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zoom RSS 『DRAGON BALL EVOLUTION』(2008)ジャンプ連載一回目から読んでいたぼくは…。

<<   作成日時 : 2009/07/25 00:18   >>

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 ずいぶんと前に、ジャンプ黄金時代の名作のひとつ、ドラゴン・ボールがハリウッドで実写映画化されると聞き、期待と不安があったことを覚えています。今年になって、CM映像などを見たとき、「こりゃあ、だめそうだ…。」という予想が立ちましたので、劇場には行きませんでした。

 思ったとおり、大量の前宣伝があったにもかかわらず、蓋を開けてみると、公開後も誰の話題にも出てこないうちに、いつのまにか興行も終わっていました。誰も話題にしないということ自体が異常なのです。数十冊もコミックスが続き、連載が終了してからでも、アニメ版のドラゴンボールのDVDボックス・セットが発売されて好評を博し、レンタル屋さんに並ぶと、ずっと貸し出し状態が続いている。

 このような超人気作品で、これほど多くのファンから愛されている『ドラゴン・ボール』なのに、誰も映画化に興味がない状況というのはよほど期待されていない証拠でしょう。ぼくもむしろ実写化するよりは、アニメのダイジェスト版を4部作くらいにして、ヱヴァのように要所要所に新シーンを追加した方が、よほど原作ファンの支持を受けたのではないでしょうか。

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 こういった状況を見るのは『GODZILLA』のハリウッド版以来でした。あのときはぼくも全くハリウッド版には期待していませんでしたし、別物の怪獣映画としてしか認知していません。おそらくDBマニアも同じような心境でいたのかもしれません。

 鳥山明原作のドラゴンボールを最初に見たのは週刊少年ジャンプでの巻頭オープニングカラーを飾った第一話からでした。最初に読んだときは孫悟空をパロディにしたギャグ漫画だと思っていましたが、亀仙人、飲茶、クリリン、ブルマ、チチ、天津飯、べジータ、ピッコロらと出会ううちに、徐々に成長していき、地球を救う救世主として大活躍するほどのキャラクターになっていくという、とても魅力的な漫画でした。

 亀仙人がはじめてかめはめ波を撃ったときの衝撃は忘れられませんし、悟空が大猿に化けたり、フリーザにクリリンを殺された怒りからついに黄金のヒーローであるスーパー・サイヤ人に変身するあたりはとりわけスリリングで、毎週月曜日にジャンプが書店やコンビニに並ぶのを楽しみにしていました。

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 ジャンプ連載時からのファン、フジのTVアニメに魅了されたファンなど幅広く、多くのファンに恵まれたこの原作をもとにどういった映画を製作するのであろうかには興味がありました。小説の映画化とは違い、すでに完璧な画コンテが出来ているのが、漫画から実写映画化するときの強みであるはずなのです。

 それがいったい、この実写映画ときたら、原作ファンのみならず、すべての映画ファンにとっても楽しいとは思えない代物に成り下がってしまっている。3作で100億円近い予算がかけられる予定とのことでしたが、この第一作目の失敗を受けた後では企画消滅も十分にありえるのではないでしょうか。

 可愛かった子ども時代を全く省略し、いきなりの青年時代から始まるだけではなく、安っぽいアメリカ青春ドラマ風に改悪された上、登場人物自体に魅力を感じない。さらに悪いのはどうみても、製作者たちは原作のドラゴンボールをきっちりと読んでいるようには見えないのです。

 舞台の設定がインドなのか、中国なのかよく分かりませんし、出てくる断崖などはアメリカのグランド・キャニオンみたいだし、CGもそれほど素晴らしくもない。カメラの動きの方が速く、アクションがそれに全く付いていけていないのは致命的でした。去年公開された、ジャッキー・チェンとジェット・リーの両リーがはじめて共演した『ドラゴン・キングダム』でのアクションが素晴らしかったので、期待していたのに、この映画でのアクションの稚拙さはどうしようもないレベルの低さだったのです。

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 なんだか最初の感じは『ベスト・キッド』みたいですし、途中の台詞はスターウォーズみたいで、オリジナルと呼べるものはあまり感じませんでした。

 クライマックスとなるべきピッコロとの死闘もなんだか適当に手合わせをして終わってしまうし、すべてが中途半端でした。また何よりもイライラしたのはアメリカ人たちがまったく東洋思想や武術への造詣が浅いことです。これはDBにおいては致命的とも言える。元気玉にしろ、かめはめ波にしろ、東洋的な気の考え方が根底にありますので、気を空気だと理解している時点ですでに何ももはや望めないのは明らかです。

 先ほども述べましたように、CGもそれほど素晴らしい出来栄えではありません。アクションシーンは特にぎこちなく、いったいどこに巨額の制作費をかけたのかが分かりません。こういう状態で公開してしまったのは無謀としか言いようがありません。

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 実際、映画が公開されるとあまりの酷さに観客が呆れ返ったであろうことは容易に推察できます。誰もチェックをしなかったのであろうか。あまりにもお粗末です。こんな調子で第二弾とか第三弾を作るのは止めにして欲しい。DBファンもさすがに次は観に行かないのではないでしょうか。

 見所は悪役を務めた田村英里子とブルマ役のエミー・ロッサムくらいでしょうか。ピッコロは顔色が悪いだけのおじさんでしかない。肝心の孫悟空も適役には見えません。チョウ・ユン・ファの亀仙人ももっとスケベにやって欲しかったですし、このキャスティングのまま、さらにもう二作品作るというのは自殺行為に思えます。

総合評価 39点


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今公開中の「HACHI」は真摯に作られているそうで評判も良いようですよ。だからハリウッドリメイクが全てアカンという事もないのでは?つまりは原作への愛と理解の問題でしょう。
邦画の実写化も成功したケースはあまり聞きません。CGのおかげで若い作り手達が子供時代に見ていたマンガやアニメを実写で撮りたい!という気持ちは良く分かります。が、大人の事情が絡んだりして、結局原作ファンの総スカンを食らったりするんですよね。今秋公開の「カムイ」大丈夫かな?
garagie
2009/08/16 16:22
 またまた、こんばんは。
>原作への愛と理解
おっしゃるとおりで、ここが圧倒的に弱すぎますね。商売をするのであれば、それに相応しい努力を惜しむべきではないのに、どれを見てもやっつけ仕事にしか見えないですね。

>カムイ
 カムイ忍空伝やサスケなどをテレビで見てきた世代ですので、あまり期待はしていません。ヱヴァを観に行ったときに、これと『オール・ライダー対大ショッカー』の予告が流れたのですが、ぼくはまるでライダーとショッカーの運動会のようなノリのライダーの方が観たいなあと思ったほどでした。
 ではまた!
用心棒
2009/08/16 21:13

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