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zoom RSS 『ドキュメンタリー頭脳警察』(2009)全3部作品からなり、収録時間は5時間半弱。PANTA健在!

<<   作成日時 : 2010/10/28 23:18   >>

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 なんとまあ、全部合わせると3部作で、収録時間が3本合計で5時間半弱の超大作となってしまったのが2006年から2008年の頭脳警察再結成までのPANTAとTOSHIを追い続けたドキュメンタリー映画『頭脳警察』である。こういったビッグ・ネームのドキュメンタリー映画というと思い出話と自慢話ばかりのぬるいものが思い浮かびます。

 しかしこの映画は三里塚闘争やファースト及びセカンド・アルバムの2作品連続発禁処分などの伝説化している彼らの歴史を振り返りながらも、制作側、そして対象となっている頭脳警察の視線は現在と未来に向けられている。伝説的だった70年代初期だけに興味がある人にとってはおそらく物足りなく感じるかもしれません。

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 ただマスコミによって作られた虚像は実際の彼ら、つまり実像とは違うので、在るがままの今を自分の目で確認するべきだろう。映画の構成は彼らの歴史を振り返る本人へのインタビューとライブハウスで演奏する現在の姿を捉えた映像が主となっている。彼らがリラックスしながら、質問に丹念に答えていく様子は言葉は過激ではあるが、ゆったりと冷静でした。

 今回の映画で演奏される曲目は『屋根の上の猫』『ルイーズ』『マラッカ』『R☆E☆D』『メルティング・ポット』などPANTA名義の楽曲が主で、頭脳警察時代の『銃をとれ』『世界革命戦争宣言』『さよなら世界夫人』『コミック雑誌なんかいらない』のような有名なナンバーは断片やワン・コーラスまでが流されるものもあるが、あえて、あまりスポットが当てられていない。過去よりも現在を大切にしようという姿勢の表れであり、マスコミや熱狂的なファンにより作られたイメージからあえて離れたところで勝負しようとしているのであろう。

 たださすがに頭脳警察名義のライブでは『コミック雑誌なんかいらない』『銃をとれ』『さよなら世界夫人』『歴史から飛び出せ』などを京都大学の講堂で演奏しています。

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 PANTAの思想・心情の源になっているのは従軍看護婦だった母親の影響なのだろうこともインタビューで明かされる。マニアはともかく、あまり頭脳警察を知らなかったファンには新鮮でしょう。彼女は大きな影響をPANTAに与えたようで、ちょうどこの映画の撮影期間中に母親が亡くなったこともあり、お葬式で弔辞を読むシーンなどでも彼女への感謝を述べていました。

 PANTAといえば極左的思想の持ち主というイメージがあります。連合赤軍リーダーの一人である重信房子との交流も続いていて、テロリストの彼女を美化しながら、小中学生に一方的なテロリストの言い分を押し付けてくる言葉の数々を曲に乗せて歌っている姿は異様に映ります。

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 もともと左翼的な言動が多かった彼は今でもあまり変わっておらず、通常の考え方からすると、どうにも違和感がありますが、こういう考え方もあるのだと知ることは必要でしょう。肯定するしないは別ですが、知らないというのはよくないので、若い人もそういう考え方があるというのを知るべきなのかもしれません。

 画一化した情報しか流せないメディア側からすれば、一般の大多数とは明らかに違う反骨・反体制の思想を持ち続ける彼は時代遅れではありますが、いまだに危険な人物である。「なんだこいつは!」と笑う前に何故他と違うかを考えるのもいい。

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 3本もの長いドキュメンタリーを見終わってから、ふと、この映画の予告編を見ていたときのことを思い出しました。その予告編では若かりし頃のPANTAとTOSHIの2人が『銃をとれ』を激しく演奏しているモノクロ映像を映し出しているのですが、「僕らが見たかったのはこっちなんだよなあ…」と制作者とPANTAの意図は理解しつつも、正直思ってしまいました。

 仕方ないからDVDを片付けて、CDプレーヤーで『頭脳警察1』を聴こうかなあ。メジャー・デビューにライブ盤を持ってくるというセンスは素晴らしいですし、時代の熱さを捕らえるにはライブが一番だと判断したのは正解でした。ただしこのファースト及びセカンドは不幸にも二枚とも発禁処分になってしまい、少ないながらも流通したこの二枚のアルバムの値段は暴騰し、10万円以上もしていました。

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 数年前にCD化されたときには狂喜し、『頭脳警察 1』と『頭脳警察 2』をすぐに買い込みました。音楽も映画もそうなのですが、古いものを新しい音楽ファンや映画ファンが見たり聴いたりするときに「昔のって音がスカスカ!」だとか「ストーリー展開が読めるし、特撮がチャッちい!」とか言う者がいます。何も分かっていない者には何も言いませんが、歴史というのは過去から未来に向かっていくものなので、その逆はないことを理解すべきでしょう。

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 そういえば、元・スターリンの遠藤ミチロウとTOSHIが組んだバンド、ノータリンズのライブも収録されていて、彼らはアコギとドラムだけというシンプルな構成で、スターリンの初期ナンバー『先天労働者』を演奏していました。スターリンのギタリストだった作曲者のタムは行方不明のままですが、エンド・クレジットにこのナンバーの作曲者としてクレジットされていたのが嬉しかった。

 遠藤ミチロウも30年選手になろうとしています。てゆうか、もうなっているのかもしれませんが、『TRASH』が出てからでも結構な歳月が流れていますし、タムが失踪してから25年が経とうとしています。この業界で何十年も存在を忘れられないで、活動し続けるのは大変な苦労があると思います。

 最近はアコギでライブをやることも増えているようですが、彼らの演奏を見ていると、多くの経験を積んだ者のみが持つ余裕を音や歌に感じることでしょう。

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 ついでに『みんなでうたおうスターリン』のソノシートも一緒に聴こう。レコード・プレーヤーも準備しよう。CDもいいですけど、レコードの持つ暖かみは捨てがたい。


総合評価 70点




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