わいも忘れてはいません。

 どちらかというと民話のような趣になってしまった最大の要因はヒロインの不在でしょう。高田美和や藤村志保のような女優さんを起用しなかったために余計子ども向き映画の色合いが濃くなってしまったのが悔やまれます。捕まった村人たちのなかには若い俳優さんもいましたので、彼らとのロマンスなどを盛り込んでいけば、より深みが出たのではないだろうか。

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 言われているほど、つまらない作品ではありませんし、そう安易な作品とも思えませんでした。シンプルな作品イコール安易というわけではないでしょう。あくまでも自分で作品を見て、自分の感覚で判断するのが映画鑑賞の基本だろうと思います。

 大魔神がはじめて剣を抜くシーンがあります。これを見るだけでも価値のある作品です。大映テイストが満載の悪党へのとどめの刺し方も見事でした。つまり鋭利な刃物と出血という意味です。大映は東宝とは違い、けっこう残虐な描写が多いのも特徴のひとつに挙げることが出来ますが、色々と差別化を図りたかったのでしょう。

 ガメラ・シリーズや大魔神など大映映画が特撮の歴史に残した功績は大きく、いまでもぼくらの心にしっかりと思い出は刻み込まれています。大画面で観たい映画、それが特撮物なのです。

総合評価 72点


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