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zoom RSS 『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)不思議の国のアリスの3D版だと思っていたら…。

<<   作成日時 : 2010/04/22 22:41   >>

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 最近というか、今月は映画館に行こうとすると、なぜかいつも激しく雨が降ってくる。ここ数年は気候の巡りもおかしく、今年に関しても、なんだか春を飛び越えて、梅雨のシーズンに入ったみたいです。

 今日は有給が取れたので、必要以上に評価されている『アバター』以来、二本目の3D映画となる『アリス・イン・ワンダーランド』を見に行くことになりました。向かう途中で、すでに雨は本降りになってきたので、おそらく今日はガラガラなのかなあ。

 のんびり観たい気分なので、それはそれでありがたい。変なヤツやバカな学生の団体が来ないことを祈りつつ、座席指定をするため、券の売り場に並ぼうと劇場に入っていくと、残念ながら、イヤな予感は的中し、中学生や高校生らしきガキどもが大量発生していました。

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 騒がないことを祈ります。すべてがそうかは分かりませんが、ワーナー・マイカル直営館の特徴は席の作り方が他の設備よりも傾斜が急で、前の観客のアタマが邪魔にならないことが第一に挙げられる。たまに緩い傾斜の小屋がありますが、前に馬鹿でかいヤツが来ると何も見えないときがあり、イライラさせられるが、お金を払ってイヤな思いをしたくない。

 空気清浄システムも最近はウリのひとつのようです。臭い中で観るのは確かに苦痛で、もう閉館となりましたが、近所にあった大映系の映画館は一番後ろの席に座ると、トイレのラベンダー系の芳香剤がキツく臭ってくるという最悪の環境に陥りました。

 まあ、いつも映画が始まる前はそんなこんなのつまらないことをぼおーっとしながら考えています。さあ、アリスのことを考えてみよう。僕らが思い出すアリスはディズニーアニメ映画の名作である『不思議の国のアリス』であり、懐かしさでしょう。

 なぜこれが第一番目の名作からのディズニー3Dに選ばれたのだろうか。たしかに『白雪姫』で林檎をアップで迫らせても無意味でしょうし、『ダンボ』が飛んできても困るからでしょうし、『ピノキオ』で鼻が伸びてきたら、観客の失笑にさらされるであろう。消去法で残ったのが『不思議の国のアリス』なのでしょう。

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 座席について、目をつむり、始まるのを待っていましたが、ざわざわはどんどん大きくなってきたので目を開けると、なんと二百人収容のスクリーンの七割強が埋まっているではありませんか。しかも僕の両隣も埋まっているので驚きました。平日の雨、学生たちは休みではないだろうに、何故にお昼からこんな状態なのだろうか。

 まあいいや。さあ、始まりました。3Dも二回目となると、前回の新鮮な驚きはすでに無くなっています。驚かなくなっている自分にむしろ驚かされます。順応なのか、刺激にすぐに鈍感になってしまうせいなのかは分かりません。

 提供する劇場にとってみれば、すぐに慣れてしまう観客に新鮮な驚きを常に与えるのは不可能であろう。隣の人は3Dを初めて観たようで、何度もピクッと反応していたので、さぞ楽しめたのではないでしょうか。これからは何でもかんでも3D化するのではなく、効果の必要性という、至極当然の感覚を持って、製作に当たらなければ、すぐに飽きられるでしょう。

 それを防ぐにはあのメガネを掛けずに立体で鑑賞できる環境の構築しかないでしょう。『アバター』に比べると、こちらの利点は多くの人が話の筋を知っていて、チェシャ猫やトランプの兵隊などのキャラクターに親しみを持っていることです。ぼくもチェシャ猫やトランプの兵隊が好きなので、作品世界を楽しめました。ただトランプの兵隊の幅が太すぎて、本来のスライスのような薄さが無いのが難点でした。

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 それとは対照的にチェシャ猫は3D効果による新たな表現の幅を与えられて、水を得た魚のようにしなやかにスクリーンを行き交っていました。赤の女王を演じたヘレナ・ボナム=カーターと白の女王を演じたアン・ハサウェイのインパクトもありました。特殊効果バリバリの赤はもちろん目立っていましたが、アン・ハサウェイ演じる白の女王の微笑みほうがむしろ残酷に映りました。

 最後のジャバウォッキー(ドラゴン)との戦いはなんか神話的でした。というかアリスが鎧を纏い、伝説の剣を手にして、ドラゴンと戦うというのは『不思議の国のアリス』を幼少に見て、ビデオ化されたときもすぐに見た者としてはなんだか心に引っかかりを感じました。

 ティム・バートンが監督を務めているので、不思議の国は彼独特のグロテスクな世界観が発揮されてはいましたが、どうも肝心のCGの出来がイマイチに見えました。これならば、別に3D効果を使ってやるまでもないなあという感じです。『アバター』を観に行ったときの劇場での予告編では『アリス・イン・ワンダーランド』が掛けられ、結構『アバター』よりも良い感じに仕上がっているようにも思えましたが、いざ全編を通して見ていくと、大したことないとまでは言いませんが、普通だなあという程度でした。

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 何よりもまずかったのはあれだけ有名で強烈なキャラクターがひしめいている筈の不思議の世界なのに、ほとんどのキャラが目立った活躍を与えられていないし、画面の中で埋没してしまっていることでした。主役であるアリス役のミア・ワシコウスカは駄目な女優とは思いませんでしたが、普通な感じでしたし、狂言回しとしての活躍を期待されていたであろうジョニー・デップが演じるマッドハッターが活き活きしていないのです。

 『チャーリーとチョコレート工場』のときのウォンカ(?)とあまり違いが無く、新鮮味に欠けましたし、登場の意義自体を見出せませんでした。無理やりにジョニー・デップに役を回すために、原作ではほとんど光が当たらないキャラクターであるマッドハンターを利用した程度にしか思えませんでした。

 アン・ハサウェイとヘレナ・ボナム=カーター、そしてチェシャ猫、三歩下がってミア・ワシコウスカ、彼らを後から追いかけるジョニー・デップというのが印象に残る順番でしょうか。アンのほうが誰よりも浮世離れしていて、目が笑っていない彼女の微笑みに隠されていそうな苛烈な腹黒さに気づいてしまいました。彼女って、結構怖い女なのでしょうか。ちなみに日本語版では彼女の声は深田恭子がアフレコをしています。『下妻物語』を思い出しましたが、なんかピッタリな感じです。

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 他の出演者としてはハリー・ポッター・シリーズでスネイプ先生役のアラン・リックマンが青い芋虫の声優を務めていました。音楽ではアヴリル・ラヴィーンがエンディングで、タイトルずばりの『アリス』で参加しています。彼女って、日本嫌いだと聞いていますが、どうなんでしょうね。ついでにアリス・クーパーなんかも起用して、歌わせたりすればマニアックな笑いは取れたかもしれませんが、ディズニーには合わなそうです。でもティム・バートンの世界にはマッチしそうです。

総合評価 65点


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タイトル (本文) ブログ名/日時
「アリス・イン・ワンダーランド」
ALICE IN WONDERLAND 2010年/アメリカ/109分/ G at:梅田ブルグ監督: ティム・バートン 原作: ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』/『鏡の国のアリス』 脚本: リンダ・ウールヴァートン 撮影: ダリウス・ウォルスキー 音楽: ダニー・エルフマン シニア視覚効果監修: ケン・ラルストン 出演: ミア・ワシコウスカ/ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アン・ハサウェイ/クリスピン・グローヴァー驚愕の映像とやたらめったら過熱なほど... ...続きを見る
寄り道カフェ
2010/04/30 11:00
映画「アリス・イン・ワンダーランド」甘くないワンダーランドにアリスが再び転がり落ちた
「アリス・イン・ワンダーランド」★★★★ ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ主演 ティム・バートン 監督、109分、 2010年4月17日公開、2009,アメリカ,ディズニー (原題:Alice in Wonderland ) ...続きを見る
soramove
2010/04/30 22:18
ホントの意味でのガールズ・ムービー―「アリス・イン・ワンダーランド」
ティム・バートン監督という人は、その特異なビジュアリストっぷりで有名になった、“オタク監督”の始祖である(笑)。特に彼の熱心なファンではない私だが、大ヒット作「ビートルジュース」、こちらに記事を書いた「マーズ・アタック!」は非常に気に入っている。オタならではの自虐的ひねくれ視点といい、マジョリティに真っ向から反発するごとくのマイノリティ&フリークス礼賛といい、世界中の根暗なgeekたちに希望を与える映画を撮り続けてきた。 ...続きを見る
新・豆酢館
2010/05/05 21:01
不思議なアリス
ジョニー・デップの声を楽しみに、字幕版で鑑賞したんですけど…期待したほどではなかった┐(´-`)┌ 何でもかんでも3Dの昨今ですが、面白かったのは、『劇場版トリック2』の宣伝ポスターに、あえて書かれた「2D」にはウケましたよ!さすがの堤ワールド♪期待して観ましたよ〜、 ...続きを見る
美容師は見た…
2010/05/10 16:54
「アリス・イン・ワンダーランド」感想
 1865年の出版以来、全世界で愛され続けるルイス・キャロル原作のベストセラー児童文学「不思議の国のアリス」。その後日談を、「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工... ...続きを見る
狂人ブログ 〜旅立ち〜
2010/05/10 18:06
「アリス・イン・ワンダーランド」ああ、こりゃ楽しい〜!
[アリス・イン・ワンダーランド] ブログ村キーワード  “ジョニー・デップ&ティム・バ−トン 7度目のコラボ!”「アリス・イン・ワンダーランド」(ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ・ジャパン)。「不思議の国のアリス」の映画化ではなく、正確にはその後日談をオリジナル・ストーリーで映画化。相変わらずの“ティム・バートン ワールド”全開の映像世界に、吾輩もうクルンクル〜ンでございましたわ。 ...続きを見る
シネマ親父の“日々是妄言”
2010/05/11 00:38

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
記事上げられたんですね。
これは結構に酷評されているみたいですね。原作のシュールさを求めればそうでもないみたいで。私はその辺りは期待せず、キャラクターを楽しもうかと…でも用心棒さんの見た限りだと、そこも心して見にいきましょう。吹き替え版で観られたんですか? 吹き替えってどうも白けてしまうんで私は字幕で観る予定。唯一あえて吹き替えで観たのは「シュレック」だけ。これは浜ちゃんの大阪弁のシュレックしかないでしょう(笑)。さてさて私の感想はいかに! 観たらまたTB(書けなかったりして…笑)もってお邪魔しますね!
シュエット
2010/04/25 16:25
 こんばんは!
>酷評
けっこう叩かれているようです。あまりCGとかは重視していないのですが、残念なのはそのCgで、画面合成があまり上手く行っていなくて、なんというか平坦でして、画面の上に画が乗っている感じなんです。双子は特に酷かった印象があります。人とCGの遠近感というか影と奥行きが合っていない様な気もしました。

そういう意味では残念でしたが、家族で観にいくぶんには十分に楽しいかもしれません。

>吹き替え
字幕版の第一回目が夜7時前からの回しかなく、泣く泣く普段観ない吹き替えとなりました。

記事を楽しみにしています!ではまた!
用心棒
2010/04/26 02:19
映像の方はまだ観ていないのでなんともいえないけど、「アバター」もなんだか飛び出し絵本みたいで…数年経てば3D映像もずいぶん進化すると思うけど果たして3Dまでいくと、今までの映画の概念とか、映画似何を求めるかといったところでは違う方向に行くみたいな…
日経新聞の土曜版で、映画でもTVでも3D映像を観るときは真中央で観ること。それから視覚的に3D映像+字幕の情報を一度に把握するのは無理があるので吹き替えの方がベターだって。といわれてもネェ。
シュエット
2010/04/27 09:31
 こんばんは!
>吹き替えの方
『アバター』を観たときに思ったんですが、あれってナビ語にはすべて字幕が付いているので、おそらく吹き替え(観に行った知人は吹き替え版だったけど、字幕が付いていたんで無意味だと言っていました。)だろうが字幕版だろうが、普通に字幕を追わなければいけないのは一緒なので、どっちでもいいんじゃないでしょうか。

3Dにつきましてはあと5〜6年は放っていてもいいんじゃないでしょうか。TV放送で、実験的に3D放送を始める局はあるでしょうが、それがスタンダードになるとは思えませんし、ブルーレイの3D版を観るためだけにモニターと3Dレコーダーを買いなおすのは勿体ないですし、ぼくは模様眺めをしますよ(笑)

この前の『タイタンの戦い』は普通に3Dではないのを観ましたよ!ではまた!
用心棒
2010/04/27 18:38
観てきたよ〜♪
私は楽しめたわ。内容的にはさほどのものではないけれど、3D映像の特性を生かした作品として「アバター」よりも本作の方が、これが3D映像だって思える仕上がり。なんといってもティム・バートンの3Dでこんな風な映像にしたいっていうそんな遊び心がある作品だと思うわ。
<キャメロンは真面目すぎる。>
アリスの肩にのった蝶がひらひらと飛んでまるですくりーんから飛び出して空中を舞っているような…3Dは疲れるけど、中盤からティム・バートンの映像世界を楽しませてもらったわ。
しかし3D映像って疲れますねぇ。

動く映像からストーリーがついて、音楽がついて、音がついて、特撮が生まれ、CGが生まれ…
映画に何を求めるのか?社会の技術の進化と共に歩む映画っていつもこの命題を背負ってこれから先も歩いていくんでしょうね。
>『タイタンの戦い』は普通に3Dではないのを観ましたよ!
私、アリスを普通の映像で一度観てみようかと思っている。
シュエット
2010/04/30 11:00
 おおっ!さすが素早いですね(笑)
3D映画って、御伽噺にはピッタリの装置かもしれませんね。『ジュラシック・パーク』を観たとき、CGの凄みに驚かされましたが、それ以来の楽しさでした。

 >普通の映像
アリスならば、十分に楽しめるでしょうね。タイタンももともと3Dではない通常の映画として製作されていたのを無理やり3Dにしたわけですから、違和感なく観れるのも当たり前だったのかもしれません。

地元に劇場が無くなり、あちこちに移動せねばならないのは面倒ですが、積極的に足を運ぶつもりですよ!

ではまた!
用心棒
2010/04/30 17:49
アリスをけなすのがブログ界でも流行ってるとか(笑)?皆さん辛い点数ですね。

私はことさらバートンに思い入れがないので、ごくごく普通に楽しめましたよ。一生懸命記事を書こうという気にはなりませんでしたが(大笑)。3Dだろうが2Dだろうが、私自身は映画そのものへの評価には一切関係ないと思っているので、その辺もどうでもよろしい。

技術の革新もある程度飽和状態に達した今、やっぱり面白い映画の基本は何か、ということに立ち返る必要があるんだろうなあと考えます。
豆酢
2010/05/06 22:27
 こんばんは。
>面白い映画の基本は何か
一番大事ですね。3D映像がその映画のすべてではありませんし、実際にアリスもタイタンも通常上映で十分に楽しめましたね。最高の映画かといわれれば「否」ですが、けっして叩かれまくるような駄目映画でもありませんでした。

追伸 『タイタンの戦い』にもTBとコメントを入れておきました!

ではまた!
用心棒
2010/05/06 23:45

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『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)不思議の国のアリスの3D版だと思っていたら…。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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