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zoom RSS 『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』(2005)ついに30年に渡る旅が終わってしまった。

<<   作成日時 : 2010/08/09 23:06   >>

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 2005年夏、とうとうこの日が来たという感慨に浸ったのがシリーズ第3作目(プリークウェル第3弾って、言ったほうが良いのかなあ…)の『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』の公開初日でした。

 アナキン(ヘイデン・クリステンセン)がグレて、師匠でもある兄弟子に左手と両足首を詰められて、銀河帝国組という銀河最大の極道の幹部になってしまうだけではなく、みんなを約30年もの長い間に渡り、アメリカだけではなく、多くの国で大いに楽しませてくれた、世界的な人気を誇るスター・ウォーズの葬式でもあります。

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 一方ではダース・ベイダーの誕生という意味もありますが、ほとんどのファンは気にも止めなかったのではないだろうか。悲しみの多い内容も影響しているかもしれません。

 アナキンを始め、パドメ(ナタリー・ポートマン)、オビ=ワン(ユアン・マクレガー)、ヨーダ(フランク・オズ)、ドゥークー伯爵(クリストファー・リー)、そして運命の双子であるルークとレイアなど主要な登場人物のほぼすべてに不幸と隠遁の日々が訪れるのがこの映画なのです。笑ってエンドロールを迎えるのはパルパティン皇帝しかいない。

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 最後を飾るのがベイダーの呼吸音と銀河に響くパルパティンのツーショットというのはあまりにも寂しい。そのためか、この後にオルデラーンのベイル・オーガナに預けられるレイアとタトゥイーンのオーウェン・ラーズとルー・ラーズ夫妻に預けられるルークの様子を二重太陽とエピソード4のこの太陽群をルークが見上げるシーンでも使用されるジョン・ウィリアムスの音楽繋ぎでメイン・テーマに結ばれて、プリークウェルは閉じられる。

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 アナキンはなぜあそこまで単純に、しかも簡単に暗黒面に堕ちてしまうのだろう。疑うことが暗黒面に堕ちるきっかけになるのはだいぶんと前からマスター・ヨーダに聞かされてはいましたが、修行を積んでいないルークでも大丈夫だったさまざまな誘惑になぜ常にオビ=ワン師匠と行動を共にしていたアナキンが引っかかってしまうのだろうか。

 2時間ちょっとで語り尽くすのは難しいのでしょうが、旧3部作を見ていないほとんどの観客は何故彼が暗黒面に堕ちねばならなかったのか理解できなかったのではないだろうか。現役の活きの良いジェダイ同士の一騎打ちというのはダース・モールとの闘い以来であり、しかも師弟対決という要素もあり、その速さは尋常ではなく、憎しみもそれまでの対決ではない感情の動きが見られる。

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 ヘイデンが暗黒面に嵌っていくごとに徐々に衣装は黒尽くめになっていき、表情を捉えるカメラもハーフ・シャドウにしたり、フードに隠れて表情が解らないようにしていっているのは考えた上での演出でしょう。見えにくい、解りにくいというシスの特徴を表すのに必要だったのでしょう。

 照明も意味深で、最初の方はまだ明るさもあったが、どんどん暗くなっていき、最後のほうは夜のシーンと殺風景な火山星であるムスタファーでの灼熱の中での闘いで物語のクライマックスを迎えるのはファンとしては哀しすぎる展開ではあります。

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 毎回楽しかったパドメの衣装替えも今回は地味で暗い色ばかりで、彼女の感情そのものを表しているようでもありました。三部作におけるナタリー・ポートマンの存在感は絶大で、彼女なしでは共和国時代という華やかさは出せなかったのは間違いない。

 彼女が美しいうちにすべてを撮り終えてしまいたかったために、ジェイク・ロイドの成長を待たずにヘイデン・クリステンセンを起用したように見えた三部作ですが、ジェイクがイケメンになるとは言い切れなかったので、ヘイデンの起用は仕方ないのも事実である。

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 アナキン以外にも悪役で出色の出来だったのはグリーヴァス将軍でしょう。このグリーヴァス将軍がドロイドのくせに喘息気味で、ゴホゴホいいながら、ジェダイに立ち向かっていく姿は哀愁漂う魅力的な登場人物としてエピソード2を彩る。オビ=ワンとの対決シーンは素晴らしい出来栄えで、4本の手にライト・セーバーを持ち、そのうちの二本をブンブン振り回しながら、相手の打ち込みを防ぐ剣術は彼にしか出来ない。

 アニメ版『クローン・ウォーズ』を見ると、グリーヴァス将軍がこういう姿になるまでの変遷を見ることも出来るので、興味のある方は見てください。評価もされていないし、見てもいない方も多いでしょうが、『イウォーク・アドヴェンチャー』ですら見たという方であれば、マスト・アイテムとなることでしょう。

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 ぼくはまたオビ=ワンとグリーヴァス将軍との一騎打ちを見たときに、大昔の特撮映画である『シンドバッド 黄金の航海』を思い出し、ニヤニヤしながら観ていました。明らかにスタッフはこの映画へのオマージュ、というよりはレイ・ハリーハウゼンへの尊敬の念を持っているのが、このグリーヴァスの戦い方を見ただけで理解できる。

 『ジュラシック・パーク』や『スター・ウォーズ』が子どもたちに将来の夢と進路を与えたように、ルーカスらの世代には『キング・コング』や『シンドバッド 黄金の航海』はオリジナルそのものであった。特殊技術だけではなく、ファンタジーをどう具体化するかという示唆を数多く与えている。

 
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 このエピソード3の敵側キャラでは彼が一番素晴らしいし、もっとも強く印象に残る。そのほかではチュー・バッカがチョロチョロ出てくるのもいかにも楽しい。ヨーダとウーキーは仲が良かったのですから、ぜひともエピソード5か6で再会を楽しんで欲しかった。

 マスター・ヨーダは前回のドゥークーとの対決に続き、今回もクローン・トルーパーやパルパティン皇帝と闘います。皇帝との議場での一騎打ちは残念ながら、またも引き分けに終わり、以降のヨーダはダゴバでの隠遁生活に入ってしまい、二度とコルサントへ戻ることはありませんでした。

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 マスター・ヨーダの前に、パルパティンを逮捕しに行ったメイス・ウィンドウが彼と一騎打ちします。さすがにジェダイの大幹部である彼はパルパティンと互角に渡り合い、あと一歩のところまで追い詰めますが、アナキンがチャチャを入れ、それに気を取られた隙にパルパティンにしてやられてしまい、その命を落としてしまう。

 ここでもアナキンは後悔の念にさいなまれるが、こいつはいったい真実に気づくまでに何人の人命を犠牲にするのだろうか。ハムレットのような悩み方をするが、やることはメフィストフェレスよりも過酷で、容赦がない。ガラスのハートを持つ危険な武闘派ジェダイが彼なのだろうか。

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 ほんの少しの慰めは与えられるが、ファンはこれが『スター・ウォーズ』に繋がると思って、この寂しい結末に耐えるしかない。アナキンとパドメの子どもたちが善の象徴として描かれるのに対し、アナキンがかつての美青年の姿と愛する人を失い、悲しみの底に落ちた後、悪の権化であるダース・ベイダーに変化する様子を見るのはファンとしては忍びない。

 ムスタファーでのオビ=ワンとの死闘は三部作最後のライト・セーバーでの闘いとなります。そしてこれがもっとも憎悪に満ちた闘いでもあります。アナキンが最後の理性と愛情をついに見失い、パドメにさえも暗黒面のフォースをぶつけ、首を絞めるというDVを犯してしまいます。

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 わがままで自尊心が異常に強く、しかも誰にも追いつけないような実力を持つ亭主を持ったパドメはかなり不幸な奥さんだったようで、せっかく身ごもっているのに正当ではない異常なまでの愛情、もはや妄執をぶつけられるため、結局は自ら死を選ぶという哀しい最後を迎えます。

 この映画はあまりにも死が多すぎます。いくらこういう結果になるのが分かっているにしても、古くからのファンにはやはり受け止められない。何を子どもみたいなことを言っているのだという意見もあるでしょうが、それぞれのキャラに愛着を持っているので、その死や不幸を目の当りにするのはつらい。

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 新三部作の中ではもっとも出来が良いのはこの作品であり、悲劇だからこそ、よりドラマチックな展開が求められるのは承知しております。哀しい最後を見たくはないが、ここを甘くしてしまうとその後の展開にまったく締りがなくなってしまうのは分かりますので、これも受け入れなくてはならないのでしょう。

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 ストーリー展開はさておき、この映画を持って、ぼくらの映画、スター・ウォーズは完結し、後に残るのは残骸としか思えないエピソード7〜9のみになりました。さすがに残りを映画化することはないでしょうが、『クローン大戦』に味を占めた輩によるアニメ化はありそうです。

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 しかし何回見てもこの映画のエピローグに出てくるアナキンの変わり果てた姿であるダース・ベイダーを見るのは心苦しい。また20年後に初めて会うルークやレイアを見ても、何も感じないほどに感情を失くしてしまっているのはすべてを知っているファンには辛い対面かもしれません。

 エピソード4からこのスター・ウォーズと付き合ってきたファンはやはりエピソード4〜6を見て、それからエピソード1〜3という公開順に見て行くほうがショックが少ないのかもしれません。だって、エピソード1〜6の順番で見るなんて、哀しくてやり切れません。

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 先ほども触れましたとおり、もしかするとアニメ版ならば、エピソード7〜9を製作しかねないのでしょうか。6本で終わりではなく、本当に9本作るのでしょうか。

 TO BE CONTINUED なんてことになったら、ぼくは不安です。


総合評価 88点


スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐
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2005-07-09

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◎スター・ウォーズエピソード3「シスの復讐」
ドゥーク伯爵の攻撃を受け共和国がピンチに。グリーバス将軍が、パルパティーン最高議長を誘拐し、分離主義者は首都脱出。二人のジェダイが決死の作戦をすることに。アナキンとオビ... ...続きを見る
ぺろぺろキャンディー
2011/08/27 00:02

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
とうとう完結編まできましたか!おめでとうございます。記事アップした時には「ヨッシャ〜!!」って思わずPCに向かってガッツポーズだったんでは?(笑)
ずっと見ていて、ルークは父性愛を描き、アナキンは母性愛を描いた。そう思う。闘い乗越えるべき父性をテーマにした旧作ではルークの成長が描かれていたけれど、そして、そして最後は父と息子の絆には泣かされた!!
アナキンは母性愛だったんだよね。彼の中には父性は存在しなかった。そこがルークとアナキンの決定的な違いだし、アナキンの悲劇だったと思うの。アナキンが母親と別れるシーンとか、母を死なせてしまった痛恨を思うと涙がでそう。パドメもアナキンにとっては母性の象徴だったんでしょうね。戦うべき相手としての父性愛と包み込んでくれる母性愛。新作と旧作それぞれのテーマでもあると思うわ。
シュエット
2010/08/11 09:42
そうそう、旧作でアナキンことダースベイダーがルークに向かって「I’m your father」っていうでしょう。新作で溶岩の真っ只中での決闘シーンでオビワンがアナキンに「You are my brother」って言うんだよね。字幕では「弟と思っていた」ってあったと思う。新作と旧作でこんなところでも繋がるセリフがある。こんなシーンでも絆を描いているんだなってつくづく思う。
私はこのシーンが観たくって劇場まで3回も足運んだんだわ(ったくね!笑)
シュエット
2010/08/11 09:49
こんばんは。

とうとう終わりですね。

私も当然みましたが、これ、1度しか鑑賞していません。
複雑な想いがする作品です。

まず、仰るとおり、暗いですよね。終盤に向かへば向かうほど。そして、やはり、ダークサイドに陥るのにむりがあると感じます。最後、ダースベイダーの誕生となる、これがある意味、この新3部作のメインテーマですが、わかっているものの、急ですよね〜。

でも、これであの見慣れた3部作へ続くとおもうと、やはり貴重な作品ですね。

ただ、やはり、複雑な想いがする作品です・・・・。

でも、これである意味はじまりなんですよね。
そう想わないと、私にはあまりに、単純には楽しめない、この作品はある意味、重すぎるんです・・・・。


では、また。
イエローストーン
2010/08/11 18:51
 シュエットさん、こんばんは!
とうとうここまで来ました!長い道のりでしたが、エピソード3の公開が終わってから5年経ち、やっと落ち着いた気分になってきたので書けたのかも知れません。

 プリークウェル3部作は常に複雑な感情を持ちながらの劇場鑑賞であったため、正直きちんと楽しめているかどうか、自分でもよく分からない状態ではありましたが、今回の記事をアップするに当たり、公開順に二度ずつ見直しました。

 結果、エピソード1の記事でも書いたのですが、傑作ではないにしろ、続編のない世界よりも、続編のある世界を大事にしたいという気持ちに変わり、総括としてすべてを記事にしていきました。

>新作と旧作それぞれのテーマ
 その通りですね。父性と母性を扱うとこういう結末にならざるを得ないのかもしれません。アナキンとパドメの悲劇的すぎる結末はすべてを見てきたファンにはつらすぎます。

 ただのSF映画ではない、スターウォーズだからこそ語ってしまうのがファンの性でしょうか。

 ではまた!May The Force Be With You!
用心棒
2010/08/11 20:08
 イエローストーンさん、こんばんは!

>複雑な想いがする

そうなんですよ。冷静に見ていくと、間違いなくこれは続編の三部作の中ではもっとも優秀な出来を誇るのですが、ファンとしてはやりきれない作品なんですよね。

悲劇にしかなりえないという結末がすでに分かっていて、どういうふうに不幸のどん底に陥るのかを確認するだけの作品でもある訳です。

誰もアナキンの心が死んでいくのを止められないし、主要キャラクターの不幸や死に様を見ているだけしか出来ません。

大好きなスター・ウォーズの劇場版の結末がこんなに悲しくていいのだろうか、これが初めてのスター・ウォーズだというファンはこの結末を見て、エピソード4以降に進めるのだろうか。

色んなことを考えながら、憂鬱な思いで劇場を数回後にしたのを覚えています。記事にするまでに5年掛かりましたが、とりあえずは書き終えて、ホッとした気持ちではあります。

 ではまた!

May The Force Be With You!
用心棒
2010/08/11 20:16
エピソード4〜5のプロデューサーだったゲーリー・カーツによれば、元々はエピソード9でルークが皇帝を倒す予定だったそうです。
エピソード6でアナキンが皇帝を倒したので、もはやエピソード7以降が作られることはないでしょう。
名無し
2011/11/06 07:22
 こんばんは!
>エピソード9
オリジナルではソロ船長とレイアとの間に生まれた息子のアナキン(!)が暗黒面に落ち、彼を救うためにルークが戦うという筋書きだったように記憶していますが、エピソード9でルークがパルパティンを倒す計画だったということですね。

エピソード6で皇帝が倒れた後には主たる敵はいなくなり、スローン大提督くらいしかいないので、続編は難しいだろうなあと思っています。

まあ、実際にエピソード1を観た時にはルーカスも老いたのかなあという認めたくない思いがありましたので、もうこのシリーズの復活は望んでいません。

30年以上の長きに渡り、ぼくらを楽しませてくれた偉大なシリーズでした。

ではまた!
用心棒
2011/11/06 19:28

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『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』(2005)ついに30年に渡る旅が終わってしまった。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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