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zoom RSS 『美味しんぼ』(1996)人気コミックの映画化、三國と佐藤の親子共演も話題でした。

<<   作成日時 : 2010/09/29 22:02   >>

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 20数年前まで遡る学生時代が今となっては夢のまた夢のようにも思えるバブル全盛期とかなり重なっていたためか、80年代後半は分不相応に、生意気にも割烹や小料理屋、そしてイタリアンに足繁く通っていました。

 しかし卒業して社会人になる前にはバブルが急に弾け飛んでしまい、最初の数年はまだ景気の良かった時代の余韻が残っていたものの、山一の倒産以降は会社の接待等がどんどん減り続け、世紀末になるころにはこういう場所への出入りもなくなって行きました。

 しかし「三つ子の魂百まで。」のことわざの通り、四十を過ぎるとこってりとした肉料理や中華料理などよりも、四季折々の素材で楽しませてくれる和食が恋しくなって来ております。実際、肉や揚げ物自体を身体が受け付けなくなったというか、欲しがらなくなってきました。油物を欲しくなくなり、あまり食べなくなった割りにはお腹の方には脂肪がつきまくり、毎年の健康診断を恐れるようになってきております。

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 そういうこともあり、和食の良さを再認識してからはお皿の選択、素材の選択、調理法の選択、盛り付けの選択などの五感で楽しむスタイルを研究し、知り尽くした上で食べ物の良さ、食べる意義を引き出してくれる和食、それに加えて、身体にも良いことが言われだしている和食の素晴らしさをあらためて感謝しながら食べています。

 まあそうはいっても毎日割烹やら小料理屋で晩御飯を頂いていれば、すぐにお金がなくなってしまうのがサラリーマンの悲しさでもありますので、せめて季節毎にでも来たいものです。

 先付け、造り、椀物、八寸、揚げ物、煮物、御飯物、汁物などさまざまな料理が次々に出てくる会席スタイルは贅沢でもありますが、せっかく普段は朝から晩まで働いているのですから、これ位の楽しみはあっても良いでしょう。野菜の美味しさを分かりだしたのは歳を重ねたからなのかどうかは分かりませんが、かつては見向きもしなかったような野菜や魚がどんどん好きになってきています。

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 さて『美味しんぼ』ですが、この映画の原作となるコミックスは1983年からスタートし、現在まで連載が続いている長寿漫画でもあります。今では105巻までコミックスが出版されています。当時はこの漫画に影響されて、食べ物にいちいち蘊蓄を垂れるヤツもいて、受け売りの知識に閉口したことが何度かありました。「まったりとした〜」という言葉はこの漫画以降に一般化したのではないでしょうか。

 わかっているのか、いないのか、ごちゃごちゃ言わなくても、お店の方に「これ美味しいですね。」「これはどういう風に調理されているのですか?」と伝えれば、割烹でもイタリアンでもソースやら出汁やら色々教えてもらえるのになあと思いながら、受け売りの人の話を聞き流していました。

 やたらとあそこのお店が美味しいとか器が良いとか言う人もいましたが、本当に分かった上での知識なのかそうでないのかはいくつか質問すればすぐにバレるので、余計なことは言わぬに限ります。ただ「お皿が綺麗ですね。これはどういうものなのですか?」と素直に聞けば、聞き学問ではありますが、基礎から教えてもらえます。

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 魚料理の献立が出てきて、書いてある魚偏の文字の読み方が分からないのに適当にマグロだのハモだの言っていると、出てきた時に恥をかくことになります。旬の食材についても同じことが言えますので、自信がなければ、お店の人に聞いたほうが無難でしょう。

 話が脱線しましたが、この漫画自体に罪があるわけではなく、聞きかじりをすぐに他人に言ってしまう者に見識がないだけです。それはともあれ、こうした人気のあるコミックスを映画化するのはかなり難しい。

 思い入れの深いマニアから見たこともないビギナーまでを納得させるのは至難の技であり、ご多分にもれず、この作品もどちらからも支持されない駄作として、世に出ることになってしまいました。

 雄山と山岡の関係を三國連太郎と佐藤浩市の親子関係に照らし合わせるというアイデア自体は悪くはないでしょうが、作品の質を決めてしまう肝心の脚本が酷すぎて、すべてのシーンが中途半端になり、訳が分からなくなってしまいました。また三國のルックスは猛々しく迫力のある雄山というよりも、彼のモデルになっているのが明らかな北大路魯山人に似ているような気がして、どうもしっくりきませんでした。

 三國がどうも好々爺に見えてしまい、雄山の師である唐山陶人役で出した方が良かったのではないかと思いました。では誰が雄山に相応しかったのだろうかと言えば、かなり難しいのですが、三國ではないと言えそうです。

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 内容も意味不明なシーンが多い。煮豆を自転車に載せて売りさばく下りは特に酷い。平成の世に豆を売ってまわるという行為自体が成立していません。また互いに憎しみ抜いている親子関係なのに(特に山岡と栗田が結婚する前なのでなおさら。)雄山が自転車で売り歩く山岡を見守るシーンなどは論外でしょう。

 コミックスの断片をつなぎ合わせて製作したのでしょうが、エピソードを無意味に垂れ流すよりは鯨肉の食文化や日本酒の欺瞞や米問題、そしてファーストフードへの警告など、食への問題提起など本来原作がテーマにしている根っこの部分にスポットを当てるべきだったのではないでしょうか。

総合評価 40点


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