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zoom RSS 『思春の森』(1977)当時から異質の作品ではありましたが、まさか発禁処分にまでなるとは!

<<   作成日時 : 2009/08/02 23:03   >>

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 何十年も映画ファンをしていると、さまざまな映画に出会います。そのすべてが名作であるはずもなく、クズと呼ばれたものも数多い。また当時は普通に放送されていたものであっても、さすがにゴールデン・タイムには不適当な内容の映画もありました。そういったものは深夜枠のテレビ放送で放映されていました。しかしながら、無意味に規制が多い現在では観れなくなったものも数多い。

 さまざまな要因で放映できない映画たち、観る機会を奪われてしまって、なかなか記事に出来ない映画たちが思っている以上にたくさんあるのです。ある映画はわいせつ描写のせいで、またあるものはそのグロテスクさのために、そして、ある映画は残虐な描写のせいで、現在の放送コードに抵触し、たとえ深夜であっても、電波に乗せにくくなっている。

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 一口に映画といっても、映画という括りはかなり幅広い。一本の映画には各々に作られた理由があり、また放送できなくなっている作品それぞれに理由があります。当時は普通の会話にのぼっても大丈夫だったが、今では差別助長と呼ばれてしまい、公開できなくなった映画も数多い。有名な例としては『獣人雪男』『ノストラダムスの大予言』『江戸川乱歩全集 怪奇畸形人間』『九十九本目の生娘』などをあげることができましょう。

 今回に限らず、何度も言っていますが、そういった作品を闇に隠してしまっては、いったい何が問題で、何が差別なのかということを学ぶ機会が永久に失われてしまいます。特撮映画は多くの子どもも見るから無かったことにしてしまう。それが教育だろうか。見せて判断させる、何が差別なのかを伝えていく。それが重要ではないだろうか。

 過激な(?)性描写が問題視されて、販売することはもちろん、観ることすら不可能になってしまった映画もあります。12歳の白人少女の騎上位シーンや性器がアップで映るシーンなどが収録されている『思春の森』などはこの範疇に入るのでしょう。テレビ放送当時はぼかしをかけて、普通にテレビの深夜枠で放送されていましたが、児童ポルノ法などの規制により、いまでは不可能でしょう。

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 暗い、病的な思春期物の映画で、うっそうとした深い森のなかや廃墟で物語が展開されることもあり、その雰囲気はかなりヨーロッパ的なのですが、ロリコンたちのためか、まるで児童ポルノのような扱いを受けてしまい、日本でも一度はDVDで発売されたものの、すぐに回収されてしまい、これの海外版を販売していた者が逮捕されるなどして、今日に至っています。18禁で普通に発売されていても、国際的な圧力がかかると、途端に無茶な対応をしてくるのが官憲なのでしょう。

 出演は未熟な少年にマルタン・ローブ、彼に服従するブラウンの髪の少女がララ・ウェンデル、そして美しいブロンドの少女がエヴァ・イオネスコという3人で、他にはマルタンの連れているシェパード犬が出てくるくらいで、いわば三人芝居を12〜14歳くらいの児童が演じている。しかもその物語は性描写の異常に多い、というか彼らの性行為を平気で撮影している異常な撮影状況なのです。

 また性描写だけではなく、服従させるための行為の異常さも含めて、普通の映画ではないことは間違いありません。蛇を使って、拘束した少女を脅かしたり、弓矢を向けて威嚇したり、性的に自由にならない少女を無理にレイプしようとしたり、と見ていて嫌な気持ちになる映像がやたらと多い。

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 日本版は回収されましたが、ぼかしが入っているので、ポルノとしては特に問題ないとは思いますが、問題なのは出演者が12歳であることで、幼児虐待ではないかということなのでしょう。

 事件とともにクローズアップされ、事件とともに葬り去られていく映画もあります。日本スプラッター・ジャンルの草分け『ギニーピッグ』シリーズなどはまさにこうした部類に入ってきます。事件とは関係なくとも、犯人探しをして、犯人を作り出したいマスコミによって、意図的に消されていく。マスコミによる共食いとも言える言論の自由の侵害。

 残酷な描写という点においてはギニーピッグ・シリーズにも勝るとも劣らない『オール・ナイト・ロング』や『鬼畜大宴会』は普通にレンタル屋さんに並んでいました。日本の規制は性的描写に厳しく、暴力描写には比較的寛大に思えます。またテレビドラマでは不倫や過激なDVなどが描かれたりする。

 ドラマの方が人目に触れることが多いのに、なぜだれも問題視しないのだろうか。日米ともにセンセーショナルな話題をさらうために、普通ではない世界(業界)の話やセクシャルな会話をまるで常識のような顔をしてドラマにして、視聴率争いに恐々としているが、ああいうのはいいのだろうか。

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 『セックス・アンド・ザ・シティ』や『Lの世界』はOKで、そんなに影響力の無いヨーロッパ映画はNGというのは理屈が通らない。テレビ局にはスポンサーという圧力団体(大企業)がついているが、大物ではない映画監督や影響力の少ない映画にはだれも助けがつかない。ごく少数のファンが小さな声を上げても、誰の耳にも届かない。

 規制と自由は未来永劫噛み合うことも無く、常に自由が敗者となり、犠牲となった映画がまた一本ずつ消されていくのでしょう。自由といっても、何をやってもいいとは言えません。ただ何が正しいのかはもはや誰にも分からない。それはどちらの立場に立つかだけなのです。正義とは最大の虚構なのかもしれません。結局、お金を持っているスポンサーの意向によって、すべてが決まるのでしょう。

 内容は深い森での微妙な力関係を軸に描き、未熟さ故に起こるアン・ハッピー・エンドなラスト・シークエンスがあるために、これは単なるポルノにはならないのです。あそこまでの直接的な性描写がなければ、このような憂き目には逢わなかったと思うのですが、監督はセンセーショナルなほうを、つまり確信犯的な映像作りを選択しました。

 まあ、これからも観れないのでしょうね。ロリコンは喜ぶのでしょうが、そうでなければ、おそらく少年の未熟さと独り善がりの感情にうんざりすることでしょう。なんでこんなに暗い情念ばかりを描いたのだろう。それが狙いだといえば、それまででしょうが、監督の悪趣味が画に出ているように見えました。

総合評価 62点


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